satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ただいま!

帰ってきましたよー!! 日本っていいね!!
ということで、先日無事に日本に帰ってくることが出来ました。全体的にトラブルもなく、スムーズな研修になったので、付き添ってくれた先生方もよかったと言っていましたしね。
今回、私が行ってきたのはヨーロッパ! その中でもイギリスですね。イギリスのオックスフォードとロンドン中心に回ってきました。(研修なんて名ばかりの旅行みたいなもんですね←)
飛行機で約11~12時間程なのですが、まあ、しんどいよね。でも、テレビが座席一つ一つについていて、映画を見たり、ゲームをしたり出来て、楽しかったです。帰りの飛行機なんて半分くらい寝てましたし(笑)

今回は6泊8日の日程で動いていました。前半はオックスフォード、後半はロンドンのホテルに泊まってましたね。ホテルに関しては何も言うことはないよ……細かいごたごたはありましたが、快適に過ごせました。

観光地は有名なところをぐるぐるした感じてすね。写真は撮っていたんですが、後半からは面倒になってきてカメラを構えることすらしませんでしたね……まあ、友達が撮ってくれたのでそれがあるからいいか((

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↑ブレナム宮殿(ブレナムパレス)

2日目の日程で訪れた宮殿です。これ、個人の持ち物で今でも人が住んでいます。案内をしてくれたガイドさんもここで働く人でお世話しているそうな。お屋敷掃除したり、中にある家具を整えたり……もうね、触りたくもない高価なものばかりで凄かったですよ。

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↑宮殿の中で見た

他にもたくさんありました! なんだろう。異国の地って感じが伝わってきて日本じゃないなって。いや、日本じゃないんだけどね? 日本ではあり得ないなって。雰囲気が。(語彙力)

あとは色んな教会を見ました。シェイクスピア所縁の教会やハリー・ポッターの撮影が行われたところなど! お腹いっぱいだね!

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↑教会の写真

色々回って、どこがどこだか覚えていないと言う事態に(・・;)
マグナカルタが置いてあるソールズベリー大聖堂なんかも見てきました。文字が印刷かよってくらいにきれいに書かれていて、手書きだって聞いたときはビックリでしたね。

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↑色々行ったよ!

シェイクスピアの住んでいたお家、ストーンヘンジハリー・ポッターで書かれた駅。(実際は別のところの駅だったらしいけども)タワーブリッジなどなど。

写真はありませんが、ロンドン塔、ピカデリーサーカス、オックスフォード大学周辺などなど回りました。オックスフォード大学なんて言ってもたくさんある中の少しのカレッジを回ったんですけどね。

あとは美術館、博物館。大英図書館なんかも見てきました! むっちゃ楽しい(*^^*)
私の所属する学科が文学部なのもあって、たくさんの美術館、博物館を見学してきました。時間が全く足りなくてゆっくり見たいなって思うくらいです。時間は有限なので仕方ありませんけど。

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大英博物館と自然史博物館

イギリスの博物館等は無料で代わりに寄付金をお願いしているのです。いたるところにボックスが置いてあるのだ。日本もそのシステム入れてみればいいのに……まあ、お金寄付しようって思えるような展示品しないとダメだけど。
日本と比べると、人も多く、賑やかなイメージでした。もちろん、静かに見ているのですけど、何かのアトラクションのようで日本とはまた違う感じでしたね。有名なところをばっかり行ったせいかもしれませんが。

こんな感じで色々な観光地を訪れ、ときにお土産を買い、お金を使いつつも楽しい1週間でした! お金はかかりましたし、準備は大変だったけど、行ってよかったです。





それでは、今後の話を少し。
今週の金曜からは学校が始まります。やったね(泣)
しかしまあ、近い内に何か小説あげます。どれかはわからんけども。そのときの気分ですね。
学校が始まれば、週1~2のペースで出したいと思います。どんな感じのスケジュール管理になるかにもよるけど、最低でも月1は出せると思います。出来るときは増やすけどね。
ここで言ったので、お知らせは出しませんが、そういうことでご理解お願いします。


全く関係ない話をしていいですか。
ポケモンのSwitchめっちゃ可愛いですね!? もうこれ、買うしかないよね!? 買うわ!! ありがとう! ジョイコンが可愛い。なんなのあのカラーリング! ピカブイ可愛すぎかよ!!! ピカブイ最近、押しまくりすぎだろとか思っててごめんなさい。めちゃくちゃ可愛いです。はい。可愛いは正義だよ。うん。
どっかで本体買わなきゃなぁ~……たけぇなぁ……セット売りしないかなぁ……なんて思ってたんですけどね! ありがとう!
ソフトを何にするかは決めてないんですけど、とりあえず、あれだ。買います。学費のために貯めてるバイト代で買います。もう秋学期の学費は払ったからいいよね! ありがとう!!
支離滅裂でごめんなさい。でもね。これだけは言っておきたい。可愛い。これだけは伝われ。以上。




ここまで閲覧ありがとうございました!
ではでは! 

お知らせ

はーい! お知らせです!!
前に少し言ったんですが、校外研修が明日からあるため、更新を一週間お休みします! もうね、日本にいないです。ヨーロッパ方面へと行ってきます! いやぁ……荷作りめんどくせぇ~((
日本語通じないよ。辛いよ。大丈夫なのか私。
まあ、仲のいい友人も参加するし、一人ではないのでなんとかなるでしょう! こういうのは楽しむが勝ちよね。
ってことで、無事に帰ってきたら、帰ってきたよってお知らせしますんで! 一週間以上経っても更新なかったら……うん。察して?

H/K

この研修が終わればすぐに学校も始まるため、更新も週一(理想)に戻るかと思います。
なかなか夏祭り編が終わらなくて頭を抱えてます。ひえぇ~
今年を目標にあいつらの夏も終わらせたいですね。三日間を書くのに二年以上使ってる私です☆
いや、別に開き直ってはないんだけど! 明るくやってこーぜ! 的なね!?
はい。頑張りますよ~



ではでは、皆さん、一週間お元気で! 私も元気に帰ってくる(予定)ぞー! 

☆第16回 ゆるゆるトーク☆

~前回までのあらすじ~
どうすれば元の世界に戻れるのかは分かったらしいけれど、これからどーするんですかねぇ……?
ポチャ「ゆるトークのコンセプトをぼくは知りたい。こんなんだっけ?」
ピカ「あっはは~♪ 絶対違うね!」
うーん。ネタの吐き所かなぁ~?
ポチャ「うわぁ」
ピカ「本編に組み込むことはしないけど、やりたいネタをぶっこんでいくって感じ?」
そう! そういうことだよ!!!
ポチャ「それに巻き込まれてるのか」
ピカ「そういうことだね」


ピカ「おはよ、ポチャ~(*≧ω≦)」パッ
ポチャ「……あ、お、おはよ……(=_=)」ネムネム
(いい笑顔してるなぁ~……
朝はやっぱ、起きれない……こっちのポチャは起きれてたみたいだけど……ぼくは無理……)
ピカ「昨日、変な時間に二度寝しちゃったから、また僕の方が早かったね♪」
ポチャ「うん……そうだね……」
ピカ「今日はどこに行こっか? 場所を任されたのに、こんなこと言っちゃって頼りないけど」
ポチャ「あー……ピカの行きたいところでいい」
ピカ「うーん……そう言われると、たくさんあると言えばあるんだよな。……うぅーん」
ポチャ(ピカが悩んでいる間にしっかり目を覚まさないと……いや、でも、めっちゃ眠い……)
ピカ「じゃあ、あそこにしよ! リュケイオン!」
ポチャ(……リュケイオン? ぼくの世界にもあった気がするけど、名前しか知らないな。どこだ、それ)
ピカ「行ってみたかったところなんだ。君と」
ポチャ「へぇ……ぼ……んんっ。私は名前くらいしか聞いたことないな」
ピカ「あれ、僕、話したことなかったっけ? じゃ、楽しみにしててよ」
ポチャ「自信満々だねぇ」
ピカ「へへっ♪ まあね!
じゃ、そろそろ行こう? 善は急げってね」
ポチャ「あぁ、うん。……いいよ」
(朝から明るいなぁ……ぼくもテンション上げてかないと)

~リュケイオン~

ポチャ「うっわぁ……」
ピカ「その感想はどういう感情なのかな? 引いてるの? 感動してる?」
ポチャ「どっちかって言うと、感動。……えーっと? 『花と水の都リュケイオン』……だって。だから、こんなに自然ばっかりなんだ」
ピカ「綺麗でしょ? こういうの、好きかなーって思ってさ」
ポチャ「うん。結構、好きだよ♪」
(うちのピカは好きだろうな。ぼくは……なんて、言っちゃ駄目だな。うん)
ピカ「この辺、歩いてみよう!」
ポチャ「あ、うん」
(このピカからすれば、デートみたいな感じなのな。でも、ごめん。ぼくは男なんです。いや、もうなんの拷問だよ……!?)
ピカ「あっち、何かのお祭りやってるのかな。それか催し物かな? 見てみよっか」
ポチャ「いいね。面白そうっ」
(さて、どうしよう。このままじゃいけないし、どこかで打ち明ける必要があるんだけれど。……それは今じゃない、よな。少なくとも今日一日は付き合って……いいよね? ピカ、ぼくがいなくても仕事してるかなぁ……いないことをいいことにサボって仕事溜めたり、だらだら堕落生活送ったりしてないかなぁ……)
ピカ「ポチャ? 何か考え事? 君ってばいっつも難しいことばっかり考えるから、ぜーんぜん考えてること分かんないんだぞ?(´・ω・`; )」
ポチャ「ごめんごめん。今日は難しいこと考えないから。……というか、忘れさせるくらい楽しませてくれるんでしょ? ピカ」
ピカ「! もっちろん!」
ポチャ(あー……罪悪感)
ピカ「あ、見て見て! 出店みたいなのがたくさんある。あれだな。フリーマーケット!」
ポチャ「有志団体による催し物って感じだね。色々あるなぁ……生活雑貨から本……アクセサリーまで。何でもどーぞって雰囲気」
ピカ「見るだけでも楽しくなってくるなっ♪ 何か欲しいものあれば買っていこうね」
ポチャ「そうだね~……っと」
(物から見るに、文化的変化は大してなさそうだ。ぼくの世界と変わらない。そもそも、町の名前も変化ないし、小さいことは変わっていても、大きな物に変化はない。となると、歴史の変換みたいなそういう、大それたこともないって考えでよさそうだ)
ピカ「あっ! これ、可愛いよ? 君に似合いそう! 花のコサージュって言うのかな? ほらっ」
ポチャ「えっ…Σ( ̄▽ ̄;)」
(あぁぁぁっ!? そうか!? そういう展開もあるのか! 頭から抜けてた!!)
ピカ「着けてあげるっ」
ポチャ「まっ……ピカ、まだ商品だし、そういうのは駄目なんじゃ……」
店員「いえいえ! 大丈夫ですよ!」
ポチャ「……ソーデスカ」
ピカ「……よしっ! どうっ? スカーフに着けてみたけど」
ポチャ「ど、どうって……よく、分かんない」
店員「お似合いですよー!」
ピカ「ポチャはこういうの、好きじゃないか? 似合ってるんだけどな~」
ポチャ「そ、う……かなぁ?」
店員「モチーフのお花は紫苑です♪ たくさん咲いているときれいなんですよ~」
ポチャ(紫苑……)
ピカ「店員さん、これ、ください!」
店員「は~い♪」
ポチャ「えっ、ピカ!?」
ピカ「君、似合ってるし、プレゼント!」
ポチャ(そこじゃない! 恥ずかしいんだけど! って、あー!!?? 会計してるー! いや、もう、いらないなんて言えないし……仕方ない)
ピカ「よーし! 次行こう!」
ポチャ「あ、うん……」
(すっごい強引……)
ピカ「ポチャは気になるものないのかい?」
ポチャ「うん? そうだね……ん? これ」
ピカ「? 本? というかすっごく古いね」
ポチャ(……家で見たことあるやつか。あれ。地図が付属してある?)
「……えっと、これは」パラパラ
ピカ「色々書いてあるけど、僕は読めないな」
ポチャ(家で読んだものと若干、内容が違う……? そりゃ、世界が違うから些細なことだろうけど。……地図。この地図は見たことがない)
「別のところに保管してあるのか……家の保管庫か? いや、見たことないな。なら、紛失……あ、ん? ちょっと待って?」
店員「熱心に見てるねぇ」
ピカ「あ、ごめんなさい! 立ち読みしちゃって」
店員「いいよいいよ。こんな本ばかりのところ、人なんて来ないから。じっくり見てって」
ピカ「ありがとうございますっ!」
ポチャ(……どっかで、見たぞ? この構図と印の位置……でも、どこで)
ピカ「あ、これ、面白そう」
店員「それはね、ある国の少年少女の物語で…」
ポチャ「……あ、あぁぁぁっ!?」
ピカ「わあぁぁっ!? な、何!? どうしたのさ!」
ポチャ「あ、ごめん。自分の世界に入ってた。……これ、いくらですか?」
店員「うん? ここら辺全部、五百だから五百ポケかな」
ポチャ(やっす。損してるな、それ)
「じゃ、これでお願いします」
店員「……はい。確かに!」
ポチャ「ありがと!」タタッ
ピカ「ポチャ、待ってよ! 店員さん、ありがとうございました! それじゃあ!」

ポチャ「……マジかあぁ!」
ピカ「もー……急に走り出すからビックリしたよ」
ポチャ「とにかく、逃げ出したいというか、叫びたい衝動に駆られて」
ピカ「だから、逃げたの? こんな人気のないところまで?? まあ、いいや。それで?」
ポチャ「これ、なんだろうなって見ていて、思い出した。これ、昔の地形で分かりにくいけれど、七つの秘宝がある場所だ。でも、この本とは全くの無関係」
ピカ「それは何の本なの?」
ポチャ「え? えーっと、ざっくり言えば、ある文明に関する書物、かな? もちろん、歴史的に価値あるものだと思うし、こんなところで売られるのもどうかと思うレベルの。というか、これがなんでこんなところにあるんだ。ちゃんと保管しろ、王様め!」
ピカ「でも、現代語じゃないんだよね? ポチャ、読めるの?」
ポチャ「そりゃあ……何度も読んだし、自分の国の歴史だからなぁ。ってそんなのはいいんだよ。問題はこっち!」
ピカ「……地図?」
ポチャ「さっきも言ったけど、これは七つの秘宝の在りかを示す地図! ぼくらが探したときは謎の小瓶から芋づる式に探しまくったのに! 結構な時間をかけたよ!? あの苦労が水の泡だよ~……ショック……いや、楽しかったけど。あれはあれで! 楽しかったけどもだ! 一年前の話を持ち出すのも変だから! いや、でもさぁ……この安易な宝の地図とか見たくなかった。もっと隠そうよ。そっちの方がロマン感じるじゃん?……ってか、そもそも、本のジャンル違うってところから前の所有者が雑すぎるんだけどな………………あっ」
(完全、素で喋ってたぁぁぁっ!! というか、八つ当たりしてた!? ごめんなさい!)
ピカ「……」
ポチャ「えーっと……」
(これは、忘れてたぼくが悪い……ピカじゃないから、適当な言い訳も浮かばないですね……)
ピカ「こっち」
ポチャ「……はい」
ピカ「……」
ポチャ「……」
(無言。こっちから話しかけるか……?)
ピカ「……」
ポチャ「……」
(いやいや、こっち見てくれない! というか、どんどん町から離れて……)
ピカ「ごめんなさい。あんまり人には聞かれない方がいいと思って、離れてるんだ。……何から知りたい? ポチャ……ポチャ君、でいいのかな」
ポチャ「……知ってたんだね。ぼくが違うところから来たって」



~あとがき~
ポチャが最後まで演技なんて出来るわけがない。

次回、色々謎が明らかになるのではないかと思われ。(何が謎なのかさっぱりやけど)

これが終わったらまたわちゃわちゃに戻したいと思っています。はい。

今回の話、どうなっているのか分かるでしょうか……ただ反転してるわけじゃないんだけども、それは次回以降のあとがきで解説していこうかな。

イブ「出番がない(´・ω・`)
フォース「おれらは蚊帳の外だから」
チコ「ワタシ達で言うなら、ポチャさん以外はほっとかれてるのでは……?」
ピカ「私は最初の前書きにいっつも? 出てるから皆勤賞だよぉ~♪」
イブ「むぅ……ずるいです、ピカさん(・ε・` )」
フォース「次回作はピックアップするよ、多分」
ピカ「特に何も思いついてないけどね~」
チコ「ゆるトーク自然消滅しそうですね」
ピカ、フォース
「それは言っちゃいけないやつや」
イブ「あー……前科ありますし」

ではでは!

空と海 第199話

~前回までのあらすじ~
ピカとヴァルツが合流し、ヴァルツの戦いをピカが引き継ぎます! 本格参戦じゃー!!
この辺から描写注意して下せえ……!! って言うのを毎回つけ始めますんでね。気をつけてね? 今回から気をつけてね!?
ピカ「赤い液体でも飛び散るのかなぁ……?
それにしてもここまで長かったね。さて、これもいつまで続くんですかねぇ~」
ですかね……?
つーか、ポチャくんのこと置いてきて……真面目に彼がかわいそうに思えてくるよ。
ピカ「まあ、大丈夫でしょ!」
どっかくるんだ。その自信。


ヴァルツにしか出来ないことという言葉でなんとなく察した。察しはしたが、そこからどうするのかまでは分からなかった。
「させたいことは分かるが……したところで何になる?」
「他の人達も周りの雑魚処理が出来るようになりますかね。利点はそこだけですけど、術者が見つからない今、これしか思いつかないんで」
「……ほう」
「それともヴァルツさんが術者探しますか? 出来るならそっちでもいいですよ」
ピカはそう言うが、不可能だと知っていてあえて言っている。出来ていれば、こんなところで足踏みなんてしていない。また、今の状態でどこにいるかも知らず、見たこともない相手を探せるはずもなかった。
「ピカの提案に乗る。で? どうしたらいい」
「フィっくんに教えてあげてください。そうすれば、やることやってくれますよ」
「……マナフィに?」
「はい。伝えたらあとは他の人達がどうにかしてくれますから。……まあ、敵の気配が増えないので、あとは減る一方だと思います。術者も撤退したか、やめたかのどっちかでしょうね」
それに関しては、ヴァルツも同意見であった。もえぎとヴァルツが倒したときも増えることはなかったため、倒したら終わりなのだろうと見当はつけていたのだ。
ピカのさせたいことに関しては、あまり全体像が見えてこないが、ここは言う通りにした方がよいのだろう。彼女なりの考えがあってこその提案である。それにこの場にいては迷惑になるのは明確だ。
「トリス。このままマリーと合流するぞ」
「それはいいけどぉ……僕のこと、空気にしてなかった?」
「していない」
「……ま、いいや。行くよ、ヴァルツ」
ヴァルツのことを背負うと、トリスはピカのことを見下ろした。雷姫の現所有者である彼女は、ヴァルツとは違った頭の使い方をする。そこがなんとなく面白いと思うが、関わりたくはないと感じた。特に話しかけることもせず、そのまま走り出した。
その背中を見送り、ピカは前に向き直る。雷姫はピカの命令通り、時間稼ぎのために奔走していた。倒すわけではなく、あくまで注意を惹き付けるための動きをしているらしかった。
「さあって……戻れ、雷姫!」
手元に雷姫を呼び戻し、手に馴染ませるように何度か振るった。ガオガエンはいきなり消えた雷姫を探しているようで、きょろきょろと辺りを見回している。
「分かった?」
『あぁ。やつは回復能力向上、じゃな。それ以外は何もなさそうであるから、使い手に注意さえすれば問題ない』
「うーむ。……聞いた通りの情報というわけね。つまり、あの武器の名前はピンキーか」
『そうじゃな。回復しながら、攻撃出来るものだということじゃ。我のような攻撃特化とはまた違う武器だな』
「理性さえあれば強力な武器になりそうだけど、あの大きさじゃ、難しいかな。ある意味、人を選ぶ武器だ」
『そうかもしれん。……とはいえ、あれが理性を保っていれば武器の大きさも変えられるかもな』
「うわぁ……惜しい。ま、簡単に飛んじゃうようなやつ、いらないけどね」
『はっきりしておるの。……行くぞ、マスター』
「はぁい」
雷姫を構えて、ふっと短く息を吐く。そして、一直線に走り出した。真っ直ぐ向かってくるピカに気づいたガオガエンは大剣を振り上げ、一気に振り下ろした。が、そこにピカの姿はない。
「本能で戦っているって感じ。……騙しやすくて楽だねぇ♪」
極限までスピードを上げて、殺気だけを相手に感じ取らせているのだろう。言うなれば、気配だけをその場に残して、自分は別の場所に移動しているのだ。目で見て攻撃しているのではなく、感覚だけで攻撃しているからこそ使える手である。軽く雷姫を振るい、ガオガエンに斬撃を与える。それも可能な限り多くの連撃を与えていった。最後の攻撃で相手がのけぞり、そこで後ろに跳躍し、距離を取った。
「何連撃だった? 自分で数えてなかったんだけど」
『六連撃じゃな。まあまあ、というものさ』
「あ、足りないって言われてる?……マジか。なんかさ、手応えないよね。……もしかして、私の攻撃を受けるのと同時に回復してるの? マージか。そこまで?」
『そう考えるのが妥当じゃ。出血量も極端に少ないしの』
「え~……最強武器だろ、あれ」
とは言うもの、弱点がないわけがない。そこを探りどうにかして倒すしかないのだ。今、考えられるのは代償である。あのような無限回復が何度も通じるはずがない。それこそ不死身でない限りは。どこかに穴が必ずあるはず。使い手が生きている生物である以上、限界は存在するのだ。
「弱点……人の弱点を突く? 心臓とか、首とか? 本来はそれでやられると思うけど」
『相手の体が大きすぎる。我の刃が届く前に反撃を受けかねない。もっと何かありそうじゃがな』
「ん~……ってことは、時間稼ぐ……なんて、こっちが持たないな」
『確かに、こちらの限界が来るが早いの。……マスター! 炎攻撃が来るぞ!』
「あ? うええっ!? “まもる”!」
咄嗟に“まもる”を張り、攻撃を防ぐ。対応はやや遅れたものの、完全に防ぎきることには成功した。
今まで剣による攻撃のみであったために、警戒をほとんどしていなかった。剣があれば簡単に人を殺せるものだと理解しているというよりは、神器で暴走しているため、手離すことを考えていない。そのため、剣で攻撃している。そのようなメカニズムだと考えていたのだ。しかし、剣で対応出来ないと悟った途端、炎攻撃を追加してくる辺り、学習能力はあるのかもしれない。あるいは、こうした方が勝てると察したのかもしれない。
「ありがとう、雷姫。言われなきゃ当たってた」
『構わん。……それにしても、先程のは無駄話するなという忠告かの?』
「はあ!? 作戦会議だってぇの! “雷撃一真”!!」
刀身に電気を帯びさせ、刀を振るう。すると、電気の刃が相手目掛けて飛んでいく。
ガオガエンはピカが作り出した電気の刃を大剣で真っ二つに斬ってしまう。が、電気はその場でバチンと大きな音を立てて、ガオガエンにまとわりつく。ピカら本来、攻撃技であるものを妨害策として放っていたのだ。少しでも動けば電気に触れてしまい、感電してしまう。そうなれば、しばらくは満足に動けないだろう。理性がなくとも、それは理解しているようで、動きが戸惑ったようにぎこちないものへと変化した。
「本能で動いてても、それには躊躇するんだ? 誰でも感電なんてしたくないからかな。……雷姫、警戒を怠らないでね」
『うむ』
「さて……どうするかな」



~あとがき~
とりあえず、敵の動きを封じたピカ。これからどーするのやらやら。ところで、ピカはどこから情報を得ているんでしょうね? 武器の名前とか。……そこら辺は近いうちに種明かしすると思います!

次回、さくっとヴァルツの方を終わらせます。ピカが考えた策とは……?

もうすぐ二百話ですね。終わりそうにないですね。いつこのお祭りは終わるんですかね?? というか、このお祭りが終わってもいくつか長編残ってるので、終わりが見えない……!!
エンディングはちゃんとあるのになぁ……一話一話をもう少し長くすれば話数は抑えられるんですけどね。だからって、今までのスタイルを壊す必要もないですよね……ひとつの長編で何字になるんだろ。考えたくもないぜ……

本編での話を少しだけ。
ここまで読めば分かりますが、神器には一つ一つ特殊能力的な物があります。その武器特有の特徴みたいな。トリスは武器の形状変化能力。マリーは索敵能力……みたいな。その能力を引き出せるのは持ち主のみとなります。まあ、トリスのような例外はあるけど、それは番外編で語れればと。
そんでもって、雷姫は攻撃特化型となります。持ち主の能力を向上させる能力。また、電気を自在に操る能力も彼女の特徴です。他にあるのかどうかは……どうなんでしょうね? 本編で語るときが来ればいいな!

ではでは!

はじまりのソラ 7ー6

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊の物語を元にしております。原作のイメージが崩れる恐れがあるので、苦手な方はバック!
前回はまさかのピカ、単独行動(笑)
ピカ「違う違う。私は置いていかれたのです」
え、あ、え??
ピカ「置いていかれました」
あっはい。
今回はちゃんと三人で行動しましょうね……


~7‐6 ギルド遠征、重なる謎~


十五分くらいだろうか。ダンジョンの入口で待っているとポチャとビッパが戻ってきた。私の姿を見るなり、慌てた様子でこちらに駆け寄ってくる。まあ、当たり前の反応ではあるのだけれども。
「ピカ!? え、ちょ、なんで!?」
「ついてきてなかったゲスか~!? 中に入ってもピカが全然来ないから心配してたんでゲス」
「それに関しては謝る。看板見たもんだから、入る気が失せちゃって」
「看板?」
ポチャが私の示した方へと歩き、じっと看板を見る。
「…………うわっ!? 書いてあるっ!」
「そーなんでゲスかぁ!?」
「二択だから、ポチャが帰ってきた時点で分かりきっていたことなんだけどね。君達二人が行った方が間違いってことはね」
「うっ……確かに」
ちゃんと周りを確認しないからこうなるんだ。まあ、引き留めなかった私も私……って引き留められないところまでぐんぐん進んだのはポチャ達だけども。
「じゃ、今度はちゃんとした正規ルートを進もうか。慌てん坊のお二人さん?」
「う。ごめんって」
「申し訳ないゲス……」
しょんぼりした二人を引き連れ、『えんがわのいわば』へと入る。中は湿気が多くてじめっとした印象だ。そのため、水タイプが多くいる。ポチャの出番はあまりなさそうだな……

『えんがわのいわば』を難なく突破し、しばらく歩いていくと山岳地帯へと足を踏み入れた。この時点でそれなりに日が傾いており、この時間では山越えは難しいだろう。ってことで、今日はここら辺で一晩明かすことになった。明日は山登りになるだろうけれど、気になることが一つある。
「ポチャ、山登りは平気なの?」
「得意ではないけど、何事も経験だと思って頑張るよっ!」
結構前向きな返事が返ってきた。まあ、『トゲドケやま』も登れたし、なんとかなる……のかな。いや、なんとかなってもらわないとこちらが困る。
ビッパもペース、今日と同じで大丈夫そう?」
「だ、大丈夫でゲスよ!」
『えんがわのいわば』ではそれなりに息上がっていた気がするのだが……本当に大丈夫なのだろうか。
ってか、不安要素しかないな。このチーム……
「この目の前にある山を越えれば、ベースキャンプ近くまで行けると思うよ。順当に行けば、明日には着けるはず」
不思議な地図を取り出して、確認しつつ計画を練り直す。明日朝一で登り始めれば、夕方には到着出来るはずだ。昼前は……どうだろう? この山がどれくらいで抜けられるかによるな。
まあ、どちらにせよ、今日はここまでにして明日からまた頑張ろうってことになるんだけれど。
地図を仕舞っていると、ビッパと目が合った。ポチャは隅っこで野宿の準備中だ。こちらには気づいていない。
「? どうかした?」
「その……あっし、二人の先輩なのに、それらしいこと出来てないでゲス。何もしてなくて、申し訳ないなぁって……」
「なんだ。そんなことか」
「そんな冷たく言わなくてもぉ!?」
「私は後ろでちゃんと注意を払ってくれているビッパが、何もしていないなんて思わないけどな?」
私が先頭に立ち、得意の電撃で敵を追い払っていた。その後ろでポチャも援護してくれていたけれど、私達の背後までは気が回らなかったのは事実。それをカバーしてくれていたのがビッパだ。本人が何もしていないなんてあり得ないし、ちゃんと先輩らしいことは出来ている。
「チームのリーダーってのはね、意外とメンバーのことを見てるんだよ? ビッパ先輩?」
「うっ……ピカ……!!」
うるうると目に涙を溜めて、今にも零れ落ちそうなくらいだ。涙もろいのかな。いやいや、ここで泣かれてもどうしようもないから!
「あー!! 泣くのは遠征を成功させてから! ね? ご飯にしよう」
「そ、そうでゲスね!」
なんとか涙を堪えて、ポチャの方へと走っていく。
この遠征で、私もポチャも……ビッパも、何か得るものがあるといい。成長出来るような何か。それは多分、経験が一番いいものなんだろうけれど。

仲良くご飯を食べた後は、なるべく離れないように三人で固まって野宿することになった。しかし、野宿なんて今までなかったからか、全く寝付けない。男子二人はすでに夢の中だというのに……ちなみに右からビッパ、ポチャ、私の順に川の字みたいに寝ていた。が、私はというと、少しの物音ですら気になってしまう。外で守ってくれるような壁がないから、無意識に警戒してしまっているのだろうか。いいことではあるんだけれど、明日に響いてしまったら本末転倒だ。
「寝ろよ……私」
こういうのって、意識すればするほど寝付けなくなっていくもんだよね。辛い。いっそ、寝ることを諦めるか。
体を起こし、二人を起こさないようにそっと離れる。上を見れば、山の近くだからだろうか。満天の星がきらきらと輝いていた。邪魔するようなものもないし、この夜空も最大限の輝きを放っているのだろう。
私がポケモンになってしまう前……人間の頃にも、こんな星空は見えていたのだろうか。そうだったら、嬉しいけれど。
「……私はこれから、どうなるんだろうなぁ」
今は流されるように探検隊をやっているし、それがいっぱいいっぱいだから、考えたことがないけれど、人間の私はどうなる運命なのか。いや、運命とかそんな大それた言葉でなくても、明日明後日の未来で、どうなっていくのだろう?
この世界に人間はいない。少なくともポチャは知らないと言うし、私もここで生活するようになってから、見たことも聞いたこともない。この世界を勉強する中で人間というものがいて、こんな姿だっていう絵は見た。しかし、実際に見たわけではないのだ。となれば、私はどこから来たのか。
友達は? 家族は? 今までどうしていたのか。記憶がないから、何も分からない。今の私はある意味、偽物だ。これがピカ……いや、ラルであるという確証がないのだから。
「何なんだろう……って考えても答えなんてなんだけど、眠くないから仕方ないよ。うん。仕方ない仕方ない」
……誰に対する言い訳をしてるんだろう?
答えのない自問自答は迷宮だ。それも出口のない迷宮。いつ抜け出せるのかも分からないし、二度と抜け出せないかもしれない。そんな迷宮なんだと思う。きっと、私は一生迷い続ける。
ま、明日からこんなことを考える余裕なんてなくなっているんだろうけど。
私はその場で寝っ転がると、ぼんやりと空を見つめ続けた。しばらくは星が動く様をじっと見ていたのだけれど、いつの間にか眠ってしまっていた。



~あとがき~
意味もなく考えるときってありません?

次回、『ツノやま』攻略!

特に補足することがありませんね……
何か質問等あれば、お気軽にどぞ~(唐突)

ではでは!

Fantasy world

この物語はファンタジーポケモンを掛け合わせたものだよ! 魔法出てくるよ!
最近使ってないよ! これ、書くのもサボってたよ!! 始めるんだよっ!!
イオ「……なんなの?」


~第15話 気紛れ主とご対面~

シェルのところに挨拶は終わったが、思ったよりも時間を使ってしまった気がする。こんな風にだらたわらしてしまっていては、全員紹介など今日中に終わらないのではないかと不安になってくる。
まあ、なるようになるだろう。
「……つーことで、ファードの家の前なんだが」
「……? 開きませんね?」
うん。行くとは言っていたんだが、こうなることもなんとなく予想はついていた。仕方ない。行くと言ったんだ。こんなのも予測してあるだろ。
「メイ、開けろ」
『かしこまりました~♪』
メイの“サイコキネシス”で鍵を開けさせた。カチャリと小さく音が鳴ると扉は簡単に開いた。こういうとき、エスパータイプは得だよなと思う。もちろん、その能力を正しく使えたらの話だが。
「え、イオさん! いいんですか?」
「いい。いつものことだから」
扉を潜って中にはいると、周りには沢山の機械が置かれていた。役に立つのか、そもそも動くかどうかすら怪しい物ばかりではある。中にはぬいぐるみなんかも混じっているだろうか。相変わらず、整理はされていない。
「……お化け出てきそうですね」
「出ては来ないだろうが、手厚い歓迎は受けそうだな。……言ってる側から、右から飛んでくるぞ」
「へ?……!? きゃあ!」
飛んできたのは何かもわからないようなぼろぼろのぬいぐるみ。一応、怪我をしないようなものを選んでいる辺り、まだいい方だ。
「な、なんですかこれぇ……」
「ファードの支配魔法。要するに物を操る魔法だ。……ファード、いるなら鍵を開けとけよ」
「やーだよ。今日は仕事をしたくないからな。それにお前が来るなら閉めといた方がいいだろ」
奥から気だるげに現れたのはファード。左耳と右前足に包帯を巻いて、首からゴーグルを下げていた。明らかに俺達を仕事をサボる理由にしている気がするが、追及しても仕方がない。
「お前がイオの言っていた、記憶のないブースターだな。……ま、関わることはないだろうけど、俺はアルファード・フェブラリーだ。好きに呼んでくれていい」
「あ、えと……ミルフィーユ、です」
感情は籠っていないものの、あの面倒臭がり屋のファードがきっちり自己紹介をするなんて思わなかった。誰も催促していないのに、自分からするなんて……どうしたんだろう。
「……珍しく自己紹介してるぞ、あのファードが! どうした、なんかあった!?」
『イオ様、そんなに驚くことはないのでは?』
「いや、だっていつも無愛想だし。口悪いし」
「聞こえているぞ、お前」
聞こえるように言ったつもりだし……
なんて言ってしまうと何されるか分かったものではない。ここは愛想笑いでも浮かべておこうか。
「……イオ、ちょっと面貸せ」
あ、凄い。さっきのは本当に表面上の優しさだった。一気にいつものファードだよ。
「ガスト、メイとミルフィーユのこと頼むぞ」
「はぁ~い♪ お任せくださーい♪」
「うわっ! どこから出てきたの……?」
ぼわん、とその場からいきなり現れたのはファードの使い魔、オーガストだ。ファードと違っていつもにこにこ浮かれている明るいやつだ。ファードが動かないときは大体、オーガストが入ればファードは引っ張ってこれるものだ。
「イオ」
「分かってる。……メイ、少し待っててくれ」
『はい』
ファードの家の中にオーガストとメイ、ミルを残して、俺とファードは外に出た。外に出る必要があったのかは分からないが。
「で、どうした?」
「変なタイミングだと思わないか」
「……クヴァールの増加とミルの出現が?」
俺がそう言うとファードは黙ってうなずいた。口が悪く、人付き合いも避けるファードだが、こういう現状把握というか分析力は人一倍ある。
「俺はまだ偶然で片付けられるレベルだけど、ファードは引っ掛かることあるのか?」
「うっさいんだよ」
「……ん? え、何が?」
「クヴァールがざわついてる。いつもかもしんねぇけど、それ以上に、騒いでやがる」
ファードが見つめる先には森が見える。きっとあそこにもクヴァールが存在しているのだろう。移動魔法を使っているから距離感を忘れるが、ここは俺の家からかなり遠い。ついでに都市からも大分離れている。
「突拍子もないが、意図的なものを感じるんだよ。俺の杞憂ならいいんだがな。……イオも気を付けた方がいい。ミルフィーユを自分の元に置いておくなら、な」
「あぁ。ご忠告どうも。ところで、今日は丁寧だな。なんかあったのか?」
「気紛れだ。……あとは後々話したくねぇし」
……嫌なことは今のうちってことか。ファードらしいと言えばらしいか。
ファードの支配するのは何も無機物だけではない。有機物……つまり、生きているものに対しても支配は出来る。何を支配出来るかなんて術者の思い描くもの全てだ。まあ、生きているものを自分の思い通りに支配すること自体、禁術だし、そもそもそんな高度な魔法はファードしか出来ない。
「他になんかあったら教えてくれよ」
「……めんどくさ」
「そう言いながら言ってくれるんだろ」
「言わねぇよ、馬鹿」
そう吐き捨てると家の中に戻ってしまった。素直じゃないななんて言うと、本当に相手にしてくれなくなるから言わないでおこう。





~あとがき~
聞いてください、奥さん! これ、前回更新が約二年前でしたのよ(滝汗)
もうこれ、いっそのこと打ち切りした方が潔いのでは……??

次回、家に残された三人の会話。

ファードが使うのは支配魔法。簡単に言えば何かを操る魔法です。それが心のない物だろうが心のある者だろうが自分の主の意のままに操ってしまう魔法。なんやかんや、こいつの魔法が一番怖いかもしれませんね。

なんか今回、ファードがめっちゃ丁寧に喋りましたね。ここで最初で最後かもっすけど……

ではでは!

はじまりのソラ 7ー5

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊の物語を元にしております。原作のイメージが崩れる恐れがあるので、苦手な方はバック!
前回は遠征の準備と説明(前半戦)で終わりました。今回こそはギルドの外へ出るぞ……!
ピカ「流石に今回で出られるよね」
ポチャ「そうだね」
うん! んじゃ、始めよう!


~7-5 ギルド遠征、重なる謎~


「まず最初のグループは、キマワリドゴームディグダグレッグルの四人」
名前を呼ばれた面々はお互いの顔を見て、確認し合う。そして、威張るように胸を張り、ドゴームが鼻を鳴らした。
「ふん! ワシの足を引っ張るんじゃないぞ!」
「あら。貴方に言われたくないですわ」
ドゴームの言葉に澄ましたように返す。この二人、あまり仲がよくないみたいだけれど、大丈夫なのだろうか。まあ、喧嘩するほどなんとやらと言うし、いらない心配か。
「次。ダグトリオ、チリーン、ヘイガニ
「よろしくお願いします♪」
「うむ、いいチームだな」
最初のグループとは違い、全体的に落ち着いたイメージだ。まあ、ヘイガニがいるし、なんとも言えないが、ダグトリオとチリーンが諌めるだろう。
……ってことは、残りは。
「次だな。ビッパ、ポチャ、ピカ」
まあ、こうなるよね。私とポチャは元々チームだから、離れるとは考えにくいし、メンバーの中で呼ばれていないのはビッパだけだ。若手チーム、といったところだろう。
「うん。よろしくね、二人とも!」
「よろしくでゲス~」
二人とも、どこかのんびりした雰囲気だ。あー……ちょっと心配になってきた。
「そして、親方様とワタシ二人で行く……ということで」
「えぇー? ペラップと二人!? やだやだ、つまんなぁ~い!」
普段から一緒にいるような二人だ。親方にとって、新しい、ワクワクしない展開なのだろう。ペラップは世間話しながらベースキャンプになんて向かうわけないし、ピクニック気分の親方とはテンションも違う。
「ワガママ言わないでください! これも作戦なのです!」
「ぶーぶー」
ぷくっと頬を膨らませ、ご立腹の様子。親方、そんなことをしてもペラップは何も変更しませんよ。
「そして、最後にドクローズ方々は単独でお願いしますね」
「承知しました」
こいつらが変なことしなきゃいいが。ちゃんと見張り必要だろ……いやいや、駄目か。悪い奴だって知ってるのは私とポチャだけだし、こんなしたっぱの言うことは誰も信じない。くっそー……
「それでは、皆、頑張って行こー!」
「おおーっ!!」
ペラップの号令に皆で気合いを入れる。
ここから、遠征のスタートだ!

ベースキャンプへ向かうルートはいくつか存在する。その中でも私達のグループは海岸沿いのルートから向かうことになった。山道は辛い、とポチャが申し出たためである。陸地が得意ではないポチャだし、仕方ないが海岸沿いも大して変わらないのでは、と思う。結局どのルートも山越えはするし。……うーん、少しでも楽であろう道を探した結果なのだろうか。そこら辺はよく分からない。
「凄い崖だなぁ……落ちたら大変だから、気をつけてね」
「うぅ……流石、遠征でゲス。目的地に辿り着くだけでも険しい道のりになりそうでゲス」
ビッパはぶるりと体を震わせ、くるりと後ろを振り向いた。そこにあるのは、見たこともないポケモンの像。
「これが探検家が噂をするガルーラ像でゲスね。この像を使うと自分が使っている倉庫に繋がるらしいでゲス」
なんだそのファンタジー設定! えぇっと、つまり? 道具を引き出せるってこと?
「そうでゲス! ありがたいでゲスね~」
なんでそんなこと出来るんだ……まあ、うん。そこら辺はふわふわっとした方がいいよね。気にしない気にしない!
「まあ、あっしも見るのは初めてでゲス。……遠征に行くのも初めてでゲスから、偉そうなことは言えないし、今、滅茶苦茶緊張しているでゲス……」
「そんなこと気にしなくていいんだよ? ぼくらも初めてだもん。初めて同士、協力し合っていけばなんとかなるさ」
行く前はお前も緊張していたけどな……なんて言うのは、無粋というものだ。
「地図見てみよ。ピカ、出せる?」
「はいはーいっと……」
ポチャに言われ、バッグから地図を取り出した。その地図を三人で取り囲む。ポチャがギルドの場所から今いる海岸までするするっと指を動かす。
「えっと、今はここ、だよね。……ベースキャンプの場所は……」
ギルドからはかなり離れてきたが全体で見れば、まだまだ中間地点。朝にギルドを出て、休憩を挟みつつここまできた。今は日が沈む前、といったところか。
「とりあえず、今日はここのダンジョンを抜けて、この山の麓までを目指していこうか」
「そうでゲスね」
ここに来て、ポチャが私達を引っ張るようになってきた。憧れの遠征、探検で気持ちが先立っているのかもしれない。いいことではあるんだけど、ドジなことしないかヒヤヒヤしているのは、私だけなんだろうな。
地図をバッグに入れながら、先頭を歩くポチャを見る。恐らくダンジョンへと続く道の入口を覗いているのだろう。
「ねえ、ここ、入口が二つあるよ? 右と左、どっちに行く?」
「えっ! そうなんでゲスか!? ど、どうするでゲス?」
「どっちかしか先に繋がってないのかな。まあ、二分の一だし、進んでみよう」
なんて言って、左の道へと進んでしまう。ビッパもポチャの後に続いて左の道へ。
いやいや、私何も言ってない! 私にも聞け!?
「……私は左より、右がいいな。勘だけど」
何か、ヒントになるようなものはないだろうか。そんなことを考えつつ、辺りを見回ってみる。するとガルーラ像の影に看板が倒れているのを発見した。さっきは見えなかったから、死角だったらしい。
「えぇっと? 『えんがんのいわば』……と『ちいさなよこあな』……かな。名前的には『えんがんのいわば』が正式ルートだろう、けど」
潮風に晒され、看板もかなり劣化しているようだ。でも、まだ読めそうな雰囲気がある。
「……んー……あー?」
目を凝らすと、場所の名前の横に矢印が書いてあるように思う。『えんがんのいわば』の横に右を指す矢印、『ちいさなよこあな』の横に左を指す矢印がある……気がする。
「これ、待ってたら二人ともここに戻ってくるのでは」
名前からして大きなダンジョンではないはずだ。……三十分。今から三十分経って戻ってこなかったら後を追う。ダンジョンの形式からして、水タイプが多いと見た。一人でもなんとかなるだろう。
こうして、ぼんやりとダンジョンの入口で無駄な三十分を過ごすことにした。無駄に動きたくないし、道具も無駄にしたくないし、私の読み通りなら正解は右だし。間違いだと思っている道へわざわざ行くのも馬鹿らしいというものだ。



~あとがき~
投稿多いのは、本編の戦闘シーンに疲れたからです。というか、シリアスばっかでしんどくなりました!!

次回、ツノやま手前まで到達出来ればいいな!

チームで動くはずなのに、ピカは単独行動してますね。中に入った二人は置いてけぼりです。相当慌てていることでしょう(笑)

この小説の中でガルーラ像を出す必要があるのか悩んだけど、ゲームでめっちゃお世話になったし、置いておこうと思いました。

今回の話は長くなりそうだなぁ……なんて思ってます。まあ、のんびりお付き合いくださいね。

ではでは!