satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ポケモン盾やポケダンについて語るだけ

ポケモン盾のプレイ感想書くでえぇぇ!!
と、息巻いていた去年の12月。とっくに年は明け、今現在1月下旬です。おかしい……!!
とまあ、私が感想も書かずにポケモンエンジョイしたり、レポートに追われたり、発表会の準備をしたりしている間にポケダイ、来ましたね。

ポケモン剣盾のDLCの発売決定!
ポケダン救助隊がSwitchにて復活!

ポケモン、ようやりますわ!! ありがとう!!
というわけで、今回は

ポケモン盾プレイ感想
DLCの話
ポケダン救助隊の話

の3本立て! もうね、語ります。
ネタバレが嫌な方はブラウザバック推奨です。
発売してそれなりに経つので、大丈夫だろうと勝手に思ってますけど、一応ね!


まず始めに、プレイ感想ですね。
最初の方だけこれがすごい、あれがやばいという話をしましたが、今現在はクリアもし、エンディング後のストーリーも終わらせております。今はなんとなく、レイドバトルやってみたり、飴細工集めてみたい適当にプレイしとります。楽しいです。

まずはメインストーリー全体の感想。
楽しかったです! この一言につきます!
ホップと共にといいますか、ホップの成長を横で見られていい子やなぁと……どこかでホップについての考察をまとめられてて、なるほどなと思いました。今回のライバル達は皆いいですね。大好きです。

ジムリーダー戦もそれぞれ楽しくできました。ギミックも楽しかった! 一番苦労したのはアラベスクタウンのピンボールのやつ。ああいうの苦手なんすよね……どっちにスティック回してるのかわからなくなるんですよ(笑)
一番苦労したジム戦はキバナさん。ドラゴンに有効打があまりなくってなぁ……ジュラルドン…ちょい厳しかったです。一番危なかったジム戦でした。ラストに相応しいと言えばその通りなのかもしれません! でも1つ言いたい! ドラゴンタイプもう少しいるんじゃないかな! キバナさん!!
また、従来の四天王方式ではなく、チャレンジャー同士のトーナメント、ジムリーダーとのトーナメント戦……これもなかなか楽しかったですよ。
ここでも苦労したのはキバナさんです。もうあの人が鬼門だよ……(笑)

さて、ここからは気になった部分を少し。
後半の粗っぽさが気になりましたねぇ……スパイクタウン辺りか。町の作りとかもですが、ストーリー自体、チャンピオントーナメントからエンディングまでのところも、怒濤の展開すぎて、「お、おぉ!? お、お~?」みたいに戸惑いが隠せなかった。何ででしょうね。あれかな。悪役退治ってのが今作になかったせいですかね?
カントージョウトでいうロケット団、アローラでいうスカル団エーテル団……もしくは、そういう悪役のダンジョン攻略がなく(あるにはあるけど、ほぼ一本道)、さっぱりした終わりなのが新しくて、主人公やってやったぜ感がないのかもです。いつもアジト乗り込んで攻略して、悪役退治してたもんだから……(笑)
私個人としては、もう少しそういうダンジョン攻略が欲しかったかなぁと。あとは掘り下げか。悪役の。
まあ、主人公の立ち位置がジムチャレンジャーで、「難しいことはチャンピオンの俺(もしくは大人)に任せろ!!」みたいなダンデやソニアが常にいたので、事件っぽい事件にも関わらなかったんですよね、主人公。そのせいかな?
普通に考えたら、最近ポケモンもらった少年少女が悪役のアジト乗り込んでうえ~いするのも変な話なのかもしれませんけどね! 現実的ではあるよね! 子供の扱い的に!!

何が言いたいって悪役追い込んであれこれする話が駆け足で物足りなかったって感じです。そいや、今作、ダンジョン攻略がそこまで難しくなかったんですよね。それのせいか……!?

次。ワイルドエリアの話。
まあ、グラフィックすごいとかシステムの話は前回もやりました。その辺は同じなので省略するとして……
レイドバトルのNPCの話をば。
私、一緒にやるようなお友だちが皆無なのと、オンライン契約していない関係で常にソロなんですね。まあ、そこはいい。ソロでも倒せるときは倒せるので。
それでも、NPCの性能はあてにはできなくて、ちょっとどうなの、これはという方々が多くてですね……ソーナンスソルロックイーブイ、ピッピ……お前らのことやぞ。特にソーナンス。お前は有罪じゃ……!
いやぁ……もうちょい、NPCは強くてもいいと思うんだ。せめて、一撃くらいは耐えてほしいし、できるなら常に攻撃してほしいし、やられてもおうえんコマンド使ってほしい。NPCも解禁しよう。おうえんコマンド!
☆4までなら……まあ、安定して倒せるかなぁ。ポケモンにもよるけれども。
つまりなんだって話だけど、レイドバトル(☆5)はお友だちと楽しむべきです! って話。
多分、そっちの方が効率的なのではと思います。捕獲率は知らない人だ…

次にエンディング後のストーリーの話。
これまた唐突にキャラ出てきたなと。
その一言です。
あとはもう、あれだ。ホップ! ホップくんの話だよ!! 一緒に英雄として継承しよう!!←
正直なところ、エンディング後のやつらとの戦闘は焦りました。最初のやつかなぁ? ホップ戦があってそのまま始まってしまうので、ちょいちょい危ない場面もあったかなと。レベル上げしてたつもりだけど、タイプ相性のせいですかね……?

あとはもう語ることもない……ビートくんがジムリーダーしてて偉いねって……そんくらい…(ビートくんが好きな私)

最後に!
私の最終パーティーの紹介です!
メッツ/インテレオン(♂)
レイト/ブラッキー(♂)
セッキー/セキタンザン(♂)
ゆめ/ギャロップ(ガラルの姿)(♀)
エレン/ストレンダー(ハイな姿)(♀)
ガイラ/アーマーガア(♂)
でした!
他にも、パンチ(パルスワン)、ひめ(ワタシラガ)、わたげ(バイウールー)、レディ(イオルグ)、ちゅぴ(ピカチュウ)など、控えも多かったです。


では、ここからはポケダイの話へと移ります。
DLCですね。
ここにきて、新ポケ入れてくるんだ!! と興奮いたしました。追加ポケモンたちも多いみたいで……図鑑埋めが……捗るね…(白目)
着せ替えも増えるみたいですし、これは即買いです。ありがとう、ポケモン……
年度明けは忙しくなるのですが、これを楽しみに頑張りたいと思います。もうめっちゃ頑張る。死なない程度に。

二つもお話があって、追加コンテンツも多くて、約3000円なんて……もっとお金とっていいと思うの! いやまあ、これで追加ストーリーが「ん??」ってなっちゃうようなら、悲しくなるんですけども……そこを抜きにしても、ポケモン増えるし、服増えるし、ぼんぐり追加でガンテツボールの量産も(多分)できるし、満足できるのはお約束されたようなもんですね!
これからの続報に期待です!!


最後です。ポケダンの話。
いやぁ……まさかSwitchで救助隊くるとは思いませんでした。発売したのは2005年。なっつかしい……! 私、何歳よ! え、小学生? かな? マジか……?
過去にもつらつらと語ったことがあるので、知っている方は知っていると思いますが、ポケダンは初期、つまり、救助隊からずっとやっているポケモンの番外編ゲームなのです。
そして、体験版も出ているので早速プレイしました。何かと仕様が変わってますが、基本的には救助隊です。そりゃそうや……

技の話。
ここら辺はマグナゲートもしくは超ダンからだったと思いますが、すでに4つの技を覚えた状態で始められる。最初にエネコ&ヒノアラシで始めましたが、2匹とも4つ覚えてました。
だがしかし、通常攻撃がない。超ダンまでは辛うじて存在していた通常攻撃がない。PP切れ起こしたら出てくるのか……がむしゃら扱いで常にHP減らして攻撃しなきゃならないのか。その辺は謎です。
救助隊なら、あのめちゃつよ通常攻撃したかったです。探検隊まではあったやつ……
マグナゲートからは固定ダメージであったんですよね。添えるだけくらいの通常攻撃でしたが。まさか今回で消えてしまうとは…私がやり方を探さなかっただけかもしれませんが。
まあ、ないならないで立ち回るしかないので、大丈夫でしょう。なんとかなるさ。きっとパワーバランス的なのも修正されたんだ。そういうことなのさ!!←?
あとは、技のバリエーションは更新されているところですかね。ぶんまわすとかありましたし、エネコもチャージビーム覚えていたので、最新まで入っている可能性はある。……少なくとも、SMまではありますね。ぶんまわすはSMからだった……気がするもん…!

バトルシステムについて。
従来通りのターン制でした。いつものポケダンです。こちらが動けば、敵も動く。そういうやつです。
そして、ボタン操作がSwitch仕様になりました。当たり前ですね! だってSwitchだもの!
技もクイック操作があり、Aボタンで敵ポケモンに合った技を自動で判断し、繰り出すというボタン。なので、弱点をつける技があればそれを出してくれるし、なければ一番威力の高い技が出る……のかなと。ただ、隣接していないと効果ないので、1マス空けや全体攻撃なんかは自分で設定しないといけないのかな。
あと、これはびっくりしたのですが、オート移動を搭載していること。勝手に探索してくれるモードですね……必要なのかはわからないです。私はちょいだけ触ってすぐに解除してしまいました。どうせなら、自分で探索したかったので。でも、単純に依頼達成したいとか周回プレイなんかでは役立つのかなと思います!

グラフィックの話。
これまたドット絵ではなく、3Dモデルでした! 綺麗! いいぞ!!
視点もちょいちょい主人公視点でいいですね。今まで私たちは見下ろしてたので(笑)
最初のポケモンになっちゃった! ってところも、主人公視点でパートナーしか写らないようになってて、恐らく、今後もそんな視点で話が進むのではないかなと。
関係ないけど、探検隊のラストとか主人公視点で見てみたいですね。絶対泣くやん。パートナーが泣きながらこっち見てるんでしょ? 泣くしかないよね。今回まっったく関係ないけど(笑)

町の探索もしましたが、これも救助隊のまんまです! 懐かしいね!!
ところどころ、変わっている部分はあります。ペルシアン銀行使うとサービスで道具くれるし、マクノシタ道場はチケットでレベル上げできるようになりました。連結店も最初から解禁……なのは昔からでしたっけ。忘れた……探検隊は途中からの追加なんですよね……救助隊はどうでしたっけね(汗)

ちょこっとしかプレイできませんが、続きが気になるやつでしたね。めちゃ楽しみだ!
ただ、3月って個人的に出費多いので、発売日すぐに手にいれるかは悩んでいるところです。……あつ森やりたい……推しのDVDほしい……うっ……!
まあ、追々と考えます。貯金と相談だ!


はい! ここまでつらつらと脈絡もないままに話してしまいましたが、ポケモンはいいぞってのと、今後が楽しみであると! そういう話でした!
今はあれっすね。お金を貯めつつ、これからを待とうかなと思います。

次回更新はレイ学です。まだ大会続けてたっけね……もうそろそろ終わると思いますので、もう少しだけお付き合いいただけると幸いです。

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第102話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわっちゃわちゃする物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
それぞれの対戦相手が変わりました。
ラル「紹介が雑」
フォース「さらっとしてたけど、おれを投げたよな。描写さらっとしやがって」
いやぁ……いいかなぁって?
フォース「こいつ」


二人の中の計画にはあったものではあるが、実際に体験をすると、なかなかのインパクトがあった。
「ふっつーに突撃でもよかったよなぁぁ!?」
そう叫んではいたものの、アリア目掛けて投げ飛ばされたフォースは、体に打ち付けられる風をもろともせず、冷静に戦闘体制を整えていた。
「ロケット! フォース、ロケットみたい!」
「あぁ!? どこで覚えた」
「テレビ!」
「ソウデスカ……行くぞ、鈴流。声はおれだけにしぼっとけ。そんでもって、援護!」
『まっかせてー!』
今まで誰にでも聞こえるように話していた鈴流は、テレパシーに切り替える。聞こえるようにしていたのはミユルと意思疏通をさせるため。二手に分かれた今、誰かに聞かせる必要はない。
フォースは“チェーン”を作り出し、アリアに向けて飛ばす。これは単なる牽制。ダメージになる必要はない。あくまで、アリアが現在構築中の魔法を中断させるための予備動作でしかないのだ。
「……!」
フォースの攻撃に気付いたアリアは、フォースの考え通りに魔法を中断させ、水泡に包まれ出現した銃剣を取り出し、“チェーン”を弾いた。
無事に地面に着地したフォースはアリアを捉える。銃剣を構えるスナイパーの目は爛々と輝いていた。
「タダ券。もーすぐなのに……邪魔……するな……!」
『わあ。食べ物って怖いねー』
「おれ、死なずに帰れっかなぁ。にしても、銃剣かぁ……厄介だな」
銃剣には大まかに二種類ある。ベースが銃で銃口の先に鋭く細い剣がついている物。反対にベースが剣で柄付近に銃口が備えてある物だ。アリアの使う銃剣は後者のものらしい。
全体的なカラーリングは青系で、シルエットは狙撃銃に似ているが本来、銃身である部分が刀身となっており、銃口は刀で言う峰から生えたように備え付けてあった。引き金は柄の近くにあるため、あれを引けば簡単に弾を撃ち出すだろう。
「たぁ~だぁ~けぇ~ん~」
「うえ。こわ」
銃剣から放たれたエネルギー弾をひらりとかわすと、フォースは左手に拳銃、右手に剣を作り出した。アリアからの攻撃を体を捻ってかわしたり、銃で防いだりと巧みに使い分けて接近していく。
「ごはーーんっ!」
「おっと」
至近距離まで近づいてきたからか、アリアは引き金から指を離し、奇妙な掛け声と共に勢いよく剣を振り回す。フォースはそれを頭を下げてかわした。そして、しゃがんだままの体勢から拳銃による発砲を試みる。が、流石にこれは警戒されていたようで、アリアが大きく後方に飛び退く。
フォースの思惑通りに。
「そっち行ったぞ、女神様」
『一名様、ごあんなぁい! てやぁぁっ!』
アリアが飛び退いた方向には、電撃の準備を終えていた鈴流がふわりと浮いていた。腕を一振りし、激しく轟く雷撃を放った。
「っ!」
「ごめんね。一人じゃなくってさ」
着地前の攻撃だったために、体を捻っても完全に避けるのは不可能である。また、大会開始してから、初めてアリアに一撃を与えたことにより、会場から大きな歓声が聞こえてきた。当人達は全く興味はないようだが。
水属性に有利である電撃ではあったが、アリアは案外平気そうに立ち上がる。側に落ちていた武器を手に取り、フォースを一瞥する。
「ま、あんなんでやられはしないよな」
「……タダ券」
「おれ、ふっつーの会話がしたいな~」
距離が離れたことにより、アリアはメインを剣から銃へ変更してきた。肩の位置で銃を構え、狙いを澄ます。それをぼーっと見ているフォースではない。フォースも同じように銃を構える。
「いいね。楽しくなってきたよ」
『なぁんか、ラルちゃんみたいだよ~』
近くに寄ってきた鈴流が呆れ気味に答える。それに対する返答は、不敵な笑みであった。
「……ま、最悪被弾しても大丈夫だろ? 死なないし」
『えー!? 意味分かんなーい!』
少しの間があり、西武の速打ちのような雰囲気を漂わせていたが、ふいに銃の乾いた音が響き渡る。
引き金を引いたのはアリアが先だった。メイン武器が銃であり、スナイパーが本業の彼女に狙えないものはないのだろう。が、ここは特殊な結界が貼ってあるために、致命傷なんて与えられるはずもない。また、彼女が使っている武器は本物の薬莢ではなく、魔力が元となるエネルギー弾だ。それでも直撃すれば、無事ではすまない。
フォースの頭を狙ったその銃撃は頬を掠めた程度に収まる。彼は完全に見切って避けたのだ。
「あんなん頭に受けたら気絶確定だわ!! あっぶな。こっわ」
「ご飯ドロボーめ……」
「ご飯泥棒? 泥棒する気ないんですけど」
「邪魔する。僕からご飯盗ってるのとおんなじ……それに、あんたが避けたのは……弾だけ」
少し冷静なアリアの言葉に、フォースは一歩反応が遅れた。足元に青く光る魔法陣が展開されると、渦潮が発生して、フォースを絡め取ったのだ。その渦に巻き込まれてしまい、容易には脱出など不可能である。
『フォース!』
「大丈夫。……殺しはしない」
「あーそう。優しいね、ディーネさん?」
「! どうして」
渦の中でフォースは水流に振り回されることもなく、その場に留まっていた。水の中なのに、フォースは淡々と話し始める。
「水に耐性のある継承者がいたんだよな。これ、チートだってリーダーには言われるんだけどさ。いやまあ、ダメージない訳じゃないし、しんどいんだけど。これでも……ねっ!」
内側から想定以上の力が加わり、渦潮が破裂するように弾け飛んだ。中から出てきたフォースの髪は黄色に変色し、肩にかかるほどに伸びていた。顔にかかる髪を無造作に掻き上げ、空色のマフラーをほどいていく。
見た目ががらりと変わったフォースを見つめるアリアに、彼は赤く光る目を細め、にやりと笑って見せた。
「水属性が苦手な力を加えた方が効率的だろ?」
『わあっ! フォース!』
制御者の能力の一つに、以前、付き従っていた継承者の力を呼び戻すというものがある。つまり、今の姿はフォースが以前に制御していた鈴流と過ごしていたときの見た目である。変化がないのは、身長と服くらいだろうか。
「撃ち抜く。……タダ券のために」
「おう。いいぞ。もう少しおれと遊んでくれ~?」

フォースがアリアと攻防を繰り広げる中、ラルとミユルは硬直状態であった。ミユルの『取引』という言葉にラルが考えを張り巡らせているためであった。雷姫を縛るこの鞭も刀の電撃をもってすれば、簡単に焼き切れる。それをしなかったのは、目の前の少女の真意を探りたいからだ。
「お手伝いしてくれませんか?」
「……はあ?」
「アリアちゃんに万が一、勝ってしまって彼女の怒りを買いたくありませんから。……なので、会長さんにはお芝居に付き合ってほしいんです。私達が上手く負けるための」
八百長に付き合えと」
「今のアリアちゃんに私が勝てるとは思えませんが、備えておけば安心なので」
ミユルが冗談で言っているわけでも、油断を誘うために言っているわけでもないのは、雰囲気で伝わってきた。本気でラルに助力を乞いたいと言っているのだ。
ラルは短く息を吐くと、雷姫の電撃を放ち、ミユルの鞭を焼き切って拘束から逃れる。そして、軽く地面を蹴り、ミユルへ急接近した。ラルが振り上げた雷姫を、ミユルは鞭ではなく、シエル戦の際に使用していたナイフを取り出して受け止めた。わざと力を緩めつつもミユルに迫り、話を続ける。
「……運営に関わる私によくそれを言えたな」
「お話は最後まで聞いてくださいな。私は取引って言ったんですよ? 会長さん。……うちの部活のセカイイチ、どうなりました?」
「んんっ!?」
最後の言葉でラルは淡々と仕事をこなす彼女から、無理矢理、普段の彼女へと引き戻された。
この学園には園芸部があり、その園芸部では密かにセカイイチの栽培が行われている。それは一部の生徒のみで作られているのだが、それをどこで嗅ぎ付けたのかプリンが時折、拝借しているらしかった。それにラルが気付いたのは、ツバサ達との共に園芸部へと訪れたときだ。このときにミユルに相談を受けていたのだが、ラルは─正確には、ラルとティールの二人は─この時点でプリン以外にはあり得ないとほぼ確信していた。その場では上手く誤魔化し、後々、どうにか対策しようと思案していたのである。
思案していた矢先にこれだ。ミユルは変わらない笑顔を……ラルからすれば、悪魔にも見える笑みを浮かべている。
「会長さんがお忙しいのも理解しています。しかし、こちらも急速に対処したいのです……知っているのでしょう? セカイイチ泥棒の正体はプリン校長だって」
「……マジかよ」
ミユルがどのように突き止めたのか定かではないが、真実にたどり着いてしまったらしい。
「取引内容はこうです。……この試合で私達に協力してくれたら、プリン校長のことを黙っていたことは咎めません。あ、でも、お話は伺わせてもらいますが。それくらいはいいですよね、会長さん」
こちらに利があまりないと感じてしまうのは、ラルが助っ人という枠だからだろう。つまり、こちらのチームとしてのメリットは、アリアの勝利。そして、個人的なメリットは、セカイイチの件の黙認について罰すこともなく、詳しくは問わない。まあ、プリンがなぜ、セカイイチを盗るのか等は聞かれるだろうが、その辺は必要な情報であろう。
生徒会長としては、この取引に応じるべきではない。実力的にアリアが上だとしても、正々堂々と勝負するのがマナーである。しかし、探検隊……否。元ギルドメンバーとしては、これに応じる他ない。ギルドマスターの弱味を握られるのは大変よろしくないのだ。これがノウツなら、慌てながらミユルとの交渉に応じてしまうのだろう。
『るー、おことわりしたら、どーなるのー?』
『何されるか分からんの。この娘、そこそこ怒っておる』
その感情は正当である。愛情込めて作った作物を誰とも知らず相手に盗られ続け、その犯人を知りながらも黙っていたのは理由があるにせよ、こちらである。
プリン本人はバレたとしても、何とも思わなそうである。何か言われ、咎められたとしても、あっけらかんとしているのが容易に想像できる。が、プリンはそうでも、関係者からすれば笑って済ませられる話ではない。
様々な葛藤の末、ラルは大きく溜め息をつき、大きく飛び退いた。ラルが距離を取った
『るー?』
「……いいよ。取引成立だ」
「ありがとうございます、会長さんっ♪」
嬉しそうに笑うミユルに、雷姫は呆れたように息をつく。
『ほぼ私情だろうに』
『てぃーにはないしょする!!』
「内緒。……うん。よろしく」
思わず、雪花の言葉に返答してしまうが、これはミユルには聞かれていないらしい。
「それで? 何をすればいいの?」
「ほんの少しでいいので、アリアちゃんの手綱、会長さんに握ってもらいたいんです」
「…………えっ」



~あとがき~
もう少しで……もう少しで終わる……はずだ。

次回、ミユルの作戦に乗ると決めたラル。そんなラルを味方につけたミユルの策とは……?

ここでセカイイチ問題が引っ張り出されるなんて思わなかったでしょう。私もです。単なるネタ的な奴だと思ってました。裏でどうにかしてるもんだと思ってたよ!!(笑)

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第101話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で好き勝手する物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
ラル&ドールVSフォース&ミユル&鈴流戦でした! 今回はまた、戦況が動きます! だらだらと戦闘も書けなくてさらっと終わってしまいましたね。気持ち的にはもっと書きたかったけど。
ラル「そうやって先伸ばすのよくない! 空海本編の乱闘を思い出せ!!」
それなぁぁぁ!!!(泣)


フォースがミユルの元へ辿り着いたときには、もう一人のラル改め、ドールの姿はなかった。ドールを捕まえていたであろう植物と、鞭を構え、若干困惑気味のミユル。そして、ふわふわと漂う鈴流のみである。
「フォース先輩、会長さんが……いえ、それよりもアリアちゃんの第二波が来ます」
ミユル自身もアリアの魔法予兆を感じていたのだろう。真剣な眼差しをフォースに向けた。
「了解。……で、お前らが戦っていたのは偽者。ドールに雷姫持たせるとは大胆だよ。何するかわかんねぇな、あいつ。……ま、予定外なこともあったが、これはこれで作戦通りになるだろ」
「……ええ。そうですね。では、予定通りに。幸運にも、準備はできてますし」
ドールを拘束していた蔦をしゅるりと操り、満面の笑みを浮かべた。それを見たフォースは、ため息を一つ漏らす。
「……ほんとにやるのか?」
「もちろん」
ミユルの迷いのない返事を聞き、フォースはもう一度ため息をついた。今度は、誰にでも聞こえるようにわざと大きくした。

一方のフォースを見送ったラルは雷姫を腰に差し、傍にはドールが付き従っていた。ドールは不思議そうに首を傾げる。
「マスター、よかったのですか? もう少し、彼女達を引き付けていてもよかったのですよ」
「いいよ。ここで終わらせるわけにはいかない。まだまだ、楽しいお祭りは続けなきゃ」
今頃、アリアの広範囲魔法の対策でも打って出ているところだろう。
『……この我がドールに使われてやったのだ。それなりの見返りは期待しておるよ、マスター?』
ドールの能力値はラルとほぼ変わらない。そのため、雷姫を操るのもドールには可能だ。ラル以上の火力は生み出せないにしても、普通に刀として使い、簡単な能力解放くらいならば、容易いのである。あくまで、能力的には。雷姫本人がそれをさせてくれるかはまた別問題だった。
「大丈夫。ちゃんと楽しませるよ、雷姫」
『当たり前じゃ。……時に、マスター』
「なぁに?」
『人魚の娘、やる気満々じゃの』
「……は?」
『れーき、びんびんにかんじるぞー!!』
氷の力を操る雪花が元気よく答える。恐る恐るアリアのいる方角を見ると、試合開始直後と同等、もしくはそれ以上の氷属性の魔法を放とうと準備中であった。仲間を気遣うようなものではなく、巻き込まんとする程の力を感じ、ラルの背筋に寒気が走る。
「私もいるの忘れてるよね!! 忘れてるよね!? もうやだ!! こんなん三つ巴戦だよ。一対一対二って構図だよね! あーもー! セツちゃん!」
『あいっさー!』
半ば投げやりに雪花を地面に突き立て、防御姿勢を取る。もしかしたら、フォースやミユルが止めるかもしれないが、準備をしておくに越したことはない。
「ドールは一時退避。さっさと帰れ」
「りょーかいでっす! 乱暴なマスターも嫌いではないですよ! むしろ、大好きです!」
「変態な捨て台詞吐くな」
くるりと一回転したドールは満面の笑みを浮かべたまま、この場から消えていった。
『ふむ? マスター、何やら奇っ怪なことが起こっているようじゃぞ?』
「は? 何……お、おぉ?」
『すー、かたいかたーいしてるのら』
「固くないよ。高いな。たかいたかーいだよ、セツちゃん……?」
雪花の些細な言い間違いを訂正したラルの目に写ったのは、ミユルの作り出したであろう太く丈夫そうな蔦状植物にフォースが捕らえられている光景だった。攻撃タイプではないミユルが、唯一の戦力と言っても過言ではないフォースと仲間割れなどあり得ない。となれば、作戦の一つだと気付くのに時間はかからなかった。
『小僧が縛られておる。んふふ。滑稽じゃの~♪』
『すー、びみょーなかおしてる』
「まあ、不服なんだろうね。あはっ♪ しばらくネタにしてやる。……って、じゃなくて!!」
植物は上へ上へと成長を続け、ある程度の高さになるとぴたりと止まる。そして、大きくしなると、フォースを投げ飛ばした。その方角には今、まさに魔法を放とうとしているアリアがいる。
「あー……強引だけど、効果的な手だ。セツちゃん、守んなくていいよ」
地面に刺されていた雪花を抜き、ラルは自身の腰にある鞘へと納める。
接近戦となれば、フォースとアリアをぶつけてしまった方が彼女の強力な広範囲魔法を防ぎ、同等に張り合える。フォースの気分次第ではアリアを圧倒できるかもしれない。彼にその気があれば、だが。
「ってことは、次の相手は……」
「私です。会長さん♪」
ミユルがいつの間にかラルに接近し、鞭による攻撃を放とうとしているところだった。それに素早く対応し、雷姫を抜刀。眼前に迫っていた鞭を刀身と少しの電撃で弾く。
「あっちに気を取られていたとはいえ、なかなかのスニーキングスキルですね。ミユルさん?」
「お褒めいただき、恐縮ですわ」
ちらりと辺りを探るも、鈴流の気配はなかった。フォースについていったのか、帰したのかまではわからないが。しかし、二対一にならなかっただけ、よかったのかもしれない。
「フォース君よりは難易度低めだといいなぁ」
「流石にフォース先輩みたいにはいきませんよ。それでも、精一杯相手を務めます」
ピシッと鞭を構え、笑顔を浮かべる。その表情は余裕である。それに雷姫がふんっと鼻を鳴らした。
『この娘からは覇気も殺気も感じぬ。まだ、小僧の方がやる気はあったわ。つまるところ、本気ではないのだろう。……つまらんの』
「別に命のやり取りはしたくないから、それでいいんだけど。……行くよ、雷姫」
『仕方がないの~』
フォースとの一戦の方がまだよかったらしく、未練がましく返事をする。そんな雷姫に呆れつつも、ラルも腰を落として雷姫を中段に構える。
「せやぁっ!!」
「雷姫!」
ミユルの放った鞭を雷姫の電撃が弾く。それを何度も繰り返し、攻めているのはミユル。守りに入っているのはラルという構図が出来上がった。雷姫で鞭を弾く度、バチッと赤い電撃の火花が舞う。
鞭がしなる分、稼動範囲はミユルの方が上だ。背後からの攻撃はないが、距離は離れていても攻撃はできてしまうのだ。また、弾くタイミングがずれてしまえば、あっという間に雷姫を絡め取られてしまうだろう。極端な話、ミユルがやたらめったらに打ち込んできても、ラルにはかなりの負担となりうる。
「この攻防、不利だな」
『ふん。我が盗られても、あの娘は使いこなせないどころか、我が精神力を食ってしまうだろうな』
「その事故だけは防ぎたいねぇっ!」
どこかで折り合いをつけなければと思っていると、勢いよく弾いた手前、ミユルの素早い切り替えに対応できなくなってしまった。ミユルの鞭がぐるぐると雷姫の刀身に巻き付き、動きを封じられる。
「やぁっと捕まえました。ここまで耐えられるとは思ってませんでしたよ?」
「そりゃ、どうも……」
ミユルがぐいっと鞭を引っ張るとそれに合わせて雷姫が持っていかれそうになる。ラルは慌てて両手で雷姫を握り、自分の体の方へと引き寄せる。この力比べはラルに軍配が上がったようで、ミユルはこれ以上、雷姫を引き寄せられなかった。
「つかぬことをお聞きしますが、私達のこの会話は会場の皆様には聞こえていますか?」
「は……? いや、会場を飛んでいるカメラのマイクじゃ、余程近くによらない限りは拾わない。私達に至近距離では近付かないようになっているよ。戦闘中にカメラと接触事故なんてしたくないもの」
質問の意図が分からなかったが、ラルは素直に答える。そして今答えたものは事実だった。会場では試合中ずっとリュウが実況しているし、外に設置しているモニターには、放送部の声と映像しか映し出さない。フィールドの周りにマイクを設置しているわけでもないのだ。大声で話すなら未だしも、普段の声量くらいでは当人同士のみにしか聞こえていないだろう。
「私とミユルちゃんのこの会話を聞いている人は恐らくいない。まあ? 唇を読むとか、心を読むとか? そういうことをされなければ、手段はないと断言しようかな」
「そうですか! なら、よかったです。……会長さん、取引をしませんか?」
「……あ?」



~あとがき~
半分? 半分くらいかな??

次回、アリアVSフォース! そして、ラルVSミユルです!
アリアちゃんはご無沙汰ですね。

特にお話しすることはないので、終わります。
進展してると思ったけど、案外そうでもないんですよね。話すことがない。

ではでは。

空と海 第230話

~前回までのあらすじ~
お届け物が終わったものの、フォースの口から衝撃的な事実が発覚しました。
コメディっぽい日常からシリアス雰囲気に突入するのよくない。いや、バトルしない……しないぞ……
フォース「本当かよ」
イブ「ね~?」
チコ「作者さんの頭の中にあるシナリオではバトルあったって話ですけど……?」
な、ない!! 私はないって! イメージしても、ないことにする!!
フォース「何言ってんの」
……分からない。


すーくんはこれ以上の説明はせずに、ザゼルさんの家を出ていく。私達も慌てて、すーくんに続こうとするも、目の前のすーくんが邪魔で外に出られなかった。
「すーくん?」
「人気がしないと思ったら。いつもこんな感じに警戒してたのか。邪魔者は排除か?」
「すまないねぇ……秘密を知られては、外には出せんのです」
ザゼルさんはさっきまでの優しそうな声色のままだけれど、言っている内容は全く平和的なものではない。
え、え!? 何が起きてるの!? すーくん!
「囲み取材?」
「フォース、真面目に言って」
「すんません。村人全員から睨まれてる」
意味分かんない!!
どういうことなんだろう。きっと、すーくんの言った、預言者さんが原因だよね。どう考えても。
預言者……神の代弁者ってこと? 神様の代弁者……? 何それ……?
理解できてはないけれど、話がどんどんややこしい方向へと向かっているのは分かる。前に立つすーくんがちらりとザゼルさんの方を向く。変わらず、ひやりとした声で告げた。
「おれが面と向かってあんたと話したのは、黙って拐うのは気が引けるからだ。同等に落ちたくはないんだよ、おれでもね」
「知らずに任された仕事を……荷物運びをやっていれば、このような事態にはならなかったでしょう。とても残念ですよ」
「お前らがどう思っているのかよぉく分かったよ。そんじゃあ、前言撤回だ。迷惑はかけないっていったけど、かけるわ。……すぅ、チコ。ここを突破するぞ」
は、はわ……分かった! よく分かんないけれど、敵意を向けられているのは、理解したもん。
何が起こっているのか、どうしてこんなことになったのか、預言者ってなんなのか……聞きたいことは山程あるけれど、それは全部後回しだ。
すーくんはふしぎ玉みたいなものを両手に一つずつ創り出すと、一つはザゼルさんに、もう一つは大勢の村人さん達に向かって投げた。玉が地面に当たると、ピカッと光り、同時に煙が大量に噴き出した。
「ちょっとごめんなさいね、お嬢様方」
は、え……きゃっ!
すーくんは私とチコちゃんを抱き抱えると、煙の中だと言うのに、迷いなく群衆の隙間を縫って、この場を脱出する。
煙の影響がないところまで、一気に走り抜け、次に地面に下ろされたときには見知らぬ景色が辺りに広がっていた。いや、見知らぬというよりは、知っているけれど、知らないと言うべきかもしれない。
私達はまだ、森の中だ。そして、目の前には場違いな小さなログハウスがぽつんと建っている。
「……すーくん、説明して」
「おれがプクリンに頼まれたんだよ。人を閉じ込めてるかもしれないから、それを探ってこいって」
それって、すーくんと親方さんが二人きりになったときに、か。
「そ。おれも半信半疑だったけど、あの反応を見せられるとね。……それに、届けた荷物の中身も明らかに関係のないものも入ってる」
「んーと、関係のないもの?」
辺りを見回していたチコちゃんが質問を投げかけながら、すーくんに視線を送る。ログハウスの方を向いて、すーくんは口を開いた。
占星術関連の道具や書物」
……やる人がいるだけじゃないの?
「最近になって頼まれ出したんだと。それに、毎回行く度に村の中があんな感じ。昔はもっとフレンドリーだったのにって前任の奴がプクリンに報告した。で、真相を確かめてこいって依頼」
要するに、村の様子が変だから、真相を確かめろって……? そこから預言者の話はどこから?
「それは単なる噂。カマかけ大成功だったから、村ぐるみでクロだな」
ザゼルさんの家で言ったのは、全部ハッタリ!?
なんて言うと、すーくんは心外だったらしく、少し不満げに反論をする。
「おれを誰だと思ってるんだよ。ちゃんとザゼルの心読みましたぁ~」
ずっるい!!
「ラルならもっと上手くやるんだろうが、おれはそんなまどろっこしい手なんて使いたくないんでね。どう転んでも面倒なら、手っ取り早く終わらせられる方法を選ぶさ」
それがあの全面戦争みたいな宣言を。巻き込まれる私達の身にもなってよ。
「お前らは帰ってもいいよ。この先はおれ一人でも事足りんだろ」
「行くよ。変なことに誰かが巻き込まれているかもしれないんでしょ? そんなの放っておけない。ワタシも、未熟でも探検隊だもん。……イブも同じ気持ち。……そうでしょ?」
真剣な表情でチコちゃんが断言する。それに私も大きく頷いた。
「そうだよ。どうなるのがその人の……この集落の人達の幸せなのか、それを見極めるためにも、一緒に行く。いいでしょ?」
「……そうお前らが決めたんなら、止めはしない。好きにすれば?」
「うん。好きにする! で、すーくん、このあとはどうするの?」
「決まってるだろ。突撃する」
と、突撃……?
にやっと笑ったすーくんは、目隠ししていたリボンを解くと、左耳にぐるぐるっと巻き付けた。続けて、目の前のログハウスの扉に何の躊躇いもなく、手をかける。カギがかかってなかったのか、簡単に開けてしまった。その事実にチコちゃんは戸惑い気味に私を見る。
「い、いいの? これ」
さ、さあ……?
ちらりとログハウス内の様子をうかがってみると、生活感がないわけではなかったが、かといって誰かが住んでいる感じもない。生活するための道具は揃っているのに、人の気配がないのだ。
「お……お邪魔しまーす」
聞く人がいるかどうかも怪しいけれど、一応、お断りをした上で中に入った。すーくんもチコちゃんも私に続けて部屋に上がる。
「ここにいるの? その、預言者さん?」
「少なくとも通じる道はあると思う」
どこにそんな確信……あ、ザゼルさんか。
「ははっ♪ 有力ソース元だな」
本当にずるい能力。
「ずるいなりに扱い難しいんだけど……さて、さっさと探索してずらかりたいね」
発言が犯罪者さんだよ。すーくん。
リビングやキッチンを見ていくものの、特に変なものを見つけることはなかった。手当たり次第、漁っていっても、預言者さんへと繋がるような収穫はなかった。
「フォース! イブ! こっち!」
奥の方を探していたチコちゃんが、ちょいちょいっと手招きをして私達を呼んだ。私とすーくんは、お互いに顔を見合わせ、チコちゃんのところへと駆け寄った。
「ここ。なんか変だよね」
チコちゃんがいたのは、客間みたいなところ。そして、チコちゃんの指差す方角には壁。
「壁叩いたら、空洞っぽい感じなの。ほら、こういうときは隠された道を探すのが一番だもん!」
「……なるほど。仕掛けかなんかあるんだろうけど、いいか。壊す」
え、あ、えぇぇ!?
言うが早いか、すーくんは軽く助走をつけた回し蹴りを壁に向かって繰り出した。武器でもなく、キックで壁が壊れてたまるかと思ったんだけれど、元々、壁自体が脆かったのか、蹴り一つで私達が通れるくらいの穴はできた。
「……うっそぉ」
「制御者なめんなよ~♪ これくらい、本気出せば楽勝だっての」
いやいや……怖いよ!? いつもそんな力一杯蹴ってる!?
「全く。んでも、そんなことしたら、相手は粉砕骨折どころじゃなさそうだな。全力キックなんて、今の今まで一度もやったことないかも」
よかったよ! 実践してなくて!
「とりあえず、行ってみよ。イブ」
すーくんの新たな……それも見たくもないような一面を見せられつつ、私は隠し通路へと足を踏み入れた。洞窟を歩いているような感じで、左右は岩壁だ。後ろはログハウスに通じている。そして、前は明かりもなくて薄暗く、先も見えないくらいだ。明かりがほしいけど、私もチコちゃんも明かりを作れるような技も技術もない。
「チコ、これ持ってろ」
「うん? わっ! これ、ランプ?」
「……セーギョシャ、ベンリー」
すーくんが力の具現化を使い、光源としてランプを創り出したのだろう。普段は武器を創り出すけれど、いざとなれば、生活用品も楽々……一家に一人はほしいですね……なんて。
「あんまり無駄な力は使いたくないが、やむ無し。おれは暗くても見えてるんだけどね」
「じゃあ、フォースが先導して歩いてくれてもよかったのに」
「ちょっと物音立てるだけでも、お前らおれに抱きつくだろ。それが嫌だから創ったの。暑い」
すみませんねー! 臆病者でー!
チコちゃんにはランプを“つるのムチ”で、少し高めにキープしてもらい、私達三人の足元を照らしてもらった。光源があるだけでも、かなり違う。
歩きやすくなった一本道を突き進んでいくと、私達のとは別の明かりを見つける。淡いオレンジ色の光。とても明るい光とは言えないけれど、こんな暗いところで、明かりを見つけたということは……
「すーくん」
「あぁ。……おれ達が捜している御仁かもな」



~あとがき~
ちょっとしたお話程度に考えていたのに……大丈夫か。これは。

次回、ようやくご対面! 預言者とは一体!!
前々回くらいから言っている気がします(汗)

夏祭り編のようながっつりシリアスにはならないと誓います。大丈夫大丈夫……頑張れ、私。
このあとの長編の方がシリアスシリアスする予定なので!! こんなところでシリアスしたくないよぉぉ!! 真面目なお話をしつつも、ちょっとほんわかする、できるようなシーンをまぜまぜしたい。と、思いました……(願望)

フォースが力を使って、武器以外を創り出すのはここが初めて? 前にやったことあったかな。覚えてませんね。
とまあ、彼は武器以外もぱぱっと創れちゃいます。無機物に限りますし、おっきいものは無理ですね。家とかそういうのは無理。あくまで、自分が持てるとか、扱える程度の物なら出せると思ってくれれば!

ではでは!

気ままな神さま達の日常記録 vol.4

こちらは『学びや! レイディアント学園』の番外編でございます。スピンオフというか、なんというか。全く本編に関係のない皆々様に焦点を当てたお話となっております。
今回でこの企画ラストの話となりました!!
例に漏れず、登場人物紹介から!

☆サクッと人物紹介☆
アルフ:転生の神様。穏やかな性格でにこにこしながら、みんなを見守る優しいお方。最近ハマってることは、男の娘姿でのファッションショー。

ウィル:生命の神様。人懐っこい性格。普段はアルフの下で働き、暇さえあれば、弟的存在のフォースの側でにっこにこしてる。ファウスとは反りが会わない。


はい! アルフ&ウィルにラストを飾っていただきます! さあさあ、参りましょう!


★お忍び★
天界には各神ごとに、所謂、仕事部屋とも言える空間が存在する。俺にもあるし、ルフさんにも。……あの野郎にも一応はある。
ちなみに、いつかのアホが私物まみれにして、ルフさんを生き埋めにした魔窟は、あいつの私室。仕事部屋ではないので、そこは間違えないでほしい。奴の仕事部屋はかーくんこと、フォースが同じ制御者仲間に呼び掛けて、しっかり管理している。そのおかげで、滅茶苦茶整頓されてるから。その辺は安心してね? まあ、あいつの仕事部屋なんて、今ではほぼほぼお飾りみたいになってるところはある。
……いやはや、そんなのはどうでもいいね? 俺のかーくんはどんなことにも気が配れるいい子なんだよ! そこだけが重要なの。
そんな俺は、かーくんの下界の住まいに~……いるわけではなくて、きちんと神様としてお仕事中。
他の人達からは『魂の間』と呼ばれているけれど、きちんとした名称はない。俺も名前なんて興味はないから、どうとでも呼んでくれていい。
この部屋では、死んでしまった生物の魂を管理する部屋となっている。何かに例えるなら、審判を待つ監獄でも、診察前の待合室でも、上映前の会場前の休憩所でも。理解しやすい何かを想像してくれればいいんじゃないかな。
この世界は輪廻転生。魂はぐるぐると生まれ変わりを経験する。人にもなるし、花にも、木にも、動物にもなる。命ある何か、になるのを待つのがこの部屋の意義であり、それらを管理するのは、俺の一つの存在意義。生命の神の名を持つ、俺の仕事。ま、転生先を決めるのはルフさんの仕事だけどね。俺はあくまで手前までしかしない。
本日分の転生決定者(魂)にチェックを入れ、新たに管理する魂のチェックもすませれば、俺の仕事は終了。いちお、こっからはフリーダムタイムだ。いつもなら、かーくんのとこ行ったり、部屋でぼけーっとしてたりするけど、今日はどしよっかな?
なんて考えていたら、部屋をノックする音が聞こえてきた。来客なんてめったにあるもんじゃないけど、してくる相手は固定されてはいる。
「ほいほーい? 開いてますよー?」
「や、ウィルくん♪」
ひょこっと顔を覗かせたのは、転生の神様のルフさんだ。あどけない笑みを浮かべているから、少年のように思うかもだけど、俺よりも遥かに年上。いや、見た目は白髪の少年だけど、中身は違うって話ね。
「どったの、ルフさん? 俺、なんか間違えてた? それとも、転生順の変更?」
「ううん。仕事はいつも通り、大丈夫だったよ。そうじゃなくって、ウィルくんにお願いしたくって。仕事とは無関係なんだけどね?」
何やら思惑のある顔だ。なんだろ~?

……なんてのが数日前の出来事。
俺とルフさんはいつものようにお仕事を終えた後、そのまま下へと降り、あるカフェへとやってきた。
俺は制御者という肩書き─昔にかーくんに渡してて、本来なら持ってないんだけど、今もあれこれ理由つけて彼から一部頂戴しているもの─を大いに利用して、下界にはちょくちょく降りてくる。まあ、それがなくっても、魂のお迎えとかもあるから、制約もなくほぼ無条件に訪れている。
しかし、ルフさんは何かと事情があって、頻繁には降りてこられないし、一人では来られない。だから、俺が付き添いするのが恒例。
うん! とっても穏やかで暖かい、いい天気の日。おでかけ日和だね!
「お待たせしました♪ こちら、アイスコーヒーと、デラックスチョコストロベリーアイスパフェでございます♪」
「わぁいっ!」
可愛らしい店員さんが持ってきたのは、長ったらしいお名前のするパフェだった。そのパフェにルフさんは見た目通りの反応をする。ぴこぴこと紺色の猫耳を動かし、興奮しているみたいだ。
「ありがとう! おねーさん!」
「いえいえ♪ ごゆっくりどうぞ~」
パフェをルフさんの目の前に、アイスコーヒーを俺の目の前に置いた店員さんはペコッと頭を下げて、どこかへと行ってしまった。注文を取りに行くのか、また何かを運ぶのか。何にせよ、お仕事なのは変わらない。
制約その①『正体を明かしてはならない』という内容により、ルフさんは普段の長い白髪の少年から、紺色の猫族の少年へと見た目を変えて、声すらも年相応の高さにしている。ボーイソプラノというやつだ。名前もアルフではなく、タイチと名乗っている。徹底してるよね。名前は流石によくない? って思うけど、まあ、その辺は仕方がない。どこがきっかけでバレちゃうのか分からないわけで、警戒するに越したことはないのだから。
……あ、俺は変わらず、いつもの姿だ。何の面白味はないね。名前も変えてないし。
「ウィルお兄ちゃん! 連れてきてくれてありがと!」
というタイチこと、たっちゃんの声と同時に、
(毎度ながら、僕のおでかけに付き合わせちゃってごめんね?)
という、ルフさんのテレパシーが聞こえてきている。なんでテレパシー使えるの? という素朴な疑問に対しては、神様だからで許してもらおっかな?
……まあ、この世界には魔法や技っていう便利な手段があってだね……そういうことだよ。神様でなくても、使う人は使います。はい。
「……ん? んーん! 気にしないで。これくらい、何でもないよ~? たっちゃんの為だしね」
これくらいなら、いつでも付き合っちゃうよ。ルフさん。
「えへへ♪」
(ありがとう、ウィルくん♪ 君は相変わらず、優しいねぇ~♪)
パフェが美味しいのか、嬉しくて笑っているのか分かんないけど、幸せそうにしているルフさん。まあ、どっちでもいいか。幸せなのは変わんないもんね。
ルフさんはクリームを掬って一口。続けて、ストロベリーアイスを掬って一口食べる。一口食べる度、本当に美味しそうに食べるもんだから、実年齢を忘れちゃうよ。
今回、ここに来た理由は単純。ルフさんが「パフェ食べたい!」と言い出したからだ。パフェの理由は、アホのマッドサイエンス(料理)を目の前にしたから。
アホが作る料理は料理ではなく、毒物とおんなじだ。原型はとどめてないし、口にしてしまえば、食べた人を地獄へと誘う。そんな劇物作りが趣味なアホは、何をとち狂ったのか、少し前、ルフさんにパフェをプレゼントしようとしていたのだ。これは俺が仲介に入り、未遂ですんだんだけど。恥ずかしいからマジでやめてほしいよね。一度、かーくんに殺されちゃえばいいのに。もしくは、俺が殺すけど。
「ウィルお兄ちゃん?」
(どしたの? ウィルくん、怖い顔してるよ?)
ルフさんはスプーンを咥えて、ちょこんっと首を傾げて俺を見ていた。
「ごめんね! なんでもない!」
この前のアホがアホなことしてたのを思い出しちゃっただけ! ごめんなさーい!
「そっか。なら、いいんだけどね!」
(あ~……あのパフェっぽい何かのこと? あれはやばかったね。色が。毒々しかったもん)
毒でも入ってるんじゃない? んまあ、そんな話はいいんだよ。せっかくのパフェが美味しくなくなっちゃうもん。この話はやめやめ!
「おいしー? たっちゃん」
「うんっ! つめたくて、あまくて、おいしい!」
(下界のご飯はいつ食べても美味しいね♪)
神様に食事は必要ない。ほとんど、娯楽のようなもので、暇だからなんとなく食べてみない? みたいな感じ。だからだろうか。料理スキルを持つ人はほぼいない。まあ、制御者みたいに、長く下界に住む機会のあるような人達は別だけど。
「ウィルお兄ちゃん、一口あげる!」
「およ? いーの? やったー!」
ルフさんから差し出されたアイスを一口食べる。ほんのりいちごの味が口に広がり、しつこくなく、優しい味わいだ。
「ん! 美味しいね~♪ お家じゃこの味は難しいなぁ」
あの馬鹿が作るものとは大違いだよ。雲泥の差だよ。天国と地獄だよ!
「なるほど~……これが、ほんばのあじ、なのかな?」
(ファウスさんのあれはねぇ……どうにもならないのかな?)
さっきと同じようにスプーンを咥えて、困ったように笑う。やつの料理好きは昔からではなかった。どの辺からやり始めたんだっけ。……今はいいか。
「きっとそうだね。プロのなせる技、なんだろーな。俺にも作れないや~♪」
あれがどうにかできるとは思わないね。やつのあれは兵器だから。食べ物じゃないから。
「そっかぁ、また食べたかったらここに来るかないね!」
(ファウスさんの料理はいつまで経っても上達しないもんね。あれはあれで一種の才能かもよ?)
肯定したら、調子乗っちゃうから、駄目だよ。
(あはは♪ 分かった♪)
「話もそこそこにしておこ。たっちゃん、早く食べないとアイス溶けちゃうよ?」
「ん! はーい!」
のんびりパフェを堪能するルフさんを眺めながら、今度、すっちーやりっちー達を連れてきてあげよっかなぁ……なんて、どうでもいいようなことを考えてた。
だって、食べ物一つで人をここまで笑顔にできるんだもん。大好きな人達にも笑顔になってもらいたいじゃない?



~あとがき~
とりあえず、終わりでっす!
長かった!

次回からはレイ学本編に戻り、剣技大会決勝戦へ!
まだ、大会終わってなかったね~

頑なにファウスの名前を使わないウィル。ファウスが絡むと一気に過激になりますね。いつものことです。単純に反りの合わない人がたまたま育ての親になっちゃったってだけです。ウィルの運がなかったってだけです(笑)

アルフさんは変身できるので、仮の姿はたくさんあります。あるけど、きっと子供姿が多いんじゃなかろうか。そっちの方が何かと便利そうですもんね。

これにて、特別編のお話は終わりです!
次があるかは分かりません! 気が向けば何かあるかもしれませんね。それまでは、神様も自由気ままに仕事をしたり、休んだりするのではないでしょうか!
また、この三人+αに会える日を!

ではでは!

気ままな神さま達の日常記録 vol.3

こちらは『学びや! レイディアント学園』の番外編でございます。スピンオフというか、なんというか。全く本編に関係のない皆々様に焦点を当てたお話となっております。
前回の続きなので、登場人物紹介は省略しております!


★天界に存在する魔窟の話★
なぜ、マスターの部屋が魔窟とか呼ばれているのか。その理由は単純明快だ。
壊滅的に部屋が汚いから。以上。
「うっわぁ……何これ、物が廊下まで出てきちゃってるよぉ? なんでここまで入るんだ。無限収納魔法とか使えんの、あの馬鹿」
本来、そこには扉があるはずなのだが、その扉は開け放たれ、そこから雪崩でも起きたように物が流れ出ていた。本や紙束。小物なんか、よく分からん道具の数々まで。一体、どこにこんなものを隠し持っているのやら。
「マスターは魔力ない人だから。ないっつても、似たようなことはできるんだろうけど。……にしても、これ、二人ともどこにいるんだ?」
「にぅ……みゃあ……」
ミィは悲しそうな鳴き声で鳴いた。おれの腕から離れるも、行き場がなく、その場でうろうろしている。本当なら、中に飛び込んで探したいはずだ。しかし、ミィの体では探すどころか、自分も埋もれてしまう可能性が高い。だから、おれ達を呼びに来た……という経緯のようだ。
二人の気配は感じる。二人とも、ここにはいる、らしい。いるのなら、このゴミの山……もとい、マスターの私物に埋もれてしまっているのだろう。しかし、二人とも物に隠れてしまっているのか、全く見当たらない。
「ルフさぁぁん! どこー!! 助けに来たよ!」
「みぃ……みぃ……」
「……──…─」
一人と一匹の声に、誰かが答える。何を言ったかまでは分からなかったが。しかし、場所は掴めた。
「……聞こえた。多分、アルフ様!」
「さっすが、俺のかーくん! 指示して。助けてくる!」
かつての制御者として得た姿らしい、ハーピィへと姿を変え─といっても、今の姿に羽が生える程度の変化でしかないが─、唯一、安全な空中へと移動した。
「了解。マスターは知らん。アルフ様を優先してくれ、兄貴」
「はいはぁい!」
「──! ───!!!」
あ、マスターの抗議の声が聞こえたわ。……まあ、今は無視安定だな。

「いやぁ、助かったよ! あんなんで死ぬことはないけどさ~……一生埋もれたままかもって思っちゃった」
魔窟から救出されたアルフ様は、椅子に座りあっけらかんとしていた。永遠にも等しい時間を生きていると、こういう問題も些細なことだと笑い飛ばせるのかもしれない。下界じゃそうもいかんけど。
主人が無事に帰ってきたのが嬉しいのか、ミィはアルフ様に抱っこされつつ甘えていた。
「アルフ様、申し訳ございませんでした! うちのマスターが……もう、なんてお詫びをすればいいのか分からないくらいですよぅ……!」
基本、能天気なエルが土下座しそうな勢いで頭を下げ、マスターの代わりにと謝罪していた。隣に立っているユウも同じように頭を下げている。
ちなみに、ラウラは黙って傍観しているのみだ。マスターの不手際を謝るわけでも、弁明するわけでもなく、だ。まあ、こういうやつなので、今更気にしても仕方がない。
「マスターの自室があそこまで悪化しているとはこちらも気づかず……」
「えー! いいよいいよ! 頭上げて? 僕、怒ってないし、君達はなぁんにも悪くないじゃない♪」
顔面蒼白な二人にも優しく気遣う神様の鏡である。エルの頭を優しく撫でた後、ユウの頭を撫でていた。二人は申し訳なさは消えないものの、自分達よりも立場の高いアルフ様に言われてしまえば、それに従うしかない。
が、兄貴は別だ。神様歴はアルフ様が上だが、だからと言って意見が言えないほど、兄貴の位は低くない。
「確かにそーだけど、ルーフさーん! もっと怒っていいんだよ! 制御者達じゃなくて、あのクソジジィに対してだけど」
「ん~……まあ、埋もれちゃっただけだからね。平気だよ。あと、フォースくんが怒ってくれてるじゃない?」
アルフ様の言う通り。マスターこと、クソジジィ(兄貴命名)様はおれのお説教タイム中である。
なので、こちらは気にせずに談笑していて構わない。こっちはこっちでやっとくし。
お説教なんて聞いても大して面白くもない。こちらの話は置いておいて、アルフ様達の話を特筆しよう。
不満げな兄貴に、アルフ様はエル達と同様に優しく微笑みかけた。「大丈夫。いいんだよ」と言わんばかりの笑顔だ。
「にゃあ……にゃあ♪」
「あはは。……ミィもごめんね? 心配かけちゃったね~? フォースくん達を呼んできてくれてありがとう」
甘えたりないミィはアルフ様の頬にすり寄っていた。そのお返しに、アルフ様はミィの額にキスを落とす。
まあ、何も知らん人からすれば、単純に猫好きの人がやる愛情表現……にも見えなくはなかった。
「アルフ様とミィちゃん、ラッブラブですねぇ♪ ミィちゃん、アルフ様の部下なのに」
「そりゃあ、そうだよ。エルエル♪ ルフさんとりゅっちはふーふだもん。ラッブラブに決まってるじゃん。ねー? りゅっち!」
「にやぁん♪」
「ふーふ?? ふーふ、て、あの、夫婦!?」
エルが大袈裟にリアクションし、ユウはびっくりしすぎて言葉も出ないらしい。そして、ラウラですら、少し驚いたように目を見開いていた。すぐに元に戻ったけれど。
そんな制御者三名の様子を見たアルフ様はこてんっと首を傾げる。ミィも真似したのか、同じようなことを思ったのか、少しだけ小首を傾げた。
「ありり? 僕、言ったことなかった?」
「この反応はないんじゃなぁい? んもう、ルフさんったらうっかりさんだ!」
「だねぇ♪ もう言ったとばかり思ってたよ~♪ あのね、ミィはフォースくんと同じで元々は人間だったんだよ?」
ここでおれを引き合いに出してくるとは思いませんでした。間違いではないけれど。
「ミィと初めて会ったのは……地上で戦争が始まる前だったね。そのときに人間の少女だったミィに出会ったんだ~♪」
「……あ、ユウちんの質問も答えられるね。りゅっちの本名はリュミエール。だから、俺は昔からりゅっちって呼んでるってわけ」
この辺は、おれもいつだったか聞かされていたので、兄貴がミィをりゅっちと呼ぶ理由も、ミィがアルフ様に付き従う理由も承知済みだ。
おれ以外の制御者達は初耳だったのか、ぽかーんとしているようだが。
と、ここでラウラが何かに気がついたのか、珍しく会話に参加してきた。
「……でも、魂って輪廻転生、だよねぇ? となると、ミィちゃんは転生しなかったってことになりますけれど」
「そーだ! ラウラの言う通りだ!!」
「人だったフォースが今、制御者してるのは、その力を受け継いだから……じゃあ、ミィは?」
うん……間違ってないけれど、おれを引き合いに出さないでくれない? なんか恥ずかしい。
「あー……その辺はねぇ……」
アルフ様は一瞬だけ、何かを考える素振りを見せた。どこまで言おうか思案するような、そんな感じ。しかし、隠しても仕方がないと思ったのか、いつもの笑顔に戻ると話を再開した。
「実はね、事故で死んじゃったミィを僕自身の血を使って生き返らせたんだ。それが原因で、魂になんらかの不具合が起きた……って言えばいいかな? それで、二回目の死が訪れた後に、僕も気づけなくて、転生できなくなっちゃったの」
ラウラやユウはともかく、エルはこの話についていけてるのやら。
アルフ様の話は続く。
「ミィをことが原因で神様としての力も剥奪されてた時期もあって……あ、それでウィルくんが産まれたんだけれど」
「あっは! そうだった! なっつかしー! 今、俺とルフさんで仕事が分かれてるけど、俺が産まれる前はルフさん一人でやってたし、ルフさんが力を剥奪されてたときは俺一人でやってたのよ? 魂の管理と転生!」
かなり明るく話してはいるが、おれの制御者として動いていた頃の兄貴……あえてウィルにぃって呼ぶけれど……ウィルにぃは、当時の立場を結構嫌がっていたように思う。それは、アルフ様にではなく、そういった立場に指名した他の神様に、だったと思う。今にして思えば。
ウィルにぃはマスターとは違い、仕事に対しては真摯に向き合うし、丁寧で真面目な人だ。放り出したことなんて一度もない。
……おれに力なんて渡すから、結果、放り投げてしまったけれど。
「と、話が逸れたね? で、再会した後、転生ができないのは僕の血が原因だって分かった。……けど、どうすることもできなくてね。転生の輪にも戻せないし、かといって、人に作り替えることもできない……ってことで、猫にしました♪ 人じゃないから、話せなくなったんだけどね~」
「にゃあ~♪」
毎回思うんだけれど、なんで猫なんだろう?
「可愛いじゃん?」と同意を求められることがしばしばあるのだが、実際のところ、どうなのか。
「ほえー……?」
「理解してるの~? エレルちゃん」
「し、してるもん!! アルフ様とミィちゃんにそーぜんとした過去があったってことだよね!」
「うん。……騒然の意味、分かってるのかな?」
ラウラの質問にエルはぐっと言葉をつまらせたあと、じぃっとラウラをたっぷり見つめたあと、絞り出すような声で答えた。
「むっちゃやばい……みたいな?」
お前の語彙力にこちとら、騒然としてるわ。お前が言いたいのは壮絶だろ。
「神の血が混ざってることで、フォースくんの能力も効かないし、こっちも読心術のような能力持ちがいないせいで、彼女の言葉が分からないってわけ。でも、大体、仕草でわかるし、問題はないかなって。むしろ、ずっとミィといられるから、僕としては結果オーライだよっ」
アルフ様はミィを愛おしそうにそっと撫でる。それにミィはすり寄ることで応えた。
「うちのマスターには、そういう話ないですもん。聞いたことないもん。ん~……この場合、ない方がいいのかな?」
すべてを飲み込めたのかは怪しいところだが、エルは別の話題へと切り替える。エルの言葉に、アルフ様とミィはきょとんとしていた。
「……ファウスさんも、色々あったけどねぇ。君達が知らないだけでさ」
「にゃう」
きっと、この場でそれを知るのは、アルフ様とミィ、兄貴とおれだけなんだろう。マスターは、ファウス様は、多くを語りたがらないから。
「まあ、今はフォースくんがいるから、ファウスさん、腑抜けてるけど♪」
「ほんとだよ! とっても優秀なかーくんに頼りすぎ! 万死に値するね!」
マスターほどではないにしろ、兄貴も仕事頼んでくるけどね。普段の態度のせいで、そこまで頼られてる感覚はないが。
「まあ、何と言いますか。……アルフ様がご無事で何よりです。ほんっとに、マスターがごめんなさい」
「もういいってば、エレルちゃん♪ そこまで畏まる必要だってないんだよ? さっきの話の通り、一回は神様としての力を失くしたんだし……?」
「それは過去の話ですよぅ! 今は元通りなんですから!! なので! アルフ様はご自分の立場をきちんと理解すべきなのですよ!?」
エルにしてはまともな意見。
まあ、それを受け入れないのがアルフ様だし、兄貴もそれをアルフ様に助言することはない。ある意味、ほんわかしているのがアルフ様らしい。
……さて。ここからも彼らの他愛ない話が永遠と続くのだけれど。
ずっと会話に参加できていない、憐れなマスターが悲しそうな目でおれを見上げていた。
「ねぇ、フォース」
「何?」
「皆、俺に興味なし……? 埋もれたのは俺もなのに? 心配の一つない」
「あるわけねぇだろ。マスターの場合、自業自得だし、アルフ様はそれに巻き込まれただけ。どっちの方が心配されるかなんて、分かるだろ? 普段の行いのせいだよ。あんな魔窟に引き込みやがって」
「バッサリ!? え、魔窟!? 俺の部屋、そんな風に呼んでるの!?」
今更かよ。
「おれ達……制御者と兄貴の間じゃ、そう呼んでるけど? かなり前から」
「かなり!?」
「呼ばれたくなければ、片付けな」
なんて、前々から言っているが、自分から片付けたことなんて一回もない。
「ともかく、反省しろ。アホ」
「あい……すみませんでした……」
やれやれ……近い内にこいつの部屋、片付けるか。



~あとがき~
長かったな……

次回、神様のお忍び風景。

ファウスの過去やらフォースとウィルの過去とか、なんか色々匂わせてますが、書く予定はないです。まあ、気が向いたらどこかでね。お見せするかもしれません。
ちなみに、空海とレイ学では多少設定は変わっています。アルフさんとウィルの関係は空海にはないものなので……(笑)

ファウスに制御者がいるように、アルフさんにもお付きの者とやらがいるんだよって話でした。
話には出てきてませんが、ウィルにもいます。まあ、二人とは少し違う形ではありますがね。これは……まあ、いつか分かる。原作で多分!←

ではでは!

気ままな神さま達の日常記録 vol.2

こちらは『学びや! レイディアント学園』の番外編でございます。スピンオフというか、なんというか。全く本編に関係のない皆々様に焦点を当てたお話となっております。
前回に引き続き、人物紹介から参ります。全員書くぞい!

☆サクッと人物紹介☆
アルフ:転生の神様。穏やかな性格でにこにこしながら、みんなを見守る優しいお方。最近ハマってることは、男の娘姿でのファッションショー。

ファウス:力の神様。ずぼらな性格で部下である制御者達(特にフォース)からの信用度は低い。一応ウィルの育ての親。

ウィル:生命の神様。人懐っこい性格。普段はアルフの下で働き、暇さえあれば、弟的存在のフォースの側でにっこにこしてる。ファウスとは反りが会わない。

フォース:制御者の一人で、最高位の色を制御する。現在、ステラの制御者として下界で暮らしているが、天界へと戻ってくることもしばしば。

エレル:制御者の一人で色は青。明るく後先考えない性格で、トラブルメーカーっぽい。現在はフリーで天界でのんびりしてる。

ユウ:制御者の一人で色は緑。物静かな性格で、普段から一歩下がって見ていることが多い。エレル同様フリーで、天界にてファウスの仕事を手伝う。

ラウラ:制御者の一人で色は白。どこか皮肉屋で、常に傍観者でいることに徹するため、自己中なところあり。最近、こちらに帰ってきた。

ミィ:アルフに仕える蒼い目をした白猫。誰にでも優しい性格。天界にある図書館によく出没し、道案内をしてくれる。アルフ以外だと、フォースと仲がいい。

全員だから長いですね……
ではでは、早速参りましょう!


★天界に存在する魔窟の話★
ここは天界。多くの神々が暮らす世界。
下で暮らす人々の知らないところで、今日もどこかで神様達は働き、人々の様子を見ている。
「かぁぁくぅぅん!! 帰らないで! 急ぐ理由ないでしょ!? だって、今日はラルちゃんのお家に行くって聞いたもん!! お泊まりって聞いたぁぁ!!」
……はずなんだけどなぁ? 何してんの、この神様は。職務放棄か?
おれに抱きつくのは、生命の神であると同時に、何の縁か、おれの兄貴を名乗るウィル。今日は神様姿ではなく、おれとよく似た青年姿だった。まあ、白髪なのは、兄貴の特徴だが。
「そーだよー!! フォース、帰っちゃやだ!! もう少しいよ!? せめて、マスターに挨拶!」
兄貴と同じようにしがみつくのは、おれと同業者のエレルこと、エル。ぴこぴことよく動くピンクの猫耳を引っこ抜いてやりたい衝動に駆られるほど、鬱陶しい女だ。
「かーくーーん!!!」
「フォースさまぁぁぁ!!!」
「うるっせえぇぇえ!!! わかったから、離れろ、アホ共め!!」
堪らずおれが叫ぶと、簡単に二人は離れる。そして、おれから隠れるようにガッツポーズしているのが腹立たしい。
エルは百歩譲っていいとして、兄貴に関しては、いつも会っていると思うんだけど。
「何を言いますか、かーくん! 俺はね、一分一秒でも長くかーくんと一緒にいたいんだよ!? なぜなら、かーくんのことがだぁい好きだからだね!」
「……大変気持ち悪いので、やめていただけますか。ウィル様?」
「他人行儀なのやめて! 悲しい!! 愛想笑いなのも見えてる!!」
されたくなければ、態度を改めろ。
適当に兄貴をあしらい、おれは他の仲間が座っているテーブルへと席につく。
「いいのか、フォース?」
首をかしげ、質問を投げ掛けたのはユウ。灰色の髪色で少し小柄な青年だ。
「あそこで強行突破したところで、兄貴に連れ戻されるのがオチだろ?」
「あは。それはそれで面白そうだね?」
「ラウラは黙ってろ」
「ふふ。はぁい♪」
くすくすと面白がるように見ていたのはラウラ。真っ黒な長いストレートの髪を一束掬うと、暇そうに弄り始めた。食えないやつだな。
「マスターに挨拶って、あの人、今はアルフ様と話してなかったか? ってか、なんで兄貴はその場に行かないの」
「俺が必要ないお話だからだよ。まあ、必要だったとしても、アホがいる時点で行かないけどな」
空いている椅子に座る兄貴の横でエルが不思議そうに口を開いた。
「ウィル様のマスター嫌いも相変わらずですねぇ……? フォースのことはこんなに大好きなのに」
「エルエル! 駄目だよ! あの馬鹿を一緒にしちゃ。かーくんのほうがずっと優秀でいい子なんだから!!」
これは、評価されてるのか。ただの贔屓目なのか。難しいラインだな。まあ、後者か。
「ウィル様、よくこちらに来ますよね。暇ですか?」
「ラウちんはいっつも遠慮ないね! 嫌いじゃないよ。今日の仕事は終わらせたの。かーくんと話すためにね~♪」
こういうのがなければ、兄貴は優秀で誰もが憧れる神様になれると思うんだけれど。おれのせいでとことん損している気がする。
口にして言ったわけではないが、おれの顔色や表情を昔から見ている兄貴だからこそだろう。にっと力強く笑った。
「俺はね、他の人の評価よりも、かーくんからの評価が一番なんだよ~♪」
うん。気持ち悪い。
「辛辣なのは昔からだよね……かーくん、酷い」
「昔からなの分かってて、似たようなことを言ってくる兄貴も兄貴だよな。……なぁ、ウィルにぃ?」
「……その呼び方されるだけでいいやって思っちゃうから、ずるい。かーくん、ずるい」
わざとだよ。
おれと兄貴のやり取りを黙って見ていた仲間達からやれやれといった思考を読み取る。ここまで一致していると、逆に清々しいものだ。
エルがむっと頬を膨らまし、せっかく座ったのにその場で立ち上がる。そして、事もあろうことか、後ろから抱きつかれた。
さっき、ようやく解放されたと思ったらこれだよ。
「ほーんと、ウィル様と仲良しなんだからぁ! ずるいよー!」
何がずるいんだか。
エルにされるがままにされていると、小さくも透き通った鈴の音が聞こえてきた。唯一、獣人のエルも気づいたのか、そちらを見る。そして、それにつられるようにその場にいた全員が注目していたと思う。
「みぃ」
「んお。りゅっち! おっひさー!」
突然現れたように見えたそいつは、小さくふんわりとした白猫。鈴のついた赤い首輪をし、深く青い瞳でこちらをじっと見ていた。そんな猫のミィに、兄貴はひらひらと手を振った。
「ミィちゃん! こんにちは! アルフ様なら、ここにはいないよー?」
同じ猫で通じるものがあるのか、エルがミィに近づいて頭を優しく撫でた。そっと目を細め、それに堪能するのかと思えば、早々とエルの手から逃げて、おれの足元へと駆け寄ってきた。
「フォースがいいってこと?」
「猫にも好かれるなんて、罪な男だね。フォースくん?」
あ? 何の話だ。
「にゃうぅ」
甘えるように足元にすり寄ったかと思えば、頭をぐいぐいと押し付けてきた。全くダメージもないんだが、はてさて、何が言いたいんだろうか?
無駄だと思いつつも、能力でミィの思考を読み取ろうと試みる。しかし、聞こえてくるのは、周りにいる仲間の声だけ。
やっぱ、無理だな。
「ねーねー! ミィちゃん、なんて?」
「知らね」
「むう。フォース、動物とも会話できるじゃん」
「あはは♪ 無理だよ、エルエル~? かーくんでも……もちろん、能力を持ってない俺達でもりゅっちの声は聞こえないんだよ?」
「そうなんですか?」
「前から思っていたのですが、そもそも、ウィル様はなぜ、ミィを『りゅっち』と? ミィの主であるアルフ様は『ミィ』と呼ぶのに」
ユウの疑問から、ミィについての話が始まろうとしていたところに、きらりとミィの目が光った。
「にゃうっ!」
「いったぁ!? え、なん……何?」
エル達の会話を遮るように、ミィがおれに対して攻撃(引っ掻き)を仕掛ける。何か気にくわないから攻撃してきた……訳ではないだろう。ミィはそんな性格ではない。
なら、何が言いたいんだ? あーくそ。こういうときの能力だろ。使えたら使えたでいらないと思うが、使えなかったら使えないでもどかしいな。
「あー……ちょっと待てくれよ。考えるから……な?」
「みぃ! みぃー!!」
おれの言葉にミィは焦ったように鳴き始める。そんなに待てないと訴えるように。
いやいや。言葉が分からないから、予測させてくれって。……んん?
ミィは、自分の尻尾をおれの足に絡ませ、ドアの先を前足で指し示した。
「……あっちに行けって?」
「にゃおっ!」
正解!……かな?
あっちは廊下を渡った先にマスターの部屋がある。……ん。マスター?
「なあ、今日ってマスターとアルフ様、どこで話してるんだ。会議室とかそういうとこ?」
おれの質問に一斉に兄貴へと注目が集まった。ウィル様なら知ってますよね? みたいな視線。しかし、その意に反して、兄貴は首を振る。
「話し合いは知ってたけど、場所に関しては何にも聞かされてないよ~?」
兄貴で知らないとなれば、視線は仲間達へと送られる。最初に注目を浴びたのはユウだ。
「ん~……知らない。エレルは?」
「私も分かんないや。ラウラ、知ってる~?」
「ん? あ……そういえば、マスターの部屋にアルフ様が入ってくの見たかな?」
……それ、早く言ってくんない?
それに対するラウラの答えは決まっている。
「思い出したのがついさっきってのもあるけれど……まあ、聞かれなかったから?」
「お前、ほんっとに、そういうところな!? ミィはアルフ様を助けてほしかったんだな。……兄貴! ついてこい!」
「りょーかいだよ、かーくん!」
「お前らはここにいろ。何かあれば呼ぶ。……ごめんな、待たせた。……行こうか!」
「にゃうっ」
足元のミィを抱えて、おれと兄貴はマスターの部屋……別名、天界の魔窟へと向かった。



~あとがき~
まさかの前後編。

次回、魔窟の話、後編!
アルフさんとファウスさんは無事なのか!?

皆様、覚えてますか。ラウラちゃんです。
空海では退場してしまったラウラちゃん、鈴流と同じような理由で救済してます!! わーーい!!
まあ、本編登場予定はないです。
性格は相変わらず、掴み所のない難しい女の子。女の子だとも思えない話し方をしてますが、女の子です。まあ、性別という概念が一番薄い子ではあるんですが。中性的な子といいますか。ラウラの考え方自体がそんな感じといいますか。
あ、エレル、ユウは空海と大して変わってません!

ではでは!