satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第452話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、皆で楽しい?お昼ご飯の時間を過ごしましたとさ!
ステラ「た、楽しい!?」
楽しかったよ?
ということで、午後パート、始まるよー!


昼休憩を挟んで、生徒達の鋭気も養えただろう。そんな生徒達が挑む午後一発目の競技は四人一組で行われる『騎馬戦』である。
放送部であり司会のリュウとキャスによって、今回のルール説明が始まった。
『皆さんには、騎手の頭にある鉢巻を取っていただきます。取られた騎手のチームはそこで行動不能……失格となります!』
『更に注意事項として、首より上は攻撃しないこと。そして、足技、髪を引っ張る、掴む等の攻撃も禁止! 使えるのは己の腕力のみ! 野郎共、思う存分、その力を奮うがいい!』
『……先輩? この後、女子の部もありますよ。野郎共なんて、言わないでください? さて、出場する生徒の皆さんは準備をお願いします!』
リュウのノリノリな口上に突っ込みを入れつつも、この場の進行を進めていく、キャスであった。
この競技に出場するイツキとアラシは準備をしつつ、騎手として準備運動をしているところだった。
「おっしゃー! 絶対にユーリから鉢巻、取ってやんよぉぉ!!」
「気合い入ってますね、イツキ先輩」
「おうよ! そういうアラシだって、レオンから奪うつもりなんだろ?」
イツキの指摘にアラシは否定するでもなく、こくりと頷く。
「俺とレオンはこういう勝負事だと、互いに譲れないとこがあるんで。……そいやぁ、ユーリ先輩、騎馬戦に出るんですね。あんまりイメージになかったんで、意外っす」
イツキと違い、ユーリに対しては、落ち着いた大人の印象が強い。アラシは、ユーリがこういう競技には参加しなさそうだと思っていたのだ。
「だろうな~! これに関しては、俺が無理矢理誘ったからな。ユーリのやつ、最後まで渋ってたけど」
その光景が付き合いの短いアラシですら、ありありと想像できてしまい、思わず苦笑してしまう。
「とにかく、俺もアラシも騎手なんだし、敵からばんばん鉢巻、奪ってこうぜ!」
「そ、そうっすね」
アラシもイツキもそれぞれのチームと騎馬を組む。そして、開戦の合図と共に、一直線に突っ込んでいく。
アラシの一番の目当てはもちろん、レオンである。そして、それは相手も同じはずで。
「……よお! アラシ、みっけ!」
「出たな、レオン」
互いに好戦的な笑みを見せ、鉢巻を奪わんと両手を組み、力比べが始まった。
「にっひひっ! 悪いことは言わねぇ! さっさとその鉢巻を寄越しやがれ!」
「っせぇな! それはこっちの台詞だ!! レオンの方こそ、下手なフェイントなんていらねぇ! 降参して鉢巻を寄越せ!」
互いに譲らぬ攻防戦。一方が手を緩めれば、一方が攻める。その攻めを避け、新たな反撃をする。その反撃をかわし、また根比べが始まる。
二人の勝敗は如何にしてつくのか。……それ以前にこれは団体戦で、一人に執着するものでもないのだが、それは二人には関係のない話かもしれない。

一方、その頃。
イツキはユーリの姿を探しつつ、隙を見つけては、鉢巻を奪っていた。
「ユーリがいねぇ!! あ、あの鉢巻は貰う!」
と、別のところで競り合う騎馬から、するりと鉢巻を奪う。正々堂々、真正面から取ることはなく、ある意味、賢い方法で戦果を上げていた。
チームを組んでいた三年の先輩からも感心の声が上がる。
「やるな、二年!」
「おっす! 先輩、今度はあっち行きましょう。この辺は敵も少なくなってきましたし」
「了解」
混戦しているとは言え、長年共にいる親友の姿を見逃すはずがない。イツキは再度、辺りを見回しつつ、ユーリの姿を探していく。もちろん、周囲の警戒も怠らない。必要な防御はしつつ、取れるものは取っていく……そのような行動を取っていると、アラシとレオンの姿を見つけた。
「ぬわ~……宣言通り、やりあってんね~……加勢……は、不粋だよなぁ? 頑張れ、アラシ~♪ って、ユーリはどこ!? ぜんっぜん、いねぇ!!」
まさか、自分にやられる前にやられたのでは……と、一抹の不安を感じた瞬間だった。
「……全く。僕を探すのはいいけど、上だけじゃなく、下も見たら?」
「……? ユーリ?」
探し求めていた親友の声が聞こえてきた。しかし、それはイツキの予想とは違うところから……下の方からである。
「……!? あいつ、もしかして!」
イツキがそれに気付いた頃には、一歩、遅かった。
一組の騎馬がアラシの背後に忍び寄り、するりと彼の鉢巻を取っていたのだ。
アラシも目の前のレオンを相手にするのに集中していて、全く反応できなかった。気付いた時には、既に鉢巻はなくなっていた。
「……んな!? 誰が……ってシエル!?」
「レオンのことになると、熱くなるのは悪い癖だよ。アラシ?」
アラシが振り向くと、にこりと笑みを浮かべるシエルがいた。彼の手にはアラシが巻いていた鉢巻が握られている。
「ユーリ……! お前、騎手じゃないんか!?」
少し離れたところで、イツキが叫んだ。その声にアラシもハッとして、目線を下げた。すると、イツキの親友であり幼馴染みのユーリがいた。
「……って、ほんとだ!? ユーリ先輩、シエルを乗っけてる!?」
「騎手やるなんて言ってないよ、僕」
「え? あ、そ、そうだっけ……?」
戸惑うイツキにユーリは小さくため息をつく。そして、にこりと笑った。
「僕が上になるより、シエルさんにやって貰った方がいいに決まってるだろ? だって、竜族で力もある。何より、背も高くて有利だから。……見事にハマり役だったみたいだ」
「ユーリの作戦勝ちだったね。頃合いを見て、アラシの鉢巻を取るのもユーリの案だし」
この言葉にアラシとイツキ……ついでにレオンもユーリに視線を注いだ。
「だって、団体戦ですから。真向勝負を望むお二人には申し訳ないですけど……今回はお預けってことで」
「ユーリお前……男同士の決闘を邪魔するなんて!」
「決闘って……これ、体育祭だし。団体戦だって言ったろ。……やるなら、個人的にどうぞ」
「……まあ、確かに。その通りっすね」
ユーリの言葉にアラシはぐうの音も出ない。
騎馬戦という競技である以上、他者からの横やりは想定すべき自体である。たまたま、シエルの前に誰もやってこなかっただけにすぎない。
「シエル、ユーリ先輩と仲良くなってね?」
「ん? まあね。剣技大会以降からかな。まあ、元々、合同授業とかで見かけてもいたし……さて、と。話はこの辺にして、後は彼の鉢巻を取ればOKだね?」
「はい。あいつの癖は見抜いてますんで、一番楽だと思います。話してある通りに」
「了解!」
「お? じゃあ、俺もしれっと援護しよっかな~♪」
アラシがやられてしまった今、狙われるのはイツキである。二対一はなかなかに分が悪い。しかし、だからと言って、攻撃の手を緩めてくれる相手ではないのは、イツキ自身がよく知っていた。
「一組だけならまだしも、二組同時は、さばけん! ひえぇ! 怖いんだが!?」
その後、シエルとレオンの連携に呆気なく破れたイツキ。
白組の健闘も虚しく、騎馬戦は紅組の勝利で幕を閉じたのだった。



~あとがき~
一番、ざっくりしてる気がする。

次回、別競技のお話です。遂に(?)ヤツが登場します。

アラシVSレオン、今までやったことありましたっけ……?ってなりつつ、書きました。この二人、勝負事になると、なぜか熱くなるんです。同い年の男の子だからですかね~

ではでは!