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satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第114話

ポケダン 空と海

~前回までのあらすじ~
ウィルとフォースの話がなんとかなりました!
フォース「でもどうやって留まるの……?」
ウィル「俺がしたことをかーくんがするんだよ」
フォース「………?」
そ、それは本編でしてくれ!!
あとは早く忘れそうなあの子達を……!
フォース「実際忘れられてるんじゃないか?」
ウィル「それを言ったら可愛そうだよ」
は、始めるもん! 始まったら、分かってくれる! 思い出してくれるさ!!


しばらくの間、フォースはウィルに抱かれたままだったが、落ち着いたのか、ゆっくりと離れた。
「ごめん、ウィル…にぃ……」
「ううん。可愛かったから、全然OK!」
ウィルの返答に複雑な気持ちを抱くが、そんなことない、と言ったところでどうにもならないため、口を出すことはしなかった。
「ウィルにぃ、ここから出よう。ラルも待ってるし……」
「うん。そうだね。そうなんだけど、やること一つあるんだけど……」
「え、何? なんかあったっけ」
「俺を留めたいなら、かーくんの持っている制御者の能力、頂戴?」
「能力……って?」
「武器を作り出して操る能力のこと。かーくんは全部出せるよね? それ、本当なら、俺が奴から半強制的に奪った能力なのね?」
「ウィルにぃ、物騒な単語聞こえたんだけど…」
「まあ、全部はいらないから、一部頂戴。それがあれば、俺もまた制御者としていられるし、かーくんの中に存在出来るから」
フォースの突っ込みは無視し、話を進めていく。疑問が多く浮かぶが、以前のように人格が変わることもないだろう。
「分かったけど……何がいい………って、決まってるか。“ランス”」
フォースが立ち上がり、手元に槍を出した。そしてそのままウィルに向かって差し出した。
「昔からウィルはこれしか使ってなかったから、これがいいでしょ」
「まあ……でも、いいの? せっかく出来るようになったのに」
「俺の専用武器は鎖と銃だ。他はおまけなの。槍とか中距離武器が使えなくなったところで、なんも変わらないし」
「そう言うならそれにするけど……後悔しないでね。取り替えなしだから」
「いいって。今更使えても、使わないから」
差し出された槍をウィルが受け取った。そしてフォースから少し離れると、軽く使えるかどうか槍を回す。
「大丈夫そうだね………んでも、これでまたかーくんはノーコンって訳だ。今までの努力も俺に盗られたわけだし……?」
「…………えっ」
「言ったじゃん。操る能力だって。この能力を俺に渡せば、かーくんが今までちまちま練習してた経験値も俺のものってこと。ドンマイっ!」
「え、えぇ……っ!? それはないんじゃない!?」
「んでも、これは……雀の涙のような経験値だよ、かーくんのは」
「あうっ……そこまで言う?」
「見てたけど、酷いよね。まあ、俺が悪いんだけど……まあ、今後ともよろしくね?」
「い、今までと変わらない……変わらないから、別に何とも思わないから!」
明らかに気にしているフォースが面白くて、ウィルは笑いを抑えきれなかった。
「帰ろうか、かーくんっ♪ 紹介してよ、お仲間さん達!」
「……あぁ、もちろん」

フォースとウィルが対面してるであろう時。
一人でフォースの帰りを待つピカは暇そうに空を見上げていた。
「ちゃんと会えたかなぁ……」
『心配せずともあの二人なら大丈夫だよ。昔から見てきた我が言うのだ、信用せい』
心の中で雷姫が語りかけてきた。
「そうだね。………はあー! 帰ったら寝たいな」
『む? 仕事なのではないか?』
「あぁ………でも、ちょっとポチャと会うのは嫌だな……」
『なぜ?』
「…………気まずい」
ウィルに色々言われたというのもあるが、それ以前にここに来る前の裏の仕事の際に、ポチャに言われたことが心に残っているのだ。本人は完全に覚えていなかったが。
「それで私、腹立ってーってまあ、わがままなんだけどね……」
『ほう。……マスター、娘のようだな』
「はあ? それって普段は男って意味か!?」
『いや、そう意味ではない。こ、恋する乙女? というやつだ』
雷姫が慣れない言葉を使い、ピカに分かりやすく伝えた。いつもなら惚けるところだが、周りには誰もいないことも手伝ってか、珍しくピカが赤くなりながら反論をした。
「ばっ………やめてよ! そんなんじゃ……あぁ、いや、そうなんだけど。でも、これはいいの」
『昔から好いておったろう?』
「やめて……そういうのやめて……恥ずかしい…」
『可愛らしいの、マスターは』
「もうっ! 黙っててよ。はあ。雷姫相手じゃ筒抜けじゃないの」
『そうじゃな~♪』
「ねえ、楽しんでるでしょう? 雷姫の意地悪」
反論は意味がないと判断し、ピカは手頃な場所を見つけ、腰を下ろした。
『我はマスターに幸せになってほしいと願っておる。女の幸せはそこにあると思っておるが?』
「妖刀が女を語るなっての……まあ、でも、そうかも。男女二人が幸せにしてるの見るとね……そうなのかもって思うけど…」
『マスターの頭の中、特定の人物が浮かんでいると思うのだが』
「どっかのバクフーンのお兄さんとチラチーノのお姉さんのことだからね。……まあ、そうでなくても、仲睦まじい恋人とか夫婦とか見てきたから……そうなれたらいいとは憧れるけど……私なんか望んでいいことかな」
『マスターは自分のことはてんで駄目じゃな。……マスターはあのパートナーのどこが好きなのだ?』
雷姫の言うパートナーがポチャを指していることは明白だった。ピカは答えていいものなのかと迷う。教えるのも嫌なのだが、雷姫のことだ。勝手に心の中を探るに決まっている。言ってしまった方が楽なのかもしれない。
「言うなよ、本人に」
『分かっておるよ』
「今後のネタにも使うな。脅しのネタにも。あとは……聞いたらすぐに忘れろ!」
『最後のは保証出来んが、承知した』
「………ポチャはこの世界で初めて会った人で初めての友達で、親友。一番信頼してる人だし、頼れる……とも思ってる。偏見かも知れないけど、とっても優しいの。だって、初めて会った私と探検隊やろうとか持ちかけたんだよ? ってか、そもそも私は記憶ないとか人間だったのにとか言ってたのに、だよ? 馬鹿でしょ。お人好し過ぎ」
『ほう?』
「………でもさ、一途なんだよね。探検隊にかける思いとか……真っ直ぐで強くて。私のことも悩みも親身になって考えてくれてね。……記憶ないこと、結構コンプレックスなんだよね」
『そうなのか? そんな素振り見せておらぬではないか』
「そりゃ、心配とかされたくないし。でも、たまに自分の存在意義とか考えちゃうわけ。過去を知らないから、どうして私がここにいるのか時々分からなくなることがあって、無性に不安になるんだよ。つまるところ、情緒不安定なのよ、私」
今でも時々思う。
前は星の停止を食い止めるためにいるのだと。それが終われば、悪夢が広がることを止めるため。しかし、それが解決してしまうと、自分のことが分からなくなった。自分はなぜここにいるのだろうか、と。
「家族がいればさ、家族のために頑張るんだーとか、目標があればそれに向かえるでしょ? でも、私はそれがなくってさ。まあ、探検隊はやってるけど、どちらかと言えば、ポチャの夢を応援するためだったから……自分のことに出来ないんだよ。もちろん、探検隊が嫌いってことじゃないよ?」
『うむ。嫌いならば、とっくに辞めておろう?』
「確かに、私の性格ならとっくに辞めてるわね。………そんな私に居場所くれるのが、ポチャなの。一緒にいてくれる。いても構わないって優しく包んでくれる……優しくて、頼れて、強い意思をもって貫ける……そんなところが好きかな…それに……」
『………む?』
「私のこと、一番理解してくれてる。私はここのポケモンではないから、私を最初から知る人もいない。私が消えたらここにいたことも消えそうで怖いの。……けど、ポチャがいるから…ティールがいるから、独りにならない。………あ、これは私が勝手に利用してるみたいな感じになっちゃうかな……?」
『そんなことはないぞ。………しかし、マスター、我もおるぞ?』
「………うん、そうだね♪ 私の駄目なところを全部知った上でずっとパートナーとして、親友としていてくれる優しさが好きよ。あ、時々格好いいところもね?」
昔の臆病で弱気なポチャも今の頼れて優しく強いポチャも、全部を含めてピカは好きなのだ。
『そこまで思っているなら、一緒になってしまえばよいものを……』
「それとこれとは話が………? 誰?」
小さくだが、かさりと草が揺れる音がした。風で揺れたのではなく、何かに揺らされたように。
ここはダンジョンではないが、何かよからぬ者が出てきてもおかしくはない。逃げても構わないが、ここでフォースを待つと言った以上、離れる訳にもいかない。
「出てこないと、こっちから先制攻撃仕掛けるよ? 三秒以内に出てきなさい? はい、いーちっ! にー…」
「まっ! ピカ、待って!」
「!………その声…」
茂みから現れたのは、先程まで散々話題になっていたポチャだった。慌てた様に飛び出し、お世辞にもかっこよく制止出来たとは言い難い。出てきたパートナーに冷ややかな視線を向けつつ、お決まりのセリフを吐く。
「…………ポチャ、なにしてんの?」
「あ、あはは……えーっと…追いかけてきた?」
「変態か。“十万ボル…」
「うわわっ!? 待って待って!! ごめんって! でも、黙って出て行った君も君だよ!?」
「あ? いや、別行動するって言ったじゃん」
「詳しい内容はひとっつもなかったけどね……?」
そう言われればそんな気もするが、ここに来る前にポチャに対して腹を立てていたため、言わないな、と結論づけた。
「それにぼくだけじゃないよ……来たの」
「も、もう……大丈夫ですか……?」
ポチャが出てきた茂みから顔を出したのは、イブとチコだ。ついてくるかもしれない、という予想は立てていたが、本当に来るとは思ってもみなかった。
「そちらはフォース君が心配だったのかな?」
「いや~……まあ、はい…」
「ごめんなさい、ピカさん。私達がポチャさんに頼んだんです。ポチャさんは悪くないですよ!」
「ふーん。ま、イブちゃんに免じて許してあげなくもない。フォース君は今、野暮用でここにはいないよ。まあ、すぐに帰ってくると思うけど」
「ほんとですか? 何もないですか!?」
「うん? イブちゃんの言う、何ってのが分からないけど、私からすれば何もないよ?」
ピカの言葉を聞くと、ほっと息をつき、安心したようだ。その様子から心底心配だったことが伺えた。
「あ、ねえ。ピカ……?」
「? 何?」
「話があるんだけど、ちょっといいかな?」



~あとがき~
はい! やっと三人が合流です。もう何のためにこの三人来たのか分かりませんね! 私にも分からない!

次回、ポチャの話ってなんだー!

ウィルとフォースの話は完全に終わりました。やったぜ! そして再びノーコンに戻るフォース君。ドンマイ。
フォース「…………」
ウィル「ドンマイ」

そして次ですね。ピカとポチャです。
この章の中で二人の互いに好きだと思えるところを言ってもらってます。ポチャは鈴流に聞かれて。ピカは雷姫に聞かれて答えています。
ここまでくれば何の話か分かるよね……?
まあ、ポチャはピカの駄目だと思っている部分も言ってくれてましたが、ピカは言ってませんね。いや、聞かれたことが好きなところなので当たり前ですが。まあでも、ピカもポチャの駄目だと思っている部分はあると思いますよ。
ピカ「真面目すぎて応用が利かない。頭硬い。空気なりやすい。存在感なさす…」
ポチャ「ごめん! もうやめて!?」

ピカがポチャのどこが好きかって話の中でピカ自身の悩みも出てきてますね。あれははじソラでも出てくることだとは思いますが、まあ、いいよね。
そういうことです。はい。

では、次回は少し書き方変えて、ピカ目線でやっていこうかと思います! 多分、そっちの方が面白い……いや、分かりやすいと思うので!
閲覧ありがとうございました~