satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第406話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ステラとリーフがゴブリン(偽物)を倒し、あれこれ先輩二人から指南を受けることになりましたとさ。


《S side》
レオンさんとトネ先輩から、あれこれ指導を受けながら、時に助けてもらいながら、ダンジョンの奥を目指す私達一行。
もちろん、戦い方の指南だけじゃなくて、高等部のあれこれも教えてくれた。
「中等部と高等部の違いっつったら、やっぱ、学科別の授業だよな~」
学科別でそれぞれ、特化した授業が受けられる、ですよね?
「そう。でも、基礎知識はどちらの学科に進んでも学べるけどね。魔術科ならダンジョン知識、冒険科なら基礎魔法知識がカリキュラムとして組まれているんだ。ほら、中等部でも、学科の科目が週一で行われていると思うんだけど」
トネ先輩の言う通り。
どれも基礎的な触り程度しかやってないけど、どちらの科目も授業がある。
「その週一程度の授業が本格化するのが、高等部ってわけだな。そのおかげで、俺はめいっぱい、考古学の勉強ができて幸せだぞ♪」
「レオン、考古学関係の授業だけは真面目だもんな? 他は寝てばっかりで、よく怒られてる気がするけど?」
「ナンノコトカナ~♪」
と、わざとらしく口笛を吹きながら、明後日の方向を見る。どうやら、図星らしい。
そんなレオンさんの様子に、トネ先輩は呆れたようにため息をつきつつも、学科についての説明を続けてくれる。
「魔力の有無だけが進路を決めるものじゃない。魔道具関係の仕事がしたいから、魔法の研究がしたいから……魔力がなくても魔術科に進む人はいる。反対に剣術や探険、冒険家になりたいから、ダンジョンや考古学に興味があるから、魔力を持ってても、冒険科に所属する人はいる。……ちょうど、そこにいるレオンがそうだろう?」
そう言えば、レオンさんは魔法使用者でした。ここまで、刀しか振り回してなかったから、忘れてたけど。
「ステラ、さらっと酷いこと言うなぁ?……けどま、俺みたいに、これがやりたいって明確な理由を持って入ってる奴らばっかじゃないぞ。将来の目標は決まってないけど、○○科行くか~くらいの気持ちの奴らもいるし? 人それぞれってやつだな」
ふむふむ。それこそ、将来は決めてないけど、魔力持ってるから、魔術科に、ないから冒険科に……という決め方をしてる人も少なからずいるってことだろう。
できるなら、きちんと考えて進路は決めたいけど……悩ましいなぁ。私は将来、何がしたいんだろう?
「前は、ぼんやりとすーくんみたいに強くなりたーいって思ってたけど……でも、魔術科で道具研究するのもいいなぁ」
私は能力のせいで、本来使えるはずの技が使えない。そんな私でも戦えるのは、道具のおかげなわけで。将来、それらに携わるのも悪くないかもしれない。……今まで、考えたことなかったけど。
「難しい問題だね。ワタシもこれって今は言えないや」
「にゃはは♪ 誰でもそんなもんだろ。深刻に捉える必要はないと思うぜ?」
「とりあえず、で在籍する人も少なくないからね。今、言えるのは、どちらに進んでも、後悔はしない、とだけは断言できるかな」
「そだな♪ それは俺も断言できる」
今、ここで答えを急ぐ必要はないですもんね。じっくり考えよう。
「……あ、話は変わるんですけど、先輩方はペア決めってどう決めたんですか?」
話題変えの意味も込めてか、リーちゃんが今回のペア決めについて質問をする。
私とリーちゃんは好きなように組んでいいと言われたので、組んだんだけど……高等部の先輩方も、なのかな?
「俺らの場合、先生達が勝手に決めてるぜ」
「私達の武器の相性を加味して、こちらは編成されてるから。後は……ほら、ステラ達みたいな女子同士で組んでいるところに、高等部の男子二人が来たら……ねぇ?」
まあ、何がとは言わないけれど、警戒はしますね……うん。
そうか、そういうのがないように、高等部の人達はできる限り、男女ペアを組まされてるのかな?
「ま、高等部全員が~とは言わないけど、そーゆーことだなっ♪ 先生達も大変だよな? そういうの考えないと、何かと問題になるんだろ」
親方さ……いえ、プリン校長がそこまでの考えを持っているのかは分からないけど、ノウツ教頭はそうかもしれない。
「なるほど! お二人がお付き合いされてるわけでもなさそうなのに、なんで組んでるのか気になってたんですけど、そういうことなんですね~♪」
「あはは♪ 彼女持ちのレオンにそれはないかなぁ~♪ まあ、疑いが晴れたみたいで何よりだね」
トネ先輩とリーちゃんが楽しそうに笑い合う中、私はふと、とある言葉が気になって、首を傾げる。
「トネ先輩、今、何て言いました?」
「うん? 疑いが晴れたみたいで何よりだね?」
「えぇっと、その前は?」
「? 彼女持ちのレオンにそれはない?」
彼女持ちのレオン……彼女持ち!?
レ、レオンさん、彼女さんがいるんですか!?!?
「おう? あれ、言ってなかった?」
聞いてなぁぁぁいっっ!!!!
え、私だけ? 私だけが知らないの!?
……と、思ったけれど、リーちゃんもびっくりしたような顔をしているので、私だけではないご様子。よかった。……? よかったのかな?
「レオンに彼女がいるのは、クラス全員知っているし、特別驚くことじゃないと思ってたけど。それに、レオンと前々から知り合いなら、知ってるものだと思ってたよ」
「知りません! 聞いてません!! 本当ですか、レオンさんっ!」
「おぉ……めっちゃ詰め寄るじゃん、ステラ」
そりゃあね!? びっくりしたもん!
「あはは♪ 本当だよ。つっても、他校にだけどな」
他校……じゃあ、うちにはいない人、なのか。でも、他校ってどうやって知り合うんだろ?
「部活動によっては、課外活動として他校と交流があるところもあるから。考古学部もその一つだったはずさ。……だろう、レオン?」
「そそ♪ いやぁ、定期的に交流会があるから、こっから遠い遺跡の情報とか知れて、楽しいのなんのってね~♪」
本当に楽しそうですね……それにしても、レオンさんに彼女さんがいるとは。
「……つーことで、だ。ステラ」
と、レオンさんはどこか楽しそうに……いや、何かを企むようにニヤニヤと笑う。私、知っている。この笑みはあまりよろしくないやつだ。
「恋愛面でも俺は先輩ってことだ。何かあったら、相談に乗るぜ~?」
「にゃっ……べ、別に相談するようなことはないですけどっ!? すーくんとは、なんにもないですしっ!」
「ほ~ん? 俺は別にフォースの話はしてないんだけどな~?」
「あ~……ステラ? 自分で墓穴を掘ってるよ……?」
「みゃみゃっ!?」
鏡を見なくたって分かるくらい、自分の顔が赤くなるのを感じる。それはつまり、周りにもバレてるってことで。
「フォースって、イケメンだし、身体能力も高い。おまけに料理もできるんだろ? いやぁ、なんでもできる男だよなぁ」
「そ、そうですね……」
「ステラはそんなフォースが大好きなんだなぁ? いやぁ、若いっていいなぁ?」
べ、別になんでもできるすーくんだから、好きって訳じゃないですけど! いや、この好きは普通の好きであって……! いやいや、その前に!
「私とレオンさん、あんまり歳変わらないじゃないですか! なんで、そんな玄人みたいな雰囲気出すんです!?」
「言ったろ? 恋愛に関しては俺の方が上だから?」
「関係ないでしょう、絶対っ!」
私が頑張ってレオンさんに噛みつく横で、トネ先輩とリーちゃんが困ったように笑っている。当然だ。擬似ダンジョンとはいえ、一応、敵もいる中、こんな馬鹿みたいなやり取りをしているんだもん。
もちろん、敵が接近すれば、私もレオンさんも応戦できるようにしてるけど……
「こらこら、レオン。いい加減に後輩いじめはやめないか」
「ステラも。ぜーんぶに反応しなくてもいいのに。ラルさんやフォースみたく、言い負かせるならともかくさ?」
「うぐ……」
売り言葉に買い言葉とはこのことだな。……反省。
「……フォース先輩、誰かと同居してるって噂は聞いてたけど、君達のことだったんだね? 先輩は二人の保護者なのかい?」
「私はそうですね。色々、事情はあるんですけど……けど、親代わりというよりは、お兄さん代わりですかね?」
「う~ん? まあ、ワタシもそんな感じですね。実際は血も繋がってないし、家族でもない、他人なんですけど……レイ学に通いたいって親に話した時、フォースが味方してくれて。その関係で、ワタシの保護者みたいな立ち位置です」
リーちゃんのとこ、お母さんはそうでもないけど、お父さんが娘(特にリーちゃん)大好きで、「その年で親元を離れて暮らすなんて!」って大反対だったのだ。その時、仲が良かった私とすーくんであれこれ説得をした。
あの頃のすーくん、人と関わりを限りなく持たないようにしていたのに、リーちゃんのためにお父さんの説得してくれてたんだよね。
「すーくん、かっこよかったよね? 『おれが責任持って、六年間お預かりします。だから、娘さんの夢、叶えてやってください。それは親である貴方が許さないと叶えられませんから』ってお父さんに言ってたもん」
「そうそう! そんな真面目な言葉、今まで、聞いたことなかったから、ほんとびっくりしたの覚えてるー! でも、すっごく嬉しかったな~♪ ま、それでも納得しなかったお父さんは、フォースに対して決闘申し込んでて……んもう、恥ずかしいったらないよ~」
あぁ、秒殺だったからね、お父さん。
……っと、話が逸れちゃったけど、リーちゃんの保護者的なこともしてくれてるのは、そんな理由もあるってことです。
「へぇ? フォース先輩って、数々の冷徹玉砕伝説を作ってる人だったから、冷たいイメージがあったんだけど……本当は優しくて、面倒見がいいんだ。意外だな」
「はい。普段、あんな感じだけど、本当はとってもやさし……? え、冷徹玉砕伝説?」
リーちゃんが「知ってる?」と言わんばかりに私を見る。
私は当然、何も知らないので、ふるふると首を振る。なんだろ、その不名誉な伝説は。
「おや、知らない? フォース先輩って、あの見た目だろう? 何かと恋愛的イベントには事欠かないらしくて、告白やラブレターは凄い数来るらしいんだけど、告白は呼ばれても行かないし、来たとしても、即お断り。ラブレター関連は、ほぼ読まないで捨てるって話があってね」
「そいやぁ、そんな話、あったな~? 俺、すっかり忘れてたわ。……確か、それらをひっくるめて、冷徹玉砕伝説って呼ばれてるんだっけ?」
「そうそう。私も高等部に入ってから、なんとなく聞いた話だから、中等部じゃあんまり伝わってないのかも?」
す、すーくん!? え、何してるの!?
これは家に帰って問い詰めなきゃ!
……もしかして、すーくん、レイ学に入学してからずーっとそんな伝説を積み上げてる? 丸二年、私達に隠してたの!?
「流石、フォース。適当に見繕う天才だよね~」
「そこじゃないよ、リーちゃん!」
「あ、そうこうしてる内に奥についたな? あれだ。回収する石」
レオンさんの指差す方に、それらしき石が鎮座している。
えー!? は、話は終わってないのに~~!!! 終わり!? これでこの実習、終わりなの!?
……まあ、これは授業の一貫。ここにずっと居座るわけにもいかず、私達は当初の目的であった石の回収を終え、実習は幕を閉じる。
……ちなみに、その日、家に帰って、冷徹玉砕伝説とやらについて、すーくんを問い詰めた。けど、なんか上手く話を逸らされて、結果、本人の口から真実は聞けなかった。
な、なんなの、私の従者は!!??



~あとがき~
終わりだよ、この実習は。

次回、再び、懐かしい人達が。

フォースの優しいエピソードが飛び出したり、とんでもないエピソードが飛び出したりしました。ここの主役、フォースなのかなと思ってしまうくらいに、フォースばっかだったな、最後!!(笑)

ではでは。