satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 3ー3

~attention~
この作品はゲームを元にしております! イメージが崩れるのが嫌な方はバック!
ピカ「………元にしてるの、ポケダンだから」
ポチャ「それ言わないとよくわかんないよね」
ピカ「………うん」
ご…ごめんなさい……


~3‐3 目眩の先にあるもの~


何とかしなければ、とは思う。思うのだが、果たして今のことを話して信じてもらえるのだろうか。いくら、お人好しで疑うと言うものを知らなそうなポチャでも、流石に起きてもいないのに、よし行こう、等となるはずもない。
かと言って、このまま放っておくのも……
「ピカ? どうかしたの? ボーッとしちゃってさ」
私の顔を覗きこむようにして、ポチャが話しかけてきた。何の前触れもなく、よくもまあ、こんなこと出来るな。
そんなことを思いながら、駄目元でポチャに今まで見たこと、聞いたことを話した。小馬鹿にされるものだと思っていたが、ポチャは真剣な顔をして私の話を聞いてくれた。
「えっと……それが本当なら早く行ってルリリ達を助けなきゃ。……助けなきゃなんだけど…でも、ぼくにはスリープが悪いやつには見えなかったよ?」
私には信用出来る人には見えなかったけどな。
「それにさ、新人のぼくらは勝手なこと出来ないし。きっと、ピカ色々あって疲れてるんだよ」
あ、否定出来ない。
半ばポチャに押し切られ、私はギルドに戻ることとなった。あまり腑に落ちないが、ポチャの言うことにも一理ある。この前、変な夢を見たばかりだし、それと同じ類いなのかもしれない。もしそうであるなら、私は相当ヤバイような気もするが、そこら辺は気にしないでいこう。

ギルドに戻った私達は地下一階にある、お尋ね者の掲示板の前に立っていた。そこにはビッパもおり、私達三人は掲示板と向き合う。
「あんまり怖そうなやつじゃないのがいいかな~」
「わかってるゲスよ」
私はあまり興味がないため、特に真剣に見ることなく、ボーッと眺めていた。頭に過るのははやり、先程の光景だ。夢で片付けられないのは、私が深く考え過ぎているからなのか……はたまた、あのスリープが気に食わないからなのか。あぁ……後者なような気がする。
そんなことを考えていると、部屋に警報が鳴り響いた。意識が半分どこかへ飛んでいた私を覚醒させるには十分な程の音量だ。
「えっ!? 何!」
「大丈夫でゲス。これは掲示板の更新を知らせる警報ゲスから」
「え、更新……? って、これの? 誰がやってるの」
「ポチャも覚えてるゲスか? ダグトリオって人が定期的に張り替えてるんでゲス」
「あ…あぁ……覚えてるよ。そうなんだ…なんか大変そうだね?」
「大変な仕事だけど、とっても大切な仕事でゲス。だから、ダグトリオも誇りを持ってやってるでゲス♪」
ビッパが言い終わるのと同時に、更新の終わりを告げる警報が鳴り、新たに張り替えられた掲示板を見る。パッと見、特に変化はないが、そこに張られた顔ぶれは変わっているのだろう。
「さて、改めて仕事を決めるでゲスよ♪」
「うん。そうだね」
どれ行ったって同じだろ。
また、ポチャとビッパで掲示板を見始めた。私は変わらず、掲示板から目をそらし、窓から見える空を眺める。
いつになったら、仕事は決まるのだろう。
「………! ピカ」
「………何?」
「左上の……左上のあれって………」
「もう。はっきり言えっての。…………あ」
ポチャに言われ、渋々見上げたそこには、先程見かけた顔があった。黄色くて、嫌な笑顔を浮かべる、スリープの絵が描かれている手配書。
「っ………ルリリ達が危ない! ピカ、行こうっ!」
「え、ポチャ!? どこ行くでゲスか!」
慌ててギルドを出ていくポチャ。仕事、受理されてないんだから、勝手に行ってもノルマ達成されないんだが。
私はため息をつきながら、スリープの手配書を掲示板から剥がすと、ビッパに渡した。
ビッパ、これ、私の代わりに出しといて」
「それはいいでゲスが……一体どうしたんで…」
「ごめん、説明する時間ない」
無理矢理ビッパに押し付け、私もギルドの外に出る。そこには、ポチャとマリルの姿があった。
「ポチャ、マリル……!」
「ピカ、ルリリがいなくなったらしいんだ」
「はい。最初は三人で落とし物を探してたんです。でも、途中でスリープさんがルリリを連れていっちゃって。呼んでも戻ってこなくて…」
「二人、どこ行ったか……わかる?」
「はい! こっちです!」
私とポチャは互いに顔を見合わせ、うなずく。そして、先を走るマリルの後を追った。
しばらく走り、山道の入り口……ではなく、ダンジョンの入り口へと辿り着いた。確か、ルリリとスリープは山のようなところにいたはず。あの夢は嘘ではない、ということなのか。出来れば、嘘であって欲しいものではあるが。その願いは叶うまい。
「ピカ、あの話でルリリとスリープは……こんなところにいた……んだよね?」
「うん。その山頂ってところかな」
「そうか………よし、マリルは危ないから、ここにいて。ぼくらで見てくるから」
「はい………あの、気を付けてください」
「大丈夫。私達、これでも探検隊だからね。……ポチャ、行こう」
「うん! 必ず、助けなくっちゃね!」
心配そうに見つめるマリルを入り口で待たせ、私とポチャはダンジョンの中へと踏み出した。見た目から言って、山のダンジョンなのだろうか。なるべく急がなくては。
ダンジョン内は特に難しいと感じるところはなく、以前のカラナクシ軍団のように襲ってくる奴らもいなかった。その点で言えば、普通のダンジョンと言えるだろう。……まあ、そこまで頻繁にダンジョンに出向いたことはないけれども。
「あのさ、ピカが見たってやつ、あれって未来が見えたってこと?」
「そうなるね。……声を聞いたとき、ルリリは傍にいたもの。でも、偶然なのかな」
「偶然だとしても、ピカが見たお陰で何とかなるかもしれないんだ。先を急ごう。何かあったら大変だ」
「そうだね」
きっと、山頂まであと少しだ。何としても、ルリリを助けなければ。



~あとがき~
なんか適当になってきました。ごめんなさい。
ダンジョン探索とか特にネタないんですもん(笑)

次回、スリープとピカがバトります。ピカが感情的になりますぜ。

ポチャに恋愛感情とか湧いてない頃だから、今絶対に意識してやらないようなことも出来ちゃいます。今回は顔を覗きこんでますが、本編のポチャくんに果たしてそれが出来るのか否か……
ちなみに、覗きこまれたピカちゃんは、よく女の子相手にこんなこと出来るな、と冷静に分析しちゃってます。照れるところなんですが、今の彼女に求めても仕方ないんですよね。はい。

ではでは。