satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第3話

「あぁっ!! 迷ったぁぁぁっ!!」

私とリーちゃんは、向き合う様になって座っている。
……どうしようか。
「ねぇ、イブ?」
んー? どうかした?
私は首をかしげる。リーちゃんは私のことを真剣な目で見つめてきた。
え、えっと、怖いよ。なに……?
「探検隊って、どうすればなれるの?」
「リーちゃん……知らなかったの?」
「……テヘ☆」
いわゆる、テヘペロというものを初めて見たな。私……
えっと、探検隊になるには……確か。
「ギルドに入るんだよ。ギルドでチーム登録してくれるから……えっと、そこで修行して、腕を磨くんだよ」
「ふへぇぇ……そうなんだぁ。でも、あれ……? イブって、ここにくる前の記憶が無いんじゃ……?」
あう。
「か、風のウワサだよ!!」
「そっか♪」
……危ない。リーちゃんが、こーゆー性格で……素直でよかった。
「じゃ、有名なところがいいよねっ! どこかな……?」
「え、プクリンギルドじゃないかな?」
あ、また危険なことを言ってしまった。
でも、リーちゃんは気にしてないみたい。というよりは、私の言葉で頭の中で、探検してる夢でも描いているのかな。
そういうとこが、可愛いんだよね。
「イブ、プクリンギルドって、どこにあるの?」
「トレジャータウン…だったと思うけど」
「よし、じゃあ行こう♪」
…………準備しようね?

ということで、一旦、リーちゃんは家に帰った。私は、準備しようにも何もないし、持ってもいない。
「はぁぁ……今のうちに、アイツに報告しよう。ねぇ、起きてる?……ってか、起きて。すーくん!」
『あぁぁ……何?』
「リーちゃんと探検隊、やることになったから。多分、今から向かう」
『あっそ。いいんじゃね、別に? どうせ、おれに拒否権はないだろ?』
当たり前です。すーくんにダメと言われてもやるし?
『おれは今まで通りにさせていただきますよ? お嬢様?』
当たり前です。
そう言うと、少しだけ笑って見せる。
『まぁ……大丈夫だろ。あ、でも、気をつけろよ。最短ルートで行こうが、遠回りしようが、ダンジョンは通らなきゃいけない。おれからすれば雑魚ばかりだが……すぅ逹は、戦わず逃げた方が安全……って、聞いてるか?』
ダ、ダンジョン……無理ぃぃ……すぐに、やられちゃうじゃないかっ! 他の道は、ないの~?
すーくんは、無言で首を振った。
仕方ない。頑張る。
『切り替え早いな……ま、頑張れ』
うん。ありがとう!

………リーちゃん、ここ、どこ?
「……うぅ……」
リーちゃん、さっきから唸ってばっかり。大丈夫……かな。
いや、大丈夫じゃないだろう、おそらく。
「あぁぁ!! 迷ったぁぁぁっ!!」
ですよねっ!! わかってたよ、なんとなく。
「イブぅ……どうしようぅ……」
そ、そんな涙目にならなくても……
「ちょ、地図、見せて?」
リーちゃんから地図をもらった……のは、いいんだけど……
すいません、今、どこですか?
って、わかれば迷ったり悩んだりしないか。
あぁ……出だしがこんなんで大丈夫なの?
私達、探検隊になれるの……?



~あとがき~
探検隊への第一歩♪
……したのはいいけれど、迷った二人。

次回は、二人がダンジョンへ!?