satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第59話

~前回までのあらすじ~
もうすぐ60話ですな。そして、今日で小説版は一周年となります。おめでとうね。
ポチャ「軽くない?」
フォース「そして、その割には……本編は半分も終わってない」
うっ……
イブ「まあ……今回の章はもうすぐ終わるでしょ」
フォース「だといいけど……」
とりあえず、今回が終わればピカたちに視点を置いて、お仕事してもらうかな。
ピカ「やっと出番だぜ、やっほいっ!」
ポチャ「内容が内容だと思うんだけどな」
チコ「というか、今回で終わるの……?」
お、おわ…終わるよぉ?
……………………………多分。
チコ「頼りないなぁ……」
フォース「いつものことだ。気にすんな」
チコ「そだね……気にするだけ無駄だよね」
イブ「ってことで、始めまーす♪」


まさかダンジョン内で夜を明かすことになろうとは……
ここは、小さな洞穴のようなところ。ここなら、雨が降ってきても大丈夫だろう。まあ、降らないことを祈るけれど。
入り口付近に私とチコちゃんが並んで座り、奥にすーくんを寝かしている。もしかしたら、起きているかもしれないが、この際だから、寝ちゃえ~……とか思っているかもしれない。もしそうなら、のんきすぎる……殴ってやりたい。怪我人とか知らないわ。
「イブ? どうかした?」
「…………なんでもないよ。ちょっと考え事」
「そう? んー……あ、ピカさんに繋がった」
先程からちょいちょい連絡していたのだが、繋がらなかったのだ。多分、ピカさん達、忙しいんだろうな。
連絡を取るための道具は、今日、散々な目に遭ったバッジ。幸いにも壊れておらず、連絡できる状態にあった。
『こんばんはっす。……えっと…イブちゃん達だよね? どーしたー?』
久しぶりに聞く、ピカさんの声になぜだかほっとした。そういえば、一ヶ月くらい会ってなかったな……
チコちゃんは私を見てから、状況を説明するためにバッジに向かった。
「ごめんなさい、ピカさん。こんな夜分遅くに……」
『うんうん、大丈夫だよ。こっちも今、仕事終わったところだし……もしかして、何回かかけてた?』
「はい……かけてました……実はですね。ちょっと怪我人がいて……どうしたらいいのかなって、イブと話してて」
『ほへ…怪我人? どんな感じ?』
私とチコちゃんは、自分たちの言葉でできる限り、ピカさんに伝えた。拙いながらも、ピカさんは察してくれたみたい。しかし、ピカさんもウィルさんと同じようなことを言った。
『それ、縫わないとダメかな。多分、太い血管が傷ついてるよ? 内臓は大丈夫だとは思うけれど』
「や…やっぱりですか……」
『んー……あ、帰りに寄るよ。今どこ?』
「えっと……ダンジョンの中なんですよね……なんて名前だっけ?」
……えっと、確か……“アンコクのもり”です。
『ん?……そこ、地形変化起こしてて危ないところじゃなかったっけ? ダンジョン自体はそこまで危険じゃないけども』
あぁ……ペラップさんにそれ、聞きました。
『あの鳥……帰ったら絞めてやる……!』
「いやいや! ピカさん、落ち着いてください。ワタシたちも不注意でしたし……はい」
『イブちゃん達のもあるけど、こっちはこっちで色々あってね……鳥のことは絞めるつもりだったの。ムカつくし』
ペラップさん、ピカさんにどんなことをしたら、ここまで恨まれるのだろうか……?
なんかもう……憂さ晴らしに使われている気もしないでもない……ような。
『んま、そういう話は後でするとして……朝方にはそちらに行けるようにするね。それじゃ、おやすみ』
「あ、はい! おやすみなさい………って、朝方!?」
そう言ったね。ピカさん。
「ど…どう急いだら朝につくんだろ……? 流石、ピカさん」
もしかしたら、仕事場所が近いだけかもしれないけれど……どちらにせよ、来てくれるようでよかったかも。
ピカさんとの通信を切り、この場に静寂が訪れた。
厳密に言うと、奥ではすーくんの寝息が聞こえるから、全く静かってわけでもないのだが。
「あのね……チコちゃん?」
「ん? なあに?」
「これから……私のこと、話すね。私が理解している限りのこと……全部」
「え……でも…」
「チコちゃんには……知っててほしいから」
私でさえ、自分のこの力についてはわかっていないことの方が多い。幼い頃、すーくんが教えてくれた……気もしないではないが、理解していない。
それでも、今できることをしよう。
「私ね……んと…ある能力を持っているの。それがさっきの人たちが色々言ってたやつ……なんだけどね」
「うん……えっと…継承者と制御者……だっけ? 色の名前がついてたけど……?」
そう。色でランク付けをしている……と言ったらわかるかな。
継承者は莫大な力を手に入れ、操ることのできる人のこと。制御者は継承者を護るために存在する人のこと。
「でもさ、そんな大きな力を生まれながらに操ることなんて……できっこないでしょ? だからこそ、制御者がいる……んだと思う」
「えっと……うん。それで……?」
「私が技を使えないのは、そのせいなんだ」
「……………うん」
でね…………あれ。私もよくわかんなくなってきた。
えっと……えーっと……?
「説明下手だな、お前って」
「うわっ……それ言うの?……って、すーくん!」
「叫ぶな」
仰向け状態のまま、すーくんににらまれた。
ごめんなさい……じゃなくて!
「怪我、大丈夫なの? その……すごいことなってると思うんだけど……?」
「そんなことよりさぁ……チコリータさんが困惑してるけど、ほっとくの?」
そ…そんなことよりって……そんなこと言わなくたって。……でも、チコちゃんが取り残されているのは確かだもんな。紹介しよっと……
「あのね、なんやかんやで紹介しそびれたけど……この人が制御者のす…いえ、フォースだよ」
「えっと……よろしくお願いします。……フォースさん」
「呼び捨てでいいよ。あと、敬語とか面倒だろ。普通で構わない」
「ありがとう。ワタシは、チコです。……で、あの…」
すーくんはゆっくりと起き上がると、背を壁に預けた。私とチコちゃん、二人をしっかりと見るためだろうか。
「怪我の方は……まあ、なんとか。つか、駄目なら強制的にすぅの中に戻るし」
「も…もど……?」
「……最初から話そうか。……そこのお嬢様が説明下手だと知ったんで」
うぐっ……!
すーくんは私の方を見ると、薄く笑った。安心させるためか……よくわからないけれど。
……なんだよ。……ちょっとカッコいい……かも。
「すぅ、話していいんだな。こいつに」
「うん……隠すのやめたから。お願い、すーくん」
「了解した。それじゃあ、詳しく話しておくよ。……継承者と制御者。………“強き力”のことを」



~あとがき~
すーくんこと、フォースくん復活!
そして、やっぱり今回で終わらない……ふっ……
まあ、フォースが出てきたからよしとしようか。

次回、フォースが語る力の話でっせ~♪
さてさて……ちゃんとまとめられるのか……私←

あー……力の説明とかできる気がしない。
質問あれば答えます! てか、今回に限らず、わからないことがあれば、お答えしますよ。二十四時間どしどし応募してますよ……はい。
私が理解してても、伝わってなかったら意味ないですもんね……難しいな……言葉って難しい。

ではでは!