satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第129話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でお休み謳歌してる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、三年生による合宿! やって参りました! 今回からは休日回! 相方の考えてくれたやつです! やったね!!!
主役は大会から色んな意味で目立っているアリアちゃん。視点はラルです。


とある日の休日。私としーくんはギルドに行ってきた。理由は以前、ティールが成り行きで倒した魔物の群れの討伐成功報酬を受け取るため。ギルドに行く暇もなく、どこかなあなあになってしまっていたが、ようやく受け取りに来たという訳である。
まあ、報酬自体、届いたのが二、三日前、というのもあるが。
しーくんを連れてきた理由は特にない。家に誰もいないからという何でもない理由があったりはする。ここ最近、二人で出掛けることもなかったからか、ご機嫌なしーくんは周りにお花が飛んでいるんじゃないかってくらいに楽しそうにしていた。
天使、しーくんが楽しそうにしているのは何よりである。彼的にはティールもいて欲しかったかもしれないが、ティールはフォース君と仕事へ行ってしまったから、今日一日は帰ってこないのだ。
「ラル! きょうのおゆうはん、なぁに?」
ギルドからの帰り道の途中。屈託のない笑顔を向けて、無邪気に問いかけてきた。
……うん。あのね、しーくん、まだお昼前だよ~?
「だってね、きになったんだもん!」
そっか! それなら仕方ない!
「何でもいいけど、しーくんの食べたいものにしよっか。何がいいかな~?」
「ほあ! んとねー……じゃあ、ハンバーグ! ラルといっしょに、こねこねしたい!」
「そっか。んじゃあ、ハンバーグの材料買って帰るかなぁ……あー、昼……どっかで食べる? 家に帰っても何にもないし」
「たべてかえるの?」
「そだねぇ……あ。ともには内緒ね! こういうの、バレるとうるさいから、二人だけの秘密っ」
私が人差し指を立て、しーっとジェスチャーすると、しーくんも真似して頷く。
ほんと、一つ一つの動作が可愛くて仕方がない。もうね、しーくん、今日も可愛いよ!
しーくんと手を繋ぎ、どこかで食べるところないかなと探しつつ街中を歩いていると、中華屋のショーウィンドウ前に立つ、少女が目に入った。その少女にどことなく見覚えがある気がして、じっと観察をする。
青い髪をポニーテールでまとめ、シンプルなロングカーディガンと短めなデニムパンツ、そしてトレードマークである白のマフラーというファッション姿の少女である。中華屋の前で一点をじぃっと見つめているらしかった。
「……あれ、アリアちゃん?」
「? ラルのおともだちさん?」
「うんっとね……あ、こっち向いた」
私の呟きに気づいたのか、はたまた始末屋さんらしく、気配で察知したのか。くるっとこちらを振り向いたかと思うと、勢いよくこちらへと歩み寄ったかと思うと、がしっと肩を掴まれた。
「……ラルっ!! いいところに!」
「は、はい!? な、なんでしょう!」
元気一杯だな……これ、あれか。食べ物絡みか?
目を爛々と輝かせ、鼻息を荒くするアリアちゃん。そんな彼女だが、まだ周りを見る余裕はあるようで、私の影に隠れていたしーくんに気づいたらしい。目線がしーくんへと向き、不思議そうに見つめていた。
「……子供?」
すっといつものクールなアリアちゃんに戻った。なんかこう……温度差で風邪を引きそうです……精神的に。
「……? だぁれ?」
こちらはこちらで不思議そうにアリアちゃんを見ていたが、しーくんの方は少し警戒の色も見える。そりゃそうか。しーくんからすれば、いきなり現れた見知らぬお姉さんに私、掴まれてますもんね……
「えーっとねぇ……このお姉ちゃんはアリアちゃん。ママとパパのクラスメイトでお友達なの。変な人じゃないから大丈夫だよ」
しーくんを安心させるために私達を名前呼びではなく、『ママ』『パパ』呼びで説明してあげる。すると、納得したのかしーくんはパッと明るい笑顔に戻る。それを確認した私は、アリアちゃんに視線を戻し、いつも通りに話した。
「この子はしーくん……名前は雫ね」
「しずく……前にティールが話してた……気がする……?」
ティールがどこで話したのか謎ではあるが、聞き覚えはあるらしい。とはいえ、はっきりと思い出せないのか、しきりに首を傾げていた。
「しーくんのことは……話すとややこしいんだけど。チームの仲間というか、私とティールの子供というか……まあ、うん。そんな感じ」
「……二人の、子供? 確かに、ティールに……似て、る? 気もしなくはない……けど」
アリアちゃんは私から少し離れ、しーくんと目線を合わせる。記憶の中のティールとしーくんを見比べるかのようにじっと見つめていた。
確かにしーくんもティールも似たような髪色で、髪型も似ているためか、実の親子だと勘違いされることは多い。まあ、ティールの方が色は薄いし、毛先もぴょこぴょこしているのだけれど。
「いや、確かに似てるけど、血は繋がってないし、私は産んでないから。そもそも、私とティールは付き合ってもないからね?」
「……?」
こてんと首を傾げるアリアちゃん。どこか納得していない様子だ。
「ん~……話すと長いんだよなぁ」
事情が事情なだけに、あまり言い触らしたくはないのだが……アリアちゃんは勝手に話すような子ではないだろう。
「誰にも言わないって約束してくれるなら話すよ」
「……分かった」

しーくんとアリアちゃんにはすぐ側にあったベンチで待ってもらい、私はこれまた近くにある自販機で飲み物を適当に購入。そして、それを二人に手渡した。しーくんにはオレンジジュース、アリアちゃんは好みが分からなかったため、無難にお茶を差し出した。
「しーくん、アリアちゃんとお話しするからちょっと待っててね?」
「うん。わかった! ジュースのんでまってる!」
素直に頷いたしーくんの頭をそっと撫でると、アリアちゃんと目線を合わせた。
「私は……正確には私とティールだね。ここから結構離れた深海ダンジョン調査に行ったことがあったの。そのダンジョンの奥地でしーくん、雫を見つけた。そのときのしーくんは、産まれたばっかりの赤ちゃんみたいな姿だったけれど」
高校一年の夏休み、風の噂で新たなダンジョンが発見されたという話を聞き、私とティールは興味本位だけで計画を立て、奥地到達を目標に挑んだのだ。依頼があったからとか、誰かに頼まれたわけでもなく、ただそれだけである。長期休みだし、行ってみようくらいの気持ちだったのだ。
そして、そのダンジョンの奥地で見つけたのがしーくん。寝台の上にぽつんと置かれた揺りかごに寝かされ、誰がどう見ても無防備だと感じる状態だった。その場で、神の貢ぎ物とか、捨て子とか様々な考えが浮かび、放置することも考えなくはなかった。しかし、二人であれこれ話し合って、出した結論は『連れ帰る』であった。初心者探検家、探検隊が来るようなところではなかったし、大体、見つかって間もないダンジョンだ。どんな危険があるか分からなかった。保護という形で連れ帰るのが最善だろうと。
「連れ帰ったときはお世話になってるギルドの皆に色々言われたんだ。どうなるか分からないから元の場所に戻す方がいいとか、問答無用で施設に入れるべきとか言われたんだけど、なんだろう。手放す気にはならなくて……何か分かるまでは、私達が面倒を見るって宣言したわけ。でもね、しーくんが普通じゃないって気づいた」
「……普通じゃ、ない?」
「連れ帰った翌日にハイハイし始めたの。その次の日には不安定だけど歩きもしたし……最終的には一週間もしないうちに今とあまり変わらない姿になっていた。とにかく、成長速度が普通じゃなかったのよ。だからまあ……知り合いのお兄さんに相談して、出た結論は私達とは違う種族だろうって」
知り合いのお兄さんってのは、生命の神様と呼ばれるウィルさんと力の神に仕えるフォース君なんだけど……流石にこれは言えない。言えるわけない。
そんなお兄さん達曰く、ウィルさんと似たようなもんだろうと言われた。神様という立場上、詳しいことは何も言えないけれど、と付け加えた上で大雑把に教えてくれたのだ。
「つまり、人じゃない何かなんだろうなって。だから、私達よりも早く成長したんじゃないかと。今は一年に一つ年を取るみたいに成長してるみたいだけれどね」
ウィルさんやフォース君にはそこそこ隠された状態で説明されたけれど、ある程度推察はしている。
ウィルさんの生い立ちなんかも冗談混じりに聞いたこともあるから、神様も色んな理由で消え、生まれるのは承知している。だから、しーくんは何らかの理由で生まれた神様の子なんだろう、と。どんな神様なのかは分からないけれど、しーくんが操るのは水系統の技や魔法に似た何かだ。そのため、水を司る神様なのかな、とは思ってはいる。
ぶっちゃけ、調べてもしーくんが何者なのかははっきりしなかった。候補は色々あれど、「これ!」と特定するには、情報が足りないのだ。それなら、普通の子として接するだけである。しーくんが何者であろうと、私達の大切な仲間で、子供なのは変わらないから。
まあ、一時期はこちらの環境としーくんの体が合わなくて、大変な目にも遭わせてしまったけれど……今ではそんな心配もなく、風邪一つ引かない強い子に変貌した。何があったのかはいまいち分からない。
「とまあ……色々言ったけど、要するにしーくんは私とティールの子供で、天使ってことだね! それだけで十分だよ」



~あとがき~
アリアちゃんが目立つはずが、雫の生い立ちで終わってしまった。

次回、中華屋さんへ突撃やで。
食べられ……たらいいなぁくらいで。期待はダメ! 絶対!!

雫の話は原作と変わりません。
ゲームのあれです。まあ、あれこれ設定はレイ学仕様になってますが。この世界では、アリアちゃんと何やら関係があるらしいです。詳しい話があるのかは相方次第だ!←

ではでは!

ゲームの話とか。雑談とか。

新年度ですねぇぇえ!!!
別に年齢公開してるわけじゃありませんが、今年から本格的にお仕事する立場となりました。いいのかな。こんな低堕落な人が外に出てしまって……(汗)
まあ!? そんな心配はさておき!←

今の状況を考えて、このブログの更新とか、その辺の話も最後の方にしたいと思います。
最初にあれです。いつも通り、雑談をたらたら話していこうかなと思いますよ。はい!


3月の話ですが、ポケダンDXとあつ森が発売しましたね。ポケダンは買うか迷いに迷って発売日に買いに行ってしまった。我慢なんてできんかった!
まずはポケダンDXから、ちょいちょいっと話したいと思います。時間は経ってますから、ネタバレは遠慮なくしていきますよー! ご注意くださいな!

この作品、赤の救助隊、青の救助隊のリメイク作品となってます。私が小学生の頃に発売された初のポケダン作品ですかね? いやぁ……かなり昔の話です。
そんな作品のリメイク。主人公はピカチュウ、パートナーはチコリータでプレイしました!
当時は逆でプレイした記憶がありますな……んでも、青の救助隊ってリセット周回を一番してる作品なので、全く覚えてない……けど、あってるはず(汗)
とまあ、その辺の話はどうでもよくって……
今作をプレイした感想としては、大変お優しくプレイできます! 私のクリア時のレベルはいくつだったかな。とりあえず、ピカチュウが放電を覚えるくらいは全体的に上げましたが、持ってる道具次第では、そこまでする必要はなかったかも?
あ、ストーリークリアまではって話です。間違えちゃあかんで!?
レベル上げも専用のチケット使用し、訓練所で簡単には上げられます。ドーピングも序盤から依頼で楽々ゲットできるので、主人公&パートナーを強くするだけなら思いの外楽だと思います。まあ、意識的にその便利アイテムが報酬になっている依頼をやっていく必要はありますが。
私はストーリーをさっさとクリアするよりも、レベル上げ&アイテム収集を重点的にしていた(やり直ししたくなかった)ので、そう感じただけかもしれません。

グラフィックは流石、Switch! とっても綺麗だ!
どこか絵本チックなグラフィックで可愛らしいし、イベント時の動きはダイナミックでアニメみたいにぬるぬる動くし……これはやばい!

システム的な話をすると、まあ、過去作と変わりませんね。マグナからだったか、超ダンからだったのか忘れましたが、初期の仲間数は3匹。しかし、今回からは行った先のダンジョン内で仲間にし、最大8匹の連れ歩きが可能です。依頼者を連れてく場合は9匹かな?
技成長もあります。オレンで体力底上げもあります。
今作初のシステムとしては、すごわざですかね。超ダンでいうところのラピス。マグナでいうところの……あれ。マグナって賢さあったっけ……?
まあ、いいや。救助隊、探検隊でいう、賢さです。
とはいえ、ラピスや賢さはいくつも身に付けられたんですが、すごわざは1匹につき、1つだけです。それも、虹色のグミ、DXグミというアイテムがなければ身に付かない。ついでにいえば、虹色は身に付けられるかはランダムなので、確実に身に付けたければDXグミという、黄金に輝くきらっきらなグミを食す必要がある。
んでも、このすごわざはチーム全員に効果がありますので、3匹連れ歩けばバフがダンジョン探索開始直後から3つついちゃうから、どんなものだとしても、覚えておきたいですね。ラピスみたいに毎回探し回る必要はないし、賢さグループ概念もないので、好きなものを身に付けられます。
しかしまあ、これまた、ガチャガチャ要素なんすよね~……結構な数のすごわざがあるので、どれがいいとは一概に言えません。時と場合によるとはまさにこのことです。
仲間をたくさん見つけたいとか、特定のポケモンを仲間にしたいのなら、それ関連のすごわざがありますし、ボス戦に有効なすごわざだってあります。
探索向きなすごわざももちろんあるし。いやぁ……特定のすごわざを選べたらいいんだけどね!
私が好きなすごわざは「ごり押し」かな。タイプ相性関係なく技を通せるすごわざ。好きです。
あとは「絞り出す」。PPが切れたら一定の確率で1回復するすごわざです。PP管理が大切なダンジョン探索においてはとっても便利だと思います。ありがとう!! アブソル!(笑)
「PPの秘訣」っていうPP消費をたまになくすっていうすごわざもありますから、組み合わせたらいい感じに管理できそうですよね。まあ!? 私はこれ、全く引けないんだけど!(泣)

今回、特定のダンジョンには強敵という強めの敵がいるのですが、この敵、色違いが存在します。私もそんな色違い強敵さんと出会ったわけで……
条件を満たせば、仲間にすることは可能っぽいんですけど、私がその色違い強敵と鉢合わせしたときはストーリークリア前。条件なんて満たしてない!
仕方なくボッコボコにして経験値いただいて帰ったわ! 仕方なく!!(泣)
強敵と立ち向かうかはそのときの仲間のレベルにもよりますが、誰かやられたら素直に帰ることをおすすめします。ストーリークリアしてしまうと、相手が覚醒状態になったり、メガシンカしてくることもあるので。こちらがタイプ相性勝ってたはずなのに、ギャラドス(メガギャラ)にぼこぼこにされましたんで。私が←

長々と語ってしまいましたが、ポケダンはいいぞってのがまとめです。あとは……なんだろう。誰も私(主人公サイド)の話を聞いてくれない、かな(笑)
特に伝説のポケモン達。お前らのことやぞ( ^ω^ )


次。あつまれ どうぶつの森
つい最近発売されました。製作発表からずっと待ってました! ついに! きました!
一言で表すなら、「無人島に自由求めて無一文で来てみたら、狸さんに借金背負わされる」ゲームです! 無人島で金を請求するなんて卑怯やで!!
まあ、ゆーて、いつも通りの流れですよね。いやはや。たぬきちさんの手腕には負けます!(精一杯の皮肉)

私はどう森はDSからやってます。WiiUにもソフトあったと思うんですが、これはやったことないですね。WiiUが家にないので……仕方ないっすわ。でも、WiiUのって、どう森特有のスローライフじゃなかった気がする。なんだったかな?
そんな私が今作のあつ森プレイしてみました!

今回の醍醐味といえば、DIY! マイクラ並にやること多いです! 木を集め、枝を集め、石を集め、道具を作る……まあ、この辺はマイクラっぽいですね。必要な道具は作っていくスタイル! 必需品である、釣竿や網も例外ではありません。
そして、そんな必需品達はいつか壊れます。使い続けるとぼんっと壊れてしまうんですね~……
ゲームを進めれば、いつか壊れない道具を手にできるとは思うんですが、しばらくは壊れる必需品達で過ごすしかありません。とはいえ、2、3回の使用で壊れるような作りにはなってませんけどね!
道具だけでなく、家具やお薬も作れちゃいます。いやぁ、無人島すごいね!

当然のように語ります。グラフィック!
これはもう、綺麗だよ! 博物館! 綺麗だ! やべぇな!! 博物館!
これは発売前の映像でも出ていた気がしますので、わかっていたことだけど、自分の目で見ていると本当に感動する。これはもう完成させたいよね……何年かかけても完成させたいです!


最後に。今後の話をします。
とはいえ、しばらくの間は週3でレイ学を投稿します。かなりのストックがあるので。貯めててよかったレイ学ストック(笑)
こちらの方は、友人からくるプロットともご相談なので、投稿頻度は変わると思ってください。この記事を書いている現段階では、150話ちょい越えた辺りで、今後をどうするか考えようかなと。
なんで越えた辺りなのかは、話の流れがきりがいいからです。それだけです!
全くストック貯まってなければ、週2になるかもしれません。ま、投稿日時を変更するとき場合、事前にお知らせするので、理由は察してね……!←
まあ、なんだ。4月5月は週3でぽぽぽーんっと予約投稿してますんで、私が社会の荒波にやられていたとしても、テンポよく投稿されます。やったね。

他の私個人の作品に関しては月1かな~……? できるといいなー? 無理かもしんねぇ~……くらいですね。亀さん更新ではありますが、スローでやっていきたいと思います。
気持ちはある。大丈夫……気持ちでなんとかなるもんじゃないけども……(汗)


とまあ、私を取り巻く環境ががらっと変わる関係で今後がどうなるかわからない感じではありますが……のんびりでも続けていく気持ちはありますので! 皆様も気が向いたときにのんびりとした気持ちでご覧くださいませ!
作品によっては、んなこと言ってられないかもですが! まあ、なんとかなるさ!(笑)

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第128話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でのんびりしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
朝御飯を準備するラルとフォースでした。
あと、狐のぽんた。ごくごく普通のどこにでもいる狐だと思ってください。あの、イメージ通りのあれね。それで大丈夫!
あとあと! そろそろ! 終われ!!!


身をほぐしてもらった焼き魚を美味しそうに頬張るぽんたの横で、私とフォース君は気の遠くなりそうなくらいの量の魚を調理していた。
まあ、串に刺すってだけのお仕事ではあるが。
「ぽんたは気楽だなぁ……美味しいかい、ぽんた」
ぽんたはきゃん、と一言。
「こんなの食べたことないぞ……だって」
気楽の部分は無視か。ぽんた。
「……アリアちゃん、狐も食べるとか言わないよね」
「流石にそれは……それに、昨日狩ってきてたの、全部モンスターだったぞ。自然界だと、必然とそっちの方がいいもん獲れるからなぁ」
強い魔物程、いい素材を落とす。つまり、美味しいお肉をいただきたければ、ランクの高い魔物を狙う方がいい。しかし、普通の獣と違い、知性が高いことが多いため、慣れないうちは手を出さないのが鉄則。それに、これは獣も同様だが、素材として落とすのは生肉だから、調理も視野に入れる必要がある。だから、普通は携帯食ですませたり、出来合いの物をあらかじめ用意する方が楽だ。
私も長期調査や遠征とかじゃないと、狩りなんてしない。そこら辺の探検なら携帯食で十分なのだ。
リアさんはそこら辺、拘りがあったみたいだけれど……まあ、それはレアケースだろう。
「つーか、こんだけあればいらんだろ。昨日のやつもないわけじゃないし」
……そうだねぇ。そうだといいねぇ。
「やめろ。匂わせるような受け答えすんな」
真面目な話、アリアちゃんの底が知れないため、限界値なんて存在しないと思っている。撤収作業中にお腹空いたと言われることも考慮すべきではなかろうか。そのための保存食のはずだったのだが。
しかし、お腹空いたら勝手に何かしら調達してくるか。アリアちゃんだもん。実際、昨日も何かしら食べていたんだし。
うん! 考えるのやーめた!
私はアリアちゃんの満腹メーター問題は頭から追い出して、串に刺した魚の丸焼きを四分の一くらいを焼き終えた頃。女子テントからバッと誰かが勢いよく飛び出してきた。
「あさごはん!!!!」
「お、おはよう……アリアちゃん」
「あさごはん!」
「あさごはん」を「おはよう!」みたいなテンションで言わないで……? 挨拶違うからね?
キラッキラでおめめぱっちりなアリアちゃんは、風の速さで席につき、うずうずし始める。これ、このままお預けしてしまうと、何が起こるかわからないので、焼き上がった分をお皿に積み上げてアリアちゃんに差し出す。
「朝ごはんね。今は支給されたパンと焼いた魚だけなんだけど、いいかな……? あ、おかわりはまだあるけど」
「うんっ! 食べていいの……?」
「いいよ。お腹空いたでしょ?」
私の言葉にこくこくっと勢いよく頷くと、焼き魚を食べ始める。そして、人とは思えないスピードで平らげていく。瞬き一つでいくつもの魚がなくなっていく。
えーっと……早すぎません?
いや、これでいいんだ。いい加減、慣れよう。

朝ごはんの準備を終わらせたあと、こんなときでも寝坊助ティールをフォース君が無慈悲に叩き起こし─その頃にはアリアちゃんの食事はほぼ終わっていた─、魚と有り合わせの山菜を挟んだサンドイッチを食べさせた。
「ねっむ……なんでこんなに眠いんだろ……?」
「んなこたぁいい。はよ食え。片付かねぇだろ」
「ふぁい……あ、いや、はい! すみません!」
という、フォース君の愛の鞭でいつもより早く食べ終えたティール。ちなみに、この間、アリアちゃんはどこからゲットしてきたのか、食後のデザートと言わんばかりにきのみを堪能していた。
「……ん。狐?」
今更ながらにぽんたの存在に気づいたらしいアリアちゃんは、小さく首を傾げる。食事を終えたぽんただったけれど、この場から離れるつもりはないらしく、私達の邪魔にならないところで、のんきに体を伸ばしたり、木陰で丸くなったりとのんびりしていた。
「フォース君が連れてきたんだよ、その子」
なんでいるのか一から説明してもいいんだけれど、面倒くさいので、一言で済ませた。間違ってはいない。方法とか、関係性とか話していないけれど。
「……ふぅん?」
じぃっとぽんたを見つめるアリアちゃん。
一応だけれど、釘指しておくか。
「あの子は食べないからね」
「…………うん」
えっと……? その間は……食べたかった、の……?
この合宿でアリア・ディーネという人物について少しは理解できたかと思ったけれど、そんなことはなかったらしい。ツバサちゃんやアラシ君達のことを話していたときは年相応だったのに……なんでかなぁ?

ここからはある意味蛇足になる。
これは合宿を終えて、数日後の話だ。
例のごとく、幻のジャムパン争奪戦に参戦し、ボロ負けしたティールを慰めるため……なのは、ついでで、本題は少し前に賑わっていた学食が気になったから、ついてきたのだ。今日はお弁当持参しているため、買い物はしていない。
「……で? 学食がやけに騒がしい理由を知りたいの?」
ティールはジャムパン戦争で乱れた制服を整えながら、首を傾げた。
「うん。合宿ですっかり忘れてたんだけど、そういえばなぁって……気になってさ」
「なるほど。覗くだけだし、ぼくも付き合うけど……と、確かに、どこぞの大会かってくらいの歓声が聞こえるね?」
大いに盛り上がる一角を覗いてみると、その中心にいたのは、何を隠そう、アリアちゃんであった。彼女の目の前には、これでもかってくらい大きな丼があり、それの中身を一心不乱に掻き込んでいた。中身は周りの会話から天丼らしいというのが窺えた。いや、中身はどうでもいいんだが。
「……原因はアリアみたいだね」
「そう、みたいね。アリアちゃんか……」
米粒一つ残さず綺麗に平らげたアリアちゃん。完食したことにより、周りから「おおっ!」という、関心なのか驚きなのかよく分からない声が響いた。そして、アリアちゃんは歓声に反応することもなく、その場から立ち上がると、傍でじっと険しい表情で見ていた学食の料理長、ゴンツさんと向き合う。
両者がじっと見つめあったかと思うと、何か意思疏通でもしたのか、がしっと熱い握手を交わす。
「……今日も……美味しかった……!」
「いい……食べっぷりだったぜ……!」
……私は今、何を見ているんだろうか?
「ねえ、ラル。これ、この前の大会のやつなんじゃない……?」
あぁ……特典の。なるほどね。なるほど……つまり、毎回毎回、この賑わいを見せているのは、アリアちゃんの見事な食べっぷりを見に来た生徒達。元から事件だとかトラブルとかを危惧していなかったが、単純に見世物ショーと化しただけだったということか。本人達は全く気にしていないらしいが。
「……ティール」
「なぁに?」
「今日も、学園は平和だね」
「ははっ……うん。そだね」
「……戻ろっか」
「了解」
決して、思考放棄しているわけではない。
ただ、空が青いなー的な感じの気持ちになっただけだ。現実逃避したいわけではない。
……本当だからね!?



~あとがき~
アリアちゃんの凄さを伝えられる合宿編だったと思います。

次回、アリアちゃんのお休み風景をお送りします。
アリアちゃんとラル&雫という珍しいトリオでお送りします。相方が手掛ける初休日回! お楽しみくださいませ!

語りたいことはないな。
あ、ぽんたはあのまま帰ったと思います。たまーに学園うろうろするかもですが。別に人馴れしてるわけじゃないんでね!

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第127話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でサバイバルしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回のあれは気の迷いですかね。シリアス書きたい病が発症したんだと思います。定期的にやってくる。よくないやつ!!
しばらくは大丈夫。うん!!
ってことで、合宿編もラストスパート! やっていきます!
視点は戻って、ラルちゃんです。


閉じていた目をゆるりと開け、体を起こす。半分寝惚けたまま、テントから出た。
昨日はなんだかんだアリアちゃんと、天使(ツバサ)可愛い談義でかなり盛り上がった。主にツバサちゃんがやらかしちゃった案件を聞いていただけなんだけども。そのついでに、ツルギ君の話や、アラシ君とレオン君の巻き込まれとかも教えてくれた。
小さい頃からアラシ君とレオン君は苦労なさってますねって感想だ。なんでだろうね? そういう星の下に生まれてしまったのだろうか……
今の二人を見ると、レオン君は上手く回避していそうだが、果たしてどうなんだろう。今度、聞いてみようかな。
とまあ、大変盛り上がったために、アリアちゃんは未だに夢の国へお出掛け中だ。単純に朝が弱いだけかもしれないけれど、時間になれば起きてくるだろう。それか、叩き起こすしかない。最悪、引きずって下山しよう。
「ふぁ……んー……自然の中での目覚めはやっぱ違う……な?」
軽く伸びをして、ばっちり目が覚めた私が見たのは、木の影でぐっすり眠っているフォース君の姿であった。なぜか膝の上に丸まっているため、正確な判断はしかねるが、何やら小動物もいる。獣避けの術をかけてあったにも関わらずだ。
その姿を見て、思わず雷姫を呼び出し、構えてしまうものの気配は完全に獣のそれ。モンスターの類いではないらしい。それを確認して、警戒を解いた。それでも、一応、雷姫は帯刀したままだ。
「……たまに、フォース君と探検で野営すると、あの光景見るんだよね。動物に囲まれるみたいな」
『今時の、ぎゃっぷもえ、というやつじゃ』
そ、そうなのかな……?
彼曰く、“マインド”を使って動物とも意思疏通をしてしまうらしく、それが原因で囲まれていても不思議ではない。が、普段のクールな彼からは想像はできない。むしろ、鬱陶しいって毛嫌いしそうなのに。
『昔から、動物に好かれる質なのさ。小僧は』
「ふぅん……つか、テントあるんだからテントで寝ろ」
行事で、ある程度の安全が保証されているこの場所で見張り番なんていらないだろう。そう思って、昨夜は打診もしなかった。……が、なぜ、こいつは外にいるんだ。爆睡か?
『マスターと人魚娘が子狐の話で盛り上がっている間、隣は面白そうな話をしとったようだ。そのせいだろうな』
「雷姫の言う、面白そうな話はろくでもない話って相場は決まってるんだよ」
『ふん。マスターの天使がどうのよりは、幾分かましじゃ』
「天使が可愛いってのは、世界共通だって昨日言ったでしょ。まあ、いいや。とりあえず、雷姫は帰って大丈夫みたい」
『む? 小僧の寝込みを襲ってもよいのだぞ?』
「私はどこぞの暗殺者かよ。しないから、戻って。……さてさて、雷姫が面白がる話……まさか、喧嘩でもしたのかな?」
穏和なティールと、面倒を嫌うフォース君が喧嘩なんて想像できないが。……まあ、起こしてみれば分かるか。
私は雷姫を消し、眠っているフォース君に近づくと、肩をとんとんっと優しく叩いてみる。しかし、ぴくりとも動いてくれない。いつでも周りの警戒を怠らないフォース君が無反応なんて、あり得ない。これ、狸寝入りの可能性もワンチャンあるぞ。
「死んでんの? あ、ベタに目覚めのキスでもすれば起きる? おーい?」
これにも無反応。……じゃあ、しっかたない。
私は彼の耳元でそっと呟いた。……ちょっとだけ声を作って。
「早く起きないと、いろぉんなイタズラしちゃうよ? 大好きなフォース♪」
「……っ!?」
私の言葉にビクッと体を揺らし、思った以上の反応を見せた。本当に寝起きなのか、思わず反応してしまったのかは謎だけれど。
「おお~♪ 鈴流さんの物真似は効果覿面だね! よきかなよきかな~♪」
「……お前さぁ、誰にでもそういうことしてんじゃねぇだろうな」
なんて言いながら、私をじろりと睨む。そんな彼に私はにこりと笑った。
「するわけない。お前だけだよ、安心してくれ」
「安心できないけどね。おれが寝惚けてお前を襲っても文句は言わせねぇかんな」
かもしれない。が、そうなる前に雷姫からの鉄槌が下るだろう。現に雷姫が私の中でうるさいくらいに抗議している。捲し立てていて、全部は分からないけれど、とりあえず「小僧殺す」は聞こえた。
「……寝起きでもいけるの?」
「おれをなめてんの?」
そういう問題!?
「男はみぃんな、獣ですよ~……気ぃつけろよ」
「えぇ……まあ、うん。わかった? で、その膝の上に乗ってるのは……」
「川の近くで見っけた狐。湯たんぽだから、ぽんた」
狐にぽんたて……適当なネーミングすぎ……というか、狐ですけど!?
フォース君が軽く背中を叩くと、狐のぽんたは─めっちゃややこしい─フォース君の膝の上から飛び降り、丸めていた体をぐっと伸ばし始めた。黄金の毛並みでどこにでもいるような狐だ。しかし、この子、どう手懐けたのか気になる。
「夜釣り暇だから付き合ってってお願いした。その代わりに、釣りの成果を分け与える約束でね」
「そんなんでいいのか、ぽんた……」
私の呟きにぽんたは一鳴きして答える。それを読み取ったフォース君の通訳は。
「飯が貰えればなんでもいいって」
という、見事に野性的な答えであった。
そのわりには、フォース君の湯たんぽしたり、献身的ではあるが。
「まだ飯貰ってないから、媚売っとくんだと」
ご飯をくれるはずの本人目の前に正直な狐だな……? 発言には気を付けろ? 人は残忍な生き物だぞ。
「お前がそれを言うか。……さぁって、朝飯の準備すっか」
「おいーっす。そいや、夜釣りって言った? なんで?」
「おれの暇潰し半分、ディーネの朝飯半分かな」
なるほど? しかし、昨日のお肉も保存食として加工したはずだけれど。それだけじゃ足りない?
「減ってたぞ。全部は食われてないけど」
「…………マジ?」
「あいつ、夜中食ったんじゃないの?」
いやいやいや? 夜は私と一緒に話をして、ほぼ同時に寝落ち同然に寝たはずだ。そのあとにこっそり起きて物色したのなら話は変わってくるが。
昨日の出来事を逆再生のように思い浮かべると、とある場面で一時停止させた。テントに入って最初にアリアちゃんは何やら食べていなかったか? 私はよく見ていなかったけれど、おつまみみたいな、何かを。それが、加工したお肉だとしたら。
「……テント入る前に物色されてるぅ~」
「心当りあんのかよ。まあ、いいわ。食ったもんは元に戻らんし。……で、釣りしてきた」
なるほど。それはありがたい。
フォース君が釣った成果は、バケツに溢れんばかりのお魚達である。もちろん、すでにフォース君の手で下処理は済ませあるようで、とっくに命の灯火は費えている。
「前から思っていたんだけれど」
「ん?」
「フォース君って動物の言葉が分かるんだよね? それなのに、狩りとか釣りとか……やるんだよね」
「この世界は弱肉強食だろ?」
まあ、はい。そうなんですけど……良心は痛まないのですか?
「良心なんてとっくの昔に捨てました」
嘘つけ。嘘を。
「今はコントロールして、聞きたくないときは切ってるからな。別に何とも思わないよ。コントロール完璧にする以前も特に考えたことはない。狩る瞬間の断末魔的なそれがうるさいから、なるべく楽にできるように技を極めたんで」
せ、せんせー!! 暗殺者がここにいます……! 二人目です……! お助け……!
暗殺者二号は私の叫びなんて無視し、下処理済みの魚を手早く三枚下ろしにして、網の上で焼いていく。多分、狐用のだろう。
「全部、捌く? 面倒くさいから串焼きとかでよくない?」
朝からワイルドな朝食やな……まあ、アリアちゃんは気にしなさそうだが。私は気にする。
「私達の分は捌いて、残りは串に刺して焼こう。狐……ぽんたの分が終わったら、串刺し作業手伝って」
「OK」
野生では味わえない焼き魚をぽんたは堪能すると思ったら、贅沢な狐さんだなと思う。
「昨日、面白い話してたんだって?」
「面白くはないけど」
「雷姫が面白いってさ」
「……面白くはないけどね。ちょっと突っ込んだ話したたけ。それだけだから、気にすんな」
そうやって話すフォース君はいつも通りに見える。少なくとも、喧嘩別れしたとか、そういうものではなさそうだ。
「ふうん? 二人の関係が壊れるとかじゃないなら、聞かないよ」
「そこまで弱々しい絆は紡いでねぇよ……おれらはお前の無茶苦茶を回避するため、結構仲良くしてるんだから」
どういうことだよ。おい。
しかしまあ、冗談が言えるくらいなら、そこまで深刻ではないらしいと取れる。フォース君は嘘が上手いから、何とも言えないところはあるけれど。その場合、ティールの様子を窺えば問題はない。
ティール、嘘下手っぴだもんね~



~あとがき~
終わらん。

次回、朝ごはん食べる!

フォースは動物に好かれるようです。
あのクールな顔で猫やら犬やらに囲まれていたら、それはそれでシュールですね。今回は狐さんでした。

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第126話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で真面目にしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回はラルとアリアちゃんの夜をお送りしました。女子っていいね。
今回は男子二人のどうでもいい話です。読まなくてもいいです。多分。
ラル「しれっと今後の伏線入れるくせに」
そんなことはない。多分。
視点はティールでっす。


《Te side》
女子二人と別れてフォースとテントの中に入る。空いているスペースに荷物を置き、寝る準備を始める。準備と言っても、寝袋広げるくらいしかやらないけれど。小さなランタンをテント中央に置き、ぼくとフォースはお互いの寝袋の上に座る。ちょっとした雑談タイムだ。
「テント、一人で張った?」
「一人だよ」
まあ、そうか。山菜採りとその他で分担するのが恒例だもんね。
「準備、お疲れ様です。フォースさん」
「いつものことですからねぇ……気にしてないよ」
いや、ほんと。いつも助かってる。
人生経験という点でも、知識という点でも、実力という点でも、何に関してだって彼には敵わない。それくらい、何でもできてしまうのがフォースだ。ラルがあれこれ頼りたくなるのも分かる。分かるからと言って、頼りすぎるのもあれだけど。
「どこで身につけてくるの、そういう知識」
「必要だったから。……ま、今じゃ、いらんこともたくさんあるけどさ」
……例えば?
「相手にバレずに息の根を止める方法」
にやりと笑うフォース。冗談なのか、事実なのか。残念ながら、ぼくに見極める力はない。せいぜい、それ相応の反応を見せるくらいが関の山だ。
「……冗談だよ。黙んなって」
「君が言うことは大体が冗談に聞こえないんだよ?」
「そうかなぁ……?」
そうだよ。自覚して。
そうは言っても、彼はあまり理解していなさそうな表情を浮かべている。自覚してもらえたところで、改善してくれるかはまた別の話、だもんね。

あれこれ他愛ない話を続けていると、お隣からもなんだか楽しそうな声が聞こえてきていた。あちらは何を話しているのか分からないけれど、こちらの話題はこの前の失敗談に移っていた。
ラルがフォースに連絡していたから、彼にも伝わっていたみたいだ。ぼくは初耳だけど。……けど、ぼくらを気にかけてくれている保護者ならぬ、フォースお兄さんは、今までの不満が溜まっているらしい。色々関係ないこともたくさん言われた挙句、最終的には──
「自分を大切にしてください。君ら、命は一つしかないんですよ。分かります?」
という、謎に敬語まで使い、ごくごく当たり前のことを説かれた。
それについては頷くしかない。そりゃそうだ。人の命は一個しかありませんもん。ぼくはフォースみたいに特別な人間ではないのだから。
「最近、そんなんばっかですよ。おれの周りは無謀者しかいないの? ねぇ」
「類は友を呼ぶってやつ……」
「あ?」
「ごめんなさい。なんでもないです」
でも、ぼくから見ていたら、フォースもフォースで無茶苦茶やってると……あ、なんでもない。はい。すみません。
「ラルにも散々言われたよ。……自分も同じようなことするくせに」
「おれから見れば、お互い様なんですけど」
「……ごめんなさい」
なんか、謝ってばかりだな。
「どっちの言い分も分かるけどね。要はどっちもお互いが大切ってことだもんな。……この前のは完全にお前が悪いけども」
「この前のは反省してます」
「やらかし率はラルの方が上だけど、やつのはなぁ……根底にあるもんがあるもんだからな」
……? どういうことだろう。
しかし、フォースは説明する気はゼロで、「自分で考えろ。お前のパートナーだろ」と一蹴された。そんなことを言われても、ラルの突拍子もない行動の大半を理解していないのが現状だ。彼女自身が説明してくれたとして、その裏に何かあるのがほとんど。本心を語りたがらないのが、ぼくの相棒、ラルという女の子。
まあ、今のところぼくがやきもきするくらいで、他に問題はないからいいけどさ。
「……ティールさ、前から聞きたかったんだけど」
「うん……?」
「結構受け身の姿勢だよな、お前。仮にラルがコンビ解消したいとか、チーム抜けるとか……そういう打診してきたらどうするの」
え、えぇ……? そんなことあるのかな。あぁ……でも……
「……いや、そうじゃなくても、ティールは『ラルのパートナー』という以前に『海の国の王子』って肩書きがある。遠くない未来で、決断を迫られる。数年はおざなりにできても、与えられた役割からは、そうそうに逃げられるもんじゃないだろ?」
ぼくが口にする前に、フォースが全て言ってしまった。探検隊である前に、ぼくは王族の血を継いでしまっている。小さい頃に、次期国王としての素質を国の女神に認められてしまっているのだ。
「なぁ、ティール。おれはお前の将来なんて知らないけどさ、学生としての時間は思った以上にないんだぜ。それは子供としていられなくなるってこと。……お前がどうしたいか、しっかりと向き合うべきだと思うよ。ティールとラルには、過去のおれみたいに後悔してほしくない。……命は一つしかないんだからさ」
制御者として、いくつもの人生を見てきた彼の言葉は、なんとなく先延ばしにしていた事柄に重苦しくのしかかっていた。
今、ぼくがここに留学生としていられるのは、家の仕来りとして許されているから。それは、外の世界を見るため、将来の王としての器を育てる修行みたいなものだ。
その修行をすると決めた当時のぼくは、あるきっかけから家に居場所が見つけられなくなって、親との距離感が分からなくなって……家にいたくなくなって、逃げ道として使ってしまったけれど。ずっと、逃げられるわけじゃない。
分かっていた。いつかは、選択しないといけない。昔、ラルには学園を卒業したら、祖国に帰るって話もしている。でも、それは出会ったばかりの頃の話で、探検隊ですらなったときの話。
なら、今は? ぼくは……どうしたいんだろう。
「……悪い。言い過ぎた」
黙ってしまったぼくの心を読んだのか、フォースはばつの悪そうな顔で呟いた。そして、そのままテントを出ていってしまう。引き留める暇もなく、それが当然のような感じで。
一人になって、考える。
「……ぼく、は」
今が大好き。ラルやチームの皆と笑って、怒って、喧嘩して……一緒に過ごしている今が好きだ。
これからも、ラルと一緒に探検隊としてやっていきたい。色んな場所に行ってみたいし、体験もしたい。できるなら、ラルと二人でずっと。
同時に、自分に課せられた王としての責務も、果たさなきゃとも思う。でも、それを考えるだけで、心が苦しくなった。両親のことは嫌いじゃないはずなのに、信じたいはずなのに。心のどこかで、親を嫌ってる自分がいて。過去のことを許せていない、そんな自分がいる。
国のために邁進する父も。そんな父を支えている母も。ぼくを大切に思ってくれているのは伝わってくる。それを、ぼくが素直に受け取れないだけで。勝手に嫌ってるだけで。
今のぼくが勝手に居づらくしているだけなのは分かってる。……だけど、過去の記憶は残酷に、ぼくに絡みついて、逃がそうとしない。
『また、見てくれなくなるのが怖いのね』
「聞いていたのか、白雪」
見透かしたように、鋭く冷たくも、どこか暖かい声が聞こえた。その声はその一言しか話さなかったけれど、核心を突かれた。
白雪は国の女神として、信仰されている神の名前で、ラルの雷姫さん以上に気まぐれな女神さまだ。白雪はぼくの様子が気になって声をかけただけなんだろう。多分。
「はぁ……フォースの言う通りだよ。ずっと子供じゃいられない」
でも、今は自分のことなんか忘れたまま、ラルと探検隊でいたい。王子様じゃない、ぼくでいたい。
……こんなことを思ってしまうのは、ぼくが子供だからなんだろうか……?



~あとがき~
女子チームと比べてみろ。この落差よ。
私が好き勝手するとこれです。もうでしゃばるのやめようかな。

次回、そろそろ合宿編、終わらせます。

このティールの抱える問題はどっかでやらないとって思っていたんですよ。つか、空海ポチャよりも、責任感強いんじゃね。レイ学ティールくん。
まあ、この問題はなあなあにするつもりはないので、長い目で見守ってくださいな。

関係ないけど、レイ学フォース、めっちゃ過保護やん。気遣いしまくりのおとんやな!(笑)
まあ、気に入った相手だから世話焼くんですけどねぇぇぇ!!!
フォースも過去の選択を後悔しながら生きてるやつなので、せめて二人には後悔なく、幸せになれよおらって思ってるんですよね。めっちゃ優しくね?

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第125話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
何でもないような食事風景でした。
今日は寝る! 寝るぞ!!
ほんとは前回で寝るつもりだったけど、気がついたら寝れてなかったんですけどね!!←


私達と少しだけ雑談をしたものの、イグさんはまだ一応お仕事中だ。話を適当なところで切り上げ、山の中へと消えていった。
イグさんがいなくなったあとは、フォース君が言っていた通りに、獣避けの術をこれでもかと確認し、片付けられるものは片付けてしまう。
「やることなくなったな」
「そうだねぇ~……ま、楽しめるようなものもないから、寝る準備しますかね~? どう寝る?」
用意されているテントは二つ。それをちらりと見たティールは、さも当然かのように答える。
「普通に考えて男女別れるところでしょ」
ティールらしい通常回答。つまんないな。
「君は一体、何求めてるの……?」
「私は常に面白いことへ一直線だよ」
「ぼくは学園生活にそんなの求めてな~い。おやすみ」
ちっ。ノリ悪いな~……ま、いいけどさ。ここは素直に従いますか。
結局、私とアリアちゃん。ティールとフォース君という組み合わせで、それぞれのテントに各自の荷物を運び、就寝となった。

テントの中はと言うと、二人で寝るには十分すぎるくらいの広さがある。仮に私達の荷物を隅っこに置いたところで、何不自由なく寝られそうである。
こちらも学校から支給されている寝袋を二人仲良く並べると、アリアちゃんは武器を取り出し、手入れを始める。私は何をするでもなく、寝袋の上に寝転んだ。
普段なら寝るには早いけれど、キャンプのおかげか、今からでもすんなりと寝られる気がした。これがティールとの探検なら、どっちが先に寝るだ、明日の予定はどうするんだとプチ会議をしているところだ。
「……ラル。スープ、ご馳走さま。……ツバサから聞いてたけど……料理、上手なんだね」
何かを思い出したみたいに突然話しかけてきた。無口なイメージと、先程までほぼ口を開かなかったから、私個人としてはそこそこ驚いた。
「ん? あー……いえいえ。色んなものを突っ込んだだけの適当料理だよ。誰でもできるって」
「そんなこと……とっても、美味しかったよ?」
それならよかった。
食べ物関連の話題だから話しやすかったのか、男子がいない空間だから話しかけてきたのか……まあ、どちらにせよ、話しかけられるのは嫌ではない。
また、話しかけてくれたってことは、話す気はあるのだろう。そう判断して、別の話題を切り出してみる。
「アリアちゃんのメインは銃なんだねぇ」
大会時は銃剣を使っていたが、今は双銃を取り出してそれの手入れをしている。
「……ん。僕の家系……皆、銃が得意だから」
「へぇ~? そういうのって関係あるのかなぁ……そういえば、アリアちゃんはもうお仕事してるんだもんね。家の手伝い?」
「ん……? ん~……そうとも言うし、言わないかも。……僕の父親、ギルド運営してて、僕もそこにいる」
どっちとも取れるなぁ……まあ、手伝い……いや、ギルドに入っているなら、そんなことはないのか。報酬も貰っているだろうし。
「どんなとこ?」
「主な仕事は殺し」
「ころし」
表情一つ変えずにとんでもないこと言い出してませんか。え、なん……?
「正確には始末だけど。……うちの家系は始末屋って呼ばれてて……国家公認の始末屋……みたいな」
みたいな!? え、んじゃあ、お父さんのやってるギルドって……
私の呟きにアリアちゃんはこくんと頷く。
フィクションみたいな世界、あったんですね……?
私の反応が予想外だったのか、彼女は不思議そうにして、銃を弄る手を止めた。
「ツバサから聞いてない……?」
「聞くわけない!! それ、こんなとこで言って大丈夫なの? 私が聞いてよかったやつ?」
国家機密レベルの話なのではなかろうか。少なくとも、お互いジャージでのんびりした雰囲気の中でする話ではない。断じてだ。
「? 格別、秘密にしてなかったし……構わない」
……深刻に考えていたのは私だけらしい。いやいやいや? 私がおかしいのだろうか。え、そうなの?
「それに、ラルは探検隊でしょ」
「え? まあ……そうだね」
「じゃあ、いずれ知る。……問題ない」
しがない探検隊如きが、どういう経緯で国家公認の始末屋のあなたを知ると!?
しかし、これ以上はアリアちゃんも話す気がないらしく、どこからか取り出したおつまみを食べ始めた。一体、どこから取り出しているのやら。
なんだか、この話を続ける雰囲気でもなくなってしまった。私もアリアちゃんに倣って、雷姫の手入れでもしてやるか。
……今日、一回も使ってませんけど。

私が雷姫を取り出し、アリアちゃんが銃の手入れを再開させてからしばらく経ったあと。
「……そういえば」
再び、アリアちゃんの方から会話が始まる。これは、男子いない方が話してくれる説が濃厚なのでは。
「よく、ツバサからラルの話を聞くんだけど……ラルはどう思ってる?」
「……どうって?」
恐る恐るといった具合に私が聞き返すと、アリアちゃんのクールな瞳がきらりと光る。
「…………ツバサのこと」
まあ、そうだよな。話の流れ的に分かっていたよ。さて、どう答えるか。
素直に「私の天使です」と暴露するのか、「とっても可愛いよね」と大雑把に答えるのか。あるいは「いい子だよ! 仕事も手伝ってくれるし、優しいよね♪」と当たり障りない答えを返すのか。……ふむ。悩ましいな。あ、これ、下手に選択を見誤ると、この世から消されるのでは。始末ってそういうこと……ではないだろうけど。
私が頭で悩んでいたからか、雷姫からのため息が聞こえてきた。
『我には、天使も可愛いも同じように聞こえるのだが』
全然違いますけど!! お前は私の中で何を見てきたんだ!? 分からないなら、語るぞ。永遠とツバサちゃんの天使級の愛らしさについて!!
『う、うむ……すまぬ』
……冗談はさておき。
誤魔化したところでぼろは出る。ツバサちゃんが可愛いのは全世界共通認識だろうし、普通に言ってしまうか。
『マスター、その認識は改めた方が』
「ツバサちゃんをどう思っているか、だったね」
「ん。……そう」
「めっちゃ可愛い天使。私の癒しであり、この世に舞い降りた愛しの天使だと思っています」
『引くぞ。マスター』
うるっせ。事実だ。仕方がない。
「……それなら、よし。ツバサは可愛くて、天使……だから」
「! アリアちゃん!」
私の呼びかけにアリアちゃんは力強く頷いた。
やったぜ! 私は間違っていなかった! ほらぁ!!
『……我はもう、黙るぞ』
何か言いたそうな雷姫だったが、それは私に通じないと判断したのだろう。黙ると宣言したあとは、刀からも彼女の気配が消えてしまった。まあ、寝ただけだろう。放置だ。
「いい子だからね。……怒ったり……興奮したり。そんなときは……手がつけられないなんてことも……あるけど」
ありましたね。ツルギ君のときとか。
ツバサちゃんのことを話すアリアちゃんは、とっても優しい表情を見せていた。無表情か、食欲に燃えるアリアちゃんしか知らなかったけれど、ちゃんと女の子らしい表情もできる子なのだ。彼女は。きっと根っこの部分は優しいお姉さんなんだろう。
「……小さい頃ね」
「うん?」
「ツバサ、急に雨降らしたりしてたんだ。……公園で遊んでたときとかに」
「……ん?」
「あとは……ツルギとの喧嘩。……魔力爆発させて、アラシとレオンが巻き添えになったり。……色々あったよ?」
楽しそうに昔話を聞かせてくれたアリアちゃんだったけれど……
内容、濃すぎない? 何してるんですか、ツバサさん……??
アリアちゃんからツバサちゃんの失敗談やら、かわいらしさやらを聞きながら、私達の夜は更けていった。本人のいないところで、こんな話に花を咲かせていると知った天使はどう思うのか。気にならないわけではないけれど、まあ、そっとしまっておこうかな。
せっかく、アリアちゃんの可愛らしい一面が見られたし……ね?



~あとがき~
暴露大会。ラルはひとっつも自分を語ってないけど。ここ重要。

次回、女子があるなら、男子もやるぞ。
男子は今後のお話にでも花咲かせますよ。なので、わちゃわちゃ感はゼロ。

アリアちゃんの話、ここで公開しても大丈夫なのか相方に聞きました。始末屋うんぬんのとこね。いいって言われました。
深く突っ込んでも大丈夫だよとも言われましたが、今のラルがそこまで踏み込む気がしなかったので、大して話もしてませんね。きっと語る日はありません。多分!!

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第124話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でもぐもぐしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラルとフォースの手によって夕食が完成した辺りまできました! このサバイバル合宿編も終盤ですぞー!! 展開的にはな!
ラル「話数的にはもうちょいかかります。一、二話で終わるような状態ではないです」
それな!


追加のお仕事を終えて、アリアちゃんとティールが帰ってくる頃には、夕食の準備もしっかりと終わらせた。
今回のメニューは雑多に突っ込んだ謎のスープ(味は保証する)、アリアちゃんとティールが狩ってきたお肉と、その辺で収穫した山菜の炒め物、お情けで全班に配られているパン。デザートにカットした果物というまあ、質素な食卓である。とはいえ、サバイバルにしては豪華なラインナップか。
「パンは今そこにあるだけしかないからな」
これは参加者全員が唯一、必ず確保できる食料のパンである。学食の料理長、ゴンツさんお手製なので、味は一級品だ。もしかしたら、この中で一番美味しいのはパン……なんてこともあり得る。悲しいけどね。
「あ、スープだけは大量に残って……って、アリアちゃんをこれ以上待たせるのも怖いので……食べながら話すよ」
私の隣でスープから目を離さないアリアちゃん。きっと、私達の話すらも聞こえていないんだろう。なんという食欲。
「はーい、みなさーん。一日お疲れ様! 明日の朝まで頑張るぞー……ということで、いただきま─」
「いただきますっ!!」
早い早い早い……
若干のフライングをして、アリアちゃんはスープを勢いよく食べていく。私達三人はぽかーんと眺めていたものの、ふと我に返り、各々手をつけていく。
「何入ってるの、このスープ」
「色んなもの。その辺にあった色んなものだよぉ」
「こわ。毒とか入ってない?」
冗談のテンションだな。つか、私らに聞く前に食べとるやんけ。
ティールの疑問に、これまた悪ノリしたフォース君がにやりと笑った。
「おれが毒味してるから、大丈夫」
「それ、本気のやつだよね」
「そだよ」
「フォースは毒入りの山菜とかキノコとか、食べたことあるの?」
「あるよ。事故とかで」
あるんだ。……え、事故?
食事しながら話すことではないけれど、制御者という特殊体質のフォース君だからこその話題でもある。アリアちゃんがあまり気にしていない─というか、多分、スープに夢中で聞こえていない─のをいいことに、悪ノリ状態の私達三人はこのまま話が進んでいく。
「毒入りのって旨いもんは旨いんだよね。これぞ、冥土の土産。言葉通り」
「いらない土産……事故って何? 間違えたとか? フォース君ともあろうお方が?」
「おれが間違えるわけねぇだろ。大体はアホが突っ込んでたの。料理に」
とんだ大事故が起こっている……!
「マスターさんの料理て」
「混入以前の問題だよなぁ……ぶっ倒れても、それが毒のせいなのか料理のせいなのか分からんし。んで、そのものの味が気になって手を出すみたいな」
フォース君のマスターさんは、力を司る神様のファウスさんって人らしい。もちろん、実際に会ったことはないけれど、そのファウスさんの趣味が料理らしく、その料理は劇物だと時折フォース君が愚痴っている。フォース君は何回かその餌食になっているらしい。
にしても、フォース君もフォース君だ。怖いもの知らずというか。そんなに死にたいのだろうか。いやぁ、この辺、ブラックな話だな……突っ込めん。
「……あの人、自分が作った料理食べても平気なんだよな。舌が馬鹿なんじゃないかな……馬鹿って言うか、味覚なんて存在しないんじゃなかろうか」
うぅん……どうなんだろうねぇ。
話がマスターさんのお料理に移っているが、大して気にしない。ちなみに、私は試したいとは思わない。絶対に昇天する自信があるからだ。私はまだ死にたくない。
「誰もあの人の料理なんて食いたくねぇから」
「……? どんな味、するの?」
何杯目か分からないくらいのスープを食していたアリアちゃんがふと首を傾げた。ご飯に夢中で何も聞いてないと思っていたけれど、料理の話だからか、気になったのだろう。
アリアちゃんの疑問にフォース君は即答で答えた。
「お前さんがぶちギレたくなるくらい不味い」
「……?」
……うん。話題変えよか。食べながらする話じゃないわ。
今更な気もするけれど、普通の話題に切り替える。
ティール、今年の夏は実家帰るの?」
「母上からの帰ってこいコールがうるさいけど、今のところ帰るつもりはない。……なんで?」
「この前……ティールがポカやらかした日の。あのとき、親方から夏休み空けとけーって話があって。雰囲気的に、私とティールっぽいんだけど」
「分かった。覚えとく。んでも、せっかくだから、探検行きたかった~」
「何させられるんだよ、お前ら」
それな。全く分からないから怖いよね。
いつの間にか食べ終わってるフォース君が早速後片付けをし始める。多分、元から少なかったんだろう。食べなくてもいいし、それなら、少しでもアリアちゃんの分を増やしてやろう……的な考えだ。まあ、その根底になるのは、優しさではなく、アリアちゃんの空腹が怖いだろう。

アリアちゃんが綺麗に全部食べてくれ、大満足してくれたところでイグさんが顔を出した。各班指示された場所ではなく、好きなところでキャンプしているが、教師側は何らかの手段でこちらの場所を把握している。何かあった場合の対処のためだろう。
……という推測を立てた上で、私は彼を見上げる。
「追跡ですか~?」
「そりゃあ、生徒の安全は保証しないとな♪ アリアのその顔を見るに、ちゃあんと食料の確保はできたみたいだな~っと」
イグさんは手元のリストに何やら書き込むと、すぐに顔を上げた。
「んで? もう寝るだけか?」
「まあ、そうだな。片付けも粗方終わってるし、することと言えば、火の始末と獣避けの術の確認くらいか?」
「ほいほいっと~♪ 流石、現役ばっか集まってるグループだな。手慣れててこっちは楽だよ♪」
「イグ先生、何かあったんですか?」
イグさんの口振りに何かを感じたのか、ティールが質問を投げ掛けた。それに対し、イグさんが苦笑を浮かべる。
「ん~……大したことじゃないけど、なかなか食料の確保が満足にできなかったチームがちらほらいたのと……料理失敗して、おかずないとかなんとか……三年にもなって何してんだってミスだけどな」
食料の確保……ねぇ?
うん。関係ない。関係ない。アリアちゃんは毎回参加しているわけで。捕れなかった班は運がなかっただけなので。うちは何にもしてません。
「そういうチームって教師側からの施しあるんですか? 私、経験したことないけど」
「狩りが上手くいかずに夕食少ないとかだと、こちらの助けはなし。最初にパン渡してるから、それで我慢してもらうしかないな~♪」
うっわ。容赦ねぇ……一日、山の中駆け回って夕食パンだけなの。え、辛くない?
「んなこと言われても、食料確保も採点項目の一つだからな。今回は学内だが、一歩外を出たら、頼れるのは自分か仲間だけ。……だろ?」
イグさんの真剣な声に四人は黙って頷く。なんせ、働いてる四人なので。その辺の理解はある。
でも、サバイバル飯をするのは長期くらいで、短期なら携帯食持ってくけどね。皆が皆、サバイバル飯得意にはならないとは思う。
リアさんは“イベントリ”の魔法があって、普段からたくさんの調理器具を持っている人はまた別の話だけれど。あの人のご飯見てると、「サバイバル飯とは?」って考えてしまうくらい豪華な料理作るんだけれども。まあ、あれは例外中の例外だ。
ふと、疑問が浮かんでしまい、私は心底どうでもいいことを聞いた。
「ねー? イグさーん」
「ん? なんだ、ラル?」
「在学中もリアさんの豪華なご飯、健在でした?」
「いんや」
あれ。そうなの?
私と知り合ってから数々の器具を持っていたのに、使わなかったのか。
「……持ち込みの制限……じゃない?」
アリアちゃんの呟きで納得した。あれも制限のうちなのか……確かに、絶対に必要かと聞かれるとNOだな。
「あ~……俺らが一年の頃はなかったんだよ。持ち込み制限。まあ、元々禁止されてるもんはあったけど、数の制限とか持ち込みの申請とかはなかったんだよな」
……え? でも、今は予め申告しないと持ち込み厳禁ってルール……まさか。
「俺とリアが初めて参加した合宿で、あいつ、自前の調理器具を使って本格的な料理しだしたのよ」
「探検隊時代のリア先生ですね、それ」
「そーそー……なんだけどさ、たまたま近くに別班の拠点があってな。そこのチーム、料理に失敗したんだと。んで、量もあったからお裾分けしたら……どこで聞き付けたのか色んなチームが俺らんとこ来ちゃってさ~? 結果、大騒ぎになって、教師にまで嗅ぎ付けられて……次の合宿からルール変更入ったわけ」
リアさんの料理上手がこんなところで……いや、そもそもだ。
「お裾分けってありです?」
「禁止はしてないからな」
さっきの真面目トーンで話していたのはなんだったのか。信じられるのは自分と仲間だけって話でしたけどぉ!?



~あとがき~
どうでもいい話をしまくる食事会でした。

次回、就寝じゃー!!
お泊まりの夜が楽しくないわけない! ウッキウキだぜ!!

思い付くままに色々と書きました。まあ、言いたいことはあまりないのですが、これだけ。
有毒なもんを簡単に食べるなよ!! 当たり前だけど!! なぁにしてんじゃ、フォースは!!←
たまに訳のわからない行動をとるフォース君です。疲れてんのかな。いや、もうそうだよね。疲れてます。彼も。
謎の物体を上司から差し出されるんだもん。現実逃避したいんじゃないんですかね。(適当)
まあ、大体は仲間達が全力で止めに入ると思いますけどね。

ではでは!