satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

お知らせ!!

週一更新をしてきましたが、ついに春休みが終わってしまうので月一更新に戻ります……さようなら、私のお休み……(´・ω・`)
つっても半分くらいはバイトで予定埋まってましたし、去年よりはいろんな意味で充実した春休みだったのではと思います。堕落した生活はしてない! はず! うん!
とりあえず私も3年生にランクアップ出来るようなので、より一層頑張ります。そろそろ将来についても真剣に取り組まねば……! いや、今までも取り組んでるんだけどね!? もっとね!

月一更新って言ったけど、願望はやっぱり月二更新くらいしたいですよね。したいなぁぁ!! 出来ないんだろうなぁ……(泣)
四月はね……今やってるバトルが終わりが見えたのでなんとか一ヶ月で終わらせようかなって……出来たらね……期待しないでね……
お祭り編が終わるとは言ってないです。あくまで今のバトルが終わるかもって話だからね! もう何年やってるのあの祭り!?((

春休みの間に終わらせたいところまで終わりませんでした。もういつものことなんでいいんですけど。ゆるトークも書いてない……誰だ。年度末までには終わらすとか言ったのは……((←私だ
もうなるはやで終わらせますね。まあ、もう待ってる人もいないか。のんびりやろ……とりあえず、小説メインでこれからも進めていくぞ!

H/K

まあ、はい。何が言いたいってまた学校頑張りますって感じですね! 頑張ります!!
のんびり暇なときにでも覗きに来てくださいなっ!

ではでは!!

空と海 第165話

~前回までのあらすじ~
この戦いもそろそろ終わりなのでは?
ってことで、エレキがぬるっと退場してます。戦闘不能です。
エレキ「死ぬかと思った」
レン「や……マジでごめんなさい」
エレキは係の人が回収しているので、他メンバーのバトルに巻き込まれることはありません。ご安心くださいね! まあ、回収される描写はしてないけど!
エレキ「悲しいなぁ……」
レン「残念な人判定されてるからしゃーないな」
エレキ「うっせ」
ではでは、スタートです!


初め、この試合は難しくないと考えていた。刺激することなく、尚且、相手の興味をこちらに向かせることは容易であると踏んでいた。自身のチームに関して、注意を向けることは難しくとも、あちらはあちらで集中出来る環境を整えることは可能であると。だが、いざ戦ってみると、太陽のいけないスイッチは押してしまうし、そのせいで予定より体力は消耗されるしで当初の予定よりハードなものへと姿を変えていた。
「疲れ知らずか、あの人……!」
ピカは息を弾ませているが、太陽は全くそれがなかった。それどころか楽しくて仕方がないといった具合に笑っている。一体、どこで間違えたのか。そんな疑問がぐるぐると頭を巡っていた。が、その疑問も長くは考える時間はないらしい。
「あっははっ! いいなぁ……ここまで耐えてくれるんだぁ……嬉しいね!」
「こっちからしてみれば、笑い事じゃないですけど」
太陽から連続で繰り出される怒濤の攻撃をなんとかかわしている状態。元々、体力面は自信がないために余計、この状況はよくないのである。それでも、彼女に撤退は許されない。戦うしかないのだ。
「“エレキボール”!」
尻尾に電気を集め、ボール状に生成した電気の塊を相手に投げつける。こんな技で相手にダメージを与えられるとは思っていないが、しないよりはましである。案の定、鋭く尖らせた爪で真っ二つに斬られる。ノーダメージではなかったようだが、なんとも思っていないのははっきり分かる。
「ほんっと、分が悪い」
「もっともっと俺に立ち向かってきてよ。興奮させるような熱いやり取りがしたいんだよ、俺」
「勘弁してください。これでも、当初の予定よりは立ち向かっているつもりなんですよ」
「足りない。全然足りない」
太陽の様子を見ていると、自分がおもちゃになった気分になる。実際、彼にしてみればそうなのかもしれないのだが。
そんなことを考えていたせいだろう。ほんの一瞬だけ、ほんの少しだけ気が抜けてしまった。或いは太陽と一対一で戦っていたせいで、集中力が落ちたのかもしれない。いずれにせよ、一瞬の隙を作ってしまったのだ。そしてその隙を太陽が逃すはずがなかった。
「みぃっけ……♪」
「あっぶねっ!」
太陽の素早い鉤爪攻撃を避けはしたものの、体勢が崩れて尻餅をついてしまう。すぐに起き上がろうとしたが、太陽が力任せに押し倒してきた。力で敵うはずもなく、ピカは仰向けになってしまった。すかさず太陽が馬乗りしてきて、どうにも脱出出来る状況ではなくなる。
「あははっ! 捕まえた」
「……っ!」
刃物のようにキラリと怪しく光るその爪がピカ目掛けて振り下ろされる。命を刈り取ってやるとでも言うのような気迫と雰囲気にピカの脳裏に「死」という言葉が過った。

フォースがホノオの元へと近づくと、レンに向かって攻撃を仕掛けていたところだった。地上からの攻撃は空中へと逃げられるレンには簡単に避けられてしまう。ひらりひらりと余裕で避けていた。が、避けられている理由は他にもあるとフォースは考えていた。ホノオの攻撃パターンが最初より単純化しているのだ。そのせいでレンに見切られているのだろう。ついでに見るからに焦っているのが分かる。そんな攻撃をしている彼に見かねたフォースが止めに入った。
「おい。そんなんじゃ倒せるもんも倒せないぞ」
「何もしないよりいいかなって」
「数打ちゃ当たるって? 馬鹿言うな。そんなの通じる相手じゃないのは分かっているだろう? 急に焦りだしてどうした」
「太陽くんがやんちゃ始めたから。早くしないとピカちゃん、大変なことになるよ? ってことで、何とかして。レン」
頭上を見上げながら話しかける。レンは無視することなく返答を返した。
「え~……? 下手に手を出したら巻き添えじゃん。ピカとやれて楽しいきゃっはーって思ってるよ。絶対」
「じゃあ、さっさとやられて」
「それこそ太陽に殺されるわ」
「強情だな」
「命大事にがモットーなんで。ピカも簡単にやられるような奴じゃないって……」
二人の会話から、なんとなく状況を把握した。ホノオが焦りを見せていたのは、ピカの身を案じていたからである。本人からも早めに終わらせて欲しいと言われていたし、太陽という人物の危険度もなんとなくではあるが事前情報としてはあった。ピカが本気で戦い始めたのも、ホノオが攻撃を仕掛けまくったのも、状況が一変したためである。それならば、フォースのやることは一つ。
「じゃあ、正々堂々とやられれば文句はないよね? そのザングースさんに全力を尽くしたけど、負けちゃったって言えばいいもんね?」
「え? あ、うん?? そうだね?」
「フォースくん?」
「ホノオ。お前は出来る最大級の技をぶつけて、フライゴンを戦闘不能に追い込め。そのお膳立てはおれがしてやる」
「……了解」
「おれの考えが正しいなら……これは」
先程感じた違和感の正体がぼんやりと見えて気がした。それは恐らく、ピカが仕掛けたものが原因であろう。そしてそれを生かすも殺すも自分次第である。
「はあぁぁ……あーもう。だから、おれはラルが嫌いなんだよ」
誰にも聞こえない程度の音量でぼそりと呟いた。どうにかするしかないと気持ちを切り替え、目の前の問題に向かうことにした。



~あとがき~
短いですが、きりがいいので!
私の予想ではもうそろそろ終われる。多分。
だから、なんとなーく投稿ペース上げてます。出来るだけ四月中にバトルは終わらせるつもりではいます。ぶっちゃけ、このお祭り編が終わればそこそこ連続投稿出来る予定なの(笑)

次回、ピカの仕掛けたものに気付いたフォースはどう立ち回るのか!

ごめん。ピカちゃん、お花畑を見に逝っちゃうかもしれない…
(原因:当初の予定とは大分違う方向に行ってる)
ピカ「えっ!?」
フォース「漢字があれなんですが」

なんか、あれっすね。エレキは退場して正解だったかもね? だって、めっさ激しいよ。この戦い。
まあ、皆、やる気はあんまりなかったので、本気度もないんですけど。軽く楽しめるようなショーにしようぜ的な? 的な??
それなのに、太陽くんが暴走気味……何があったんや……おかしいなぁ……
ピカ「そっくりそのままお返しするよ」
すまんて……

ではでは!

空と海 第164話

~前回までのあらすじ~
太陽がバーサーカー(?)状態になりました!
ピカ「えへっ♪ しくじったぜ☆」
ポチャ「だろうね!?」
太陽にダメージは与えることは出来たけど、その代償は大きかったんだね……
ピカ「代償と言えば聞こえはいいけど、単純にスイッチ押しただけなんだよね。ま、そのスイッチもどこなのかよくわかんないやつなんだけど」
ポチャ「ピカが向かってきてくれたことがスイッチだったのでは」
ピカ「それはもうどうしようもねぇな!」
こっわ……
では、始めていくかね!


再びレンとエレキが空へと逃げられると、“まもる”を解除しつつ上空を見つめる。ホノオもつられて上を見た。空は快晴でよい天気であるが、季節は夏だ。体にまとわりつくような暑さは感じている。ちなみに、炎タイプのホノオはあまり気にはならないし、フォースも大して苦にしていない。
「お~……高い。逃げるの好きだなぁ」
「皆、壁には激突したくないんだよ」
「そだね。じゃ、次はどうする?」
「決まってるだろ。落とす」
悪戯を思い付いたような悪い笑みを浮かべながら、レン達を見詰めていた。すでに策は彼の頭の中にあるのは見て取れた。

場面は変わって、上空へと逃げたレンとエレキ。先程は突進してみるものの、敢えなく失敗に終わっている。そして大した策も浮かんではいなかった。
「どしよ。シアの好感度も下がるし、浅葱からの好感度もバイバイするよぉ」
「レンは考えて行動するタイプじゃないしな」
「それ、けなしてる?」
「……さあ?」
「突っ込むかなぁ……それとも“りゅうせいぐん”でも落とす?」
「別にいいけど、それはリスキーじゃないか?」
「あー……やっぱ?」
落下の速度を利用し、技をぶつけるのもありではあるが、避けられればこちらが大打撃。相手から手が出ないのはいいことではあるが、こちらも出ないのが難点である。相手の技が届かなければ、こちらの技も届かないのである。
「空中戦ってわけにもならないし、近づくか」
ふわりと翼を動かし、ゆっくりと下降していく。もちろん、技を仕掛けられればすぐにスピードを上げて避けられるように警戒はしつつ。
その警戒はあくまでフォース達二人に向けてのものであり、他のことに関してはあまり気にしてなかった。だからこそ、咄嗟に反応が出来なかった。仮に視野を広くして広範囲に気を配っていたとしても、反応出来たかは怪しいところではある。とどのつまり、レン達には何が起きたのか全く理解出来ないままフィールドの壁に激突していたのである。
理解出来なかったのはフォースとホノオも同様であった。ただ、流れ星のように落ちていったレン達を呆然と見ていた。
「……えっ」
「レン、落ちちゃったねぇ」
「なんで。なんかした?」
「うん? なーんにもしてない」
ホノオもフォースも何もしていない。それにも関わらず、落ちた二人に何が起こったのか。可能性としてはピカが何かしたのではないかという考えが真っ先に浮かぶ。が、しかしピカにそんな余裕があるとは思えない。というのも試合が始まる前にピカから太陽を相手にしていると、他のことに気を回す余裕はないだろうから、そちらは任せると言われていたのだ。
「……ピカがあのザングースをさっさと倒したわけでもない、だろう。あいつがああ言うなら簡単に終われる相手ではないだろうし」
では、一体何が原因なのか。考えてみるものの確証は得られない。注意をレン達の方に向けると、そこから何かが飛び出していくのが見えた。真剣に見ていたわけではなかったために何が出てきたのかわからなかったが、こちらに向かってきたわけではないようだった。
「ホノオはここで待機しててくれ。ちょっと様子を見てくる。一応、すぐに攻撃出来るようにしてて」
「はいはーい」
フォースは近づいて、倒れているレンを突っつきながら話しかけた。レンは地面に突っ伏した状態のまま、ふるふると頭を振る。
「何があったの、おじさん」
「ぐえぇ……えっと、なんか飛んできた……?」
この様子から彼自身も全く理解していないのは一目瞭然である。レンも見えていなかったのだろう。次にずっと気になっていたことを投げ掛けた。
「ふうん。……敵のおれが気にすることじゃないんだろうけど、その下の人は大丈夫?」
「下……? はっ!? エレキ!!」
今、思い出したようで少しだけ体を浮かせてその場から体を退ける。レンの下敷きになっていたエレキは起きる様子はなく、完全に伸びてしまったらしい。これでは試合に参加することは出来ないだろう。
「わー……おじさん、やっちゃったね?」
「やだ、俺のせい? ごめんね、エレキ。お詫びはするから……マジごめん」
空から何かが飛んできて、壁に激突。そこで体重八十キロを越える巨体が上に落ちてきたら、無事ではすまない。加えてエレキはホノオの“れんごく”による火傷で体力が削られていたのだ。その結果、こうなったとしても不思議ではない。
「これでニ対三だね。運営からの終了って言葉がないから、サンダースさんは大将じゃないってことになる」
「ありゃあ……大将の件に関しては、最初から疑ってなかったくせに」
「えー? でも万が一って言葉があるでしょ?」
「確かに」
「でも、さっきのなんだったんだろ……? 外部からの妨害なわけないもんなぁ」
「フォースくん! 危ないっ!」
「えっ……?」
ホノオに言われ、そちらに目を向けると、先程と同じように何かがこちらに向かって飛んできた。しかし、今回はレンに向かってではなく、フォースに向かって飛んできていた。そして今回は何が飛んできているのかはっきりと認識する。認識したからこそ、避けることはしなかった。
「……っ!」
飛んできたものと団子状になりながら、地面を転がる。どうにか体勢を立て直し、壁に激突することだけは回避した。
「いっつぅ……おい、ラル何してんだ」
「げほっげほっ……ここではピカだ。馬鹿」
お互い素が出てしまっているが、全く気にせずに話を進める。
「さっきのもお前か」
「レンさんにぶつかったのは太陽さんだけどね。……ところでさ。なるべく早くレンさんのこと倒して欲しい。正直、しんどいんだわ」
そう言うピカは完全に息が上がっており、体力の消耗が激しいことが見て分かる。また、体もボロボロで、普段の彼女からは想像出来ないその姿にフォースはただならぬ雰囲気を感じ取った。
「……相手、代わろうか?」
「却下。それはそれでもっと反感を買う。フォース君に出来ることはさっさとレンさんを倒すことだけだよ」
そう言い終わると、ピカはいきなりフォースを突き飛ばし、そのせいで彼女との距離が出来てしまう。何事かと思ったが、すぐに理解した。彼女に攻撃するために太陽が突っ込んできていたのだ。彼が纏う雰囲気にフォースは首を傾げた。
「あいつ、あんなんだった……?」
バーサーカー太陽くんだ、あれ」
いつの間にかフォースの元へと駆け寄ってきていたホノオが呟いた。その言葉にフォースは更に頭上にはてなマークが浮かぶ。
「んー……説明は長くなるからしないけど、簡単に言えば、ピカちゃんピンチって感じかなぁ」
「マジか。早くフライゴン倒さなきゃな」
「……ピカちゃんがそう言ったの?」
「あぁ」
「そう。じゃ、そうしよう」
ホノオはフォースから離れ、レンのところへと歩み寄っていく。未だに現状把握が出来ていないフォースだけはじっとピカと太陽の方を見る。とてもお遊びに見えないレベルの高度な戦いをしていて、素人目に見れば、何が起こっているのか黙視することは出来ないだろう。
「……あ?」
そこで少しの違和感を感じた。が、その違和感に答えは出てこない。何かが引っ掛かる感じではあるのだが、考えても時間の無駄だと思い、ホノオの方へと走り出した。



~あとがき~
きりがいいところまで書いたら、いつもより長くなった……気がする……気がするだけで、いつも通りだとは思います(笑)

次回、戦いも佳境に入ってきた(気がする)!
まだまだバトります。

ここまでやられるピカちゃんは始めてかもしれません。始めてじゃない!? いや、私が覚えてないだけかもしれないけども。うん。
描写はしてないですが、太陽とガチでやってるようですね。太陽の方も無傷ではないでしょう。だって、空中にいたレン達にぶつかるくらいだもん。無傷なわけないわ。お互い、ガチですね。

ではでは!

空と海 第163話

~前回までのあらすじ~
ピカと太陽視点でしたね。今回も続けてピカと太陽の方をやっていきますよ~
ピカ「大丈夫かなぁ……ちゃんと書ける?」
うーん……イメージはあっても文章に出来ない。思うように動かせない事件が多発していてなぁ……
ピカ「それはまあ、作者の思い通りになってやらんぞという意思表明……かな」
お主の仕業だったのか……
ピカ「はて」
どっちにしろ、すらすら書ける気はしないのでどうでもよきです……ってことで始めてくぜ!


ピカの気配を感じ取ると、ぱちっと目を開けて自分の後方、約四十五度くらいの方向へと“ブレイククロー”を繰り出した。しかし、そこには誰もおらず、太陽は空を切っただけである。首を傾げつつ、百八十度反対側に同じように切りつける。が、そこにも何もなかった。
「……? こっちでもない?」
「翻弄されてますねぇ。いいですね。楽しいです」
太陽の背後からピカの声が聞こえてきた。また、反射的に“ブレイククロー”を出すが、それはヒットせずに数歩離れたところでピカは立っていた。
「あっれぇ? すぐ後ろにいた気がしたよぉ?」
「え~? 私はずっとここにいましたよ。もしかして、勘が鈍ってませんか?」
「んぅ? うーん……? まあ、いいか。“ブレイククロー”」
一気に距離を詰めて、今度こそと言わんばかりの勢いで攻撃を繰り出す。ピカは避けるようなモーションを見せることもなく、太陽の攻撃をわざと受けた。攻撃された反動で吹っ飛ばされることはなかったようで、攻撃するために前に出た太陽の左腕をがしっと掴まれた。太陽はぎょっとした様子でピカを見る。
「!? えーっと? ピカ、ちゃん?」
「はい」
「……じゃ、ない……な?」
攻撃を受けたにも関わらず笑顔を絶やさずに太陽を見つめていた。力を入れている様子はないのに、ここから抜け出すことが出来ない。
「ピカちゃんにここまでの力があるなんて思えないんだけど」
「そうでしょう。私は本人ではないですから」
「“ドール”……か」
「はいっ♪」
「これまたマイナーな技を使って……それで? ここからどうする気なのかな?」
「それは私ではなく、マスターから伺ってください」
「“かわらわり”!」
太陽の背後から、本物のピカは頭上目掛けて“かわらわり”を繰り出してきた。ドールに捕らえられた太陽は避ける術もなく、もろに食らってしまう。ぐらりと地面へと倒れ、ピカは再度、太陽との距離を取る。
「ありがと、ドール」
「マスターのご命令とあらば、なんだってやります。それが私のプライドですからっ」
「そうっすか……とりあえず、戻っていいよ」
「それは構いませんが……このまま二人でやってしまってもよいのでは?」
「うーん……それは多分愚策だ」
ドールがピカに理由を問う前にゆらりと太陽が立ち上がる。片手で顔を覆っているため、表情は読めなかった。読めなかったが、彼の纏うオーラに変化があったことを感じ取れる。それはピカにとってそれなりに知ったものであるが、出来れば出会いたくないものであった。
「ふふっ……あはっ…」
「あーあー……嫌な部分引き出しちゃったな~」
「マスター」
太陽の変化を感じ取ったドールは主の心配をするものの、ピカのドールに対する態度は変わらない。
「戻れ、ドール」
「……ご武運を」
ドールが戦うとなればそれなりに力を与える必要があり、それに自分の体力を持っていかれてしまうのも本末転倒である。そのため、二人で戦うことよりもドールを戻して一人で戦うことを選んだのだ。
「あぁ、いいね。……楽しくなってきた。この感じは久し振りだよ……ふふっ」
「太陽さんがそれに入るのは楽しくない……っ!」
目に留まらぬ速さでピカとの距離を詰め、爪による攻撃を繰り出してきた。辛うじて避けるものの、地面に突き刺さった太陽のそれを見て、ピカの頬に冷や汗が伝う。
「あは。想定内だろ?」
地面に刺さった爪を軸に体を大きく振り回す。持ち前の反射神経とスピードのお陰かその攻撃を受けることはなかった。
「いえいえ……想定外、です」
表面上、冷静さを保ってはいるが内心それなりに焦っていた。理由はいくつかある。太陽の本性を引きずり出してしまったこと、それによって攻撃に遠慮や加減がなくなったこと。そして、下手したら命に関わるだろうことも悟ってしまった。
「あさ姉様だからこそ、太陽さんは表に出て仕事してるんだよ……姉様がいなきゃ、あの人は即刻首飛んでるよ。……物理的に」
そんな危険人物を一人で何とかしなければならないこの状況がとんでもなく不幸な目に遭っている気がしてきた。普段なら、一人で突っ込むようなことしたくないのだが、これはピカ自身が決めたことである。腹を括るしかない。
ピカは何度か深呼吸をし、目の前の怪物と成り果てた相手を見据えた。

「太陽の馬鹿。ピカちゃんのこと、殺すつもりなのかしら。そうなるなら私、乱入してあの人の首を跳ねなきゃねぇ」
マイクは通していないものの、物騒なことを言う浅葱の横でポチャも若干の焦りを見せていた。彼もまた、太陽の本性については知っているのである。
「あ、浅葱さん……あれ、不味いんじゃあ……」
「武器持ってないだけまだマシよ。あくまでマシ、だけれど」
「武器なしでよかったです……じゃなくて、浅葱さん?」
「何かしら?」
笑ってポチャの方を見るが、浅葱の目は笑っていなかった。浅葱からしてみれば、それなりに危惧はしているようで、にこにこ出来る状況でもないらしい。
「まあ? あのアホも今がどういう状況でやっているかくらいは区別つくでしょうし……大丈夫だと思うわ」
「そう、ですね。ピカも伊達に修羅場経験してないし、どうにか出来るでしょう」
「それにしても、太陽は後でお説教しなくっちゃ。全く……誰の許可を得てトリガー外してるのよ」
太陽は普段、浅葱と共に仕事をしているわけだが、その仕事内容はピカ達の言う『裏の仕事』であった。その仕事に関しては適性うんぬんがあり、誰でも出来るわけではない。ピカとポチャも同様であるが二人は、持っている武器の性能を買われた部分が大きい。しかし、太陽と浅葱はピカ達とは違った理由で採用されていた。大きな理由の一つは太陽の本質にある。彼の根底にあるのは闘争本能で、敵を一人残らず倒したいというものだ。しかも、その欲求が非常に強く、一種の異常者であると言えるかもしれない。放っておけば、向かってくる者全てを壊すまで止まらないくらいであった。実力はあるが、あるからこそ太陽は危険視されてきたし、誰も引き込むようなこともしてこなかったのだ。
そんな彼をコントロールしているのが浅葱であった。浅葱の言うことならば何でも聞き、欲求も抑え込むことが出来る。そのため、浅葱と太陽はコンビで仕事をしているのである。
トリガーを外すのも、彼の意思ではない。浅葱の意思で外れるべきである。外れるべきなのだが、今はそのことを忘れてしまうくらいにピカと戦えることに喜びを覚えてしまったらしい。そう浅葱は分析をした。結論はそこにある。ピカが太陽と戦ったことなど一度もなかった。だから、今の状況が楽しくて仕方ないのだろう。
「安心して、ポチャくん。いざとなれば太陽は私が止めるから」
浅葱の言葉に、止めるのは試合だけではないだろうと察し、ポチャは背に冷たいものを感じつつも静かにお礼を述べるだけに留めた。



~あとがき~
あーあー……次はどうしようかなぁ~

次回、フォース達に戻そうかな……多分ね。

説明を入れるか悩んだんですけど、入れなきゃ意味わかんないんで入れました。要は太陽ってやつは危ないやつなんですよ。浅葱がいなきゃ犯罪者街道まっしぐらなんです。怖いね!
闘争本能なんて言いましたが、もっといえば敵がバッタバッタと倒れることに快感を覚えているんです。戦闘狂です。柔かーく言えば、もっと血を見せろー! うがー! 的な感じてすね。はい。
そんな彼を手懐けているのは浅葱です。浅葱と太陽は幼馴染みなもんで、彼の危険性も知った上で関係を築いてきました。幸いというか不幸というか、太陽にめっさ好かれているんで彼女に危険が及ぶようなことはないです。仮にあったとしても、浅葱はなんとかしそうですけどね。

ではでは!

空と海 第162話

~前回までのあらすじ~
レンがやっと戦う気になりました。でも、策は特にないらしい……
レン「なーんも考えたくなぁい」
エレキ「こんなんが補佐って」
レン「ほんとだよな。なんで俺なんだろね?」
エレキ「いや、知らないけど」
適当にくじ引きだったのでは。
レン「ありそう。シア、適当なとこあるもん」
エレキ「反論出来ないなぁ……」
今回はちょっと時間を戻してピカ視点やりますよーっと!


ピカはホノオとフォースから離れたところで“くさむすび”を繰り出す。三人をというよりもレンを空に逃がさないようにした。
「結構、分が悪いんだよね。分かりきってたけど、レンさん達とはちょっとなぁ」
レンは地面タイプを持ち合わせ、エレキは電気タイプ。ピカとは相性が悪いのだ。だからこそあの二人のことはホノオ達に任せたのだ。ホノオであれば、同じく相性の悪いレン相手でも力業でなんとかしてしまえるだろうと考えたのである。
「私は後ろで状況把握に勤しみますよ~……なんて、出来ればいいんだけど」
今回のピカの立ち位置はサポート役である。戦いに関する技術はホノオやフォースの方が上手であった。ピカも低すぎるわけではないが、今回は状況が悪い。タイプ相性、体格その他諸々が影響しているだけにすぎない。相手が放っておいてくれればよかったが、そうともいかないらしかった。
体を反転させながら、“アイアンテール”の要領で尻尾を硬化させ、後ろから来た攻撃をガードした。
「来ると思ってました。太陽さん」
「期待に応えられたみたで嬉しいなぁ」
太陽は鋭く刃のような爪に力を込め、無理矢理にでもピカに攻撃を当てようと押し込めてくる。尻尾を盾のようにしてはいるが、反撃の姿勢も取れぬまま、じりじりと後ろに押されていた。
「力強いですねぇ……流石です」
「おお~♪ お話しする余裕あるんだ。嬉しい。久し振りに楽しめそう」
太陽は一度後方へと飛び、体勢を整える。それのお陰でピカも解放され、太陽から距離を取った。
「ぐえ~……骨折れそう」
太陽はピカの尊敬する人物の一人、浅葱のパートナーである。鋭い爪から繰り出される一撃と素早い攻撃が持ち味であり、相手にしたくないNO.1である。その理由は彼の性格にもあり、普段は浅葱に抑えられてはいるのだが、なかなかの戦闘狂なのだ。まあ、ピカ自身、戦うことは嫌いではないが太陽には負けると言うもの。
「大丈夫大丈夫……この試合を乗り切れば二度と戦うことはないぞ、私……!」
「えぇ? そんなこと言わずにこれからも手合わせしてもいいんだけどな?」
どうやら自己暗示のような一人言が太陽の耳にも届いていたらしく、にこにこ笑いながら返答してきた。それに対して、ピカも同じように笑顔で返す。
「あはは♪ 絶対に嫌です」
「うぅ。嫌われちゃったかな」
「そういうことじゃないですけど、太陽さんを相手にするのは嫌なだけです。命がいくつあっても足りないじゃないですか」
「そう? ハニーは笑って付き合ってくれるんだけどなぁ?」
「姉様は多分、楽しくて笑っているわけじゃと思いますが、まあ、うん。いいや」
「? よく分かんないけど、リーダーの君を倒せば終わりなんでしょ? 俺、頑張っちゃうよ! 俺のハニーのためにね!」
「本人は嬉しくないんだろうな……っと!」
太陽の鉤爪攻撃をひらりと避ける。一度でなく何度も何度も切りつける攻撃を避け続けていく。体を横にしてみたり、上に飛んで避けてみたりと何かと芸達者に避けるピカに太陽も楽しくなってきたらしい。攻撃の速度を緩めることなく、怒濤の連打であった。
「私にもっ! 攻撃の機会をくださいよっ!」
「あははっ♪ やだぁ~♪」
「くっそ。楽しそうだな……っ!」
まだ攻撃の速度は上がるのだろうと予想しつつ、どうにか隙が作れないかと頭を働かせる。どこかで攻撃を仕掛けなければ、やられるのは目に見えているのだ。
「……“まもる”っ!」
太陽との間に瞬時に壁を作り出す。鉤爪攻撃を防ぎ、なんとか距離を取った。“まもる”で作り出した壁はすぐに消えてしまうため、すぐに太陽が距離を詰めてくるだろう。そこで自分が出来ることは何か考える。それも限られた僅かな時間で、だ。
「はぁ……色々、私の方が負けてるんだよねぇ。それなら私が太陽さんに……いや、太陽さんを出し抜くために出来ることはなんだ……?」
今出来る最善策を見出だす必要がある。そしてそれはあらゆる可能性などを考慮する前に体が動いていた。“まもる”の壁がなくなるのと同時に尻尾で地面を思いきり叩きつけた。それのせいでピカの周りに砂埃が舞い、ピカの姿を隠してしまう。
「おー? 目眩まし?」
太陽の言う通り、目眩ましである。その目眩ましの砂埃が消える頃にはピカの姿も消えていた。その理由は太陽にはお見通しのようであった。
「“あなをほる”かな? 色んな技覚えてていいよね。羨ましいよ~」
心から楽しむように笑って、辺りを見回す。離れたところではレン達が戦っており、あそこは人数も多いせいか、なにやらごちゃごちゃしていた。あちらに乱入するのも面白いと思ったが、ピカを野放しにするのもまずい。こちらに集中した方が得策であろうと更に神経を尖らせた。それでもピカを見つけることは出来ない。余程上手く隠れているのか、周りの観客のせいで探知出来ていないのか、あるいはその両方か。どちらにせよ、太陽には全く分からなかった。
「……正面から来るのは得意なんだけど、こう隠れられるとしんどい。わっかんないんだもん」
地中にいても攻撃出来るような技を覚えていればよかったのだが、そんな都合のいい技は覚えていなかった。仮に出来たとしてもエレキまで巻き込む可能性があるため、使えないだろう。
それなら、太陽に出来ることは一つ。ただ、相手が何かをしてくるのを待つのみである。
すっと目を閉じると精神統一をするように体の力を抜き、動かなくなる。よく言う心の目で見るというやつである。本当にそれが出来るのかは分からないが、目視出来ない相手ならば別の五感に頼る他ない。



~あとがき~
なんかもう、細かいところがしんどいね!!! 書けなくて!!!

次回、まだやりますよ。ピカVS太陽!

このバトルが終わったら展開をどうしようか悩んでます。もう一悶着起こすか、平和に終わらせるか……うーん……私的には一悶着する予定ではあったんですけど、これやってたらバトル書きたくなくてな……辛いんじゃ……
とりあえず、このバトルを終わらせてから再度検討します! 今はピカ達の戦いを楽しんでくださいな!

なんか太陽のバトルスタイルはごり押しタイプに見えてきます。何も考えてなくて、勘と勢いでやってくみたいな(笑)
実際、その通りなんですけどね!

ではでは!

空と海 第161話

~前回までのあらすじ~
勝戦スタートしました。ピカと太陽、レン&エレキとフォース&ホノオですね。ごちゃごちゃしそうですね。
ピカ「すでに展開どうしようか詰んでるもんなぁ」
それな……大まかな道筋はあるんだけどな……
フォース(どっかで詰むのはいつものことなのでは……?)
まあ、いいや。始めるぜよ!


「随分信用してるんだな。イーブイ君?」
「まあね。そうじゃなきゃ、面白くないでしょ? おじさんは仲間のこと、してないの?」
「さてねぇ……」
煮え切らない態度のレンを一瞥しつつ、フォースは小声でホノオに話しかける。
「……ホノオ、行けるか」
「うん。大丈夫」
ホノオは背伸びをしながら頷く。お互い、準備は出来ている。後はタイミングの問題だった。いつでもいいといえばそうなのだが、どうせなら相手が一瞬の隙でも見せるなどのよいところで仕掛けたいものである。が、ホノオにはそんな考えはないようで、ぐるぐると腕を回しながら、さも当たり前のように二人に宣言した。
「ごちゃごちゃ考えてもしょうがないよねぇ~♪ 今から仕掛けちゃうね?」
「言うんだ、そういうこと……っ!」
エレキが呆れて突っ込みを入れようとした瞬間、背後から“スピードスター”が飛んできた。いつの間にかフォースがエレキとレンの後ろを取っていたのである。レンは上空に、エレキは走って範囲外へ逃げ出した。しかし、エレキの逃げた先には待ってましたと言わんばかりにホノオが待ち構え、悪魔の笑顔を向けていた。
「いらっしゃぁい♪ “きあいだま”」
「ぎゃあぁぁ!?」
自分から突っ込んだようなもので、急に防御体勢に変えられるはずもなく、もろにホノオの技を食らうことになった。完全にフォースに誘導された形となる。
「戦いはとっくに始まってるんだよ、エレキ」
「くっそ……さっきの台詞は合図だったわけ?」
「あはは♪ どうだろ?」
エレキは、バチンと電気の火花を散らす。生半可の気持ちのままホノオに挑めないことを悟ったのだろう。
「でもまあ、レンは空に逃げられるし。こっちの方が優位ではある」
「行動範囲が広がるのは利点だよね。でも、だからって優位になるとは限らないんじゃないかな?」
「……どういうこと?」
ホノオの言葉にエレキは首を傾げた。ホノオがそれに答えることはなく、黙って笑顔を浮かべるだけだった。エレキの疑問に答えたのはホノオの隣へ戻ってきたフォースだ。
「おれがおじさんを捕まえるからだよ」
「捕まえ……?」
「“スピードスター”」
初動なしに攻撃を繰り出してきたフォースにエレキは完全に対応することが出来なかった。遅れをとっていることは明らかであった。
フォースからしてみれば、本気でない相手を倒すことは造作もないことで、構えなしに技を出すことも簡単である。しかし、それでは面白くないのだ。これは確実に敵を殲滅する必要はなく、あくまで見世物である。だからこそ、手加減も必要であった。
「このサンダースは問題無さそうだな。あとはフライゴンザングースだけど……ザングースはピカに任せるとして、だ」
フォースとホノオがやらなくてはいけないことはこの二人をピカの元へと行かせないこと。それと、大将首を取ることである。大まかな道筋は聞かされたが、事細かな手段については任されてしまっているため、ここはどうするか考えなくてはならない。
「……ま、確実にいくならホノオの技を当てることが一番だな」
「そうだね。でも、どうしよっか? ちょーっと遠いかなぁ?」
ホノオの言う通り、レンは上空に逃げてしまっていて技が届く距離にいないのだ。流石にこれが終わるまで逃げ続けるようなことはしないだろうが、しばらくは降りてくるとは思えなかった。とりあえず、この場に引き戻すことをしないといけないのである。
「大丈夫。さっきも言ったけど、おれが引きずり落とすから」
「そう? じゃあタイミングとか任せる」
「あぁ。ひとまず、目の前の敵を弱らせてからだな」
「はいはーい。それは俺の役目だね」
「そうなる。……来るぞ」
フォースの言葉でホノオはエレキの“ボルトチェンジ”を巧くかわす。電気をまとったエレキはそのままの勢いで近くにいたフォースに攻撃を仕掛ける。
「あは。今度はおれかぁ」
「ったく! ホノオの“れんごく”のせいで、火傷が響いてるし! 一人で二人を相手してるし! 損な役回りだよっ!」
体を軽々と持ち上げて蹴りを入れたり、電撃を飛ばしてきたりと口では色々言っていても攻撃は緩めてこない。しかし、避けられない程速くもないため、フォースは確実に見極めて避ける。
「嫌ならさっさと倒れてくれてもいいんだよ?」
「んなこと出来たら苦労はないっ!」
「真面目な人。……ホノオ、よろしく」
「は~い」
エレキの背後からホノオの“かえんほうしゃ”が繰り出される。この角度だとフォースもろとも焼き尽くしてしまうのに、何の躊躇いもなく強力な炎が吐き出された。慌てて横に逃げようとしたが、その退路を断つようにフォースが攻撃を仕掛ける。
「ばっ……! お前、焼かれたいの!?」
「あはは♪」
笑うだけで何も答えないフォースとエレキはホノオの“かえんほうしゃ”をまともに食らったのであった。お互い単騎で力を発揮する部類であるが故に、協力プレイなどといったものをしようとは思っていないらしい。どちらかが大将を叩けばいいとしか軽く考えていないのである。しかし、フォースはこんな序盤でやられようとは思っていないのだが。
「ホノオ、容赦ねぇなぁ?」
「逃げてばっかの誰かさんに言われたくないねぇ」
「許せって。おっかないホノオさんが暴れてたら逃げたくもなるでしょ?」
「ははっ♪ 本人に言うことじゃないよ?」
高度を下げ、ホノオと会話出来る程度までには降りてきたらしい。レンはエレキの方へと飛ぶと様子を窺った。不思議なことにその場にはエレキしかおらず、フォースは直前になって攻撃を避けたらしい。
「エレキさぁん、生きてますかぁ?」
「うぇ……あーくそ。残念なことに生きてるわ。まだいけちゃう自分が嫌い」
「おーおー……頑張るねぇ?」
「ホノオ相手に無理してまで頑張りたくはねぇ……が、中途半端で終わらせたくもない」
「優等生か。んじゃまあ、俺も協力してやろう」
「そう言うなら、最初からそうしろよ」
ゆっくりと体を起こし、ホノオを見据える。ホノオはというと、見られた意味が分からないと言ったように首を傾げていた。それを見たレンは子供っぽくふて腐れたように声をくぐもらせた。
余裕のよっちゃんかよぉ」
「実際、そうなんだろうな。さっきまで二対一だったし」
「ごめんて。今から真面目になるから」
そう言うとエレキを掴み、ホノオに向かって一直線に飛んでいく。訳が分からないエレキは慌てた様子でレンを見上げた。
「え、待って? これ、策あるの!?」
「いんや。全く」
「……はあぁぁぁぁ!?」
「あはは~♪ 無策で突っ込むなんて面白ーい♪ 任せたぁ~」
レンとホノオの間にいきなり現れたフォースはにこっと笑う。今まで気配を殺し、レン達の死角にでも隠れていたのだろう。そして、フォースは当たり前のように防御体勢に入る。当然の対応であった。
「“まもる”」
フォースとホノオを包むように半球型の盾が出来上がる。レンは仕方なく、翼を大きく羽ばたかせて上へと路線変更を行う。“まもる”に突っ込んでもダメージは当てられないため、どうしようもない。
「くっそ、厄介だな。補助系も覚えてて、動けるんだもんな。どこで見つけてきたんだ。ピカの奴め」
「どーすんの。結局、逃げてますけど」
「ぐぅ……どうすればいいのかわっかんねぇんだよぉ……苦手なんだよ、こういうのっ!」
「相手の方が何枚も上手なんだよな。こうなりゃ、太陽が終わらせてくれるの待つか?」
「それもありっちゃあり……だけど」
流石にその姿勢はよくないことはレンが分かっていた。これが本当のバトルでこちらが勝たなければならないものであれば、それが一番の最適解であろう。しかし、これは実戦であり実戦でない。周りに見ている客がいる限り、自分達は注目されているということを忘れてはならない。そして、ギルドの名を背負っていることも。下手なことは出来ないのだ。今後のためにも、逃げるだけではいけないというのは分かっている。
「……二人で真っ向勝負するか」
「レンがそれでいいなら従うけど」
「協力すればなんとかなんだろ」
「なるかねぇ……ま、最悪、レンは空に高飛びしろよ。……でも、あのイーブイは引きずり落とすって言ってたけどな」
「はあ……? どうやって」
レンが聞くが、エレキがその答えを知っているはずもなく、さぁねと一言返ってきただけである。



~あとがき~
うわぁ……しんどい……
展開は決まっているのになかなか書けない……

次回、一方その頃ってのをやります。ピカVS太陽です。ピカが“くさむすび”で援助した辺りからやりますかね。

なんだろう。書けないから案外早く終わるような気がしてきた。十何話くらい続くかと思ってたんだけど……そんなことない気がしてきた。どうなるかなんてわからないけど!

ではでは!

空と海 8周年

っていうのを今日、当日に気づいたんだ……何も準備してないんや……
ピカ「……」
(この前、F.Wの方も四周年迎えてたんですけどね……それもほったらかしだもんなぁ)
小説の方もあれですね。六年かな? それくらい経つそうです。成長が何も見られませんが、これからも細々とやっていくつもりですので、よろしくお願いしますね。
ピカ「小説もあれだよ。お祭りが全然終わらないから、最終話までまだまだかかりそうだし」
まじそれな……
ポチャ「ま、まあ、のんびり続けていけばいいと思うよ? ぼくは」
イブ「のんびりしすぎて、忘れないでくださいね? 今後の展開とか!」
あう~
フォース「最近、すぅ達喋ってないもんな」
イブ「まあね! 本編じゃまだ無理だからねっ」
チコ「というか、若干続きが書けないって作者の嘆きが……」
バトル続きで萎えてきた……つらい……
っとまあ、そんなことは言っても続きは書きますんで、気長に待っててくれると嬉しいです!
これからも、ピカ達をよろしくお願いしますね!