satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第94話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわやわやする物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
長かった一回戦が終わりました。今回からは準決勝。ぱぱっとやって、決勝で長く楽しみたいものですね……
ラル「長くやりたくないんじゃないの?」
……まあ、本音はな…バトル苦手だから(笑)
でもまあ、頑張りますよ!!


《A side》
つい成り行きで滞在していた救護室をいつものメンバーと共に出て、食べ物の屋台が密集しているエリアへとやってきた。
「あーちゃんはーっと……?」
制服の白ワンピを揺らしてキョロキョロと辺りを見回すツバサ。手分けして捜してもいいが、アリアのことだ。どうせ、気に入った屋台のご飯を買って食べてるはずだ。その辺の屋台を見て回ればすぐに見つかるだろう。
「んお? あれ、フォースじゃね? 誰かと一緒だけど……アリア、か?」
レオンが示すところには確かにフォースがいた。生徒会の腕章をつけてはいるものの、規定のブレザーは肩にかけるだけというスタイルだ。
ついでに捜し人だったアリアと、知らない男性がいる。アリアはフォースとその男に囲まれているものの、自分のペースを崩さずに焼きそばを頬張っていた。いや、大会終わってないし、次はお前の番なんだけどね?
「よお、いつもの。お前らのお仲間連れてけ」
「フォースさん! どーして……?」
「そりゃ、選手で次が出番なのにのんびりしてる奴を見たら、生徒会としては確保しておくだろ。最悪、鎖で連行するつもりだったよ」
フォースならやりかねん……アリア相手にそれが通用するのかは分からないが。
「なあなあ! フォース、その人は?」
「……あ? あー……シラナイヒト」
「かーくん!? 俺とかーくんの仲でしょ! もー! 他人行儀なんてひどぉい! 初めまして! かーくんのお兄ちゃんでっす☆」
え、何……この底抜けにテンション高い人……? フォースの兄貴?
お兄ちゃんと名乗る男は確かに見た目はフォースに似ている。髪型も目の色も。ついでに背格好もだ。服なんかはラフな格好ではあるが。しかし、髪の色だけは乳白色だ。ツバサみたいに真っ白ではないが、この人が魔法使用者ならツバサみたいに白に分類されてもおかしくはない。それくらいの髪色だった。
「かーくんも早くラルちゃんとこ行きなよ~? 出番あるのはかーくんも一緒だよ?」
「現地集合で事足りる。さっさと持ち場つけ。おれの傍じゃねぇだろ。すぅんとこ行けや、くそ兄貴」
「酷いなぁ? お兄ちゃん、泣いちゃう」
「男泣きとか見苦しいから知らないとこで泣いて。じゃ、そゆことで」
「泣き虫かーくん時代あったでしょぉぉ!! でも、そんなかーくんも好きだよ!」
「うるっせ! いつの話だ! こちとら、仕事あんだよ!! 帰れ!! ハウス!」
それだけを言い残して、フォースは人混みの中へと消えてしまった。嵐のような時間が経ったけれど、この間、ほんの一、二分くらいだったではなかろうか……?
「あ、えーと、フォースのお兄さん?」
「うん。かーくんのお兄ちゃんだよ?」
……突っ込まねぇぞ。
「フォースには言えなかったけど、アリア見つけてくれてありがとうございました。……アリア、飯食ってないで、さっさと行くぞ」
「……」
全く動じねぇな。分かってるのか、ここで不戦敗なんてことになったら、食べ放題どころじゃないんだが。
俺が無理矢理、立たせようとすると、アリアの目がキラリと光る。ヤバイと思ったが、すでに時遅し。アリアの拳をもろに受け止めて、空を舞っているところでした。
「わあぁあ!? アラシ!!」
「ありゃあ……ま、かーくんにもフックかましてたからにゃあ~♪ 血気盛んだね」
お兄さんが言うには、フォースも洗礼は受けていたらしいが、あいつに傷一つなかった。つまり、全部、避けたんだろう。……マジか。
顔面着地とはいかないまでも、全身で着地するはめに。そして、レオンが笑いを堪えているのは忘れない。覚えていろ。
「いってぇ……な、なんで、俺が……」
「やり方の問題じゃないかしら? 任せて♪」
パチッとウインクを見せ、ミユルがアリアに近づく。ミユルの方をちらりと見るも、気にせず、たこ焼きを食べ始めている。本当にマイペース。
「アリアちゃん、さっき、シルと先輩の試合が終わったの。だから、今度は準決勝。つまり、アリアちゃんの出番なの」
「そーだよ、あーちゃん! 急がないと、あーちゃん負けちゃうよ! 優勝賞品! もらえなくなっちゃう!」
「……!! タダ券!!」
バッと立ち上がり、ダッシュで会場方面へと走っていく。迎えに来た俺達は放置だ。残された俺達はアリアの後ろ姿を呆然と眺めていた。
ミユルとツバサの言葉でスイッチ入ったから、あのまま試合には出てくれるはず。一応、準決勝で不戦敗という最悪な事態は免れたわけだ。それにしても、だ。
「アリアのやろー……!」
「いいじゃん♪ 未来は守られたってことで♪」
お前、なんもしてねぇだろ。
「フォース先輩のお兄さん、アリアちゃんがご迷惑をおかけしました。ごめんなさい」
一連の流れを興味深そうに眺めていた、フォースの兄さんに、ミユルはぺこりと頭を下げた。そんなミユルに、兄さんは、ニコッと柔らかな笑顔を返した。
「ううん。俺はすっちーの頼まれ事ついでに、かーくんに絡んでただけ。……まあ、ケアルちゃん達に会えたのは嬉しい偶然だったけど。……大会、頑張ってね、ノフェカちゃん♪ それと、シルフくんもね」
ずっと大会を見ていたのか、ミユル達のファミリーネームを口にする。フォースの兄さんなら、知っててもおかしくはないが。
「それと……ナイスファイト♪ フェルドくん」
ぽんぽんっと頭を叩かれ、お兄さんとやらは屋台方面へと消えていく。すっちー……─フォースがすぅって呼んでいたから、多分─ステラに頼まれたというものを買いに行くんだろう。
「不思議な人だな……あり? アラシ……お前」
「え? あ、え……治ってる?」
アリアのパンチで受けた傷が綺麗さっぱりなくなっていた。疲労感は流石にそのままだが。
「ツバサ……?」
俺がツバサを見ると、驚いたように首を横に振る。
「私は何もしてないよ! それに魔力は感じなかった……けど、技って感じも……なかった、と思う」
……後で、ラル達に聞いてみるか。ラルの名前を出したってことは、少なくとも正体は分かるはずだ。

アリアの次に試合があるミユルとは会場入口で別れ、俺とツバサ、レオンの三人は救護室へと戻ってきた。中に入れば、変わらずラルとティールがモニターを見ながら談笑をしているようだったが、そこに新たに一人加わっていた。
「ししょー! おかえりなさい!」
「あら、ツバサちゃん♪ ただいま。それに、アラシくんとレオンくんも。大会お疲れ様」
本来のゲストであったヒナギクに付き添っていたはずのリアさんが救護室へと戻ってきたようだ。笑顔で俺達を出迎えてくれる。
「なんかすいません。成り行きでここに居座って」
「ふふっ♪ いいのよ。もう大会もトーナメント。大勢の怪我人なんて来ないから。それに、そこに生徒会の二人も居座っていることだし、私は気にしないわ」
「嫌味ですか、リアさーん? そんなに私とラブラブできゃっきゃっできる話をしたいんですか? 付き合いますよ? ネタはたっくさんありますよぉ」
おおう……リアさん相手に恐れないな。
ラルの意地悪な笑みにリアさんは何を思ったのか、顔を赤くする。
「もうっ! ラルちゃんは少し黙っていなさいっ!」
「はぁい♪」
「……ねえ、この編成、どうなってるの?」
「ん?……初期メンツの大部分が休憩エリア付近の警備隊と合体してる」
「あー……なるほど」
仕事はするんだな……
「全く……皆、好きなところ座っていいわよ。ゆっくりしてってね」
「ありがとうございます。……そいや、先輩達は」
俺が思わず呟いた疑問に、聞こえていたのか、ラルがちらりとこちらを見て、口を開いた。
「ユーリ君は会場警備、リリちゃんは会場外アシストに行かせた。激動の予選も終わったからね。もうここも大量の人は必要ないから、休憩させるか、別動隊に再編させてる」
「……仕事はできるんだから。ラルちゃん」
「へへぇ♪ もぉっと褒めていいですよ! リーアーさんっ♪」
せ・ん・せ・い! いつもリア先生って呼びなさいって言っているのに。……ま、今更かしらね」
「イグさんもリアさんも諦め悪いですねぇ……どうせ、この関係もあと一年もないんですから、いいでしょう?」
「よくないだろ。先生つけなよ、ラル」
ため息混じりに注意するティール。それに顔色一つ変えず、ニヤリと笑って答えた。
「なんか、気持ち悪い……急に呼び名変わるって気持ち悪くないですか、ティール様~」
「様言うな。今呼ばれると、別のスイッチ入る」
「入った方が有能説あるぞー」
ラルとティールの会話中にツバサがラルの肩を控えめにとんとんっと叩いた。それに気づいたラルがツバサを見る。
「どしたの? ツバサちゃん?」
「あの、全く関係ないんですけど、ラルさんに聞きたいことがありまして……お邪魔じゃなければ、いいですか?」
上目遣いにお願いされ、ラルの表情はふにゃっと柔らかくなる。
「いいよー! ツバサちゃんのお話なら、いつでも大歓迎だよー!」
「さっき、あーちゃんを捜しにいったとき、フォースさんとそのお兄さんに会ったんです」
それを聞いた瞬間にラルとティールの表情が固まる。
「なぜ……何ゆえ?」
「知らない……ステラ達の保護者役?」
「あ、なるほど……なるほどぉ!? 人使い荒くねぇ!?」
「君に言えた義理じゃないよ……?」
「……それはそれ! えっと、そのお兄さんはウィルさんって人。フォース君のお兄さん……みたいな人だよ。血は繋がってない」
へえ? あんなに似てたのにか?
「え、ウィルさん、どんな見た目してたの」
「どんなって……ほぼフォースと見た目一緒だったぞ? 髪の色が違うくらい? なあ?」
レオンの言葉に俺とツバサは頷く。ざっくりした説明だったが、二人には伝わったらしく、納得したように「あ~」と呟いた。
「それに、フォースのことをかーくんって」
「それは……まあ、愛称みたいなもんだよ。フォースって名前に由来してないだけさ。かーくん呼びするのは、ウィルさんだけ。ぼくらは一度も呼んだことないよ」
ふうん?
納得したような、していないような。他にも聞きたいことはあるが、ラルがふとモニターを見上げる。
「……っと。さてさて、そろそろ準決勝だね」
そう言われて、モニターを見上げてみる。丁度、イツキ先輩とアリアが入ってきたところのようで、恒例の放送部による選手紹介だ。もう、必要ない気がしているのは、俺だけだろうか。
『えっと……まずは冒険科三年! よしぇ……予選では秒しゃ、秒殺!……トーナメントでは、相手を瞬しゃす!……瞬殺してきたブラックホール! アリア・ディーネ先輩です!』
『おいおい、相棒~? そこは、アァァリア・ディィィィネェェェ! だろ!』
『はう! それは無理だってさっき話したじゃないですかぁぁ!!』
一回戦のハイテンションとは変わり、キャスが紹介をしているらしい。たどたどしいものの、言いたいことは分からなくはなかった。リュウ先輩とのどうでもいい話が入ってしまっているが。
『つ、続いて! 予選では奇跡的に生存! トーニャ……トーナメントでは、後輩を打ち負かした獰猛? な……剣術師……?』
『イィィィツキ・カグラァァァァ!』
『ちょ! 先輩! 勝手に僕の台本変えないでくだないよ~!! なんですかこの前口上! イツキ先輩に失礼じゃないですか!?』
『問題ない! なぜなら考えたのは上級生の俺だからな!』
『えぇぇぇ!!』
とんでもない前口上を言われているイツキ先輩だが、大して気にしていないらしい。一回戦のあれで抵抗しても仕方ないと思ったのかもしれない。
「相方、リュウ先輩に対してたじたじじゃねぇか」
「にゃは♪ でも、客受けは良いっぽいからこのままでもいいんじゃないのか?」
……なのかなぁ?



~あとがき~
決勝前でだれにだれまくってる!
やばい!! 頑張るよ!!

次回、アリアVSイツキ!
予定では、今回に捩じ込むつもりでした。無理でした。

わーい! ウィルお兄ちゃん(人ver.)登場です!
本来の見た目はまた違います。具体的には、髪が長いです。(大雑把)
ここでも神様してます! よろしく!!
今後、出てくるかは知らないです!((
今回出した理由は、フォースとウィルのくっだらない会話をしたかったから。それだけです。
裏の目的とはないです。(多分。)

ではでは!