satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第198話

~前回までのあらすじ~
キーテとピカ、ゆるーく終わりましたね。今回はヴァルツの方へと向かいます。どうなったんだろうね、あの人。
ヴァルツ「死んではないとだけ」
ピカ「まあ、そうだろうと思ってますよ」
もうね! もう終われる! はず!!
ピカ「もう、二百話目の前なんですけど~」
ヴァルツ「本編は全体の半分ってところか」
ピカ「話数がってところじゃないのが怖いところですよねぇ~」
やめて……


前を走るピカを黙って追いかけつつも、周りの警戒は怠らないようにしていた。とは言え、ポチャが気付く前にピカの方が反応が早く、敵はピカの手によって倒されていた。更にその敵達は復活することなく、消えるところを見るに、彼女は的確に弱点を突いているのだろう。勘なのか、見えているのかは定かではないが。
「もうそろそろ、ヴァルツさんに言われた地点なんだけど……あは。すっごい嫌な感じ」
『む。……大方、予想はしていたがの。こうなると、相手が弱いことを願うのみじゃな』
二人には何が起こっているのか分かっているらしいが、ポチャにはさっぱりである。だからといって、この二人が説明をしてくれるわけでもない。
「こっから狙える?」
『狙ってもよいが、マスターの仲間も巻添えになるかもしれんぞ。それでもよいなら、やるがな』
「……んじゃ、加速しようか。ポチャ、ついてこれたらついてきてね~♪ ここ真っ直ぐだからさ」
「えっ!? いや、待って。説明を……!!」
「説明する時間も惜しいんだよね。……一言で言えば、神器使いと一戦交えてくる、かな」
「神器使い? それってピカと同じ……ってあぁぁっ!? もういないし!」
一言だけ言い残し、雷姫を使って移動スピードを上げたピカは、一瞬にしてかなり先まで行ってしまったらしい。ポチャが内容を聞き返す時間もなかった。これでは、何のために合流したのか分からない。しかし、場所だけは言っていたので、辿り着くことは可能である。
「もー! これだからピカはー!!」
こんな調子で呆れつつも、心のどこかで安心感とどうにかなると考えている自分がいた。ピカの存在がそれほどにも大きいのがはっきりと分かる。
ピカ言う真っ直ぐをひたすら走って追いかけることに専念した。少なからず時間はかかっても、合流は出来るだろう。

ヴァルツはトリスを小さく、普段から馴れていて扱いやすいナイフに変化させ、対応していた。相手が大剣であるため、懐に入ったり避けたりするのには適当であったのだ。しかし、技術面や身体能力でカバーをしているが、体力面では大幅に遅れをとっていた。
「うえっ……化け物かよ」
『ヴァルツも大概だと思うけれどね。……こいつから、全く神霊の声が聞こえない。完全に意識飛んでいるのかな? しかも、二人とも暴走状態。んふふ。嫌だねぇ』
「嫌だと言う割には、楽しそうだな」
ヴァルツが大きく避けたために、空振りをするガオガエンから距離を取りつつ、体勢を整える。逆手にナイフを持ち変え、呆れ気味にトリスに問いかけた。絶望的な状況にも関わらず、彼の声は弾んでいたのだ。この状況下が楽しくて仕方がないと言わんばかりの調子だ。
『まあねん♪ こんなピンチ、滅多になくない?』
「……確かに久し振りではあるが、俺は楽しくはないからな」
『ふふん♪ ヴァルツもまだまだだね』
「……は?」
『あっははっ♪ ほらほらぁ~? 来るよ。前』
トリスの声で前を向くと、ガオガエンがゆらりと体をふらつかせつつ、こちらに向かって剣を振り上げてきた。上から下に振り下ろすつもりなのだろう。後ろか前に避けるか考えたあと、攻撃を仕掛けるために一気に前進をした。体もあちらの方が大きいため、股下を潜り抜けて、攻撃を回避した。それと同時に相手の背後を取る。
「トリス!」
『まっかせて~♪』
呼びかけに応じ、トリスはナイフから片手剣に姿を変えた。くるりと手のひらで回して持ち変えると、素早く相手を斬りつけた。斜めに二回、体を回転させて一文字に一回、計三連撃の攻撃を繰り出す。これで怯めばよいと思ったのだが、ガオガエンは二、三歩よろけただけで、大したダメージにはならなかったらしい。振り向き様、大剣による一文字に斬りつけられ、大きく横方向へと飛ばされる。咄嗟に防御姿勢は取っていたため、真っ二つになることはなかったものの、これによってぷつりと糸が切れてしまった。
「げほげほっ!……けほっ……これ、立てる気、しない……トリス、折れてないか」
『折れるわけないでしょ。……あれ何? めっちゃヤバいんだけど。あと! 斬ったとき! 手応えなさすぎ!』
ピカが来るまでの時間稼ぎをと思ってここまで戦ってきていたが、どうにもこちらが消耗するばかりでダメージを与えられている気がしないのだ。そして、トリスの言う手応えは、ヴァルツも感じていない。撤退も視野に入れているが、そもそも相手が邪魔で逃げることも不可能に近い。仮に逃げ道があったとして、敵が大人しく逃がしてくれるとも思えなかった。
「あー……にげ……てもなぁ」
『進行方向、敵に阻まれてるんだけどぉ?』
「そうなんだ、よな…………どう、しようか」
『ねえ、ヴァルツ? ここで寝るとかやめてよ? お前を守りながら突破は出来ないから。寝るな!』
「……ねては、ないけど、なんかもう、思考が……追いつかない」
実際、トリスが指定してきた三分はとうに過ぎている。ヴァルツがここから戦いの場に戻ることは出来ないだろう。それはトリスも分かっている。分かっているが、諦めは死に直結してしまうのも事実である。トリスはヴァルツに色々と要求してきた身であるが、別に彼を死なせたいわけではない。だからと言って、どうにか出来るような案も出てはこないが。彼らの頭脳であるヴァルツがほぼ動けないため、どうしようもないのだ。
「ガ……ヴヴ……」
『獣みたぁい……ほんとに理性の欠片もないねぇ……醜いなぁ』
「お前が言うか……けほ……あ」
『え、なあに……っ!?』
ヴァルツに何かに気が付き、それでトリスもあるものに気が付く。そして、何も言わずに剣からリーフィアに姿を変えると、ヴァルツを抱え、大きく横へと飛び退いた。先程いた場所は激しい電撃の直線状にあったらしく、地面に焦げ跡を残して電気は宙に散った。電撃を直接見たわけではないが、かなりの大技であったことは、焦げ跡を見れば嫌でも認識せざるを得ない。ガオガエンが巻き込まれたかは分からないが、結果的に二人の退路は目の前に現れた。電撃が飛んできた方向へ走り出しつつ、トリスは背中に冷たいものを感じていた。
「こっわ……え。何。これ……この終盤にこんなの撃ってくるの」
「本気……ってこと、だろ」
「そーゆーことでぇす♪ 遅くなりました~」
前に立っていたのは現れたのはピカだった。目を赤く光らせ、雷姫を構えている。目が赤いのは雷姫の能力だろう。雷姫の使い手に与えられる能力は攻撃力上昇、素早さ上昇など、肉体強化が一つ挙げられる。他にもあるらしいが、トリスもヴァルツも詳しい内容は知らない。
「ヴァルツさん、死にそうな顔してますね。でも、まだ死ぬには早いですよ?……雷姫。二分、稼いできて」
「はあ!? あれ見て、道具の僕らにどうにか出来ると思えるの!? 頭おかしいね!」
「ふん。我と貴様を同類に語るな。マスターがやれと言うのなら、それに従うのみ。それに、我になら出来ると思ってくれているからこその命令だ」
実体化した雷姫はトリスを一瞥するとふいっとそっぽを向く。そして、そのまま敵に向かって走り出してしまう。いつの間にか地面に座っていたヴァルツがガオガエンと雷姫を見つめつつ問いかけた。
「ピカ、いいのか?」
「はい。人の子ごときに雷姫を倒せるわけがないので。……でも、雷姫はあくまで時間稼ぎしか出来ません」
ピカはヴァルツのポーチに手を突っ込み、いくつかの薬と注射器を何本か取り出した。ざっと目を通し、適切なものだけをヴァルツに投与していく。
「……これくらい、自分でやってくださいよ~? まだ、やってもらいたいことがあるんですから」
「瀕死のやつを捕まえて、よく言えるな……」
「ヴァルツさんにしか出来ないんだから仕方ないでしょう? 私は私でやることやりますんで」



~あとがき~
はー……あと十話くらいで終わればいいね……無理だね。めっさなげぇ……

次回、ピカVSガオガエン
片方、意識飛んでるとはいえ、神器使い同士の戦いになります。ヴァルツもそうだったけど、ほぼカットしましたからね((←

今回の話で一番不憫なのは、ポチャだと勝手に思っています。ヴァルツもなかなかだけどね。

神器同士……この場合は神霊同士ですかね。彼らはお互いの面識があるわけではないです。ですが、ピカとヴァルツは顔見知りですんで、トリスと雷姫はお互いを認知してます。だからって仲いいとかそういう話ではないんですけれどね!

ではでは!

空と海 第197話

~前回までのあらすじ~
華麗にピカさんの復活! やったね。
ピカ「うえ~い」
ポチャ「色々言いたいことがあるんだけど……」
まあ、だろうね……でもまあ、本編の中で語ってくださいな二人で! うん? 二人じゃないか……敵がいるか。
ポチャ「どっちでもいいよ!」
ピカ「落ち着きなよ~? 人生色々だからね!」
ポチャ「なんでこんなに明るいんだ……」


「ピカ……どうやってあいつを……っていうか、なんで寝てないの!?」
ピカのことを見上げながら、目の前に現れた相棒に質問を投げ掛ける。いなくなったことは知っていたが、いなくなった理由を本人の口から聞きたかったのだ。ピカは心配するポチャを余所に、面倒臭そうに口を開いた。
「質問多いなぁ……いいけどさ。まず、前提としてこんなときに寝てられなくない?」
「そ、そうかもだけど! 大丈夫なの?」
『本来なら、大丈夫とは言い難いの。しかし、我がついておるし、死なせはせんよ』
ピカが答える前に彼女の持つ刀、雷姫が自信満々に答える。雷姫の答えを裏返せば、まだ万全の状態ではないということになりかねない。しかし、ピカは特に気にした様子もなく、取り戻したスイをポチャに投げ渡す。
「ちゃんと持ってなきゃ駄目だよ。スイちゃんとセツちゃん、かわいそうでしょ?」
「あ、ごめん……ありがと」
『すいちゃー!!! おかえりぃー!!』
『せっちゃー! ただいまぁ!』
一時的に手元を離れていただけだったが、二振りにとっては感動の再会となったらしい。申し訳なさを感じながら、ゆっくりと立ち上がる。ピカの一歩後ろに立ったところで、キーテも立ち上がったらしい。それなりに飛ばされたようで、遠くの方でよろめきながら立ち上がっていた。
「……敵意は感じない。戦意も感じない。……私の一撃で無くしたのか……あるいは、私には興味ないってか? ははっ……馬鹿にしやがって~♪」
目を細めながら、冷静に分析をする。構えていた雷姫をラフに持ち直し、辺りを見回した。ここら一体で何かの気配は感じない。ここにいるのは、自分達と敵のキーテのみだ。ここを終わらせれば、当初の目的を果たせるだろう。
「雷姫」
『ふむ……問題ないぞ?』
「了解。……ねえ。やる気ないなら、どっか行ってもいい? こっちは忙しいんだよねぇ? あなた達の横やりで仕事増えたしさぁ~? 私の読みは半分外れるしぃ~? いや、ある意味では当たっていたかもだけど……この際、どうでもいいというか」
ある程度、会話出来る距離まで両者が近付いたところで、再度バトルになるかと思われたが、キーテはそのまま素通りする。そして、ぴたりと歩みを止めると少しだけ振り返った。
「最初は、戦うつもりなんてなかったんだけど、成り行きでこうなったことは謝罪するよ。……なんて、する必要もないかもな」
「お互い様ってことで。貸し借りなしだ」
「分かりやすくていい。それじゃあ、また」
「またなんていらないけどねぇ~……そうも言ってられないか」
ピカの言葉に肩をすくめると、再び歩み始める。そして、その歩みを止めることはなく、この場から去ってしまった。それを確認し、ピカも肩の力を抜くとへたりこんでいたポチャに手を差し伸べる。
「ほら。立てる?」
「あ、ありがとう……で、ぼくの質問、まだ答えてもらってないんだけど」
「あぁ……あのピチューを吹っ飛ばした技? んなもん適当に飛ばした電撃に決まってるでしょ。遠くから気づかれないようにね」
「……まさかとは思うんだけど、“雷龍”じゃないよね? そんな大技をそんな状態でやるわけないもんな?」
立ち上り、ピカと目線を合わせつつ、にこりと問い詰める。ポチャの知る限り、同じタイプで効果がありそうな技は、“雷龍”しかないと思っているのだ。
“雷龍”は“龍陣”という技の一種で、本来は陣を描き、呼び出すような形で使う技の一つである。その中でも“雷龍”は、強力な電撃を龍のような形に変形させて撃つ技である。また、威力を調整することで様々な恩恵を授かることの出来る応用性のある技だ。しかし、“龍陣”とは、あまりにも強力な技であるがために、使用者はほとんどいないのが現状であり、使えばそれなりの反動が返ってきてしまう。
「……想像に任せるよ♪」
この返答を聞くに、ポチャの考えは概ね正解しているらしい。反論しないのが一番の証拠であった。さらにと言わんばかりに問い詰めた。
「移動しながらってことは、陣も描いてないんだよね……ピカぁ?」
「大丈夫大丈夫。なんとかなるよ」
「死んじゃっても知らないからね!?」
陣を描かずに使うことも可能ではあるが、威力は落ちるし、失敗する確率も格段に上がってしまう。失敗しても反動は返ってきてしまうため、リスクしかないのだ。これで死んでしまう使用者も過去を見れば少なくない。
「死なないよ。雷姫がいるから。……私がいない間、リーダーしてくれたんでしょ? ありがとう。これからは私がやるから、ね」
ポチャはそう言われ、今まで持っていた無線機をピカに手渡した。プクリンのところに配属された者達への指示はここから出来るし、全体に呼び掛けることも可能である。彼女が指揮を執るなら問題はないだろう。
「……うん。ねえ、ピカ……?」
「んー?」
「今の状況、分かってる?」
「うん。得たいの知れない敵がうようよしてるんだよね。その対処法も把握はしてるけど、対応は出来ない。……いや、対処法は全体的に知っている人は少ないか。とりあえず、そっちをどうにかしなきゃねぇ……考えはあるんだけど、私だけじゃどうにもならない」
移動中、あるいは、身を隠していた間に今の状況を把握していたらしい。把握だけでなく、どうするべきかの打開策まで用意しているらしかった。ピカの頭のよさにはいつも驚かせられる。
「……時間がない。ヴァルツさんのところに行くよ! ポチャもついてくるでしょ?」
「え、あ、うん! 行くけど……なんでヴァルツさんの名前が?」
「あの人、瀕死なんだよ。ウケるよね~♪ あの人に死なれたら困るから助けに行くの。ヴァルツさんがいなきゃ、この状況も打破出来ないから」
笑顔で言うことではないだろうが、それが本当ならば助けなければならない。ピカを先頭に戦場の中を走り出した。他にも聞きたいことは山程あったが、今はピカに従うのが先決であると判断したのだった。



~あとがき~
ピカとポチャがちゃんと話して、合流して、力を合わせて戦います。いつぶりやねん……

次回、ヴァルツの下へと向かう二人! 二人が見たものは!?
特に深い意味はないんですよね。この次回予告(笑)

“龍陣”の話が出てきました。昔に設定で出したことがあった気がしますが、遠い昔なのでここでも軽く説明をいれました。要はめっちゃ強力でやばい技だってことです。
ちなみに、ポチャはポチャで“水龍”という“龍陣”を使うことが出来ます。出るかは知らないですが。考えてないのでね! 分かんない!

ではでは!

空と海 第196話

~前回までのあらすじ~
あちこち走り回るポチャ君。ピカを探して転々としているところですな。
ポチャ「ほんっとにね……」
まあ、頑張れ。ここら辺はノープランなので、さっさと進めていきますわ。
ポチャ「……大丈夫なのかな」
さあ……? なんとかなるなる!!
ポチャ「ほんとに大丈夫?」


後ろを振り返り、誰もついてきていないことを確認をすると、ほっと息をつく。
「ちょっとは気を付けなきゃな」
再びピカを探して歩き始める。しばらくは黙って探していたのだが、ある気配を感じて、その動きを止めた。その気配が何なのかまでは分からない。そこまで敏感ではないため、じっと集中しなければどこから来るのか分からないのだ。
「何……?」
スイを構え、警戒体制に入る。近くの影から現れたのは一人のピチューだった。片耳にバンダナを巻き、首元の毛先が少しだけ跳ねていた。怯えている様子もなく、戸惑っている様子もない。ただ、何かを探すように辺りを見回していた。
「……ねえ、君、誰か探してるの?」
「え? あぁ、いえ。お構い無く」
ポチャに話しかけられ、にこりとも笑うことなく返答した。見た目はポチャよりも年下だと思われるが、落ち着いた受け答えにそれも疑問に思えてくる。
「え、一人?」
「いえ。仲間がいたんですけど、どっか行っちゃいまして。……まあ、今回、僕は何もしてないし、関係ないんだけど」
「その仲間を探して?」
「一応。形だけでもしておかないと拗ねるし……ところで、大海のポチャさん」
久し振りに呼ばれた通り名に反応が遅れる。そんな名前もつけられていたなと思ったくらいだ。
「……あ、ぼくのことか。何?」
「初めて見ましたけど、結構隙だらけですね。わざと?……それとも、スラに何か言われたか?」
「! 君は」
「あーっと……先に言っておくけど、僕に戦意はない。武装もしてないし、今回のことはリーダーの独断なんだ。それにスラが駆り出されて、僕は半分、遊びみたいなものだったんだけど……黒さんが見てこいって言うから、敵地観察」
ひらひらと力なく手を振る。ピチューの言う通り、見たところ武装した様子はない。彼から聞いた名前は以前、ピカから聞いたものと同じものである。話の内容も嘘はないだろう。つまり、このピチューも敵であり、倒すべき相手なのだ。
「君の名前は」
「キーテ。雷獣から聞いてないか」
「さあ。……名前までは知らないよ。ひと悶着あったのは知ってるけど」
春祭り前に敵と交戦した話は前に聞かされていた。そこで名前が伝えられたかまでは覚えていないのが本音である。そもそも、ピカが彼から名前を聞いたのかさえ謎だ。
「こっちは色々知っているよ。敵のことを知るのは常識だから。……海の国の第一王子ティール・クランド。ここでは、探検隊スカイのサブリーダーで雷獣ピカのパートナー」
攻撃の体勢は取らず、知っているらしいことを話し始めた。攻撃されていないし、突然襲うのも気が引けてしまう。先手必勝なんて言葉があるが、今のこの状況ではやりようがなかった。少なくとも、ポチャの性格ではそんなことは出来なかった。これが誰かを人質にしているなど、そんな状況なら話は変わってくるのだが。
「時の歯車事件、悪夢事件を解決したヒーロー……ってところかな。他にも実積あるんだろうけど。……で、今から約一年前。ある仕事中、自分のパートナーに大怪我を負わせてしまった……だったか。このことをつつかれた?」
「……っ」
無意識に反応してしまった。先程と同じように。キーテはそんなポチャを見ても特に何かをするでもない。
「スラから聞いた話はそんな感じだったな。その様子はビンゴ? あ、これ以上は何も言う気はないから。でも、失望はしたよ。そんなものなのか? 雷獣の相棒は」
ふっとその場から消えたと思ったら、一瞬でポチャの懐へと潜り込んでいた。小さな体を生かして隙間へと入ってきたのだ。抵抗する間もなく、腹に蹴りを入れられていた。その反動でスイを落としてしまう。
「聖剣と神器の違いは扱いやすさにある。神器は人を選ぶが、聖剣は素質があれば誰にだって扱える……もちろん、最大限引き出すにはそれ相応の努力と素質が必要だろう。が、単純に使いたいだけなら、その必要はない」
『てぃー!』
「けほ……っ! スイっ!」
ポチャが呼び戻す前に、キーテがスイに近づき、軽々と持ち上げる。自分の身長とほとんど変わらない剣を何でもないように扱った。
「聖剣二振りは扱えないけど、一つだけなら問題ないな」
「スイ……来い、セツ」
『はいなっ!』
セツを構え、キーテを見据える。キーテはこんな状況でも至極冷静だった。こういう場に慣れているかのように全く動じなかった。
「剣を向ける勇気はあるんだな」
「……ぼくも探検隊の端くれだ。やらなきゃいけないことは分かっているつもりだよ」
スイを取られたということは、ポチャの心に隙があったということになる。聖剣の主はポチャなのだ。その気になればキーテの手から無理矢理引き剥がすことだって可能なはず。しかし、それをしないのは、呼び戻せないと直感で悟っているからだ。今の精神状態では、剣はついてこない。取り戻したいなら、敵の隙をつくか、気絶させるか等をする必要があった。今のポチャにそれらが出来るかは定かではないが。
『てぃー……すいちゃ、帰ってくる?』
「取り戻すよ……っ!」
「やっぱり、聖剣の力までは引き出せないか……そこそこ軽いし、僕には合わないな。……まあ、この際、何でもいいけれど」
『やーだー! てぃーのとこ、もどるー!』
何度か手に馴染ませるように素振りをしていたキーテが呟いた。聖剣を手に出来たのは、彼の剣士としての実力が高いためだろう。スイの声は聞こえているのかいないのか分からないが、聞こえていて無視している可能性が高い。
スイを構えたキーテが、ポチャの懐を目指して走ってきた。それにポチャが対応出来ないはずもなく、防御姿勢を取る。突撃を防がれつつも、キーテは体を捻らせ、横からの斬撃を繰り出した。その攻撃の速さは普段、ポチャが繰り出すものより数段上であった。
「はやっ……! セツ!」
『あうーー! がんばう!』
セツを冷気に溶け込ませ、一瞬で盾のように変形させた。スイとポチャの間にはばかるように作り、一度距離を取る。
「雪花はそんなことも出来るのか」
「……ほんと、詳しいね。色々」
「神器は文献などほとんどないが、聖剣はそれなりに出てくるからな。使い手が多かったという証拠。それでも、一度に複数を操る人は少数だろうな」
『てぃー、ちょーし、わるい? だいじょぶ?』
「……さっきのあれで、心が乱れてる……んだろうね。あまり、大丈夫じゃないよ」
セツに指摘されなくても、動きが鈍いことと狙いが定まっていないことは分かっていた。剣の乱れは心の乱れだと、何度も師に……父のブライトに教わったくらいだ。
盾に変形させていたセツを剣に戻し、再び構える。少しだけ手元が震えているのが分かる。これだけ乱されるとは思わなかったが、自分が考えているよりも、トラウマとはずっと根深いものなのだろう。立ち向かうことすら、嫌になるくらいの虚無感を感じていた。ここでやめてしまえば、どれだけ楽になれるのだろうと考えてしまう。
その気の迷いが敵に悟られないはずもなく、キーテが突っ込んできた。剣を振り上げ、数秒後には振り下ろされるだろう。
「敵意がないと言ったが、訂正しよう。見ていて腹が立つから、ここで斬らせてもらおう。……迷いがあるものから戦場では消えていく。……だから、大海はここでさようなら、だ」
「……っ!」
『てぃー!』
セツを盾にするのも間に合わない。何かの技を使って回避するにも時間が足りない。出来ることいえば、少しでも体をずらし、致命傷を避けるくらいだろうか。体をずらしつつも思わず、ぎゅっと目を閉じ、来るべき痛みに耐える準備をした。
しかし、その必要はなかったらしい。いつまでも痛みが襲ってこない。目を開けてみると、キーテが目の前からいなくなっていた。
「……な、んで?」
「私の下に来い! スイちゃん!」
ポチャの目に写ったのは、電気を帯びる刀を構え、ポチャの愛剣の名を呼ぶ姿。どこからともなく、スイが現れ、彼女の手元に収まる。
『マスター、それは欲張りというものではないか? まあ、我は構わんがな』
「あっはは♪ 仕方ないでしょ? 私の相棒、戦意喪失してるんだもの」
「ピカ……っ!!」
ポチャの声に振り返ったのは、いつもの自信に満ち溢れる笑顔を見せるピカだった。にこっと笑った彼女は、すぐに前を向く。
「さあって……お仕事といきますか! 私を楽しませてよね!」



~あとがき~
何話ぶりなんですかね。ピカ様の登場です。
どうやってキーテを吹っ飛ばしたのか……謎です。明らかになるのでしょうか……(無計画)

次回、ピカとキーテです。戦うかは知らないけど。

やれやれ……大まかにやることは決まっているのにそこまでが遠い。長い! 辛い!!
でも、頑張ります。バトル描写は苦手なのでそこまで続かないはずだ……はずだ……!

ではでは!

空と海 第195話

~前回までのあらすじ~
ヴァルツがなんとか全員倒したけども、新たな脅威が……!? そして、お久し振りのピカでした!
今回はフォース達と別れたポチャをやりますね。つっても、時系列は大して変わりません。フォースに連絡もらった後からです。
ヴァルツ「こちらは放置か」
トリス「うっわー……ひどくなぁい?」
そんなことないですよ!!!
この二人の関係は色々突っ込み入れたいですが、まあ、大したこともないです。所有者じゃなくても扱えるってだけなので!
では、始めます!


フォースにスラの相手を任せた後、ポチャは各場所を回っていた。どこも手は足りているものの、やはり倒せない敵に苦労しているのが目に見えて分かった。そんなところに時折、手を貸しつつ各地を転々としていた。大丈夫であろうと思ったところに加わったところで手持ち無沙汰になるだけである。そう感じて、一ヶ所に留まることをしなかった。何より、周りの状況を把握したいという思いもあったのだ。
「結局、どこも苦戦はしてるけどそれは倒せないからで……対応出来ない訳じゃないんだよね」
とはいえ、苦労していることに変わりはない。どうにかして、効率化を図りたいが、その方法を思い付けずにいた。そもそも、どう倒すのが最適なのかも分かっていない状況だ。情報交換はしているものの、弱点がどこかにあるらしいということしか分かっていない。また、その弱点は統一されている訳ではない。それも戦う全員の負担となっている。
彼が各地を回っているのには別の理由もある。これはフォース達と別れてすぐに入った連絡が要因であった。その連絡相手は救護テントで救護スタッフとして動いていたレンからである。その連絡を受け取ったとき彼の困ったような焦ったような、あるいは申し訳ないようなそんな声が届いた。
『あー……ポチャ? 聞こえてるか?』
「は、はい。大丈夫です」
『あんなー……単刀直入に言うわ。ピカが消えた。もう影もなく。さっぱりと』
「……んーっと。え? 動ける状態だったんですか?」
医者ではないし、医療の知識のないポチャにははっきりとしたことは分からないが、あの状態で動けるとは思えなかった。それだけは探検隊として、様々な状況を目にして培った感覚である。
『んなことねぇと思うんだけどぉ……でもまあ、いないから、動けたんだろーなー』
「ちょっと待ってください……バッジの反応は、本部付近にありますけど」
『行ってみたけど、いなかったぞ。ここから本部近いし』
レンのこの一言で、完全に理解してしまった。
ピカは面倒なことは嫌うし、仕事も積極的にするタイプではない。やりたくないことはやりたくないとはっきり言うし、出来ないものは出来ないと言う。しかし、責任感と何より、窮地に立たされた時、じっとしていられないのがピカだ。こうも全体が混乱し、危機に陥っていれば、出来なくても、やりたくなくても動いてしまう。それが自分のところのリーダーであった。
とどのつまり、この場面において、ピカがじっとしている理由がないのである。
「あーじゃあ、もう、あれですね。どっかに隠れて動いてます……それ」
『マジか。やっべーやつだわ~! 下手したら死んじまうぞー?』
「そうだと知ってても戦いますよ。こういうときのピカは、自分は二の次なんです。……自分大切にしろよ……ほんとに」
理性的なのか感情的なのか分からないが、彼女ならそうするだろうとポチャは思う。伊達に何年もパートナーをしていないのだから。
「とにかく、こっちで探してみます。連絡ありがとうございました。そっちも忙しいのに……」
『そっちほどではねぇさ。んじゃねー』
そんなやり取りをした末に、ポチャはピカを探すべくあちこち転々としていたのである。
その間に浅葱にも連絡をしてみた。ピカを治療したのは浅葱であるため、状態を聞くのに一番よいと思ったからである。こんなときに聞くことでもない気もするが、万が一があってからでは遅い。
浅葱は案外普通に連絡を取ってくれ、声も聞く限り普通であった。普通過ぎて逆に怖いと思うくらいだ。
『ピカちゃんの容態? まあ、少なくとも一日は安静にしてくれると嬉しいわ。満足に動けるようになるまでには時間がかかると思うけれど』
「数時間でコンディションは戻りませんか?」
『生活に支障ないくらいは回復するわ。戦闘に参加するなら、一日は待ってほしいって話』
浅葱の話は正論である。ポチャだって、それくらいは必要だと思っていたし、何なら一日と言わず二、三日は安静にしてろと頼むところだ。
『……ふふっ♪ ポチャくんのその様子だと、ピカちゃんは脱走しているのね。そんな気はしていたわ』
「見かけたりはしてません……よね?」
『残念ながらね。ピカちゃんもバレるといけないから、バッジは置いていったんでしょう』
「そこら辺は頭が回るようで……もし見かけたら連絡ください。それじゃあ」
『ええ。分かったわ』
浅葱との連絡を切った後、溜め息しか出てこないのは当然だと心の底から思った。

ピカを探し、適当に歩いていた。愛剣も心配しているようで、先程からずっと話しかけてきていた。
『ぴー、どこにいるんだろねー?』
『てぃー、ぴー、どこー?』
「分かれば苦労はしない。……あーもー! どこにいるんだよ!! 頼むから、ぼくの寿命縮めるようなことしないで!」
心からの本音だったが、これに答えるものはいない。チームにも連絡は回し、探してもらっているが、見つけたという連絡はなかった。
叫んだことにより、周りにいた敵が襲いかかってきた。マークされてしまったかと焦るが、取った行動は冷静そのものであった。
「スイ! セツ!」
『はいなー』
『あいあーいっ♪』
二振りを使い、的確に狙っていく。何度か復活させてしまうものの、こちらがダメージを負うことはなかった。倒せない敵に深追いしても仕方がない。粗方散らしておき、この場の突破を図る。
「こういう奴らに目眩ましが聞くのか知らないけど……“しろいきり”!」
時間稼ぎとして辺り一面を霧で覆う。しばらくすれば勝手に晴れてくるだろう。目というものが見当たらない相手に意味のない攻撃かもしれないと思いつつも、ないよりはましの考えで放った。気持ち動きが鈍った気がしたため、その霧の中を駆け抜けて、その場は脱出した。



~あとがき~
ポチャ君、胃痛枠。

次回、上手く敵を掻い潜り、ピカを探すポチャの続きです。ピカは見つかるのでしょうか?

ピカの性格に関しては矛盾したような気もしますが、そんなもんだよね!!!
なんだろう。危険が迫るとか、そんな状態になればピカも本気出すよってことなのかもしれません。普段適当にしてても、それが本当の姿ではないんですね。ピカの場合はそんな感じです。フォースも似たような感じですかね。文句言っててもやるところとか。反対に残りの三人は、そこんところ素直ですけれど。

ではでは!

ポケモンカフェに行ってきました(2回目)

間違いではないよ。そのまんまだよ。
ってことで、タイトル通りです! 2回目! 本日、行ってきました!! 思ったより早くに2回目行ってしまいました。1回目、一緒に行った友人と行ってきましたよ。
行くきっかけになったのは、夏限定メニューの存在です。いや、それだけだったら(多分)行かなかったんだけど、メニューの写真を見たとき、友人が行かなきゃと使命感に駆られまして。2人なら怖くなーい! みたいな感じで2回目です。楽しいくらいにお金が飛んでいく(笑)

今回、夏休みってのもあってか、お昼での予約が取れませんでした。カウンターなら空いてたかもだけど、テーブル席はマジで空いてない。夏休み凄い。
なので、夕方という変な時間に行くことに。早めの夕食……なのかな? めっちゃ早いけど(笑)

カフェの前にポケセン見て回りたい私と友人は予約時間前にポケセンへ! 相変わらず広い。いいね。広い!
夏休みなのでちびっ子がたくさんいました。前回は何もない平日だったのでね。いや、今日も平日なんだけど……夏だからね…(遠い目)
あれこれ物色し、主にブラッキーのグッズを買い漁り(笑)……会計してくれた店員さんにも「ブラッキー好きなんですか?」と言われるくらいブラッキーを買いまして……そりゃあ、好きなのでね……持っていないグッズをね……ゲフンゲフン


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↑今回の戦利品

確かにこのラインナップを見ればブラッキー好きなのバレバレだよなぁ……うんうん(笑)
とまあ、久しぶりのポケセンでの買い物を楽しみ、カフェにゴーしました!
今回のメインは夏メニュー! ってことで、夏メニューをメインに食べてきましたよ~!


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イーブイプレートとアローラドリンク

プレートはまあ、プレートですね! 思ったより量はなかったんですけど、お腹一杯になれます! 美味しい(*^^*)
アローラドリンクはシロップベースの炭酸ドリンクにアイスとフルーツが入っています。放置しているとアイスとフルーツがくっついて大変なことになりましたが、美味しかったです。それなりに甘かったけどな!! シロップ、アマイ!
写ってないけど、コースターはピカチュウでした。前回とおんなじやん……ってなったので、友人がサンダースと交換してくれました。神様かな??


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↑デザートのラプラスのパフェ

本当はイーブイのパンケーキ……とも思ったんですけど、さすがに食べきれる訳がないので、パフェにしました。前回、イーブイのパフェだったので、ラプラスに。
これは友人と半分こしたんですけど……その友人がちょこちょこ「〇〇は好きじゃないんだ……」と苦手なものを私が食べていたら、半分以上私が食べていた気が……申し訳ない(´・ω・`)
最後のゼリー、青いからソーダとかラムネとかを想像していたら、青リンゴのゼリーでした。びっくり……でも、美味しかった……


今回は人が多くて店内の写真すらまともに撮れませんでした! 残念……!!
ちょこちょこレイアウトというか、展示してあるぬいぐるみなんかが変わっていたので、定期的に入れ替えしているみたいです。秋はハロウィン仕様になっていたりするかも……??

次は秋……か冬ですかね??
なんかまた、秋の限定メニューが出るらしいので、もしかしたら秋に行くかもしれませんね。一緒に行く友人次第です(笑)

次の更新は……空と海かな? 明日か明後日に出します!
ではでは! 閲覧ありがとうございました!

空と海 第194話

~前回までのあらすじ~
限界突破なヴァルツです。
このあと、死ぬフラグ立ってない? 大丈夫?
ヴァルツ「…………」
もえぎ「あうぅ」
そういえば、ヴァルツに使われてるときのトリスの姿はどっちなの……?
トリス「もえぎベースだよん」
ヴァルツ「ブラッキーよりリーフィアの方が似合ってるよ、お前」
マリー「そのまま帰ってこなくてよろしいですわ、兄様?」
トリス「あは。うっざぁい♪」
神器同士が争う前に始めますかね。


マリーからの指示を聞き、トリスを使って敵の弱点を突く。ふっと短く息を吐き、体勢を整えた。
「どれくらい持つ?」
『そうね。三分』
「……十分だな」
『強気~♪ ほーんと、飽きないよ。いいよぉ? ちゃんと調整してやる。三分は任せてくれていいよ? マリーに出来なくても、僕には出来るもんね!』
調整とは、所有者の体調等を意図的に変えてしまうことだ。主の心に住み、魂に住む神霊……神器であるために出来る芸当である。上手く使えば、肉体強化にも使用出来るが、それをするには深いところまで干渉する必要があるため、やり過ぎれば死に直結しかねない。つまるところ、諸刃の剣である。
それゆえ、マリーはヴァルツにそれを行うことはしない。自分がそこまでの代償を必要としていないのも関係はしているが、そもそも、調整が得意でないのだ。反対に遠慮のないトリスは主でない相手でも簡単に調整してしまう節がある。
『愛し子、この腹立たしい程の屑をいかがいたしますか? 燃やしますか? 灰にしましょうか?』
『出来るもんならやってみてよ。ほらほらー!』
案の定と言うべきか、二人の言い争いが始まってしまった。敵の攻撃を受け流しつつ、ヴァルツは冷めた目を二人に向ける。
「……トリス、形状変化。マリー、探れ」
『うっわ。久し振りにそんな目で見られた気がする。……はいはーい』
『前方、左胸。直径十センチです』
少し離れた相手の弱点を探る。その間にトリスは剣から弓へと姿を変えた。ヴァルツが弦を引き、狙いを定める。そこに矢はないが、構わず狙いをつける。
『ヴァルツ、うるさい。もっと静めて』
「お前の方がうるさい」
とは言ったものの、自分の中でいくつもの音が邪魔をしていた。うるさいくらいに打ち鳴らす心臓。もう限界だと訴えるように響く痛み。それらをうるさいとトリスは指摘したのである。そんなもの、ヴァルツにはどうしようもないが、一点を狙うように集中する。止まってくれるはずもない的を射るのは容易でない。しかし、気に留めることはなく、彼はすっと息を止めた。
『やれば出来るじゃん。いつでもいーよ』
上から目線のトリスに内心、苛つきつつも、黙って弦を放した。空気が震えると、どこからともなく、光の矢が現れた。その矢は吸い込まれるように敵の胸を射る。
「次」
『敵が近い。距離を取るか別の武器に変えるべき』
「じゃあ、変化。マリー、残りは?」
『半分になってます。五体ですね』
「なるほど。……了解。同じように弱点を探れ」
『はい。愛し子よ』
ポーチのベルトにマリーを差し込み、弓から片手剣へと変化したトリスを構えた。そして、一気に走り出す。まずは近場の敵から狙いを定めた。マリーに言われた箇所を的確に斬る。更にその敵の近くにいた奴に狙いを変え、牽制の太刀を何回か振るう。マリーが探るための時間稼ぎである。
『見えました。右手首です。切り落とせば必然と倒せます』
「あぁ」
『いっつも思うけど、無駄な動きなくて綺麗だよねぇ。失敗した方が面白いのにねぇ』
右手首を落としながら、トリスの文句を受け流す。こんなものに言い返していてはきりがない。そして、次の狙いをつけるために自分から近付いた。
『右から後頭部に十二センチ。うなじに四センチ。心臓に八センチです』
「了解」
言われた順番に近付いていった。確かな敵意を向けられ、意思のないであろう作られた敵はヴァルツに向かって反撃を試みる。とはいえ、触手のような腕を伸ばす物理攻撃だ。剣を握るヴァルツにとっては、攻撃を受け流すに難くない。標準から外れ、剣を振り下ろせば綺麗に斬れてしまう。
思考力のない物であるが故の弱点なのかもしれない。複雑な攻撃や作戦、仲間と協力する等の戦法が取れないのだろう。動きが素早くなり、初回よりはましな動きだろうが、ヴァルツから見れば全てが同じに見えた。
「甘い」
瞬き一つしてしまったら終わっていた。そんな感覚に陥る程、手際よく終わらせていた。蒸発していく敵だったものを見つめながら、ふっと息を吐いた。
「これで全部か」
『はい。この辺のは全て』
『お疲れ、ヴァルツ。久し振りに楽しかったよ?』
「……そうか」
ふと、もえぎの方に目を向けた。離れてしまったため、確実なことは言えないが、気を失っているらしかった。ほとんどをもえぎが倒したと言っても過言ではないくらいに動いてくれていたのだ。これもまた仕方ないかもしれないと勝手に納得をする。
「本来なら、この足で本部まで戻りたい……ところ、なんだが」
それが出来るほどの体力は到底残っていない。倒れそうになる体をトリスを使って、無理矢理立たせている状態だ。それでもずるずると膝が落ち、地面についてしまう。こうなったら、立ち上がれるわけがない。
「トリス、ふぃーが起きるまで、見張っていろ……それくらい、出来るだろ」
『はあ?……まあ、うん。いいよ。今の僕は機嫌がいいからねっ♪』
剣からリーフィアへと姿を変えると、僅かな支えを失ったヴァルツは地面に倒れる。何度か咳き込み、苦しそうに無理矢理しているような呼吸をした。
「生きてる? ヴァルツ」
「……一応、は」
「それはよかった。まだまだ死なれちゃ困るよ」
にこにこと楽しそうに笑っているんだろうなと思いつつも、何かを返す余裕はあまりない。
意識して、ゆっくりと深呼吸をするように息を吸い、ゆっくり吐く。これを何度か繰り返していると、呼吸の方は落ち着いてきた。だからといって、すぐに立ち上がれるはずもない。そもそも、今日は体調がよかったわけでもないのだ。ぼんやりしていると、発熱しているなと今更ながらに気付いた。
『兄様』
「なあにぃ? マリーちゃん?」
『愛し子をもえぎ様の元へ運んでくださいませ。監視するにしても、両者が離れていますもの』
「ま、そうか。仕方ないなぁ」
『優しく! お願いしますよ!』
「はいはい……うっさいな。本人じゃないくせに」
軽々とヴァルツを持ち上げ、これまた軽い足取りでもえぎの元へと歩み寄った。ヴァルツは意識はあったものの、されるがままである。
もえぎのところまで戻ると、すぐ傍にヴァルツを降ろす。これもマリーの呼び掛けにより、比較的優しく降ろされる。
「にしても、こんな物好きもいるもんだよね。何がしたいんだろ。神への冒涜じゃない?」
『まあ、そうともと……? 兄様』
「今度は何よぉ」
「げほっ……何か、来る……?」
マリーが何かを感じ取ったのだろう。マリーを伝ってヴァルツも気配に気が付く。上半身だけ起こし、もえぎを庇うような位置へと動く。二人の様子を見たトリスも集中して辺りを探った。そして、気付いてしまう。
「……これ、は。ヤバいかも。ヴァルツ。もう少し、動けるかい?」
思いがけない提案に咄嗟に答えることが出来なかった。その代わりにマリーが叫ぶ。
『駄目です! これ以上は!』
「じゃあ、僕にも無理だよ。神器一つ……いや、神霊一人じゃあ、抑えられない」
『ここから逃げるべきです。相手にしてはいけません。愛し子よ、撤退しましょう。今から来るのは、私達と同じものです。……少し、状況が芳しくないようですが』
この言葉で何となく察した。神器の使い手がここに来るのだと。そして、状況がよくないと言えば、神器に体を乗っ取られでもしたのだろう。そうなれば、武器であるトリスとマリーだけでは太刀打ちが出来ない。だからといって、ヴァルツともえぎは動ける状態にない。が、ヴァルツは慌てたようにトリスに指示をする。
「……トリス! 形状変化!!」
ヴァルツが思い描いたのは盾だ。二人を隠すだけの盾を作ったのと同時に勢いよく何かが当たる。
『うっわ。人が飛んできた~……これ、死んでない? 大丈夫ぅ?』
「っ!?……げほっげほっ!」
トリスの力を引き出してしまったため、整えた息が乱れてしまう。息が出来なくなるくらい激しく咳き込んだ。しかし、それもすぐに治め、ゆっくり話し始める。
「けほっ……はぁはぁ……ふぅ……はー……それ、暴走者にやられたんだろう。……俺達も、標的にされたんじゃないか?」
『……愛し子』
「ここで死ぬ気はない。そこに、嘘はない……が、絶望的なのも、分かっている」
『どーすんの?』
トリスの影から様子を窺えば、ゆらりゆらりと背中を丸めながら歩いてくる人物を見つけた。種族はガオガエンだろうか。自分より大きい相手である。そしてそのガオガエンの手に剣が握られ、ずるずると引きずっている。ガオガエンで引きずっているのだから、物は大剣だろうか。
「……トリス、これはどれくらい持つ?」
『何されるかにもよる。まあ、五分は持たせてみせるよ。……何する気?』
「逃げる。マリー、ふぃーを連れて本部の方に」
『……それはよろしいのですが、愛し子よ、貴方は?』
「やることがある。……終わったら、トリスに担いでもらうから、心配するな」
『はあ? いや、了承した覚えは……』
『かしこまりましたわ。兄様、分かりましたね。優しく! 丁寧に! お願いします!』
そう言うと、マリーはブラッキーに姿を変える。もえぎを抱き抱えると、振り返ることなくこの場から離れていく。それを確認すると、正面を見る。ゆっくりながらもこちらに向かってきていた。マリーともえぎには目もくれず、ヴァルツとトリスだけを見据えているように。
『ヴァルツ』
「……やるぞ、トリス」
『あは。悪い子だねぇ……いいよ。従ってあげる』
「時間稼ぎでいい。こいつは俺には倒せないからな。……適任が来るまで、粘る」
『了解。まだ、三分の時間は残ってたしね……ギリギリまでこき使ってあげるよ』
「あぁ、任せる」
ヴァルツはポーチから連絡用のバッジを取り出し、ある人物に連絡をする。どうせ近くにいるんだろうと勝手な想像したものであった。何度かのコールの後、予想通り、繋がった。
『はぁい……誰ですかぁ』
「分かっていてその態度か? これ、お前にしか繋がらないコードなんだが」
間の抜けた返事にヴァルツは冷たくあしらう。相手はそれも分かった上での対応だったらしく、場違いにくすくすと笑った。
『……ですねぇ。それで?』
「神器の使い手が目の前にいる。……相手側の計画の一つとしてあったのは記憶していたが、目の前に現れると何とも言えない気持ちになる」
『そっちで来ましたか。……じゃあ、そっち向かいます。粘ってくださいね、ヴァルツさん』
「俺が言うのもなんだが、手酷くやられたそうだな。……ピカ?」
バッジの向こう側の相手……ピカは至極当たり前のことように淡々と述べた。
『今、関係あります? 仮にそれで私が駄目になってても、行くしかないでしょ? そう思って私にかけてきてるんだもん。……期待を裏切るようなことはしませんよ』
そこで通信が切れた。ピカが切ったのだろう。もえぎの話では救護テントで寝かされていたという話であったが、大人しく寝ている性格でないことはヴァルツも把握していた。どうせ、どこかに隠れて動いているに違いないと。また、敵の気配や物事に敏感で勘のいい彼女のことだ。パートナーに見つかることなく動くことも可能だろうと思ったのだ。
『雷姫のあの子だよね? こっわ~♪ それくらいにならないと、雷姫なんて武器、扱えないのかな』
「かもしれないな。さあ、トリス。久し振りに二人だけのコンビだ。……何か言うことは?」
『そうだね。ヴァルツを殺さないよう、調整頑張りますくらい?』
「そうか。……嘘にするなよ」
『善処するよ』



~あとがき~
何話ぶりなんですかね? 分かんないけど、ピカの登場(声だけ)です。

次回、久し振りにポチャの方をやります。

ヴァルツとピカ、面識あります。というか、ピカがひいきにしてる情報源の一人です。何人か抱えているので、そのうちの一人って感じですね。
チームにも情報担当いますし、ライブのところのも行きますし……他にも色々手段は使いますからね。
ヴァルツはヴァルツでピカのことを利用している部分はあるんでしょうね。ピカはピカでヴァルツを利用しているかと。

いつもより長くなってしまいました。申し訳ねえ! きりがよかった! ってか、ここまで書きたかったんです! 申し訳ねえ!!

ではでは!

ライに質問!

ラストに真面目に答えるライくんです。主人公くんです。お約束だね!
この質問でキャラの意外な一面を暴きまくってる(?)のですが、今回はいかに……!?
いつものセリフです! 長いので時間のあるときにご覧ください!!


~Q1 お名前をどうぞ!~
A.ライです。……本名はライフ。

~Q2 君たちはそれで突き通すのね……~
A.ん? あ、名前? 言ってもいいよ。ライフ・カー……

~Q3 いやいやいや!! 大丈夫! 性別と年齢をお願い!?~
A.変な作者……性別は男。年齢は十五。

~Q4 うん。大丈夫。家族構成を教えてくださいなっ!~
A.母親が一人。……父親は知らないな。生死不明。教えてくれないし。

~Q5 お前も大概だな……~
A. ?……あ、ノアの家族構成と比べてる? あれと比べるな。次元が違う。

~Q6 なんかごめんなさい。……好きな色、嫌いな色はありますか!~
A.俺に謝るな。えっと、色ね。好きなのは水色かな。嫌いなのはキラキラしたやつ。

~Q7 好きな食べ物、嫌いな食べ物は?~
A.好きな食べ物は……短時間で食べられるもの? 嫌い……食べられないもの、かな。ベトベタフードとか、そういうやつ。

~Q8 チャームポイントは!~
A.えぇ~……俺にあるの?

~Q9 たれ耳かな! かわいいよ?~
A.は? 電撃食らわすぞ。

Q10 すまん。地雷だったね……~
A. ……あは。気をつけてね。作者さん?

~Q11 ソノエガオ,ミタコトアル。ワタシ,シッテル……んんっ……えっと、自分の性格を一言で表すと?~
A.どうかな。真面目とか言われるけど、自分じゃそうは思ってないんだよね。ま、比較的真面目ってことで。

~Q12 友達は多い方?~
A.いる方だな。故郷にも結構いるよ。

~Q13 ここから二択! よろしくね~
A.いいよ。

~Q14 好きな方は……海or山?~
A.海かな。森の中で育ったし、今も海が近いわけじゃないし。

~Q15 好きな方は……黒or白?~
A.こだわりはないけど、そうだな……白かな。

~Q16 好きな方は……戦いor遊び?~
A.どっちも好きかと言われると同じくらいなんだよな。まあ、戦ってる方が単純で分かりやすいと思う。

~Q17 大切な方は……家族or友達?~
A.どっちも大切だけど、家族……かな。

~Q18 怖い方は……絶叫マシーンorお化け屋敷?~
A.どっちも平気だよ。

~Q19 可愛いのは……犬or猫?~
A.猫……?

~Q20 格好いいのは……トラorライオン?~
A.どっちもいいんじゃない?

~Q21 自分は……SorM?~
A.どっちでもないな。普通だよ、俺。

~Q22 好きな方は……歌orダンス?~
A.普段やらないな……ダンスは練習すればなんとかなりそう?

~Q23 とりあえず二択終わり!~
A.了解。

~Q24 ズバリ、好きな人は!?~
A.そりゃあ……それなりにいるけど。

~Q25 んっ!?……あ、なるほど。ライだもんな。恋愛じゃない方か~
A.? なんか違った?

~Q26 いや、いいよ。気にしないで!~
A.そう?

~Q27 好きなタイプは?~
A.タイプ? 自分の得意な?

~Q28 違う! こう……人の性格的な!~
A.あ、そっち。自分に合う性格とかな。……ムードメーカーみたいな人がいいかな? あとは知的な人とかも話が出来そうでいいよ。

~Q29 道に百万が! どうする?~
A.警察に届けるよ。変な誤解されても嫌だし。

~Q30 明日、世界が滅びるとしたら?~
A.それでも俺のやることは変わんないだろうね。

~Q31 嫌いなタイプは?~
A.これも人の性格だよな。……話聞かない人かな。

~Q32 今までで嬉しかったことは?~
A.嬉しい……飛び級で医学校に入ったことかな? 制度的には毎年やってるらしいけど。

~Q33 反対に悲しかったことは?~
A.患者が亡くなったとき。こっちが出来ることなんて、限られてるのは分かってるんだけど。

~Q34 今までで腹が立ったことは?~
A.あるよ。レア達に報告書を押し付けれらたとき。

~Q35 憧れの人は?~
A.たくさんいるけど、母さんかな……

~Q36 一番の友達は?~
A.一番……一人って決められないんだけど……幼馴染達もチームメンバーも大事だし。

~Q37 好きなことは?~
A.寝ることかな。

~Q38 嫌いなことは?~
A.徹夜。徹夜明けの仕事とか辛いんだよね。

~Q39 ニックネームとかはありますか?~
A.ライとか、いーちゃんかな。

~Q40 嫌いな人……いる?~
A.別にいない。いたとしても考えないようにするし。

~Q41 恋してますか!~
A.こい……?

~Q42 これ、分かってない顔だ! ごめん!! 聞かなかったことにして!~
A.??

~Q43 趣味、特技は?~
A.趣味は機械いじり。特技……も、それだな。

~Q44 マイブームは?~
A.新しいメカっつーか、発明? することかな。

~Q45 好きな場所とかよく行くところは?~
A.好きな場所は静かなところ。よく行くのは……どこだろう。ギルドの外なら、実家近くのダンジョンとか行ってたけど。

~Q46 では、嫌いな場所は?~
A.牢屋? 頻繁に行かないけどね。仕事で見せてもらったとき、ここ嫌だなって思って。

~Q47 私、作者をどう思う?~
A.特別なことは何も?

~Q48 ……勉強は好き?~
A.なんだその反応は……勉強は好きな方だよ。

~Q49 この人には敵わないな~……という人は?~
A.母さんかな。あと、立場的に親方も。嫌なことは嫌だって言うけど、親方命令よって言われるとね。

~Q50 反対にこの人には負けないなっ!……という人は?~
A.負け……? いい意味で同級達には負けないって気持ちは持ってるけど。威張るとかじゃなくね。

~Q51 よし、半分きったぞ!~
A.意外と早いな。

~Q52 そうやね。残りもよろしく!~
A.あぁ。

~Q52 好きな言葉は?~
A.一期一会。あとは好きってことではないけど、出会いと別れは離れないものであるってのは頭にある言葉かな。

~Q53 嫌いな言葉は?~
A.死を連想させる言葉。職業柄、なるべく聞きたくない。

~Q54 もしも生まれ変われるなら?~
A.生まれ変わっても何も変わらないと思う。同じことしてそうだ。

~Q55 武器は使う?~
A.全く使わない。使えるけどね。

~Q56 季節はどれが好き? また、その理由を!~
A.どれも好きだけど、春? 命が芽吹く時期だから。

~Q57 また、二択いい?~
A.ん? あ、いいよ。

~Q58 好きなのは……ハートor星?~
A.星。夜空見るのも結構好きだし。

~Q59 ほしいのは……時間orお金?~
A.究極の二択……! 時間、かな。自分の時間が増えることを期待してね。

~Q60 好きなのは……ネックレスorブレスレット?~
A.ネックレスかな。手首にじゃらじゃらしてるの、邪魔じゃない?

~Q61 好きなのは……寒いor暑い?~
A.寒い方が耐えられる。

~Q62 好きなのは……可愛いor格好いい?~
A.格好いいだな。

~Q63 好きなのは……外or内?~
A.どっちも同じくらい好きだよ。

~Q64 食べたいのは……ショートケーキorチョコレートケーキ?~
A.チョコかな……?

~Q65 あなたは……朝型or夜型?~
A.夜。朝はちょっと苦手……ちょっとどころじゃないか?

~Q66 二択終わりっ! ありがとうね?~
A.おう。

~Q67 暇潰しにはなにをする?~
A.自分がどこにいるかにもよるけど、研究室なら、機械いじるか文献読むかだな。自室なら寝てる。

~Q68 嘘はつける?~
A.つけるよ。

~Q69 自分は何系男子だと思う?~
A.なんだろ。そっちで考えて。

~Q70 足は速い?~
A.速い方だと思うけど。チームで言うとノアと競ってそうだな。ダントツは雅だよ。あいつ、本気出さないから、判断しにくいけどな。

~Q71 もし、一度だけ魔法が使えたら?~
A. ……うーん。一日だけ、何もしなくていいようにしたいな。

~Q72 絵などの芸術系は得意?~
A.全然ダメ。設計図とか、そういうのは書けるんだけど、芸術ってなると全くなんだよな。何が違うんだろ? 書けなくてもデザインは自分の頭にあるからいいけど。

~Q73 自分の癖とかありますか?~
A.ん~……そうだな。女扱いされるとつい手が出るとか……直そうって思うけど、体が反応しちゃってね。

~Q74 会ってみたい人は?~
A.生きてるなら、父さん? いや、死んでても一回は会ってみたい。

~Q75 好きな天気は? また、その理由を!~
A.雨。技が当たりやすくなるってものあるんだけど、単純に静かな場所で雨音聞いてるの好き。

~Q76 占いとか信じる?~
A.信じない。

~Q77 いつも身に付けているのは?~
A.スカーフかな。医者やってるときは白衣と聴診器とペンライトと……多いな。

~Q78 今、楽しいですか!?~
A.うん。それなりに。

~Q79 もし、捨て犬がいたら?~
A.スルー……はしないけど、どうするって聞かれると困るな。

~Q80 今、ほしいものは?~
A.十分に寝られる時間!

~Q81 お!? 残り、20ないですな!~
A.じゃ、あと少しか。

~Q82 安定した返答をありがとうね!~
A.そうか? 自分じゃ分からないんだけど。

~Q83 時々、ライらしいところ見るというか、見せられたというか……~
A.え? どういうこと……?

~Q84 いやぁ……気にしないで?~
A.ふーん? まあ、いいけど。

~Q85 行きたいところとかありますか?~
A.最近、探検隊らしいことしてないんだよな。ここ行きたいってのはないけど、探検したいな。

~Q86 この人がライバルだぁぁ!! と、いう人は?~
A.さっき答えたけど、同級達かな。全然会ってないけど、元気かな……?

~Q87 この時が一番、最高だな~……と思うときは?~
A.何もないとき? 暇ってのが一番平和でいいよな。こっちは休めるし。……探検隊として依頼やっているのもある意味同じかもね。医者としての仕事がない方が幸せだよ。

~Q88 では、逆は?~
A.何か事件があるとき、だよな。さっきの反対で。

~Q89 よくすることは?~
A.することかぁ……なんだろうね。本も読むし、機械もいじってるし、寝てるし……こんな感じ?

~Q90 それでは、ここからはそれぞれのキャラに宛てたメッセージを!~
A.はい。

~Q91 では、ショウに一言!~
A.裏方業を一手に引き受けてくれてありがとな。俺だけじゃなくて、皆めっちゃ助かってるよ。だからかな。もう少し、自分の欲を出してくれてもいいんだけどな。他はじぶんのことしか考えてないんだし。

~Q92 次は雅に一言!~
A.情報収集専門に動くのお前しかいないんだから、もう少し真面目に……違うな。愛想よく他の人達のも手伝ってやれ? 特にエレキな。度が過ぎるとこっちがかわいそうになってくるからさ。

~Q93 次はレアに一言!~
A.もっとおしとやかにお願いします。敵に対して弱点を重点的に襲わなくていいから! 程々にな。医者としては尊敬してる。天才外科医の名は伊達じゃないよ。……性格をもっとどうにかしてくれ。お願い。

~Q94 ラスト! ノアに一言!~
A.レアと似たような言葉しか出てこないんだけど……ま、お前の行動とかで救われている部分は少しはあるよ。ありがと。……いや、でも、結構迷惑してるんだけど!! 迷惑してるけど、これからもパートナーとしてよろしく。

~Q95 あれ? ノアがパートナーなの?~
A.トリオじゃなくてチームとしてやってるから、リーダー、サブリーダーの肩書が必要でね。サブリーダーはショウでもよかったんだけど、あいつ、ギルドで家事一通りやるから。メンバーの方が動きやすいってことになって……ほとんど消去法でノアに。ノア自身、大して意識してないよ。

~Q96 レアはダメだったの?~
A.あいつが出来るように見えるか? というか、振り回されるだけだよ。ノアも似たようなところがあるけど、まだ常識ある方だから。

~Q97 なるほど……それでは、他の人達に向けて一言!~
A. ……ま、これからも頑張りますんで、よろしくお願いします。なんで、休みをくれると嬉しいです。……はい。

~Q98 これを見てくれた方々に一言!~
A.こんな企画に付き合ってくれてありがとうございます。ぶっちゃけ、お前ら誰だよって方々はお手数ですが、本編見てくれるとありがたいです……いやまあ、近いうちに投稿してくれよ、作者……?

~Q99 あーうん。頑張るね~
A.望みうっすいなぁ……

~Q100 ありがとうございました!~
A.ありがとうございました。お次は『約束』本編でお会いできることを心待ちにしています。本企画ラストは、俺……探検隊ライン、リーダーのライでした。



ではでは! ここまでありがとうございました。次回からは通常運転に戻ります。多分、空と海を投稿する……はず!