satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第16話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で楽しむ物語です。本編とは一切関係ありません。また、擬人化した前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回はラルとティールの休日風景でした。あの後、買い物デートするんじゃないかな。うん。そこら辺はご想像にお任せします。
今回、視点は本編みたいにステラに置きますよ。
あの、久し振り……ステラちゃん。
ステラ「本当だよっ!!」


リビングにある背の低いテーブルで私とリーちゃんは、ノートとにらめっこしていた。新しく始まった授業で出された宿題をやっているのだ。
「この線ってどのデータの奴なんだろ」
「うーん……? 資料二? あ、三かも?」
「リーちゃん、しっかりして~」
数学っぽい内容で、データをグラフを照らし合わせて答えを導けばいいらしい。いいらしいんだけど、いくつも資料があってなかなかややこしい。これがどこで役に立つのか聞きたいくらいだ。
「すーくん呼んでこよ。さっぱりなんだもん」
「すぐに頼るなってこの前言われちゃったよ?」
そうなんだけどね? 分からないし、それに永遠に悩まされるのも変な話だよ。分からないものは人に聞く! これ、常識!
すーくんは珍しく、自室に籠って何かをしている。課題か何かかもしれない。本読んでるだけかもだけど。
すーくんの部屋をノックし、返事はないけれど扉を開ける。すると突然、目の前に何か飛んできた。避けられるわけもなくて、顔面に直撃。
「きゃうっ!」
「……あっ。ごめん」
「うー……何投げたのさぁ……?」
シンプルな黒いトップスにジーンズ姿のすーくんは「ごめん」なんて言う割りに、全く詫びる様子はない。くそぅ。
「課題」
「それは投げるものじゃないよね!? ぐしゃぐしゃにしてー!」
「あー……課題にムカついて、思わずいらん紙を丸めて投げただけ。提出はこっち」
そう言うと、ひらひらと紙を揺らす。足下に落ちている紙を広げてみてみると、確かに日付の古い授業プリントだった。それでも投げ捨てるものではないと思うのだけれど、こんな行動をするすーくんも珍しい。
「ラルからメッセージ飛んできたんで、紙、見てみたらアホみたいな間違いしやがって」
うぅん? プリントに間違いがあったってこと?
「そ。先人の記憶を間違えるなんて冒涜の何物でもねぇわ。くっそムカつく」
長い前髪の隙間から見える目を細め、冷めたものに変わっていく。そこそこ怒っている証拠である。普段は前髪を少しでも上げているからいいんだけれど、休みの今日は全部下ろしてある。そんな隙間から見られる私の身にもなって欲しい。例えるなら、狩人に狙われた小動物の気分だ。すーくんの目はそう思わせる威力ってものがある。
ま、間違いは誰にでもあるんじゃないかなぁ?
「書き写すなら確認しろって話だ。見本あるんだから間違えるとかあり得ないだろ」
……ソーデスネ……皆が皆、すーくんみたいに優秀じゃないと思うんだけどなぁ……まあ、私が何を言ってもどうにもならないだろうし、これ以上は刺激しないでおこう。
「……で? お前は何しに来たの」
あぁ、そうだ。課題プリントの誤植とかどうでもよかった! こっちの方が重要だよ!
「どうしても資料読み取りが難しくて! リーちゃんと頭悩ませて三十分経ってるので! お助けして……くれま、せんか……?」
「……はぁ」
心底呆れてますね……嫌そうな顔もしているけれど、椅子から無言で立ち上がり、リビングへと足を運んでくれた。
「あ、フォース!」
「どれ?」
「あっと……これ。最後の問題なんだけどね」
「ふぅん」
リーちゃんの課題をじっと見るすーくん。そして、別途に配られている資料にも目を通した。一分くらいの沈黙が続くが、すーくんはさっと資料を並べ始めた。それが並べ終えると、前髪を掻き上げ、ヘアピンでとめる。
「一回しか説明しないからよく聞け、お前ら」
「はい! 先生!!」

すーくんの指導のおかげで、きっぱりすっかり最終問題も解き終わった。説明してくれと言われても、困るのでご想像にお任せするけれど!
「フォースは凄いなぁ……これをちょっと見ただけで解いちゃうんだもん」
「おれを誰だと思ってるんだ。馬鹿にするな」
「感心してるんだってばー! ね、ステラ!?」
「そうそう! 私達のすーくんはすごいんだぞーって!」
「私達の、ねぇ?」
上げていた前髪を下ろし、ぐしゃぐしゃと乱暴に髪を整える。整えるのにそんな適当に触っていいのかと疑問に思うけれど、大して気にしない人なので仕方がない。
「すーくん、今日は何にもない?」
「何にもないよ。何? 外行くの?」
「ううん。お料理したい! クッキー作りたいの! リーちゃんもやろー?」
「うん。いいよー」
「いいけど……お前ら、型抜きするんじゃあ」
それが楽しいんじゃないか!
すーくんは心底面倒な顔しているけれど、私がやめるなんて言い出す訳がないことを知っている。無駄な言い争いは時間の無駄というものだ。
「あれ、洗うの面倒なの知ってる? とりあえず、昼飯と平行して準備するけどさぁ。いきなり、クッキーて……何か企みでもおありで?」
私達の家はダイニングキッチンだから、すーくんが何かしているのはリビングからでも見えるし、会話も出来る。お昼の準備をしているすーくんと、リビングに広げたままの課題を片付ける私達。そのまま話は進めていく。
「ないよ? でも、お休みだから、何かしたいなって?」
「他にもあんだろ。公園行って遊ぶとか、ラルん家突撃するとか」
ラルさん達のお家かぁ……でも、二人で仲良くしてるかもしれないし。お邪魔するのはちょっと?
「確かに! デートしてるかもだね!」
「りぃまで……んなこと言い始めやがって。でもまあ、その可能性はあるな。探検隊の仕事ないみたいだし」
学校じゃあ、ラブラブしないみたいだもんね。休日は探検隊のお仕事でラブラブしないし。今日はラブラブしてるのかな。してるのかな!?
「それこそ、家行って見に行けよ。近所だろ」
「邪魔したくないって話したじゃん! すーくんの分からず屋ー!」
「覗けって話なのに」
私に犯罪を犯せと!? 冗談で言っているのは分かるけど、制御者としてどうなの。保護者として!
パッと課題をリーちゃんとの共同部屋に置いてくると、再びリビングに戻ってくる。そこですーくんに二つのビニール袋を渡され、中身を混ぜろと命令された。多分、中にバターと粉が入っていて、混ぜて冷蔵庫で寝かせればクッキーの生地が出来るはず。リーちゃんとリビングで、中身が溢れないように優しく揉んでいく。
「一から作るのやだな。……何入ってるの、うちの冷蔵庫」
二、三日前に買い出しして帰ってきてた気がするけど? 雫君を連れてきた日。違ったっけ?
「……あぁ、ツバサ達と色々あった日が最後の買い出しか。買い足し行くべき……いやぁ? これであと一週間は持つだろ。多分。頑張れ、おれ……」
どんなものが入っているのか知らないけど、野菜とかは無理なのでは?
「野菜は学校の帰りに買うからいいわ。……昼、うどんでいい?」
「いいよー!」
ご飯食べたらクッキー作るぞー!



~あとがき~
終わりが見えないのでぷっつんしました。
この後、仲良くお菓子作りすると思われます。

次回、通常運転に戻り、舞台を学園に移します。
平和な学園に事件発生……?
これにシリアス展開なんて(ほぼ)存在しません! 楽しんでってね!!

本編と大してノリの変わらない三人でした。フォースがいつも以上に保護者してるだけ? いや、そんなに変わらないや。何でもない……

プロフ紹介でも書いたけど、この世界でのラルとティールが恋人設定なのか問われると微妙ですね。どう考えても、友達以上、恋人未満。だって、奥手であるはずのティールが全くだもの! どっかいってるもの! 何かきっかけ的なエピソードあるといいね。ほら、ティールが気持ちに気づく的な。そんなエピソードをおくれよ……(丸投げ)
ぶっちゃけ、ティール……というか、ポチャはポチャで鈍感なところあるキャラなんです。だって、本編(はじソラ)で気持ちに気付くのも遅いもの。他人からあれこれさんざん指摘され、気付くんだもん。……これはラルが頑張るしか……あいつはあいつで動くタイプじゃないんですよね。オワタ…
……あれ? 何の話してたっけ?

ではでは!