satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第7話

「私が起こしてあげるよ~?」


こ、この状況はどうすればいいの?
もちろん、このピカチュウが敵を倒してくれるのは、ありがたい話だけれど……そのあとが問題だ。
もし、こちらに敵意を向けてきたら……私はこのピカチュウを倒せる?
おそらく、無理な話なわけで。
そんな私の心情を察したのか、ピカチュウが話かけてきた。
「あ、安心していいよ。私はイーブイちゃんの敵じゃないから。もち、チコリータちゃんの敵でもない。あいつらの敵だからさ♪」
は、はぁ……なら、いいんですけど。
どうやら、ピカチュウの興味は、敵の方にしか向いていないらしい。
そしてよく見るとしっぽが丸みを帯びている。ってことは、女の子っ!?
『今更かよ……でもまぁ……頼りにはなると思うから、あとは任せたー』
すーくん!! 待って、せめて傍にいてよ!
………返事なし。完全にシャットアウトしたよ、あいつ……!!
「……っ!! なんなんだ! お前っ!」
「え? 誰に言ってんの? 私?」
「ったりめーだ!! 俺達の獲物だっ!!」
獲物じゃない!! ってか、ものでもないし!!
「ふうん?……あんたらさ、私と勝負しよっ。面倒だから、まとめてかかってきなよ。私を倒せたら好きにすればいいからさ」
さらりと賭け事にされていることには触れないでおくことにして……
相当自信があるらしい、ピカチュウさん。
すーくんもそこまで強くないとは言っていたけど……でも、このピカチュウさん、女の子だよね……大丈夫かな?
今のピカチュウさんの発言に敵の人たちはイラッ……としたらしく。
「なめてんのか!? 小娘の分際で!!」
「そーだよ? なめてるよ? まぁ、本気で来てほしいだけなんだけど」
「上等だ!! 行くぞ!!」
一気にピカチュウさんの方へ襲いかかった。そんな状況を作り上げたピカチュウさんは私の方を向き、笑顔を浮かべる。
イーブイちゃん、そこの二人……お願いしてもいいかな?」
「は、はい!!」
私は言われた通りにリーちゃんとピカチュウさんの連れであろうポッチャマさんをピカチュウさんから離した。
「なめた口が聞けないようにしてやる!!」
「どうでもいいけど、皆遅いねー? そんなんじゃ、私には勝てないよ♪」
そう言ってピカチュウさんは敵に向かっていく。というか……突っ込んでいった。
危ないっ!!
私はとっさに目をつぶった。
「った!!」
「ぎゃっ!!」
……なんか、相手のやられている声しかしないんだけど?
恐る恐る目を開けてみた。
「……うそ」
十人はいたはずの敵が皆倒れている。
「さぁ、ボスはどこかなぁ? 言ってほしいんだけど」
「……っ! お、お前……何者だ……?」
「え? 私の質問は無視?………ま、いっか♪ 勝手に捜すし……行こっか、イーブイちゃん」
「え、あ、はい。でも、いいんですか? あの人たちは」
「あ、忘れてた。えっと、じゃあジバコイル保安官のとこに転送しようっと」
そう言うとバッグについていたバッジらしき物を取った。そして倒れている敵逹に向けると、敵(だった人)逹は皆消えてしまった。
「な、何をしたんですか?」
「何って……転送したんだよ?………もしかして、見るの初めてかな?」
黙ってうなずくと、ピカチュウさんは笑った。
「そういえば、自己紹介がまだだったね。私は、ピカ。探検隊ってのやってるんだ」
「えっと、私はイブです。で、そこのチコリータは、私のお友達のリーちゃん……リーフです……って、探検隊っ!?」
ピカさんは少しだけ首をかしげた。
「そんなに珍しいかな?」
「あぁ……いえ、私達……ギルドに行く途中だったので」
「あ、そうだったの? どこのギルド?」
プクリンギルドです」
そう言うと、ピカさんは苦笑する。
「このまま進んでも着かないよ? 方角、逆だし」
「え……」
あぁ……リーちゃんに地図を任せたのがいけなかったのか……まさか、逆方向へ進むとは。
「どうせだし、私達が送って行こうか? でもまぁ、さっきの連中のボスを捕まえてからだけど……それでもよければ」
「お願いしますっ!! 迷いたくないので!」
「決まりだね♪……おい、起きろ!! 仕事追加したから」
ピカさんは、リーちゃんと激突したと思われる人に話しかけた。
その人はゆっくりと顔をあげた。どうやら、このポッチャマはピカさんの探検隊の仲間らしい。
「………う、うー……え、なに? 仕事? ピカが追加……したの? えっと、まだ夢の中なのかな」
「そっかぁ……じゃあ、私が起こしてあげるよ~? なにがいい? “十万ボルト”? それとも“かみなり”がいい? “エレキボール”でもいいよ?」
「全部ぼくの苦手な電気タイプの技じゃないか!! ピカは、ぼくを殺す気!?」
………えっと。私、どうしたらいいんだろう……?
そう思っていたら、ポッチャマさんと目があった。
「……このイーブイ、誰?」
「イブちゃん。ついでにポチャと激突した子はリーフちゃんだって」
「……なるほど。えっと、ぼくはポチャ。ピカのパートナーだよ」
「イブです。よろしくお願いします」
「んーと……ポチャ、リーフちゃんを抱えてくんない? まだ、起きないみたいだし。ボスを捜さないとなんだよね」
ポチャさんは、意味を理解していないのか首をかしげた。そんなポチャさんにはお構い無しに話を進めるピカさん。
この二人、ほんとにパートナー同士なのかな……?
「多分、こいつだと思うんだけど……イブちゃん、どうかな?」
ピカさんは一枚の紙を取りだし、私に見せてきた。
そこには、一人のグラエナの姿。
すーくんの少しだけ驚いた声が響いた。
『あ、こいつだ』
「え、こいつ……?」
ピカさんとポチャさんは不思議そうに私を見た。
「え、違う?」
「ふぇ!? あ、いえ。この人です。ごめんなさい、ちょっとびっくりしちゃって……」
「そうかもね。これはうちのチームメンバーが作ったリストだよ。いわゆる、お尋ね者?」
え、でも……さっきの人達は?
「あいつらのリストはとりあえずあるよ。私達に調べてほしいって言われたから。依頼としては受理されてないけど……まぁ、事情を話せばいいんだけど」
そうなんですか?
「まあね……さて、動くか。ポチャ、リーフちゃんのことよろしく☆」
「了解」
リーちゃんと会えたのはいいんだけど……さらに危ない気がしてきた。
リストに載るグラエナって、どれくらいの強さなのかな……?



~あとがき~
いい感じに調子が上がってきた♪
あ、一番上のサブタイトル的なあれの文字の大きさが変わっていないのは、スマホからの更新だからです。後で編集しておきますが、遅れます。
てか、なくてもいいんだけど……(;・ω・)

次回、お尋ね者のグラエナ登場……!?
あと、ピカの力がわかる……かも。
ピカ「はっきりしてほしいんだよね(´・ω・`)
ちゃんと決めようよ?」
ごめんなさい(´;ω;`)
では!