satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第407話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ステラ&リーフメイン話が終わりました。なんか、最終的にはフォースのとんでも話が目立っていたような気がしますが、気のせいです。はい。
ってことで、今回からまた新しい話です。やったね。


《L side》
残暑が続く今日のこの頃。
今日も今日とて、我々の通う学園は平和そのものである。
そんな平和な学園にある生徒会室では、今度、学園で行われる体育祭の準備に追われていた。
生徒会が準備を先導している訳ではないのだが、教師や体育祭実行委員と一緒になって運営しているのは事実である。
そんな中、私達は各クラスから提出してもらった、体育祭のチーム分けの集計作業を行っていた。
レイ学の体育祭は、中高一緒になって行われる。そして、生徒達は紅白の二つのチームに分けられるのだ。
それらの集計作業をやらされているわけなのだが。
「毎年思うけど、中等部の子達のもあるせいで、滅茶苦茶、量が多いんですけど。もう疲れたよ~」
「はいはい。文句を言うくらいなら、手を動かしてね~」
うぐ……いつも通り、ティール君が優しくないです。
私がぶつくさ文句を言ったところで、作業が終わることはない。そりゃ、ティールやフォース君、ツバサちゃんは手を動かしているので、いくらか進むけれど。
しかしまあ、嫌なもんは嫌って話でして。
「寝て起きたら、妖精さんが終わらせてくんないかな……?」
「馬鹿なこと言ってねぇで、さっさとやれ」
うぅ、お兄ちゃんも優しくないよぉ~……!
そんな感じで、黙々と(?)作業を進めていると、ユーリ君、イツキ君、リリアーナちゃんが生徒会室へやってきた。彼らは自身のクラスのチーム表や、まだ回収しきれてなかったクラスのチーム表を持ってきてくれたらしい。
「うっす! 頼まれたもの、持ってきましたよ~!」
「やあ、ご苦労様。チーム表はツバサに渡してくれる? 今、ツバサにまとめるよう、お願いしてるところだから」
「分かりました。……どうぞ、ツバサさん」
「ありがとうございます、皆さんっ♪」
三人はそれぞれ持っていた書類を渡し、部屋を出ていく……わけでもないようで。
キラキラした目をしながら、リリちゃんが、ぐでーっとサボり……いえ、休憩していた私の手を取る。
「会長様っ! 私達もお手伝いしますっ! ねっ? ゆっちゃん、いっちゃん!」
「おうっ♪ 今日はそのつもりで来てるからな。何かあれば、言ってください、ラル先輩!」
「お前は事務作業に向かない気もするけどな。……とまあ、そういうことなので、僕らのこと、好きに使ってくださいね、会長」
やだぁ、後輩達が優しい。持つべきものは、優しくない友人よりも、頼りになって優しくしてくれる後輩ってこと!?
「三人とも、ラルを甘やかさなくていいよ。もっと駄目になる」
「人手が欲しいのは本音だけどな。ただ、そいつの手伝いだけはしなくていいぞ、お前ら」
「二人とも!? なんでそんなに冷たいの!?」
「「いつもだろ、馬鹿」」
馬鹿は言わなくてもいいんじゃないのぉ!?!? いじめだ! いじめ反対っ!
私達がぎゃーぎゃー騒いでても、見慣れた光景過ぎて、後輩達は動じない。頼もしいけど、心配はして欲しい。
「ねぇ、ツバサちゃんのクラスでも、チーム分けしたんだよね? どっちになったの?」
リリちゃんはツバサちゃんの手伝いをすると決めたらしく、まだ手をつけていなかった書類に手を伸ばしながら話しかけていた。
「白です♪ あと、アラシも一緒のチームですね」
「そうなんだ! えへへ、私も白なんだ~♪ いっちゃんもだよね!」
「ん? おう。ただ、今年はユーリだけ別なんだよな。へっへっへ~……俺達の華麗なるプレイングで負かしてやんよ」
「そう。頑張って」
「興味うっす!」
ユーリ君、昔から、こういうのにあまり興味ないタイプだよね。
「まあ、勝ち負けで勝つに越したことはないと思いますけど。……体育祭はチーム戦なので、僕一人がどうやっても、負ける時は負けるでしょう?」
広げっぱなしの資料やら本やらを片付けながら、現実的な考えを述べる後輩君。
ま、言っていることは分かるけどね。
滅茶苦茶強い人が一人がいたとして、そのチームが絶対に勝つとは言いきれない。強い人が全勝したところで、他で負けてしまえば、意味がない。
ユーリ君は体育祭において、適度に頑張るスタンスのようだ。フォース君みたいだな……いや、彼は適度にすら頑張らないので、そんな彼と比べちゃ、ユーリ君に失礼だな。
「ツバサちゃんと同じチームなら……精霊借り物レースに一緒に出れるね! リランと協力して勝っちゃうかも!」
「ほあ! リリアーナさんも出るんですか?」
「うんっ!」
「……え、リリア、あれに出るの?」
精霊借り物レースとは、その名の通り、精霊を使った借り物競走のこと。そのため、出場できる選手は『精霊召喚魔法』を使える生徒に限られる。
ツバサちゃんが使えるの知ってるし、何より一応、リランが精霊枠だからいいとして……リリちゃん、精霊召喚なんて、できたっけ?
「いやぁ、できないはずっすけどねぇ? なあ、リリィ? もしかして、まだ諦めてないの?」
キーくんの言葉に、リリちゃんはなぜか自信満々に「もっちろん!」と答える。それを聞いたユーリ君とキーくんはさぁっと青ざめる。
「リリィ、やめろ! 夏休みの惨劇を忘れたのか!? あれを繰り返しちゃ駄目だと思う!」
「こればっかりは、イツキの言う通りだと思うよ。リリア、悪いことは言わないから、やめとこう?」
「やだっ! 競技練習が始まるまでに習得するって決めてるもんっ! いっちゃん、ゆっちゃん、協力するって言ってくれたのも覚えてるもんね!」
「「夏休みの間って話な!?」」
……話がよく分からないが、この夏休みで三人は精霊召喚魔法の習得に明け暮れていたのかな?
「そーなんすよ。聞いてください、先輩! リリィのやつ、「ウサギさん精霊と仲良くしたい」って突然、言い出して」
「リリアのやつ、やるって言い出したら、なかなか諦めないから……仕方なく、僕らも付き合ってたんですけど……まあ、結果は散々でした」
そんな風に言うってことは、夏休み中の習得はできなかったんだね?
うーん? 精霊召喚ってそんなに難しい魔法なのかな? そんなイメージないけど。
「そら、どんな魔法でも適性のあるなしはあるぞ。例え、属性魔法に属さない魔法だとしても、な? あと、契約時は意外と魔力を食うんだよなぁ……その後は少しの魔力で呼び出せるけどね」
「ほーん? なんか、やったことある言い種だね、フォース君」
「やったことあるからねぇ……過去に」
あぁ、そうなんだ。
「呼び出す精霊もその人の適性が関係してるらしいね? 動物型って使う属性によっては難しいって聞くよ?」
「ですね。例えば、土魔法を得意とするリリアーナさんなら、ゴーレムの方が呼びやすいです」
ティールの言葉にツバサちゃんが頷きながら、教えてくれる。つまり、意外と精霊召喚って、ややこしい魔法ってことらしい。
私が勝手に納得していると、ティールが呆れた様子でこちらを見つめる。
「ラルはまた適当な……」
「んなことないし? ちゃんと理解してますし?」
「ふーん? どうだかね」
……まあ、精霊召喚が何たるかは、さておき。
リリちゃんがどうしても精霊召喚(可愛いうさぎ)をやりたいという熱意は伝わってくる。同時に、幼馴染み二人からは諦めてくれという思いも伝わってくる。
そんなに大変な夏休みだったんだな、ユーリ君とキーくん。
キーくんがリリちゃんをどうにかこうにか説得しようとしているが、リリちゃんは頑なに諦めようとしない。決意はかな~り固いようだ。
そのやり取りを見ていたユーリ君は、ため息をつきながら、ツバサちゃんに近寄る。
「ツバサさん、よろしければ、精霊召喚魔法の習得に協力してくれませんか?」
「ほえ……協力ですか?」
「一応、僕が思い付く限りのことはしたんですが。……いつもなら、諦めがつく頃なんですけど、今回はそうもいかないようで。……だから、ツバサさんの知恵をお借りできたら、と。もちろん、無理には言いません。叶えてやりたいと思う反面、あいつの魔法特訓に巻き込みたくないって気持ちもありますので」
どういう特訓風景やねん……
ツバサちゃんはユーリ君のお願いに、にこっと笑って、快く了承する。流石、天使のツバサちゃん。不穏な影がちらちらしてても、気にしない純粋さである。
「皆さんがよければ、次のお休みにでもお手伝いします」
「ありがとうございます。あの様子だと、休みの度に特訓に引っ張られそうなので、ツバサさんの都合のよい日で大丈夫です」
「私は全然♪……あ、でも、アラシとレオンに相談しないと。私、一人でお出掛けしないようにって言われてるので」
「構いませんよ。お二人が来たら、正式に決めてください」
「ありがとうございます。そうしますね♪」
魔法に造詣が深いツバサちゃんなら、どうにかしてくれそうである。まあ、都合がつけばの話であるけれど。

そんな話をしながら─もちろん、別の雑談もそれなりに挟みつつ─、仕事をしていれば、ガラッと部屋の扉を開けられる。
「よっすよっす~♪ 迎えに来たぞ、ツバサ!」
「ちわ~……あ、イツキ先輩、いたんすね。部活にいないから、こっちかなとは思ってましたけど」
快活そうな笑顔を浮かべたレオン君と、部活の先輩を見つけ、律儀に挨拶をするアラシ君がやってきた。
そんな二人を見て、ツバサちゃんはパッと立ち上がると、彼らの元へ駆け寄った。
「アラシ、レオン! あのね、相談があるの!」
「相談? 何かあったんか~?」
「あ、僕から話します」
首を傾げる二人に、ユーリ君が簡潔に事情を説明し、それに続いて、ツバサちゃんが満面の笑みで「今度の休みにお手伝いしたいの!」と告げる。
「俺はいいぞ。予定も特にないし」
「ん~……アラシ、悪い! 俺、考古学部の活動がある日なんだ」
レオン君はパチンっと手を合わせ、申し訳なさそうに告げる。そんな彼をアラシ君はそこまで興味はなさそうながらも、小さく首を傾げた。
「ふーん? そうなのか?」
「おう。久々の課外活動なんだ。……ぶっちゃけ、ユーリ先輩達のも気になるんだけど……まだ見ぬ壁画が俺を待ってるからな。今回はアラシに任せるわ」
「おう。途中、何言ってるか分かんなかったけど……別に遠出する訳じゃないし、俺一人で大丈夫だ」
辛辣な言葉を添えつつも、一応、こちらは気にするなという心遣いもある……のだろうか。
「ほえ。相変わらず、遺跡大好きだね、レオンは」
「まあな! つーことで、ツバサもごめんな~?」
「ううん。気にしないで? アラシが来てくれるなら、レオンいなくても大丈夫だから」
……気遣ってるよね? ね?
レオン君の扱いはこんなもんでええやろ感が二人からは伝わってくる気がするが、レオン君は全く気にしていないようだ。なので、これが通常なのだろう。多分。
「あんっ!」
そんな中、ツバサちゃんの足元でリランが元気よく吠える。それを見たレオン君はニッと笑い、わしゃわしゃっとリランを撫でる。
「おうっ♪ 俺の代わりは任せたぞ、リラ~ン!」
「あんあんっ!!」
任せろっと言った具合に、元気よく返事をする。どうやら、皆の中で話はまとまったみたいだ。
「……ということなので、今度のお休みにお手伝いします。リリアーナさんっ!」
「はわ~……ありがと、ツバサちゃんっ!」
「じゃ、お二人にリリアの家までの道のり、地図でお送りします。端末はお持ちですか?」
「はいっ!」
「ありがとうございます、先輩」
二人がそれぞれ端末を取り出し、ユーリ君と、短いやり取りを交わす。そんな中、キーくんがアラシ君の肩をとんっと叩く。
「? なんすか、イツキ先輩」
「アラシ。リリィん家に来るなら、武器を持ってこい。剣でいいから」
「け、剣? なんでまた急に……武器の修行なら分かりますけど、魔法の特訓すよね? いらなくないっすか」
「命が惜しければ、忘れずに持ってこい! 先輩との約束!!」
「い、命……ですか? わ、わかりました……?」
「ほえ……私もあった方がいいですかね」
「ツバサは大丈夫。……ユーリと離れて見てるだろうし……万が一があったとしても、ユーリかせんせーが守ってくれる」
逆に言えば、アラシ君とキーくんには必要ってことになるのだが、マジでどんな特訓するんだ。想像ができない。
「あ、会長様達もいらっしゃいますか?」
うーん。行ったとて、力にはなれない気がするけど……そもそも、だ。
「次の休みでしょ? そこって、仕事がある気がするなぁ?」
「あはは♪ ラルにしては、よく覚えてるじゃないか。正解です」
……くそが。
仕事がなければ、もふもふ天国を味わえたかもしれないのに……無念である。
「ちなみに、フォース君は?」
「あ? 仕事だよ。つーか、お前が南西にあるダンジョン調査とその先にある遺跡調査を命じたくせに、よく言うなぁ……?」
すんません。そうでした。
「ってことなので、せっかくのお誘いだけど、またの機会にね。……リリちゃんの精霊、見てみたかったけど……!」
「いえいえ! それなら、会長様のためにも、可愛いウサギさんと仲良くなってみせますっ! 休み明けにご紹介しますっ」
うんうん。楽しみにしてるね?
……なら、その楽しみを糧に仕事も頑張るかぁ。気乗りしないけど。



~あとがき~
学園パートでだらだらするラルちゃん、久々やなぁ。

次回、一年幼馴染みコンビと二年幼馴染みトリオによる、魔法特訓だ!

夏休みが長かったから、何をしても久々に感じます。久々の組み合わせ、楽しいな。
ツバサ&アラシは何かと、イツキ&ユーリと休日を過ごすことが多い。今回はレオン君がいなくて、リリアーナがインしてますけど。
なんなら、ツバサ&アラシ(今回、いないレオン君も)、ラル達とは一回も休日回送ってない。いやまあ、一応、お見舞いとかしてますけど……あれは休日回……? いや、とある休日の風景ではあるけども!

ではでは。