satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 1ー4

~attention~
本家ポケダンのイメージが崩れる可能性があるので、閲覧注意ですよ~!
ポチャ「……ぼくらに任せるとか言ってなかったっけ?」
ピカ「…………そだね。今回は書くの、早い」
ポチャ「えっ? あ……そうだね」
ピカ「待ってても仕方ないから、始める」
ポチャ「…………会話続けようとはおも…いませんよね……はい」
ピカ「?」


~1-4 ギルド~


「………」
言う、と決めたポチャではあったが、なかなかタイミングが見つからないのか、黙ったままだ。こちらから催促するのは出来ないため、待つしかないわけだが。
私の方から教えてほしい、とは言ったものの、この空気は少し気まずい。そんなに言いたくないことだったのか。悪いことをしたかもしれない。
「………言いにくいなら今じゃなくても…」
「あ……いや、そういうことじゃないんだ。どんな風に言えば伝わるかなって思ってただけだから。ごめんね、なんか気使わせて」
「別に」
気を使った覚えはないのだが、ポチャには使ったように見えたらしい。そんなポチャは考えがまとまったのか、一度うなずき、私を見てきた。
「えっとね……この世界のこともピカは知らないんだよね? ここはね、三つの国で成り立っているんだ」
「…………?」
「空の国、海の国……そして、ぼくらのいる陸の国。言葉の通り、空の国は空に海の国は海の中にあるんだ。ぼくは海の国の出身」
国が違うことで差別みたいなのがあるから躊躇っていたのだろうか? そんな風には見えないが。
「あ、違う違う。そんなの全然ないよ! 少なくともここら辺は平和なところだから、全くない!」
じゃあ、躊躇う理由は?
「えっと……ここにはいないんだけど、空と海の両国には王族がいて、今でも王様とかがいるんだよ。王権ってやつ」
「へえ……陸にはないの?」
「昔はあったらしいよ。けれど、ここは広いから、今は四天王って呼ばれる人達が各地をまとめているんだって」
王権……つまりは王族がいる。そしてポチャは海の国の出身……戸惑う理由。なるほど……読めてきた。
「ポチャは……海の国の王族?」
「そ…そういうこと。よくわかったね」
「話聞けば読める」
「それって、頭で整理して考えられるってことだよね。ピカって頭いいんだね♪ 凄いなぁ……」
ポチャは感心しているようだが、こんなの読解力さえあれば、誰にでも出来ると思う。相手の話で大切なことを整理し、繋げ、読み解くだけ……私には単純作業なのだが。
まあ、これを口に出して伝えることでもない。黙っていよう。説明するのも面倒だ。
しかし、これでポチャが素性を隠したい理由がわかった。確かに言いふらせることではない。国が違うとはいえ、王族には変わりないのだから、狙われることもあるかもしれない。それなら黙っていた方が自分の身を守れる。
「ぼくが国を出て、ここに来た理由は、探検隊に興味があったのと……外に出てみたかったからなんだ」
「…………そと」
「うん。ずっと王宮にいたから、違う世界を見てみたいって思ったから国を出た。でも、出たはいいがある意味散々だったけど」
ポチャは照れ隠しにも似た笑みを見せ、更に言葉を続けた。
「でもね。今日、ピカと会って、今までのことも悪くないと思う。さっきも言ったけど、ピカとならどんなことがあっても大丈夫だって思えるんだ♪ 不思議だけどね」
「…………過度な期待されても困る。それに私達、会って間もないんだけど」
「だから不思議なんだよ。それにさ、これから互いのこと、知っていけばいいんだ。ピカはぼくのことを。ぼくはピカのことを知っていく」
「私自身がわからないことを?」
「ピカ自身がわからなくても、他人から見たらわかることもあるかもしれないだろう? それはぼくも同じ」
ポチャは私の手を取り、ぎゅっと握ってきた。不思議に思ってポチャを見つめると、安心させるかのような笑顔をしていた。
「だから、大丈夫。ピカのなくなっちゃった記憶、一緒に探そう。ピカは一人じゃないよ」
「………ありがと」
心のどこかで不安に思っていた。ポチャと会う前の自分がわからない。その思いがあって、怖がる私がいた。一人だと感じていた私がいた。
ポチャは私のそんな気持ちに気づいてくれたから、そんなことを言ってくれたのだろうか。
もしそうだとしたら、ポチャも凄いと思う。
「………そのためには、強くならなくちゃだね♪」
「うん……そうだね」
これからきっと、沢山の時間を彼と過ごしていくのだろう。互いに知って、考え、思いやる……そんな日々。
それは多分……いや、絶対に楽しくて輝かしいものになる。辛いことなんて思わせないくらい、明るい時間になる……と、根拠もないのにそう思った。
私は思ったよりも楽天家なのかもしれない。
「そろそろ夜……だね」
「そうだね。ってことは、ペラップがもうすぐ来るのかな」
「………かもね」
そんな会話をして、間もない頃にペラップがやって来て、そろそろ夕飯の時間だと知らせに来た。毎回こんなことをしているのかと思ったが、そうではなく、今回は夕飯のついでに私達の紹介をするために特別に、とのこと。特別というワードに力がこもっていた気もするが、大したことではないので、スルーさせていただく。
そんなことより、私にとっては重要なことがある。他のメンバーに紹介されるということだ。どうにも初対面の人の前だと目立ちたくない、という気持ちになり、一歩下がってしまう。警戒心が強いということなのかもしれないが、悪く言うと人見知りなのか。
記憶がないから、異常に気を張っているのだろうか。困ることはないが、後々面倒なことになりそう。それはそれで嫌だ。……が、今すぐに性格を変えられる訳でもない。というか、これが本当の自分だとも思ってないのだが。
とにかく、だ。ここはポチャに任せ、他のメンバーを覚えることに専念しようか。何を言えばいいのかわからないし、下手に話して墓穴を掘りたくもない。
「ポチャ……紹介、任せる」
「え? あ……うん。わかった」
少し首をかしげながらも、私の要求を受け入れてくれた。深く追求してこないことがありがたい。
ずっと真っ直ぐ歩いてきたところでピタリと止まった。恐らく、この先が食堂なのだろう。
「さて……これからお世話になる先輩達だからな。失礼のないようにな♪ まあ、そんな上下関係もないから、気楽にしてもらって構わんがな」
「あ………はい!」
「ワタシ相手にも敬語でなくてもいいぞ? 上下関係、皆無だからな。親方様があんな感じのお方だから」
……そう言われると、そういうの無理そうな人に見えたな。むしろ、上下関係ってなに? みたいな人に見える。
「だろう? だから、失礼のないようにな……と言ったが、加減を考えてくれればいい。では」
ペラップが食堂へと足を踏み入れ、私とポチャもその後に続いた。中には入ると、ほぼ席は埋まっており、奥の席がいくつか空いているだけ。まあ、そこまで大きくない食堂ではあるから、こんなものだろう、とは思うのだが、結構、弟子がいるものだ。プクリン親方という人物とは一体。
「おい、ペラップ! 遅いぞ、早く飯食わせろ!」
「ちょっとドゴーム。うるさいですわ! それにそこの新人さん達が引いていますわよ?」
「う………!」
ドゴーム……あぁ、あの見張り番の声の人だ。声大きい。うるさい。でもあれか。声大きい方があの見張り番ではいいのか?
そしてそのドゴームを止めたのは、女性のキマワリだ。この人は初見。
「悪いな。キマワリが言った通り、こいつらは今日から入った新人だ♪」
「今日からお世話になる、ポチャって言います! こっちのピカチュウはピカ。これからよろしくお願いします」
ペコッと頭を下げたポチャに合わせ、私も頭を下げた。若干、ポチャの半歩後ろにいるのだが、そこら辺は気にしないでいただきたい。
「あら、数少ない女の子が入ってきましたね。私はチリーンです。ここでは、料理と依頼の受理、受付をやっています♪ よろしくお願いしますね」
「わたくしはキマワリですわ。ギルドでの仕事は特にしていませんが、探検家として働いてますの。よろしくお願いしますわ」
恐らく、ここでの女性の方はこの二人だけなのだろう。残りは男の人……か。薄々感づいていたが、この仕事で女の人がいるというのは、珍しいのだろう。そもそも、探検隊という言葉の響き自体、女の人が憧れるものかと聞かれるといいえ、と答える。私も行くところがないし、頼れるのがポチャだけだし、手がかりを掴む手段がこれしかないから、入門したに過ぎない。ある意味、覚悟が足りていないようにも思えるし、それは失礼に値するのだが……今はまだそんなのは無理だ。そんな人生をかけるようなもの、今の私には重すぎる。
………甘えているのかもしれないが。
「ワシはドゴーム。ギルドでは見張り番をしてるぞ! あと、朝起きてこないやつを起こす係だなっ!」
先程、キマワリと言い合ってたドゴームか。この声の大きさに慣れるのに時間かかりそうだが、悪い人ではない……と思う。あと目覚まし係なのか。
「ボクはディグダです。ドゴームさんと一緒に見張り番してます。よろしくお願いしますね」
恐らく……と言うか、絶対この中では最年少と思われる彼は、見張り番で足跡を見分けていたはず。なかなかの観察眼だな。欲しい、それ。
「ワタシはダグトリオ。掲示板の更新をしている」
ディグダとは親子かな。多分。
掲示板というのは、地下一階にあった、あのボードのことだろう。二つあった気がするが、両方ともしているのだろうか。
「…………」
無言を貫くグレックルがいる。紹介する気がない……わけないか。あ、今こっち見た。
「ええっと、あっしはビッパでゲス。こっちのグレックルのことは気にしなくていいでゲスよ! いつもこんな感じでゲスから……」
明きらかに口癖が目立っているような……いや、構わないんだけれど。しかし、何も話さないグレックルの代わりに紹介してくれるとは。こういうのフォローというのかな。
「オイラはヘイガニ! よろしくな、ヘイヘーイ!」
この人も口癖が目立ってる……ビッパより目立ってる。こちらはドゴームに負けず劣らず声が大きい。いやまあ、どちらかと言えば、ドゴームの方が大きいのだが、そういうことではなくて。なんというか、熱い人って伝わってくる。
………そういうの、いいんだけど。
「そして、ワタシがプクリン親方の一番弟子のペラップだ♪ 明日からワタシが色々指示出すから、それに従い…」
「そんな長ったらしい話は後でやれ! 後で! こっちは腹へってんだよ!」
「ボクもお腹空いちゃった♪ ペラップ、号令っ!」
ペラップの自己紹介が途中だったが、ドゴームと親方に横やりを入れられ、強制終了。止められたペラップは悔しそうにしていたが、親方に言われたことが効いたのか、再開することはなかった。私とポチャを空いている奥の席に案内し、こほんと咳払いをする。
「では………いただきまーすっ!」
「いただきまーすっ!!!」



~あとがき~
まず、謝らせてください。
今回の小説、まさかの4000文字超えをしてしまいました。いつもはやっちゃっても3500文字ちょい超えくらいなんですけど、これは前書き+本編で4000文字超えです。多分、前書き抜いても4000いくかいかないかくらいかと思われます。
けどね! 言い訳としては、切りどころがわからなかったんだよ! ギルメン紹介、止めようかと思ったよ!? けど、いつもより少なすぎるって思って、軽くやっとくかーとか思って書いたらこのざまだよ!
4000は長いんだよ………疲れるんだよ。縦書きならいいけど、横だと読む気、失せますよね……すいませんでした。
とにかく、長ったらしくてすいませんでした。
地の文が多いので、飽きが来た方もいるかもしれませんが、今回はお許しを………!
空と海とかは3000文字ちょいで終わらせるから、長く感じると思うんだよね……わかんないけど。

次回、寝ます。

ピカとポチャ、出会ったばかりだけど、信頼関係もう出来てる気がする。
あと、ピカの頭のよさがチラチラと見えてますね。
他に言うことといえば、国のことを書きましたが、本編に絡むのって陸だけなんだよね((
小ネタしかないや。

ギルメンはゲームと同じメンバーです。若干、違うところがあってもそこら辺は気にしないでね。
ペラップの扱い、かわいそうだけど、あんなんだったはず。
これを機に、ポケダンやり直そうかな。前にも同じこと言った気がする。

ではでは!