satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第93話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で楽しく暮らす物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
なかなか終わらない裏側の話。救護室のあれこれをお見せしています~♪ ぶっちゃけ、しばらくはこんなもんですけどね!
ってことで、変わらず、ラル視点の救護室風景をお見せしていきますね~♪


《L side》
「ごめんなさい、ツバサちゃん。本当は私が治すべきだったんだけれど、薬草を切らしていて」
私とリリちゃんでくーちゃんを愛でている間、ミユルちゃん達は別の話をしているらしい。
「ううんっ! 大丈夫だよ、みーちゃん。これが私のお仕事だもん。気にしないで」
「でも、ツバサ。今回で色々と魔法使ってるんだろ。魔力は大丈夫か?」
アラシ君の言う通り、この大会中にツバサちゃんは大活躍だ。ツバサちゃんの騎士様としては、そこら辺の心配は尽きないのだろう。
「大丈夫だよ、アラシ。確かに魔法は使ってるけど……氷山のパフォーマンスで消費した魔力はポーションで回復したし、そのあとの魔法だってちゃんと考えてるもん♪」
「そーそー! 心配しすぎるのも毒だぞ~♪」
どこから聞いていたのか分からないが、扉を開けながらレオン君が帰ってきた。一年生のジャージ姿で、ニッと笑った。
「それにツバサの魔力の多さは俺らが一番知ってるだろ? 何かあればツバサは言ってくれるって♪ な?」
心配するアラシ君を落ち着かせるようにレオン君が背中をぽんっと叩く。それに続くように、ミユルちゃんも口を開いた。
「そうね。アラシくんは魔力風邪も心配しているんでしょうけれど、今のツバサちゃんを見るに、そんな心配はいらないと思うわよ? 何かあってもここにはリア先生や会長さんもいるもの」
……そこに私が入る訳を知りたいなぁ?
なんて、友人だけの和やかな雰囲気の中にずけずけと入れるはずもなく、私の疑問は自身の胸の中に消えていく。
周りの友人の説得染みた話を聞き、アラシくんは腑に落ちないにしても、無理矢理納得することにしたらしい。アラシ君は、笑顔を浮かべるツバサちゃんの頭を優しく撫でる。
「……何かあれば、ちゃんと言えよ」
「うんっ♪」
……優しく、友人思いだことで。
本当にツバサちゃんは恵まれている。羨ましいくらいだ。
「それ比べて私の相棒は」
「優しいだろ?」
「……優しくなぁい」
そんな意地悪な笑顔を浮かべるティールは優しくないよぅ……
「大丈夫ですっ! 会長様! 私が優しくよしよししますよー!」
「会長を撫でるの?……恐れ多いことするね」
「あっはは! ラル先輩には俺らがついてますよー!」
頼もしい後輩達だねぇ……優しくない相棒より全然いい……
「なんなの、ラルは。優しくされたければ普段の行いを見直したらどう?」
か、返す言葉もねぇ……!
「?」
私達の言葉を理解しているかは分からないが、くーちゃんが小首を傾げ、ちろりと控えめに私の頬をなめる。
「くーちゃん! 慰めてるの!? 可愛いっ!」
「♪」
嬉しそうに尻尾を振るくーちゃんが可愛すぎる! うちに欲しい!
「会長は人でも動物でも本当に何にでも好かれますね……」
「んふふ~♪ 今度、ノワールとかモフモフさせてねぇ♪ 久し振りにブラッシングしてあげるっ」
「分かりました。お時間のあるときに生徒会室へ出向きます」
よっろしくっ!
怪我人の訪れるはずの救護室がわいわいと騒がしい空間となっているのもつかの間、モニターから流れる音声と映像に目をやると、丁度、第四試合が終了したところのようだった。
「すっかり忘れてた。シエル君とセジュ君って子の試合だよね? セジュ君とは面識ないなぁ」
私の言葉に、アラシ君達も思い出したかのようにモニターへと目を向けた。
「ぼくらと同じ三年だけど、学科が違うからね。面識なくても仕方ないさ。シエルにとっては、学年的に上級生だけど」
「大丈夫ですよ、副会長さん。シルだもの」
小さく笑うミユルちゃんの言葉の先を代弁するようにリュウ君のアナウンスが入る。
『準決勝に駒を進めたのは……シエル・シルフゥゥ!!』
「余程の相手でない限り、負けませんわ♪」
絶対の信頼があるなぁ……このあと戦う相手だと言うのに。いや、だからこそ、なのかもしれない。
それはともかくとして、この試合をもって、準決勝のカードが揃った。第一試合の勝者である、キーくん。第二試合を勝ち進んだアリアちゃん。第三試合はミユルちゃん。そして、今、勝利を納めたシエル君。この中から、二人……か。
準決勝は今まで通り、十分後に行われる。キーくんも移動しなければならないが、会場内だ。焦る必要はないだろう。
「悪いんだけど、ツバサ……」
「うん。分かってる。……リリアーナさん、ラルさん、ティールさん。申し訳ないんですが、少しここを離れてもいいですか?」
リリちゃんが黙って私の方を見る。リアさんのいない今、一応の責任者が私になってしまっているからだ。別にリリちゃんが答えてくれてもいいのだけれど、彼女は答えるつもりがなさそうなので、私が答えよう。
「私は構わないよ。……で、想像はつくんだけれど、一応、聞こうかな。どうして?」
「あーちゃんのお迎えに行ってきます。第二試合から時間が経っているので……」
「外で食いもん探しに出てる可能性大だからな」
ツバサちゃんの言葉の後に、呆れ顔のアラシ君が続く。レオン君もミユルちゃんも困り顔で頷いている。
恒例なのだろうか。こういうの。
「次の準決勝、アリアちゃんからだもの。今回に限って、遅れるようなことはないと思うんだけれど、一応ね」
「ま、目星はついてるからさ。さっさと見つけて帰ってくるわ♪」
「なんか、大変だね? 心中お察しってやつだよ。何かあれば連絡ちょーだい。……あ、いや、フォース君に連絡して。あいつなら即解決すると保証しよう」
「ありがとうございます、ラルさん! いってきますね♪」
フォース君の出番がないことを祈ってまーす……何かしたら、私に見返り求めてくるもん……やだ。
ツバサちゃん達が出ていったあと、残された私達はなんとなく、お互いを見合っていた。
沈黙を破ったのは案の定と言うべきか、キーくんだった。
「アリア先輩ってそんなに凄いの? いやまあ、予選とか、さっきの試合……レオンを瞬殺してたけどさ。いまいち、よく分かんない」
「いっちゃん、瞬殺だよぉ」
「僕は戦いたくない。勝てっこないし……レオンさんを瞬殺した魔法を避けたとして、攻撃に入れるかは微妙なところ。僕なら……幻術を何重か掛ければワンチャン……あるかないか? いや、ないに七、八割くらいだな」
「あー……そんな感じかぁ。うーん。どしよ……ラルせんぱーい!」
私かよ!! そうだな……
「……体感していないから分からないけれど、防ぎきるのは不可能じゃない。あの氷も予選で分かる通り、破壊不可能ではないからね。いくつか手はあると思う。でもさ、あれだよ。食べ物の恨みは恐ろしいじゃない? 食欲は人を豹変させる……つまりだ。覚悟して死になさい、キーくん」
「死ぬこと前提!? ティール先輩は!?」
「ぼ、ぼく!? ご、ごめん……ぼくならセツの能力である程度防げるから……」
そりゃそうだ。私とティールのコンビであれに挑むなら、セツちゃんである程度操れるはずだ。それが破られたとしても、雷姫で斬り伏せてみせる。単騎戦だとしても、やることは同じ。私なら雷姫で、ティールならセツちゃんで対応するだろう。しかし、これはあくまで私達の場合だ。キーくんの場合だと、的確なアドバイスは難しい。
「ぐぅ……防いで見せます! あの一撃は! 防いだら褒めてくださいよ!?」
高らかに宣言するキーくんに、リリちゃんはパッと笑顔を見せた。
「なでなでしたげるよ、いっちゃん!」
「僕も撫でてあげる」
「リリィはともかく、ユーリのそれは、悪意が込められてる気がするから却下」
「我儘かよ……じゃあ、あれだ。今度、手合わせする。純粋に。剣術で」
「マジか! セコい手なし!?」
「うん。魔法も体術も使いませ~ん」
「やったぜ! 約束なっ!」
……普段、どんなやられ方しているんだろう?
そして、期待の目をこちらにも向けるキーくん。おっと。私らもか。
「ん~……何して欲しいのよ。私も撫でようか?」
「嫌です! ラル先輩達には、仕事風景見せてほしいっすよ! 探検隊の!」
「えー? 何でもいいの? 私ら大したことしてないよ?」
「いいっすよ。一回でいいから見てみたいんですよね、先輩達の仕事姿ってやつ」
それなら、これから見せてあげられると思うんだけれど……ま、いいか。
「いいよ。時間のあるときに簡単な依頼に同行させてあげる。……防げたらの話だけどね? いいよね、ティール」
「ぼくは構わないよ。リーダーがいいって判断したのならね」
はい。交渉成立。
この場にいる全員との約束を取り付けたキーくんのやる気はMAXのようだ。いきいきとした表情で、ぐっと拳を握る。
「そんじゃ、頑張ってきます! 勝ちは諦めませんけど、目標は攻撃を一つ防ぐこと!」
ひっくいなぁ……ま、でも、それくらいの方が達成できるかもね。それくらいアリアちゃんの気迫は恐ろしいだろうから。
準決勝が始まる前にキーくんは移動するらしく、一足早く、救護室を出ていく。そろそろ、こちらも動いた方がよさそうだ。
「ユーリ君、仕事できそう?」
「問題ありません。ツバサさんの狐……くーちゃんと離れなければ大丈夫なので。それで、僕はどうすれば?」
ベッドの上で座ったままだったユーリ君は、そのベッドから降り、くーちゃんを肩に乗せる。普段、黒い狼を乗せるその定位置に、白がいるのがなんだか不思議であるけれど、逆にしっくりときた。何か乗っているのがちょうどいいのかもしれない。
「ユーリ君にはティールの代わりに会場内の警備を任せる。リリちゃんはフォース君の代わりを」
「了解です、会長」
「わ、分かりました! 私も移動しますね!」
「よっしゃ! よろしくね!」
「……では、行って参ります」
手渡した通信機をしっかりと装備し、生徒会の腕章もつけたユーリ君は、軽く一礼をして部屋を出ていく。
「会長様が任せてくれたお仕事! 頑張ってきますね!」
と、言い残し、部屋を出ていった。不安そうではあったものの、リリちゃんなら大丈夫だ。
「色々とあったけど、終わりが見えてきたね」
「最後に大仕事が残ってるけどねぇ……ある意味、この準決勝は見逃せないよ。私的には、ね」
「……そうだね。決勝のルールがあるからな」
さてさて、長かった大会も残す試合はあと三つ。どうなることやら、だ。



~あとがき~
はー!!!! 終わった!!!
あとは準決勝に決勝じゃい!! 決勝長そうだなぁ!←

次回、ちょっとした休憩回。
まだ休憩? と思うでしょう? まだ休むよ←

特に言いたいことはないです。
茶番って楽しいね。以上。

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第92話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で好き勝手する物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、凍結状態だったレオン君が救われたところで終わりました。
レオン「アラシの優しさが身に沁みましたー!!」
アラシ「根に持ってんな、こいつ」
ま、普段からアラシ君にちょっかいを出していたつけが回ってきたんでしょうね。致し方なし。
レオン「悲しい」
今回も変わらず、救護室でのお話です~!


《L side》
レオン君が部屋を出ていくのと同時にモニターからは選手紹介が入る。これから一回戦最後となる試合が始まるようだ。
『一回戦ラスト! 第四試合を飾るのは……普段は温厚だが、逆鱗に触れたときや、やる気があるときは容赦なし! 彼と戦う場合は体の関節に気を付けろ! 体術の伝道師! シィィエル・シルフゥゥ!!』
というリュウ君の紹介に戸惑い気味なシエル君が映し出される。それを見つつ、ティールがぽつりと呟いた。
「今年で終わりなんだよね。リュウのこれ」
「そうだねぇ……この選手紹介が代々に受け継がれても面白いけれど、リュウ君みたいなアドリブ効かせた口上は見納め……聞き納めか」
「だね。……まあ、リュウの後輩がどかーんと進化でもすれば話は変わるんじゃない?」
キャス君かぁ……どうなんだろう。リュウ君は才能を感じているご様子だけれど。
「また参加したときに恥ずかしい紹介がなければなんでもいいよ……」
ナイト様紹介が未だに忘れられないらしいアラシ君が難しい顔をしていた。よくよく考えれば、あの会場には一般人もいるわけで、そこで大々的にお知らせされちゃったわけで。
うん。恥ずかしいな。
「ラルやティールは餌食になってないわけ?」
「餌食って……ぼくは言われたことあるけれど、ラルやフォースは回避してるよ。大会には参加しても、本戦にはいないからね」
「ラルさん、前回は負けちゃったんですか?」
「いんや。途中棄権」
多人数戦で蹴散らすのが目的の予選はともかく、一対一の少人数制の見せ物感が好きじゃない。それに、去年はどれくらいの人を一撃でやれるのか……みたいな挑戦というか、実験を兼ねて参加した。要するに、予選にしか興味がなかったのだ。
「強力な雷属性の技を一つ繰り出して、ラルの出てたブロックは終わり。で、すぐに本部に出向いて、あれこれ理由つけて棄権したってのが去年の話」
「ラル……お前……」
呆れ顔のアラシ君が見つめてくるけれど、無視する。何を言われても私は私だ。やりたいようにやるのが、私なのだ。
「だから、ぼくは少し楽しみだけどね。ラルがこの大会でどう立ち回るのか」
「む……どうもしないよ。いつも通りだよ」
「ぼくもフォースもいないからさ」
「うっ……いつも、通りだよ……っ!」
このあとの決勝がどうなろうと、私のやることは変わらない。ま、相手によって策は変わるだろうけれど。
「テンション上げまくってるリュウの選手紹介……ゲスト紹介も興味深いよね」
珍しく面白がるような笑顔を浮かべるティール。ここぞとばかりにいじってきている。日頃のお返しのつもりなのか。
「あると思うのですよ。会長様とフォース先輩を観客の皆様にご紹介しないとです♪」
「今からでもやめさせよう……悪趣味な選手紹介……普通が一番ってことで」
「おまっ……ずっるいな! 自分のときだけ!」
リュウのあれが普通だろう?」
ぐっ……確かに……あれがあいつの通常運転だ……!
なんて下らない話をしていると、救護室の扉が開けられる。入室してきたのは、一回戦第三試合に出ていたミユルちゃんとユーリ君。そして、キーくんだった。しかし、ユーリ君は力なくキーくんにおぶられた状態だけれど。
「ゆっちゃん!」
「ユーリさん! あ、そっか。みーちゃんの……」
リリちゃんが慌ててキーくんのところへ駆け寄り、ツバサちゃんのところへはミユルちゃんが近寄ってきた。その表情は少し浮かない様子だった。
「ツバサちゃん、ごめんなさい。手を貸してもらってもいいかしら? 一応、ナーレで進行は遅らせてたんだけど、ここに来る途中で効果が切れちゃったみたいなの」
試合で仕方なくとはいえ、罪悪感は感じているみたいだ。試合なんて、何されても自己責任ではある。ミユルちゃんが何かを思う必要はない……なんてのは、残酷か。試合が終われば、相手を気にかける優しさがあるのだから。
「ま、パリラはなぁ……滅多にならないけど、危険な部類ではあるよね。ぼくはなったことないな」
状態異常を引き起こす要因はいくつかある。魔力石を使用した術の場合。技や魔法を使用したデバフ攻撃。そして、自然界に存在する生き物や植物の効果。一口に状態異常と言っても、深刻さでいえば、術が一番弱く、技や魔法ときて、その他が強い。……自然のものに抗うのは難しいということだ。もちろん、そのための対策は星の数ほど存在するだが。
「イツキ先輩がユーリ先輩をおぶってるのはなんでっすか? こういうの、係りの人がいるんじゃ」
「親友の一大事は俺の一大事だからな!」
心配で駆けつけたってところかな。重度の麻痺状態中のユーリ君が口を開くことはないけれど、不服そうな気配はする。これ、治ったら真っ先にキーくんにパンチでも飛ぶのではなかろうか。
「ゆっちゃ~ん! 最近のゆっちゃん、運なさすぎだよー!」
「それな~」
うん。今はそこじゃないと思うよ、親友二人。
「イツキさん。とりあえず、そこのベッドに寝かせてもらえますか? 今、治療すればちゃんと治りますので!」
「OK! 大人しくしてろよ、ユーリ」
ツバサちゃんの指示でキーくんが手近なベッドへユーリ君を寝かせる。さっとユーリ君を見たツバサちゃんは、私達の方に振り向いた。
「症状的にポーション作っている時間もないので、魔法で治しちゃいますね♪」
にこっとこちらに笑いかけ、再びユーリ君へ視線を落とす。そっと両手を前に出して目を閉じる。
「おいで……“クラルナール”!」
ぽわっと白く暖かな光が一瞬だけ輝き、消えたと思ったら、ツバサちゃんの足元には小さな子狐が現れる。白い毛並みを持ち、額に黄色い宝石がついていた。
子狐はツバサちゃんの足元を何周かした後、ユーリ君の寝ているベッドへと飛び移った。お行儀よくお座りをし、こちらを向く。
「コン?」
何あの生物……可愛い……!
「生物って……精霊の一種でしょ。元々は魔素……」
「夢がないことを言うな、このお馬鹿!」
「なんでぼくが罵倒されるんだろう……?」
夢のない発言をするからだ。
「ユーリさん、気分はどうですか?」
ツバサちゃんは閉じていた目を開け、ユーリ君に話しかける。ここに来てから全く動く様子がなかったユーリ君だったが、自力で起き上がり、少し不思議そうにしていた。しかし、狐とツバサちゃんを見て、どこか納得したらしく、ふわりと笑う。
「問題ありません。ありがとうございます、ツバサさん」
「……いえ! これが私のお仕事ですからっ♪」
「コンッ!」
ツバサちゃんと合わせるように返事をする子狐。その子狐は甘えるようにユーリにすり寄る。そんな狐をユーリ君は抱き上げ、首を傾げる。
「見たところ、精霊魔法の一種でしょうか。状態異常の回復を手助けをしてくれるような……」
「はいっ♪ 今、この子がユーリさんの麻痺を肩代わりしてくれているんですよ。なので、一定の距離を離れてしまうと、ユーリさんに麻痺が戻ってしまいますが……大体、半径三メートルくらいなら大丈夫だと思います」
「へぇ……流石、光魔法を元にした精霊。凄いなぁ、お前」
「コンッ♪」
よく分からないけれど、あの可愛い狐のお陰でユーリ君の麻痺は大丈夫になったってことかな。
「私も覚えたいっ! 光魔法!」
狐に熱烈な視線を向けていたリリちゃんが食い気味に話を切り出した。それを聞いたユーリ君とキーくんは難色を見せるが、ツバサちゃんは無垢な笑顔を見せる。
「はいっ! 大会終わったら、一緒に練習しましょう! リリアーナさんっ♪」
「おー!」
「あ~……リリアに何かを教えるのは根気がいりますよ、ツバサさん」
「そーだよ、ツバサ。気をつけなー?」
「にゃにおー!! できるもん! 頑張るもんっ!」
……過去に何かあったんだろうな。長い付き合いのあるユーリ君とキーくんだから、知っているんだろうけれど、止められないってのも知っているのか、やめろとは言わなかった。
「あ、その子は優しくしてくれれば、誰が触っても大丈夫ですよ♪」
思い出したように“クラルナール”の説明に付け加えるツバサちゃんに、リリちゃんはすぐさま反応した。ぱっとユーリ君を見て、飛び付く勢いで近寄り─というか、完全にユーリ君に飛び付いているが─捲し立てた。
「わあ! ゆっちゃん! 触りたい!! だっこしたいー!!」
「わ、分かった! 分かったから、離れて!」
「はーやーくー!!」
ユーリ君の手からリリちゃんの手に渡り、早速、狐をモフモフし始めた。ふわっとした毛並みの狐の触り心地は大変よろしいだろうと推測ができる。その証拠に、リリちゃんの表情はふにゃんとしてきていた。
「えへへ~♪ 可愛い~♪ 私も精霊召喚魔法、覚えよーかなー♪」
「土属性に適正のある人が呼ぶ精霊は基本、ゴーレムらしいよ。リリア」
「やだー! 小動物がいいー!!」
……頑張れ、リリちゃん!
「そういえば……ツバサちゃん、あの狐に名前あるの? 狐ちゃんとは呼ばないよね?」
「あ、いえ。特に名前はないです」
「ふーん。……じゃ、私は勝手にくーちゃんって呼ぶね。“クラルナール”って魔法名みたいだし」
リリちゃんの抱く白狐ちゃん改め、くーちゃんの頭を撫でると、嬉しそうに目を細める。いつか、この子をブラッシングして手懐けてやろう。そうしよう。
「いいですね、会長様! 私もそう呼びます~♪ くーちゃん!」
「君達は勝手に名付けて……ツバサの魔法だろう?」
「いいですよ、ティールさん! くーちゃん、可愛いですし、ラルさんがつけてくれたんですもん♪」
主様の許可も得たし、正式にくーちゃんだねぇ♪
『くーちゃん』と呼んでみると、嬉しそうに一鳴きする。名前をつけられて嬉しいみたいだった。



~あとがき~
一つのおっきなイベントがいくつもあるな、この救護室……(震え)

次回、流石に! 一回戦終わらせます!! はい!
今回で終わらせる気満々だったんだけどねぇ……

無駄話を突っ込んだせいで終わりませんでした。申し訳ない……!
とまあ、少し前に言った精霊召喚魔法、ツバサちゃんver.でした。“クラルナール”という魔法で、名前はくーちゃん(ラル命名)です。いいのか、ラル命名で……(笑)

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第91話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でのんべんだらりと過ごす物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、一回戦、第三試合まで終わりました。一回戦っていうか、準々決勝(?)ですね。一回戦って言ってるけども。まあ、いいや。
その、一回戦ラストなんですが……ラル視点です。シエル君とセジュのバトルはない←!?
ラル「扱いざっつ」
仕方ない。セジュって名前あるけれども、モブ様なんだもん。
ラル「ぶっちゃけるなぁ」


《L side》
ユーリ君とミユルちゃんのバトルが終わる少し前。現場の生徒達への状況説明やら、諸々を終えたティールが救護室へと顔を出した。腰には変わらず愛剣が装備してある。
「今回は逃げ回ってないんだね、ラル?」
「毎回、私が逃げているみたいな表現をやめていただきたいね。私だって真面目なの」
「……ごめん。ちょっとよく分からないなぁ」
分かれ。その耳は飾りか!?
ティールさん! お疲れ様ですっ♪」
「まだ終わってないんだけれどね。でも、ありがとう。ツバサ」
ツバサちゃんに向かって柔らかな笑顔を浮かべ─私にはそんなの一切なかったのだが─、部屋に入ってくる。そして、ずいっとトートバッグを私に差し出した。
「これ、預かりもの」
「えっと。何だろ……はっ!? もうこれ以上の仕事は嫌だよ!?」
「その考えはある意味間違ってないね。うちの運び屋が持ってきてた」
……あぁ、着替えか。
先程、メンバーの一人であるクラウに連絡したら、「そういうことなら持っていきますよ~♪」と快諾してくれたのだ。思ったより早かった。
「連絡くれれば、こっちに入れたのに」
「そんなことしたら、居座るだろ」
そんなことないと思いますけど……多分。きっと……恐らく……くっ……断言ができない!
いや! 知らない人がいる手前、クラウは立場を弁える。というか、仕事があるだろう。すぐに帰っていたよ。
「どうだかね……?」
「信用ないなぁ。まあ、いいや」
ちらりと中身を確認したが、普段使っているもので問題なさそうだ。今はまだ必要ないため、元々持っていた鞄近くに置いておこう。
ティールを出迎えていたツバサちゃんが私の近くに寄ってきて、小さく首を傾げる。
「ラルさん、それを着るんですか?」
「ん? うん。生徒として出る訳じゃないからねぇ……ツバサちゃんがパフォーマンスしたときに私服に着替えたのと同じ理由だよぉ」
片割れがどうするのか知らないけれど、あいつの場合、最悪、無からでも作り出すだろう。私は知らん。
私とツバサちゃんが話しているところで、アラシ君とティールはまた別の話をしているらしい。
ティールがこのあと、ラルの仕事をやるのか」
「まあね。本当はぼくよりもラルの方が頼りになるんだけれど、流石に試合しながら、見えない外の指示までは無理だから。で、どうするの? ぼくらの代わり」
私の代わりをするのは、ティール。しかし、ティールのポジションとフォース君のポジションが空いたままなのだ。ここまで来ると、ティールのポジションは空いていても問題はないけれど……念のためという言葉がある。そして、私はそれなりに慎重派なのだ。
「あー……それなんだけどね、リリちゃんに片方投げちゃおうかなぁと」
「ほわっ!? 私ですか?」
突然の指名に第三試合の結果をモニターで見ていたリリちゃんは、ぴゃっと飛び上がる。こういう場面で、リリちゃんが救護室を離れるなんてあまりなかった事態だからだ。それ以外の仕事をさせられるなんて思ってもいないのだろう。
「ユーリ君とミユルちゃん次第だったんだけど、ミユルちゃんの勝利で終わったみたいだから、ティールのとこにユーリ君。フォース君のところにリリちゃんって感じ。そのために、編成も組み直した」
一応、フォース君の管轄は三年生の生徒会メンバーを多めに配置している。じゃあ、三年にやらせろよって感じではあるのだが、二年生にも経験を積ませておきたいのだ。三年生なんて、あと半年位すれば、ほぼ生徒会を抜けてしまうんだし。
「大丈夫大丈夫。大したことしないから」
「は、はうぅ……会長様がそう仰るなら」
少し困り顔なリリちゃんだけれど、芯はしっかりしている。きちんと仕事をこなしてくれるはずだ。キーくんとユーリ君の友達だからね。
「失礼します! 氷漬けになった彼を運んできました。治療をお願いします」
会場内警備係の生徒に荷車で運ばれてきたのは、ガタガタ震えるレオン君だった。そういえば、第二試合時にアリアちゃんが凍らせていたな。
「わぁ……なんか凄いね」
感想が適当なティールだが、きっとそれしか出てこないのだろう。氷山になったり、ツバサちゃんの手で花になったり。かと思えば、人を氷漬けにしたり。アリアちゃんの実力……もとい、食欲は恐ろしい。
「大丈夫か? レオン」
見るからに大丈夫じゃない相手にそれはないだろうという質問を投げ掛ける、アラシ君。そして、彼は分かってて言っているんだろう。
「だ、だいじょーぶじゃ、ねぇ」
そりゃそうだ。絶対に寒いし、辛い。
「はわわ~……ツバサちゃん、ポーションお願い!」
「はーい!」
リリちゃんの指示でツバサちゃんがポーション関係のものが置かれているテーブルまでパタパタと駆け寄っていく。Bブロック時にポーションを大量に作ったとはいえ、それらはツバサちゃんの魔法の媒体として使いきってしまった。だからといって、ポーションの材料もなくなった……訳ではないので、作ろうと思えば作れる。
「それにしても、レオンを運ぶの遅かったね」
「まあ、人一人が凍って身動きとれねぇし。……係の人に同情するわ」
そこは、やられたレオン君ではないのね。
本来であれば、突っ込むところなんだろうけれど、そんな元気は今のレオン君にはないようで、アラシ君の意地悪発言にも睨むだけで反応はない。いや、睨んでいる時点で反応はあるのか。
「ゆっちゃん負けちゃいました~……ぐぬぬ。尻尾、引っ張りの刑ですっ!」
「……予選前に先輩達に言ってたあれっすか」
ぷくっと頬を膨らませるリリちゃん。ユーリ君の負けが悔しいみたいだけれど、なぜ尻尾を引っ張るのかは謎である。どこかの場面でリリちゃん達の会話でも聞いていたのか、アラシ君は理由を知ってるみたいだが、それを聞き出す程の興味はないので、そのままスルーさせてもらおう。
「ユーリ君、尻尾の毛を抜かれるのか~」
「いやいや、リリアーナは抜くとか一言も言ってなかったからね?」
「ま、あれでも全力ではなかったっぽいけどねぇ……それに、ユーリ君の真価は単騎戦じゃなくて、裏方だから! 勘弁してあげて、リリちゃん」
「いくら会長様の頼みでも、これは譲れないのですっ! のっち出していれば……でも、おじ様のご命令で駄目だったんだっけ? のっちも違反対象なのでしょうか?」
いや、知らないけど……?
リリちゃんの言う、おじ様は、キーくんのお祖父ちゃんで、のっちはユーリ君が従わせているノワールという上位精霊だ。精霊とかそこら辺の話は、今のところあまり関係がないので省略するとして。
「できたー! アラシ!」
状態異常回復用のポーションを作り終えたツバサちゃんは、レオン君に飲ませるのではなく、一度、アラシ君に手渡した。それを素直に受け取ったアラシ君は、レオン君の口にポーションを突っ込んだ。
無言で。無理矢理。重要だから、もう一度言うが、無言である。それに動じないはずもなく、ポーションを嫌そうに見ていたレオン君が驚いたように目を見開いた。
「んぐぅっ!?」
「アラシ君の容赦ない一撃なのです~っ!」
「レオン、アシン草の苦味が嫌いなんです。昔から、全部飲むのにも時間かけちゃうくらいで……早く治したかったら、ああするのが一番なんですよ」
まあ、苦手なものは誰にでもあるけれども、アラシ君も予告なしに無慈悲である。
「そのままよりポーションの方がましだけど、独特な苦味は残るよね……ラルも苦戦してるもんね?」
ティールは、私があれこれオリジナルポーションを作るのを知っている。そのため、どう頑張っても消えない苦味消しに挑戦しまくる私を知っているのだ。
「どれを混ぜてもねぇ……後味がねぇ」
世に出回っているレシピよりは消えているとは思うけれど、全くしないとは言い切れない。なんとも難しい話である。やり過ぎると、ポーション自体の効果が変わるから、無闇に手を出せないってのもあるが。
「それはともかく。友人にも容赦なく嫌なことをやってのけるアラシ君、いいぞ~♪」
「はあ!? な、何の話だ……?」
アラシ君の強行手段によって、氷から解放されたレオン君は、ポーションの苦味に咳き込みつつも、元気を取り戻したらしい。すぐに立ち上がり、アラシ君に反発し始める。
「身動き取れない俺に、あんな仕打ちねぇだろ! もう少し優しくしてくれたっていいだろー!」
「アリアの魔法を正面から受けた報いだろ」
この一言に論破されたレオン君は、矛先をツバサちゃんに変更した。
「……ツバサもツバサだ。よりにもよって、アラシに渡さなくっても」
「あう。ご、ごめんね? でも、レオン、すっごく寒そうにしてたから、早くていいかなって」
ツバサちゃんの優しさにレオン君、何も言えなくなったらしい。言葉に詰り、がくっと肩を落とした。
「自業自得。立ち回り次第で直撃は回避できただろ? そうすれば、ポーションも回避できたんだよ」
「……くっそ! アラシの癖に正論言いやがって! アラシの癖に!!」
「あ!? なんだよ! アラシの癖にって!」
「風邪引かないうちにお洋服、着替えた方がいいよ? アラシ君みたいに落ちた訳じゃないけれど、氷漬けで濡れちゃったでしょ? はいっ♪」
男子二人の会話に割り込んだリリちゃんは、レオン君にジャージを押し付けて、着替えるように促した。リリちゃんは間違ったことは言っていない。無垢な先輩の笑顔に毒気を削がれた後輩二人は、口喧嘩をやめる。レオン君は言われた通りに着替えを持って、部屋を一時退出した。
「リリちゃん、強いねぇ」
「? そうなのです? えへへ~♪」
形は違えど、キーくんとユーリ君に挟まれているから、喧嘩を止めるのはお手のもの……なのかもしれない。



~あとがき~
終わりませんでした。

次回、続けて救護室風景です。
救護室送りになったあの子が出てくる話。

レオン君に容赦ないアラシ君。嫌いじゃありませんが、アラシ君って時々、酷くない??
どこでとは言わないですが、そこでそう動いちゃうんだ~!! うわ~! って思うのは、私がアラシ君に夢を見すぎているのか……期待しているのか……?
ま、私もそんな行動知らずに取らせている可能性はあるので、なんとも言えません。ユーリとかがらっと変わるし、フォースも物事に無関心過ぎて、読者に「は??」って思わせっているかもしれませんしね。いやはや、創作って難しいね?
……何の話だ。これ。

ではでは。

ポケモン盾 プレイ記

今回の更新は久しぶりに近況話として、ゲームの話をば。

先週の金曜日(15日)に発売されましたポケモン最新作、ソード&シールド!
珍しく、発売日前にぎゃーぎゃー騒がなかった私ですが、ちゃんと! 買ってます!!

f:id:nyanco-sensei:20191119112128j:plain
↑でぇぇん!!

シールドですね。買いました。
ということで、現在バッジ4つ(遅い)のへっぽこトレーナーな私が、つらつらとここまでの感想を述べるだけとなっています。未発表の情報等々は言わないつもりですが、一応、ネタバレ注意とさせていただきます!
世界には発売日2日後にはさっさと終わらせている猛者もいるとか……すごい…(震え)




はい! ここから、感想を述べていきます!

まず、始まりですね。グラフィックどうした!!
めちゃ綺麗やん! ピカブイにも驚かされましたが、ピカブイはなんかこう……キャラの頭身が低くて、実感ないと言うか、私の中で番外編みたいな感覚が抜けてなかったんですよね。どこまでもマスコットっぽさがあって。
んでも、剣盾は今までのシリーズって感じがすごい。(ピカブイもそうだと思うけども)
まあ、システムが従来通りに戻っているからかもしれませんが。

話がずれてますが、グラフィックがとても綺麗です。ところどころ、粗っぽさは感じる(イベントシーンとか)ものの、基本的には綺麗です。

f:id:nyanco-sensei:20191119113244j:plain
↑道路から見える次の町

外国って感じ。のどかな田舎生まれな主人公とライバルホップ君。
始まりの町からすぐの道路です。いやはや、綺麗で感動しました。
他の町も同様で、町並み綺麗やし、広いとこは広いし、探検のしがいがあります。そのせいでストーリー進まないのではと……思ってます…



f:id:nyanco-sensei:20191119113140j:plain
↑私がビックリしたやつ

主人公の部屋にSwitch置いてあるんですが、これ、私が使っているSwitchと同機種なんです。ジョイコンがね。同じやつなんですよ。
調べてみたら、使っているジョイコンが適応されるらしく、ゲーフリすげぇってなりました。
全部統一でもいいわけじゃないですか。んでも、そうせずに、使っているジョイコンを読み取って、反映させてくれるなんて……!
残念ながらSwitch Liteではできないらしいです。まあ、一体化してるもんな……その場合、黒一色なのか、赤青なのかは分からないけれど、多分、黒? と勝手に予想してます。



f:id:nyanco-sensei:20191119113504j:plain
↑ワイルドエリア

今作の見所であるワイルドエリアです。(私が勝手にそう思ってるだけ)
広い! ただただ広いとしか言えない!!
シンボルエンカウントが可能となっているため、あらゆるところでポケモンがうろうろしてます。進化系ですら、うろうろしてます。怖い。殺される←
レベルが目に見える訳じゃないので、強さとかもわからないけれど、奥に行けば行くほど強くなる仕様だったかな。手前でも、おっきいポケモンや進化後のポケモンはかなりのレベル設定です。序盤の入り口付近にいるのも序盤とは思えないレベルで出てきます。
もちろん、自分が強くなればなんてことない。つまり、世の中、バッジの数がものを言うのさ!!←
今回、捕まえられるポケモンのレベルが決まっていて、強すぎるとボールが投げられないようになってます。まあ、戦うことは可能なので、絶好のレベル上げチャンスとなるわけです。
弱点のつけるポケモンさえいれば、強くてニューゲーム、みたいなこともできるし、エースだけを育てたいなら、立ち回りさえ気を付ければガンガンに上がるのではと。
私は怖くてできないけどな!(笑)

あとは、ポケモンキャンプ。
好きなポケモン達に囲まれるなんてのが可能なんです。ボール投げたり、ポケじゃらしで遊んだり。みんな、かわいい……
このシステムでストーリー進まないのではと。(2回目)

ダイマックスバトル、レイドバトルはね、一人でも楽しめます。NPCが来てくれるので、ランクの低いレイドバトルなら問題ない。
けど、これがランクの高いものだと、どうなのかなって心配はある。まだやってないので、分かりませんが。
ただ、レイドバトル勝利したからと言って、必ずゲットできるわけではない。捕獲チャンスができただけで、そのチャンスも1回しかないですし。
いやこれ、心折れるよな……?



ポケモンとうちの子の話をします!
前情報がないのもあって、色々驚かされてます。誰だ、お前!!!ってのも多い。
おま、え、おまえぇぇぇ!!!!と、いうリージョンフォルムもいますし。はい。ビックリしたぜよ。
旧作のポケモンもちゃんといます。まあ、リストラ問題が結構話題となりましたが……この話はナイーブなので触れないでおこう……

御三家も最終進化、させました。私はメッソン選びました。メッソンのメッツです。理由は語感です。
なんか……あの、化けたね。見た目。
ってのが第一印象。今は「はい、かっこいいー! はい、強いー!」という、うちの子贔屓入ってます。うちのエースだよ☆
他、パーティー
アーマーガア
ウールー
ブラッキー
タンドン
ワタシラガ
ワンパチ……などなど。
となってます。え? 6匹じゃない?? 時々、入れ換えてんだよ! 決められなくて!!(笑)
それでも、固定なのはメッソン。
最終パーティーは追々、決めていこうと思います。だってまだ半分だもの。ストーリー半ばだもの。



その他。色んな話をします。
ライバル達の専用BGM、かっこよくないっすか。ジムのもいいんだけど、町のもいいんだけど。
私はビート君の好きなんですけどね。
マリィちゃん、まだ1回しか戦ってなくて、記憶に残ってないのが申し訳ない。今後、戦うときにじっくり鑑賞しよう(笑)

キャラのあれこれはありますよ。ローズ委員長怪しすぎかよとか。エール団は悪者に見えないとか。今作、悪者いないの?? 過去作みたいに悪いことしないの? とか。

そして1番のライバル枠?な、ホップ君。
実は邪魔なのではと聞きますが……行く町行く町にぽんぽん出てくればまあ、気になるよな……なんちゃって二人旅してる気分?
いやでも、私個人の感覚としては、そこまで邪魔だと思ってません。一つ一つに時間かけて、さっさとストーリー進めてないからだと思いますが。
1回だけ、「構ってちゃんかよ!!」って反応されたときは、評価を改めてやろうかと思いましたが←

最後。着せ替え。
写真でわかるかと思いますが、私、髪型とカラー変えてます。本来はダークブラウンのボブカットなんですよね。早々に髪型変更してしまった。カラーも髪型もメイクも種類豊富で楽しい!
服はね、お金ないので買ってません。クリアしてからばーっと変えようかなって思ってます。
んでもね、可愛いですよ。たくさん種類あって、自分だけの主人公にさせられます。好み爆発しそう。過去作でもがんがんに着せ替え楽しみましたが、今作でも楽しめそうです!
結論、楽しい。



こんなもんか!
ストーリーには突っ込めないので何も言ってませんが、他のことがおろそかになるレベルで楽しんでます! 楽しいよ!!
いや、やることはやってます。大丈夫。だいじょーぶ……
これからものんびりストーリー進めて、楽しみたいと思います!!
クリア後の感想は……多分、1ヶ月後! くらいに!
それくらい経ってれば、情報解禁しても問題ない、かな?
忘れてなければ、全体通した感想をつらつらと書きたいなーと思います。

さて、今週の金曜の更新ではいつも通りに戻して、レイ学の最新話! 出します! 剣技大会トーナメント戦編ですね。お楽しみに~!
……いや、次回のメインはトーナメントじゃないけど(笑)

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第90話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でゆるゆるっと過ごしている物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回からミユルVSユーリ戦がスタートしてます。一話で終わらせると言ったのはなんだったのか……
アラシ「俺とイツキ先輩のときは苦しい言い訳してたけど、あれはあれで二話構成だったよな」
し、知らない! 知らない!! とりあえず! 今回で終わる。終わらせるぞい!!
そして、前回と変わらず、第三者視点。


時はミユルが小さな狼を発見する前まで戻る。
ミユルの視界に入らぬよう、青々とした葉を揺らす木の上で、ユーリはいつも通り偵察部隊である狼達を放っていた。感覚の共有を行い、周りの把握から始めたのだ。それも大した収穫はないのだが。
「きゃうっ!」
「お帰り、ふわ」
ふわと呼ばれた、小さな黒狼は木の影に一度溶け込み、一瞬でユーリの肩へと移動する。すりすりとユーリに甘えるような行動をしてきた。
ふわは偵察部隊の狼と同じ魔法……精霊召喚魔法で呼び出されたが、偵察部隊とは全くの別個体である。ふわの方がほんの少し、力も強く、自我も意思もある。とはいえ、逆らいはしないし、人の言葉を操ることもないが。
精霊召喚魔法は自分の得意属性に属する個体……精霊を呼び出す魔法である。そのため、ユーリが呼び出せば、幻術や妨害を得意とする精霊を呼び出せるのだ。ちなみに、彼の幼馴染みであるリリアーナは、この手の魔法を使わないが、仮に彼女が使えた場合、土属性の精霊が現れる。……特殊な補助魔法の一つである。
「きゃう?」
「呼ばないよ。ノワールはルール違反でしょ」
ノワールもユーリの精霊召喚魔法で呼び出せる精霊である。しかし、普段使う名もなき狼達や、ふわよりもノワールは上位の存在であり、それに見合うだけの強さと能力を兼ね備えているものの、強力故、扱いが難しい。また、リンドウの条件に当てはまるのか微妙なところである。己の力を示すのに、ノワールを放っていいものか、と。
「今回は僕だけで頑張るよ。……さて、死角や地形把握はいいかい?」
この言葉にふわは元気よく頷く。
「いい子だ。勝てるか保証はないけれど、せっかくの機会だ。試す価値はあるよね」
満足な攻撃魔法もないユーリにできるものと言えば、幻術とデバフ魔法……それと、補助魔法だけだ。これらをどうにか組み合わせて、ミユルに立ち向かわなければならない。
「くぅ」
そう言うなら、約束なんて捨ててしまえと言わんばかりの不満そうな声が聞こえてきた。ごもっともな意見である。
「分かるよ。けど、僕はね、イツキの二の舞になりたくない。春時雨、抜いちゃって……」
春時雨は、アラシを場外へと追いやった際に使用した武器のことだ。詳しくはユーリにも分からないのだが、リンドウ曰く、一族に伝わる名刀であり、業物であるらしい。そんな刀を持っていた理由は戦場に触れさせるためとか、イツキに慣れさせるためとかなんとか。色々、複雑な事情があるらしいのだ。しかしまあ、余程のことがない限り、抜いてはいけないため、今回の試合でも使うなと釘を刺されていた……はずなのだが。
「……ま、イツキは知らない。今日帰ってお仕置きコースだね」
「あ、あう……」
「さて、やろうか」
するりと木から降りると、決して大きくない魔法陣を発現させる。すると、そこから何匹かの小さな狼が現れ、狼達に一言命令した。
「僕の幻術でお前達を隠す。ふわの合図でノフェカさんに気付かれ、攻撃を受けろ。そうすれば、僕のかけた魔法……呪いが発動するから」
「あうっ!!」
頼もしい返事を聞き、ユーリはそっと微笑む。肩に乗るふわから受け取った情報も甘味し、呼び出した狼達を配置した。最後に乗せていたふわを地面に下ろし、首に巻かれたリボンと予備の魔力糸の確認をしつつ、そっと一撫でする。
「頼める?」
「きゃう」
小さく一鳴きすると、ふわは木々の影の中へと消える。ふわへと合図はユーリがしなければならない。全体の配置が終わらなければ、意味がない。それをタイミングを計るため、放ったままの偵察部隊の視覚情報を回収していく。
「……配置が終わったら、偵察隊を消して……よし。頑張る」
そして、この数分後、ユーリはふわへ合図をし、自身はミユルに近づくために移動を開始したのだった。

そして、時は今。
彼の考えた作戦は概ね成功したと言ってもいいだろう。ユーリの思惑通りに事が進み……順調に進みすぎて、逆に何か恐怖を感じつつも、ミユルを見下ろした。『混乱』と『毒』を仕掛けるというユーリの魔法は成功しているようだ。
「……あの狼達に仕掛けたのね。呪いを」
「えぇ、倒した相手を状態異常にするように。デバフなんて呪いみたいなものですから」
「流石ね、デバフ特化の黒の魔法使いさん。高校生で……ここまでの効果は出せないわ」
「お褒めいただき光栄です。……さて、どうしますか? 続けるならお付き合いします」
しかし、ミユルにかけたデバフはとてもではないが、戦闘するには難しいだろう。混乱で視界は上手く機能しないし、目眩も引き起こす。毒も時間が経てば経つ程に威力を増していく。長期戦には向かないはずだ。ミユルに回復する手段があり、治せるのなら話は別だ。その場合は、遠距離でどうにかできる相手ではなくなるため、どうにかして接近戦に持ち込むしかないが。
「……どうする、ですって? うふふ。もちろん、続けるわ。……だって」
ミユルがゆっくりと立ち上がり、ユーリの方を見据える。にっこりと、笑みを浮かべながら。
その笑みに何か引っ掛かるものを感じた。何がとは言えない。言えないが、何か忘れている。重要な何かを忘れている。……そんな感覚をユーリは感じていた。その思考の海から無理矢理引き戻してくれたのは、草むらの影に隠れたままのふわの声だ。
「がううっ!!」
「……! しまった! そういうことか!」
黙って微笑み続けるミユルに向かって、ユーリは回転を加え、回し蹴りを繰り出す。ミユルはその攻撃を避けもせず、受け身も取らぬままに吹き飛ばされた。文字通り、跡形もなく吹き飛ばされる。
……否。ミユルだったものが、吹き飛ばされたに過ぎなかったのだ。
「まだ、戦えるもの♪」
ユーリの背後から聞こえてきたのは、穏やかな少女の声。そちらをゆっくりと振り向けば、目を閉じ、変わらぬ笑みを浮かべるミユルがいた。
「……樹妖精の能力を疑うべきだったか」
「ご明察。私が森を造った時点で警戒すべきだったのよ、ユーリくん?」
先程、ユーリが攻撃したものは、ミユルの偽物。彼女が操る植物で作り出した人形だったのだ。魔法でも、術でもなく、ドライアドのミユルだからできたことであった。
樹妖精は植物と会話し、交流が可能だ。しかし、ごく稀に、森と感覚共有を行う能力を持った樹妖精が産まれるという。ユーリはそれを知識として知っていたのだが、その稀な存在であるのがミユルなのは知らなかったし、その可能性すら考える余裕もなかった。
「例え、自分が産み出した一時的な森……『ツクリモノ』でも、『森』には違いない。だから、ユーリくんのデバフも効果がない……なんて、言えたらかっこよかったんだけれど、感覚を繋いでいるから、全くではないのよ。毒は防げたけれど、混乱までは無理だった」
目を閉じて会話するのは、視界が狂ったままでは、歩くのもままならないからなのだろう。そう考えると、ユーリの作戦はあながち失敗したとは言い切れなかった。しかし、半分以上を防がれたのは事実である。
「そういう……っぁ!」
全身に痺れを感じた途端、手足の感覚がなくなり、ふらりと体を揺らす。どうにか無抵抗に倒れるのだけは阻止するものの、地面に膝をつけてしまった。
「ふふ。そろそろ効いてきたかしら?」
「……はめ、られたって、ことか」
ユーリの足元には黄色い花を咲かした植物が風に揺れていた。痺れで口を開くのにも一苦労な彼に代わり、ミユルが口を開いた。
「ユーリくんも知っているよね? それはパリラ草。別名、『麻痺草』……基本生息地は風のない洞窟内部。麻痺直しの薬草だけれど、ほんの少しの風でも見えない花粉が飛びやすく、その花粉には……」
「重度の、麻痺を……ひき、おこす」
ユーリの答えにミユルはにこりと笑う。
植物は扱いを違えば薬にも毒にもなりうる。パリラ草もその一種である。授業で習う、誰でも知っているような常識だった。
「今度は私が言う番ね。……どうする? 続けるならお付き合いするわ」
続ける選択肢はあるにはあった。ふわを通じて、ノワールを呼ぶ。この状況なら念じさえすれば、闘争心の強いノワールは引き寄せられるように現れるだろう。また、ふわの糸を利用すれば、何かしらの隙を窺えるかもしれない。
しかし、そこまでして勝ちたいとは思っていないのが本音だ。元々、勝ちには拘っていなかった。その結果がこれなのだろう。
言うことを効かなくなってきた身体に鞭打って、不安定ながらもどうにか立ち上がって見せる。ただの意地だったが、ミユルは少し驚いたようだ。
「……こーさん。むり、ですもん」
「はい。……分かりました」
ミユルはぱちんと指を鳴らすと、二人を覆っていた森は跡形もなく消えていく。それと同時に歓声も大きくなり、実況の声が会場中に響き渡った。
『デバフ対決の末、勝利したのはミユル・ノフェカァァァァ!!』
ミユルの勝利を告げる声を聞いた瞬間、ユーリは支えを失ったかのように無抵抗に後ろ向きで倒れる。受け身も取らずに地面に倒れたが、皮肉にも麻痺のおかげで痛みはない。
「試合とはいえ、手荒な真似をしてごめんなさい!……ユーリくん、これ、食べて」
ミユルは倒れているユーリに慌てて駆け寄り、口に何かを突っ込んだ。そして、ミユル自身も同じ様に何かを口にする。
「っ……ん」
口の中に広がるのはほんのり甘いものだった。それも、人工的な甘さではなく、自然の優しい甘さである。
「安心して。ナーレっていう白いお花で、状態異常を和らげる薬草なの。完全には治せないんだけれど、救護室に行くまでなら、お互いこれで大丈夫だと思うわ」
ミユルの言う通り、少しではあるが、体の自由が戻ってきた。手や口が動くのを確認し、体を起こす。
「……えっと、ナーレなんてどこから? 試合中、回復等のアイテム所持は禁止されているはず」
「大丈夫。試合中から持っていた訳じゃないから。“インベントリ”よ♪」
“インベントリ”とは別空間に物を収納できるという異次元収納魔法の一つである。手荷物要らずではあるが、かなり高度な魔法に分類される。また、世の中には異次元収納を可能とした鞄─探検隊等が使用するトレジャーバックがいい例─があるために、使い手はあまりいない。
「……無限収納、ですか。よくもまあ、そんな高度な魔法を……才能を恨みますよ。ほんと。……あぁ、忘れるところだった。ふわ、いるかい?」
「ふわ?」
ふわの存在は知らなかったのだろうか。ミユルが首を傾げる。対して、呼ばれたふわは、ユーリの影から現れ、肩に乗る……のではなく、早く立つように促していた。ナーレの効果が切れる前に移動しろと言っているのだろう。
「あの、ふわ? ごめっ……」
「きゃうっ!」
「あ、はい。行きます」
「あらあら……可愛い♪」
ミユルは、ふわが目の前の小さな狼であると理解したらしい。ユーリとふわのやり取りをくすくすと笑っていた。
それに突っ込む気にもなれないユーリは、ふわに促されるまま、足早にリングを後にするのだった。



~あとがき~
このミユルVSユーリ戦、色んな意味で難産でした。心折れかけたわ。……いや、折れてました。

次回、一回戦ラスト! シエルVSセジュ……と言いたいところですが、別カメラでお送りします~!
察しろ。消化試合だ。

前話に引き続き、こちらは丸々っと書き直ししております。しゃーなし。私個人としては、直す前の展開もむっちゃ好きやったんですよ。直す前はノワールが出てきてて、ミユルVSノワール戦をちらりとやってました。ミユル(偽物)破壊もノワールの役目。
とまあ、ノワールのお披露目はまだまだ先の話ですね。この剣技大会では出てきません。いつかは出てくるんじゃないかなぁ……きっとね。

あ、精霊召喚魔法は話の通りです。精霊召喚は大雑把な分類上、補助になるのかなぁ……と。攻撃にも防御にも補助にもなるけれど、要は助っ人召喚ですから。(謎理論)
現状、作中で使用したのはユーリしかいませんが、私の知る限りだと、リアさんとツバサちゃんも使用できるらしい。(友人談)
リアさんは分かりませんが、ツバサちゃんは近いうちにお見せできるかと。本当に。すぐにな!!

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第89話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお気楽に過ごす物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、綺麗に一撃でアリアちゃんに負けたレオン氏! 一言!!
レオン「できる限りは尽くしたのですがっ……勝てる自信はありませんでした……っ!!」
アラシ「茶番ノリノリだな」
レオン「こうでもしないと心折れそうなんだよね」
アラシ「あ、そう」
レオン「冷たぁい」
ってことで、一回戦も後半戦! ミユルVSユーリ戦です。視点は久しぶりのユーリ中心の第三者視点。たまにはね。第三者視点も練習が必要なんやで……
アラシ「それで苦労しなきゃいいけど」
レオン「だなー」


ミユル・ノフェカが次の対戦相手だと知らされたときに思ったのは、「苦手な相手に当たった」である。彼女が出ていた予選を見て、苦手だなと感じたのだった。
ユーリが今回、参加した主な理由は「行け」と言われたからであった。当初、そこまで関心もなく、参加を深く考えてはいなかったのだ。また、戦いという行為に興味がなくなったのも、大きな要因かもしれない。しかし、ほんの少し前に剣の師である、リンドウにせっかくだからと言われてしまったのだ。
「今の自分を確かめてみるいい機会さ。同年代との差というものを知るにはね」
という勧めもあり、参加を決めたのだった。そこで出された条件なるものがあった。予選での個人ルールは、得意である糸とデバフ魔法を使わないことであった。とはいえ、糸は最終手段として張り巡らせてはいたのだが、昼休み中にあっさりリンドウにバレたのだ。咎められはしなかったものの、肝が冷えた。
それを思い出してしまったユーリは一人、フィールドに繋がる廊下で、ふるふると首を振った。
「……来てるなら来てるって言えばいいのに。先生は悪趣味だな」
そして、トーナメントに出るに辺り、出された個人ルールは糸と剣の使用不可。つまり、今、自分の使える魔法だけで立ち回れと言われたのと同義である。まあ、使えないとはいえ、腰に装備はしてあるし、糸を使うためのグローブだって着用済みだ。
「……僕の魔法だけで、どうにかなる相手だと思えないんだけれど。まあ、経験して何とやらってね」
一度、深呼吸をし、フィールドへと繋がる入口を見据える。これを潜ったら最後、勝つか負けるかの世界へと変わっていくのだ。

『一回戦も後半戦!! 第三試合を盛り上げてくれる選手の入場だぁぁ!!!』
第一、第二試合と変わらず、リュウのハイテンションなアナウンスと共にユーリとミユルが姿を現す。そして、相も変わらず、即興で作り上げている選手紹介が始まった。
『生徒会三年達からは、優秀な部下と慕われており、実は密かに女子達から人気もあるかも? 毒舌黒狼王子! ユーリ・ケイィィィン!!』
アラシ、イツキ、レオン、アリアとおかしな説明ではあったから、一応の心構えはあった。あったのだが、何も言わずにスルーできるか否かはまた話が違うわけで。
「……なんですか、その呼び名。初めて聞きましたけれど」
「そういえば、前にリリィちゃんが『ゆっちゃんは怒るとすっごく口が悪くなるんだよ!』って言っていたけど……もしかして、それってユーリくんのことかしら?」
幼馴染みは自分の友人に対して、そんなことを話しているのかと困惑する反面、それをリュウは知っているのだろうかとの疑問が浮かぶ。
「リリア情報からの創作あだ名なの……?」
「うふふ。さあ……?」
ユーリだけで終わるはずもなく、次はミユルの紹介が入る。
『続きまして! 現在は園芸部副部長の地位についているが、部長よりも強かったりするのか? 植物のことならお任せあれ♪ ミユル・ノフェカァァァァ!!』
「うふふ♪ 今までの紹介もそうでしたけど、司会をやっている三年の先輩は面白い方ですね~♪」
部活の権力についての否定はない辺り、事実なんだろうなと推測してしまう。が、それを聞けるほどの度胸も余裕もユーリにはないので、突っ込みはしなかった。しかしまあ、笑って何も言わないのが、ミユルの性格かもしれないのだが。
『さあ! これからどんなバトルを見せてくれるのか!! 開始のゴングを鳴らさせてもらうぜ!』
鐘の鳴るほんの一瞬、ユーリとミユルはお互いを見る。警戒を込めた視線ではなく、互いの健闘を祈る意を込めて。
「……よろしくお願いします、ノフェカさん」
「ええ。こうして戦うのは初めてかもしれないわね? よろしくね♪ ユーリくん」
微笑を浮かべるミユルに、ユーリは一礼で応える。顔を上げた瞬間にゴングが鳴った。
「ユーリくんは、真正面から勝てる相手ではない……だから、私に有利な環境にさせてもらうわね?」
試合が始まった瞬間、ミユルの手が腰の鞭へと伸び、素早い動作で振り上げた。鞭の攻撃が来るのかと警戒するものの、それは杞憂だったらしい。鞭は地面に打ち付けられ、バシンと大きな音を立てる。すると、淡い緑色に光る巨大な魔法陣が出現した。
「発現せよ。“グリーン・フィールド”!」
「……! フィールド変化か」
頑丈な石を加工し、造られているはずのリングから植物の芽がいつくも生え、それらは一秒毎に成長していく。数秒のうちにユーリは青々と生い茂る森の中へと誘われていた。辺りをぐるりと見回してみても、観客も人工的な建物すら見えてこない。正真正銘の自然界へと連れてこられたと錯覚してしまう。
「あ、アリアちゃんみたいな魔法じゃないから、ちゃんと試合後には元に戻るわ。安心してね?」
これは、関係者に向けられたものなのか、ユーリ自身に向けられたものなのか、判断できなかった。現状、判断する必要もないが。
それはともかくとして。
一瞬のうちに何もなかったフィールドを小さな森へと変化させたミユルに、単純に感心し、舌を巻いた。予選で見たものとはまた規模の違う魔法に、ユーリは思った通りの感想を述べる。
「流石、植物系魔法特化の樹妖精、と言ったところですかね」
「うふふ。褒め言葉として受けとるわね。……さぁって、植物さん達。お願いします♪」
その言葉を合図に、周りを囲う木々が揺れ、はらはらと葉が落ちる。その落ちてくる葉が鋭い刄かのようにユーリに襲いかかった。
「うっわ! マジか」
思わず、細剣の柄に手が伸びるものの、あと少しのところで思い止まる。バックステップで一撃を避け、二撃目以降を近くの木の幹に隠れることで難を逃れた。
ミユルの魔法で出現したこの植物ら全てがユーリの敵となる。身を隠しているこの木も、今は何もしてこないが、一秒後もそうであるとは限らない。
「……厄介だな。……あれ。実質、全方向から攻撃されるってことなんじゃ……?」
ミユルの様子を窺うべく、ちらりと影から顔を覗かせると、彼女は試合が始まってから変わらない笑顔を浮かべたまま。しかし、攻撃の手は止んでいた。
「視界にさえ入らなければ、セーフって認識でいいのかな」
ユーリの予測は当たっているようで、いくら待っても何かされることはなかった。とは言え、このままでいるわけにもいかない。今は何もなくても、別の手段で攻撃される可能性はゼロではないのだ。つまり、この間にこれからどうするか、何らかの手を考える必要がある。
「……とりあえず、いつも通りいこう」
気持ちを切り替えるようにふっと短く息を吐くと、ある行動に出た。

「私は攻撃魔法が得意ではないから、植物達の力を借りて、あぁしたのだけれど……やっぱり簡単にはいかないわね」
フィールドを有利に作り替え、ユーリに先制攻撃を仕掛けたのが試合始まってすぐの話。しかしそれは、彼の反応速度の適応内だったらしく、あっさりと避けられてしまう。現在、木の影に隠れてしまったために攻撃も通らなくなってしまった。植物による攻撃は、ミユルが視認していなければならないからだ。
このまま隠れた状態が続くとも思えないが、この硬直状態もなかなかに辛いものがあった。焦る気持ちをぐっと堪え、ミユルは目を閉じる。ユーリがすぐに何らかの行動を見せると信じて。
「……だって、ここは私の庭だもの」
どれくらいの時間が経ったのだろう。まだ一分も経っていない気もするし、十分以上経った気もする。それほど、戦闘中とは思えない程の静けさがここにはあった。しかし、ミユルには何ら関係ない。
研ぎ澄まされた感覚の中で、明確な気配を感じ取り、ミユルはその方向に向かって鞭を放った。その気配に当たりはしなかったものの、鞭が放った破裂音に驚いたのか、茂みを揺らしながら姿を現した。
ミユルの目の前に現れたのは、よく見なければ猫や子犬と間違えそうなくらい小さく黒い狼だった。長毛のため、分かりにくいが首元にリボンのようなものが巻かれているらしかった。
「ユーリくんの……?」
「きゃうっ」
愛らしく一鳴きすると、再び、茂みの中へと戻ってしまう。そこへすかさず、鞭の攻撃を試みた。すると今度は、一匹ではなく複数体が飛び出し、ミユルの周りを走り回る。この狼達が音に驚いたのか、これが彼の作戦なのかまでは検討もつかない。それでも、彼女がする行為は一つであった。
「ごめんなさい。……相手が誰であろうと、負けるわけにはいかないの!」
幸いにも、小さな狼達の動きは統率の取れた動きではなく、適当に逃げ惑うような動きだ。これならば、狙いもつけやすいというものである。
鞭で横に凪ぎ払うように小さな狼達を攻撃した。狼達にヒットし、呆気なく黒い霧となって霧散する……はずだった。本来ならば。
「なっ!?」
倒したはずの狼達は霧となっても、まるで意思を持ったかのようにミユルにまとわりつく。その瞬間、ミユルの視界がぐにゃりと歪んで、立っていられなくなった。思わずしゃがみ、自分がどうなったのか、頭を巡らせようとするも、それすらもできなくなるような強い目眩に襲われた。
「……こ、れは」
「意外と上手く行くものですね。実は半信半疑だったんですよ」
声の聞こえる方を向こうとしても、方向感覚すら狂わされたのか、そちらを見ることは叶わなかった。声の主、ユーリは続ける。
「申し訳ありません。僕の使える魔法はこれくらいなもので、卑屈な手段ではありましたが。……他にもやりようはあったんですけれど、僕はイツキみたいに割り切れませんので」


~あとがき~
これの作成時に色々ありましたが、これだけ一つ。
いいか、私!! 打ち合わせを怠るな!?(戒め)

次回、まさかの後編へ! ミユルVSユーリ!
二話構成ってなんだ……

今まで以上に書き直しをしていて、仮タイトルに二版改訂とか書いてしまう始末。意味合いとしては、ちょっとした手直しをした上で、がらっと改訂してますってことだ! なんかもう何を編集するのか分からなくなってきて、このタイトルを裏で入れていたという小話でした。あほみたいにどうでもいいわぁ……(笑)

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第88話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でのんきに過ごす物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、まさかの二話構成になったけど……よくよく考えたら、前半は説明とか挟んだし、バトル自体は一話完結だよね。←!?
とまあ、なんやかんやありましたが、アラシVSイツキ戦はイツキの勝利で終わりました。今回はレオンVSアリア戦……なのですが、ラル視点でお送りします。察して!
ラル「まさかのしゅん……」
アラシ「俺が言うのもあれだけど、やめろ」


《L side》
お昼休憩のときにリアさんからお願いされたのもあり、私は生徒会に割り振られた控え室……ではなくて、救護室にいた。場所が変わっても、やる仕事は大して変わらない。部屋の隅でパソコン広げて、現状把握と指示出しが主である。午前中と変化なしだ。
「ラルさん! 第一試合、終わったみたいですよ」
「え? あー……あー」
ツバサちゃんに言われて、モニターを見るとキーくんが地面に落ちた刀を拾って、鞘に納めているところだった。
「いっちゃーん! おー!!」
「アラシ、あんまり使い慣れてない大剣だったけど……イツキさん、すっごく速かったです」
「いっちゃんはやればできる子なんだよ!」
「はい! すごかったです!」
リリちゃんはキーくんの何なんだろう。
私のテンションがいまいちなのは、リアさんに救護室待機をお願いされたから……ではなく、イグさんからゲストのピンチヒッターを頼まれたからである。それがずっと引っ掛かっていた。ピンチヒッター自体が嫌だとかではなく、生徒会の仕事の再編成が、である。
ティールに全体統括を任せるのはいいとして、フォース君とティールがやっていた各現場は誰にやらせるよ……」
ティールに全て投げても構わないと言えば、構わない。できる素質はあるんだけれど、王子様スイッチ入って、色々と面倒臭そうなんだよな……
「はぁ~……」
「ラルさん? 元気出してください! 私、ラルさんのバトル、楽しみにしてますから!」
「あぁ……うん。ありがとう……頑張るね……」
ツバサちゃんの励ましはとっても嬉しいものなのに、心は沈んでいくなんて……
「会長様、そこまで嫌ならキッパリとお断りすればよかったのでは? いつもの会長様ならそうしていたと思うのですが……」
「知人くらいなら、無理矢理にでもあれこれ並べて蹴られるけど、イグさんは知らない仲じゃないし……私の苦手を知っているから、無理」
「イグ兄、おしゃべりが上手ですもんね~♪」
それもあるんだろうな。やれやれ、良くも悪くもいい性格をしていらっしゃる。普段は誰にでも接しやすく、好青年な雰囲気なのに、あんな場面で攻めてくるときは容赦がない。精神的にも物理的にも攻撃をしてくるものだから、侮れないお方である。味方にすれば、大変頼もしいんだけれど。
「敵に回ると嫌な人だよ」
「先生なのに、敵って……」
リリちゃんの言いたいことは分かる。けど、あえてこの言い方をするぞ、私は。
「あ、ティールさんはいつこっちに? お仕事の引き継ぎあるんですよね?」
「ん? あぁ……多分、一回戦の後半始まる前には来るんじゃない? こっちはこっちで引き継ぎしないとだから」
誰に何をやらせるかはともかく、全体統括はしてもらわないと困る。早めにこちらに来て欲しいものだけれど。
「すんません。タオルありますか~……って、ほぼ知った顔しかいない」
そんなこんなで、下らない話をしていると、救護室の扉が開けられた。やってきたのは、第一試合に出ていたアラシ君だった。魔術科の制服を着ているものの、びっしょりと濡れてしまっている。先程の試合で、場外へと飛ばされていたから、そのせいで水路に落ちたのだろう。
「わわっ! アラシ、びちょびちょ!! 待ってて、すぐにタオル持ってくるね!」
「あ、別にそこまで焦らなくても……って、聞いてねぇや」
タオルが置いてあるところまでダッシュするツバサちゃんを少しの呆れ顔で見送るアラシ君。短髪ながらも、滴る水滴が邪魔なのか、手で髪を掻き上げるような仕草をしていた。かっこいい仕草ではあったけれど、それよりも先に浮かんだフレーズを口にする。
「なんか、捨てられた子犬って感じだね」
「誰が子犬だ! 狼だから!!」
「つまり、ワイルドな子犬ですね!」
「え、ちょ、リリアーナ先輩まで!?」
「えへへ。ごめんね、アラシ君。でも、会長様のお言葉は絶対だから!」
「え、えぇ……?」
私の絶対的な味方がいるのって頼もしいな。ティールなら、注意していたところだろう。
「お待たせ! これ、タオルね。あと、こっちは着替え! 隣が更衣室になってるから、そこで着替えてきて」
「おう。サンキューな、ツバサ」
タオルとなぜか着替えのジャージを持ってきたツバサちゃんは、アラシ君にてきぱきと備品を手渡した。それらを受け取った彼は、言われるがままに部屋を出ていく。
「タオルはいいとして、ジャージなんてあったんだ?」
「はい! リア先生が水路に落ちた人のために着替えをご用意してくれたのですよ~♪」
あ、リアさんか。流石っす。
「師匠がたっくさん用意したので、まだまだありますよ♪」
えーっと、もう後半戦だから、そこまではいらないかもなぁ……?
とりあえず、滑らないようにと床の水滴を拭き取るようにリリちゃんにお願いし、私は再び椅子に座る。そこで、毎度お馴染みの声が聞こえてきた。
『続いて第二試合! 予選ではまさかの無双!? 「屋台のブラックホール」と密かに呼ばれているのにも関わらず早くも優勝候補となっている……アリア・ディィィネェェェ!!』
『……』
リュウ君のアナウンスと共に映し出されたアリアちゃんは特に何かを話すでもなく、黙りだった。また、観客に手を振る等のアクションもない。いたって落ち着いている、教室で見るようなアリアちゃんだ。……少なくとも、見た目では。
「屋台のブラックホールかー……前々から屋台の早仕舞い騒動があったけれど……もしかして」
……まさか、ね。いやいや、信じません。きっと、大盛況だったんですよ。うんうん!!
「ふー……なあ、ちょっと聞きたいんだけど」
どうやら、着替え終わったらしいアラシ君が、タオルで髪を拭きながらこちらへと戻ってきた。なぜか、怪訝な表情を浮かべながら。
「あの先輩の選手紹介って台本通りなのか?」
「ん? 少なくとも、私の台本にはないよ。リュウ君、テンション上がるとあんな感じだから、誰にも止められない。ここは諦めて、ツバサちゃんのナイトとして、これからの学園生活を謳歌してね♪」
「なっ!? 茶化すな!!」
いいじゃない。あの紹介文、嫌いじゃないよ。白狐姫の騎手様……ってね。
「やめろ!! 思い出しただけで恥ずかしい!」
「しばらくは、あのネタでいじられるのを覚悟しておいた方がいいんじゃないかにゃ~?」
「うっせ!!!」
顔を赤くして反論してあるけれど、ある意味、まんざらでもないのかもしれない。ふむふむ。
青春だねぇ~♪ 私は恋の迷路に迷える子羊の味方だぞ!
「はあ!? な、何を……!!!」
「ラルさん! 次はレオンみたいですよ~♪」
ツバサちゃんの声に私とアラシ君はモニターに注目する。アリアちゃんを映していたカメラは、相手であるレオン君を捉えていた。
『続いて! そんなブラックホールに打ち勝てるのか!? こちらも一年にして予選突破! 考古学専門の教授を親に持ち、自身も考古学バカ! レオン・エクレェェェル!!』
『にゃは♪ 考古学バカは、俺にとって誉め言葉だぞ~♪ でも、アリアに勝てる自信がねぇ……』
笑ったり、落ち込んだり、レオン君の感情の起伏が激しい。大丈夫なんだろうか。
「ツバサちゃん、ツバサちゃん。そんなにディーネ先輩はお強いのです?」
「あーちゃんは強いですよ~♪ でも、今日のあーちゃんは食べ物が絡んでいるので、もっともっと強いです」
なんだそりゃ。
「普段のアリア相手なら、レオンもワンチャンあったんだろうけど……今のアリアには勝てねぇだろうな」
「得意属性が雷のレオン君でも?」
「俊敏な猫族のレオンでも無理」
ありゃりゃ。個性全部潰されてますがな……
『そんじゃあ、試合開始ぃぃぃぃ!!!』
カーン! というゴングの音が聞こえたと思うと、今まで大人しかったアリアちゃんの目が変わった。キラリと目を輝かせ、一気に好戦的な表情になる。
『“氷双龍”』
そう唱えた瞬間、淡い青色の魔法陣が出現するも、すぐに消滅し、二つの水柱が現れる。アリアちゃんの周りを螺旋を描きながら水柱は天へと登りながら、水を氷へと変化させていく。そして、二頭の氷の龍……言わば、氷龍を出現させたアリアちゃんは、ふっと笑った。
『……行って』
その合図を受けた龍達は一直線にレオン君へと突撃する。そんな龍の攻撃にレオン君は猫族特有である俊敏さを生かして大きく真上にジャンプし、一頭の龍の体当たりを間一髪で避ける。しかし、龍は二頭いるのだ。
『おわっ!?』
避けた先でもう一頭の氷龍に体当たりされてしまい、Bブロック予選の人達のように全身氷漬け─一応、頭は氷を免れてはいる─となってしまった。あの状態から復活手段があるなら、試合は続けられるが、レオン君の諦めたような表情からして、ここまでなのは明白だ。
「レオンは脱出手段ないから、これで終わりだな」
「うん。……でも、お昼にたくさん食べたからあーちゃん、予選よりは落ち着いてたね?」
……あれでか。
「ほえ~……全く手加減なんてなかったけど……ディーネ先輩はそういう人なの?」
「いやぁ……基本、容赦ないっす。それにも加減っつーか、段階みたいのはありますね」
「何も食べてなかったら、予選以上の被害があったかもです」
いやいやいや!? やめてくれ!? あれはあれで相当迷惑だったよ!!
慌てる私に、アラシ君はにやりと笑う。
「会場全体凍るとかあったかもな」
「やめて!? 洒落にならん!!」
「だ、大丈夫ですよ、ラルさん! 今回はお母さんの結界がありますから! 最悪、お客さんの一部が凍るとか……それくらいです!」
それも安心できないんですけどぉぉぉ!?
予選で分かってはいたが、思いがけない爆弾が投下された気分である。それを知ったからアリアちゃん辞退してくださいなんて、言えたものでないが。
第二試合はアリアちゃんの勝利で幕を閉じた。今後を考えて、できれば勝ち進んで欲しくはないのだけれど、この世の中、全く持って優しくないのを知っている。ついでに言えば、アリアちゃんが負けた先を想像したくもない。
だって、食欲のためにあそこまで本気になっているんだよ? 食べ物の恨みって怖いじゃない?



~あとがき~
書けば書くほど、本文が長くなっていく不思議。

次回、一回戦、第三試合! ミユルVSユーリ!
どうなることやら……

すんなりレオン君が負けてしまいましたが、予定通りです。私が「無理! もうバトルなんて書きたくないんだぁぁぁ!!!」と、土下座して展開を変えてもらったわけじゃないです。はい。
前回が普通にバトルしていたので、あれですが。レオン君には申し訳ないけどね!

ではでは!