satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 4ー6

~attention~
これは時、闇、空をモチーフにした二次創作ですよ! 原作のイメージが崩れる可能性がありますので、嫌な方はバック!
ピカ「今はオリジナルストーリーやってるけどね。今回で言うの二回目ー」
ポチャ「ぼくの出番……ある?」
わからん! では、スタート!
ポチャ「………………」
ピカ「ドンマイドンマイ♪」


~4‐6 初めての遭遇と新たな仲間~


「っ!? お前ら………!」
ムーンはピカが波に飲まれたところを見て、キッとズバット達を睨んだ。ズバット達は誇らしげにわさわさと群がる。
「はっはー! 見たか、これがボスと俺たちのコンビネーション!」
「雑魚共が邪魔して一人ずつってことか。そうしないと勝てないから? 随分小心者なんだな」
「何とでも言え。残りはお前一人だぜっ!」
会って間もないピカチュウの少女のことを心配する自分もおかしいと思いつつも、そこまでムーンの心を開かせたと思うと、ここでやられるわけにはいかなかった。彼女が倒れたにしろ、早く回復させた方がいいし、耐えたとしても毒のダメージで力尽きてしまうだろう。
「そうだとしても、数は最初より少ない。倒せない数じゃない! さっさと倒して助けに入らせてもらうよ」
地面を蹴り、軽くジャンプすると、鋭く尖った爪でズバット達を攻撃する。空を飛んでいるだけあって簡単に避けられてしまう。
「そんなへなちょこで当たるわけないだろ! こっちもいくぜ。“どくどくのキバ”!」
一人のズバットが口から覗くキバをきらりと光らせ、噛みつこうとムーンに襲いかかった。しかし、こちらも簡単にやられるはずもなく、難なく避けていく。
「後ろががら空きだぜぇ!」
「…………!」
大きく口を開け、別のズバットがムーンに噛みつこうと襲いかかる。前にも同じように“どくどくのキバ”で攻撃をしかけていた。
「………複数でくるの待ってた。“バークアウト”」
ムーンを中心に波紋のように“バークアウト”が放たれた。不意打ち同然のその攻撃を避けられるはずもなく、周りのズバット達は吹き飛ばされてばたばたと倒れていく。
「最後はボスさんとやらだけ……か」
ピカの相手をしていたはずのクロバットの姿を目で捉えようとするものの、どこを見回してもどこにも見当たらない。
「おかしいな。どこにもいない……それにピカもいないし………バッジの能力で帰ったのか? それならそれで構わないが…」
そう言いつつも、きょろきょろと探していると、ムーンの横を何かが横切った。あまりに突然でムーンも対応出来ず、びくっと体を震わせる。
「ピ、ピカ………なのか?」
声をかけてみるものの、返事はない。気絶してしまったのだろうか、と思いつつも、警戒しながら近づいてみる。すると、ぴくぴくと痙攣し気絶しているクロバットが横たわっていた。
先程までピカを追い詰めていたはずなのになぜかここに倒れている。首をかしげるものの、これをやったであろう人は見当がついていた。
「ピカ、どうやってあれから抜け出したんだい?」
クロバットが飛んできた方から、あはは、と笑いながらやってきたのは、睨んだ通り、ピカ本人だった。

ただの寄り道のつもりが、まさかこんなことになるなんて思いもしなかった。こんなところでお尋ね者に会うなんて。しかもこんな町中で、だ。
まあ、町中といってもここは海岸で人気なんてまるでないが。
「よいしょっと……あとは敵をどうするか」
そんな人気のないところで不思議なピカチュウの少女と出会ってしまった。そんなピカは、倒したズバット達とクロバットをどうにかしようと思ったのか、辺りを見回しているが、特に目ぼしいものがないようだ。
「これはギルドに連絡かな? 何か言われそうで嫌だな。んでも、このままにしておないし……仕方ないか。ねえ、ムーン。私、ギルドに戻って人呼んでくるから、こいつら見ててくれない?」
「え、あ……あぁ、いいよ。あ、ピカ、さっきの質問答えてくれてないんだけど……」
「あとで教えるよ! だから待ってて!」
にこっと笑って、颯爽とギルドのある方に走って行ってしまった。先程まで騒がしく、激しくしていたのとは裏腹に、今はしんとしていて、波の音が響き始める。
「そういえば、あんなに人と会話したのはいつ以来だろう。凄く久し振りな気がするな……」
ほう、と息を吐き、海の方を眺める。
今まで人との付き合いを避けてきたムーンにとって、ピカとの少しのやり取りは根強く残った。笑顔で接してくれた人は今までどれくらいいただろう。もしかしたら、家族くらいかもしれない。我が儘かもしれないが、もう少しあのピカチュウと話してみたいとふと考えた。
「………この短時間で随分変化したものだな、僕は」
ぽつりと呟くように言ったムーンの表情は和やかなものだった。そして、そのままピカが帰ってくるのを海を眺めながら待った。

ムーンを海岸に残し、私はギルドに戻ってきた。夜も大分更けてきたから、起きている人がどれくらいいるかわからないが、少なくとも私が散歩していることを知っている、ペラップやポチャは起きているだろう。
これで二人とも寝ていたら許さん。
「ただいま戻りましたーっと………おぉ?」
「あ、ピカ。お帰りっ」
「遅いぞ! すぐ戻るかと思ったのにこんな時間まで」
私の予想通り、ペラップとポチャら起きていた。しかし、他の弟子達も朝礼をする広場に集まり、皆して帰りを待っていたらしい。
「あれ、なんで皆起きてるの? ひまなの?」
「違いますわ。ピカの帰りが遅いってどっかの誰かさんが叫ぶものだから、探しに行こうかって話していたんです」
キマワリペラップの方をじっと見つめながらそう言った。なるほど、と私が納得するとペラップは慌てて違うからな、と否定する。
「ま、ピカが帰ってきたんなら、皆寝よーぜ。明日もいつも通りなんだろう?」
ドゴームが夜だというのに相変わらずの大声で促す。ドゴームにつられ、皆がぞろぞろと弟子部屋に向かっていく。
「あ、ちょっと待って。手伝って欲しいことがあるんだけど……」
「明日にしろ、明日ー」
「いや、明日じゃ逃げちゃうって。人待たせてるし。人手が欲しいんだよー! ドゴームさーん!」
「っあぁもう! 明日早いって言っておるだろうが!」
ちぇっ! 少しくらい手伝ってくれたっていいじゃない。可愛い可愛い妹弟子の頼み事なのにさ。ドゴームのけち。仕方ない。パートナーのこいつでいいや。
「むぅ……じゃあ、頼りないけど、ポチャ、手伝って」
「頼りない!? うぅ……まあ、その通りなんだけどね。………それで、何すればいいの?」
私とポチャが話していると、キマワリとチリーン、そしてビッパがこちらに寄ってきた。私達は互いの顔を見つめ、首をかしげると、三人は手伝う、と名乗りをあげてくれた。
「ありがと。キマワリ、チリーン。逃げなかった兄弟子ビッパもありがとう!」
「ピカが困っているのにほっとけないでゲスよ」
「そうですよ。それにここの男達は頼りないですからね~? 特にドゴームとかっ!」
「キ、キマワリそういうことは言っちゃ駄目なんじゃ……」
ポチャがドゴームのいる方とキマワリをちらちらと気にして言うが、キマワリ自身は大して気にしていないようだ。
「それで、ピカさん。先程、人待たせてるって言っていましたがどういうことなんです?」
「あぁ……さっき海岸でちょっとしたトラブルに巻き込まれて、そこで知り合った人をね」
「トラブル? まさか何か危ないことでもあったの!?」
ポチャが慌てて私に問い詰めてきた。そこまで必死になって聞かなくてもよくないか、と思ってしまう。
まあ、危ないといえば、危なかったかな。
「海岸の方にお尋ね者達が来て戦闘になっちゃって…」
「えっ!? お尋ね者!?」
四人が声を揃え、私に詰め寄ってきた。そしてこの発言で、三人の声が聞こえたのか、弟子部屋に引き払ったはずの男子達がこちらに戻ってきた。
お尋ね者と聞いて随分と態度急変じゃないの。腹立つ。
「何よ。皆して……あ、もしかしてお尋ね者って聞いて心変わったの? 私の頼みは聞かないくせに?」
「べっ別に!? あ、あれだ! ちゃんと捕まえないと皆が困るだろ! なっ!?」
ペラップが慌てて取り繕うところを見ると、結構胡散臭い。まあ、いい。これで人手は足りた。さっさと彼のところへ戻ってあげないと。



~あとがき~
一応、お尋ね者と戦うのは終わりです。変な終わり方しましたが、そこは察してね☆

次回、ピカがどうやって助かったのか説明をしてもらうかな。多分!

本当は今回で終わればと思ったのですが、終わりませんでしたね。大体予想はついていたけどね!
あと、結構戦闘シーンのところは雑だなと思います。ごめんなさいね。私の文章能力の低さが原因だ……
分かりにくいところは想像力でカバーしてね!((
まあ、その想像力の基本である情報が曖昧だから、出来ねぇよってなりそうですが、そこは皆さんで作っちゃって←

ではではー!