satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第405話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界な物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回から、ステラ&リーフの話、合同実習(冒険科ver.)が始まってます! わいわい。


《S side》
学園内にある模擬ダンジョン……これは主に冒険者、探検隊等……仕事としてダンジョンに赴く職を目指す生徒のために作られた施設。主に初心者向けの施設として使われるけど、外側からあらゆる設定変更が可能みたい。
ダンジョンの環境、トラップの数、敵の強さ、レベル、種類にランク等々……これらを操作して、初心者だけでなく、上級者、プロ相手にも対応可能。……なお、これらをするためには事前に申請し、許可をもらわなければならない……らしい。(ラルさん談)
とまあ、ラルさんみたいな探検隊のプロでも、満足できる施設ってことだよね。もしかして、ラルさん、難易度上げて、使ったことあるのかな? 話を聞いた時、やけに詳しかったけど……もしかして、会長だから? どっちなんだろ。
あ、今回は初心者が多いので、そこまで難しい難易度ではないって聞いてます。けど、楽に勝てるようなものでもなさそうだな~?
「俺らが挑戦するダンジョン、どんなやつだっけ?」
「ワタシ達は洞窟だって聞きました。けど、敵の詳細までは分からないんです。なんか、そこはランダムらしくって」
「大丈夫。どんな敵が来ても、魔法で作られた偽物だからね。気負いしなくていいよ」
それもそっか。本物じゃないなら、そこまで危なくもないってことだよね。
「にゃはは♪ そうはいっても、限りなく、本物に近いんだけどな~?」
レオンさんがニヤニヤと笑いながら、楽しげに脅してくる。悪趣味すぎ!
「レオン? あまり怖がらせるものじゃないよ」
そーだ! そーだ! トネ先輩、もっと言ってくださいっ!
しかし、レオンさんは言われなれてるのか、単純に気にしていないだけなのか。トネ先輩の言葉を笑って軽く受け流し、どんどん先に進んでいく。
そんなレオンさんの後に続いていけば、周りの景色が、一瞬にしてがらりと変わった。洞窟内特有の薄暗く、ひんやりした空気に変わる。
たまに授業で使うから、これが作られた空間だって理解してるけど、肌で感じるものは本物だって言ってる。
いつになっても、この感覚は慣れないなぁ。うむむ~……
「お? 早速、敵発見♪」
レオンさんの指差す方を見てみれば、小さな石斧を手にしたゴブリン二体がうろうろしていた。
「ゴブリンか。……じゃあ、とりあえず、ステラとリーフの実力を知りたいし、二人だけで倒してもらってもいい?」
「もし、危なくなったら俺らが助けるから、好きに戦っていいぞ~♪」
先輩達の言葉に私達は頷く。
授業通りに、教わった通りにやれば問題ない、はず!
「行こっか、リーちゃん」
「うん。じゃあ、ワタシがバフかけるから、戦闘は任せる」
「了解っ!」
リーちゃんは取り出したハープで手早く曲を二曲、奏でていく。一つは攻撃上昇、もう一つが命中率上昇効果のある曲だ。
全ての曲が奏で終われば、私の周りに淡く光る赤いリングと黄色いリングが現れる。これがバフがかかった証。
そうなれば、ここからは私のお仕事です!
両手に装備したチャクラムを構えつつ、前方にいるゴブリン二体に向かって投擲する。チャクラムは綺麗なカーブを描きつつ、ゴブリン二体にクリーンヒット。リーちゃんのバフ効果もあって、一撃で倒せたらしく、ゴブリンは空気に溶けるようにスッと消えていく。
それと同時にリーちゃんのバフも効果が切れて、私の周りのリングも消えてしまう。まあ、敵は撃退したので、問題なしです!
「おぉ~……やるなぁ、ステラ♪」
「確かに。リーフのバフがあるとはいえ、見事な投擲技術だね。中等部であそこまでできるのは、なかなかいないんじゃない?」
そんなお褒めの言葉をいただいてる私はと言うと、戻ってきたチャクラムをふらつきつつ、キャッチしているところでした。辛くも、落とすことなくキャッチして、三人の方へ向き直る。
「わっとと……ありがとうございますっ!」
素直に褒められると嬉しくなっちゃうな。すーくんだと、あれくらいでは絶対に褒めてくれないもん。
「リーフも音程を外さずに二曲、連続で演奏するなんてすごいな~? 今のは回数系?」
「はい。継続系はまだ練習中なので。回数系も今のところ、一回しか安定して演奏できないんですよね……」
音楽を使ったバフ付与には、いくつか種類があるらしい。
限られた回数分の効果を付与する、回数系。
限られた時間のみ効果を付与する、継続系。
特定の条件下で効果が出る、発動系。
この三つの中で簡単なのは、回数系。でも、この発動回数が増えていくにつれ、難易度も上がるようで、十回以上の付与をする曲になると一番難しい、発動系の曲と同じくらいの難しさになる。
次に継続系だけど、こっちは習得するまで時間がかかるみたい。でも、一度、自分の物にしてしまえば、演奏するのは簡単なんだとか。それでも、持続時間を伸ばせば伸ばす程、難易度が上がるので、その辺は回数系と似ているのかも。
最後に発動系だけど、こちらは特定の条件下で効果が発動するもの。例えば、『致命的なダメージを敵から受けると発動するバリア』とか。『状態異常になったら、攻撃力が上がる』とか。
一つ一つ、発動条件と効果が変わるので、こちらは難易度がぐっと上がる。曲の難易度もそうだけど、純粋にどんな時にどんな曲を奏でるのが効果的なのか、見極めるのも難しいと言われる一つの所以、かもしれない。
……という話はぜーんぶ、すーくんやリーちゃんから聞いた話なんですけども。
「俺はミユルから聞いた程度の知識しかないけど……確か、演奏バフって、演奏時間が長い程、効果も高まるんだっけ?」
「はい。その分、楽譜の暗記と演奏のタイミングが難しいんです。ワタシ、今はまだ、ミユル先輩にみたいに演奏できませんけど、いつか追い付きたいなって思ってますっ!」
前向きでキラキラしてるリーちゃん、素敵だな~♪
努力家の頑張り屋なリーちゃんなら、もっともっと上手くなれるって、私も信じてる。
「ミユル先輩の演奏バフ……私も園芸部の話でしか聞いたことないけど、ドンピシャでバフを当ててくるんだって?」
「そそ。あいつ、小さい頃から練習してたから、その辺はお手のもんだぜ。今のあいつなら、一般的に高難易度だって言われる曲も、簡単な部類なんじゃないか?」
それは……最早、プロなのでは。
でも、小さい頃から今もずーっと練習を欠かさないってことは、それだけ勉強熱心ってことだろうし、演奏が好きってことなんでしょうね。
「む……ん、ん~? まあ、そうとも、言うのか?」
「レオン? 随分と歯切れ悪いけど?」
トネ先輩の指摘にレオンさんは、何度も唸りつつも、「実は」と話を続ける。
「ミユルの原動力って、ほとんど作物に対する愛情なんだよな。だから……なんつーの? ミユルの演奏技術も、作物を守るために無我夢中で取得した結果なんだよなぁ、と」
「あ、あ~……なるほどです。理解しました。先輩らしいです」
「だろ?」
部活での姿を知るリーちゃんも苦笑しつつ、レオンさんの言葉に同意した。
ふーむ、そういうものなんだな~?
でも、確かに、何か守りたいって気持ちは、大きな力になるのかもしれない。
「ま、ミユルの話はおいといて~だ。二人の話をしないとな」
「ふふ、そうだね。……ステラは投擲自体は大丈夫そうだし、返ってきた武器をキャッチする……ここの安定感を高めていこう。私が手本を見せるから、よく見ててね?」
「は、はい!」
そう言うと、トネ先輩はブーメランを構える。とても綺麗なフォームで、思わず見惚れてしまうくらい。
「よぉし! んじゃあ、俺達はバフ付与のタイミングの特訓でもしてみっか♪ 俺が敵のヘイトを集めるから、リーフのタイミングで、防御系のバフを付与してみてくれ。失敗しても大丈夫だから、何度も挑戦してみてくれ」
「分かりました。お願いします!」
こうして、私達はたまに出てくる敵に向かって、それぞれ特訓を開始した。



~あとがき~
ステラ、リーフがきちんと戦闘するのこれが初めてって言うね。

次回、あれこれ話すぜ。
戦闘? もうないよ!

ステラのメイン武器は投擲武器のチャクラム。あの円みたいになってる刃物です。他にも投げて攻撃する武器は大抵、扱えます。
リーフはバフ専門の演奏家(ハープ&横笛)です。作中には出てきませんでしたが、護身用として、鞭を持ってます。
これまた、公開するところがなさそうなので言っちゃいますが、二人の戦闘の先生はフォースです。まあ、本格的な戦闘の仕方を教えるというよりは、必要最低限しか教えてないんですけどね。

ではでは。