satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 6ー6

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊を元にしています。原作のイメージが崩れるため、そういうのが苦手な人、嫌な人は見ないことをおすすめするよ!
ピカ「最近、オリジナルをぶっこむ作者から一言どぞー」
創作楽しいです。バトル描写能力ほしいです。
文章能力もっとほしいです(泣)
ピカ「一言とは」
ポチャ「三行だったね」
ピカ「せやな……」


~6‐6 やってきたあいつらと失敗~


相変わらず、敵ポケモン(草タイプ)にびくびくしながら進むポチャとそれを利用して時々悪戯をしかける私は色々あったものの、無事に目的地へと辿り着いた。『リンゴのもり』の奥地に行くと、一際大きな木が目についた。ぺラップの話通りならあの木に生っているのがセカイイチだろうか。
「あ、あれじゃない? 行ってみよ!」
私の悪戯に律儀に付き合ってくれた……否、付き合わされたポチャだったが、体力だけはあるようでまだまだ元気だ。とは言っても、ダンジョン突入前と今では元気度は変わってくるけれども。
近くまで寄ってみると、より大きさが伝わってくる。普通の木の何倍あるのかも見当がつかない。実っている数は見たところ少ないが、そこは自然の物であり操作出来るものではないということだ。
「きっとここにあるのがセカイイチだよね。……さて、あれをどうやって取ろうか?」
「クククッ……そんなの簡単じゃねぇか」
「!? だ、誰だ!?」
ポチャの疑問に姿の見えない誰かが答える。そしてこの声の主を私は知っているはずだ。ここ数日間、生活を共にしているではないか。
がさがさっとセカイイチの木の上から顔を出したのは、ドクローズの三人だった。私はとっさにポチャの首根っこを掴み、そのまま後ろに数歩下がるのと同時に、私達の目の前に降りてきた。ぶつかったらどうするつもりなのか。それとも、初めから狙っていたのか。そもそもなぜ、ここにいるのか。しかし、理由がなんにせよ、こいつらと馴れ合うつもりはない。
「お前ら、遅かったな?」
スバットがにやりと笑う。それに続いてドガースも笑いながら入ってきた。
「ずっとセカイイチを食べながら、お前らのことを待っていたんだぜ?」
あぁ。どうして、気が付かなかったんだろう。きっと、ここに来るという話をこいつらは聞いていたのだ。ギルドにいるときは弟子達の目、親方の目があるためか、全くと言っていいほど関わりはなかった。スカタンクとしては、ちょっかいを出せない状況だったのだ。そこにこの仕事の話だ。しかも、話を聞いていたのなら、これが重要な仕事だということも知られている。……絶好の機会だ。今更だが、迂闊だった。もっと警戒すべきだったのに……! ここ数日、何もしてこないから油断していた。
「ケッ……食い過ぎて腹一杯だぜ」
だったら、そんなになるまで食うなよ。馬鹿が。
こいつらが食べたせいでセカイイチが少ないのか。理解したくなかったけれど、理解した。
「こいつらセカイイチ食べたって言っているけど、木にはまだ残ってる」
ポチャの言う通りだ。少ないけれど、セカイイチらしきリンゴがいくつかある。それなら、この場でやることは一つだ。
「ピカ。……こいつらを倒して、セカイイチを持って帰ろう」
どうやら、ポチャも私と同じ考えのようだ。私はポチャの言葉にうなずくと戦闘体勢に入る。しかし、そんな警戒心剥き出しの私達を見て、スカタンクから飛び出したのは、私の予想の上を行くものだった。
「倒す? 失礼な奴らだな。オレ様はお前達の仕事を手伝ってやろうと考えていたんだぞ?」
「……えっ!?」
「さっき、どうやってセカイイチを採ろうかと言っていただろう? そんなの簡単だ」
さっきも同じようなことを言っていたな。しかし、私達に協力なんて。
スカタンクは私達に背を向けると、目の前にあるセカイイチの木に何度か思いきり体当たりをした。スカタンクくらいのポケモンならそれなりの威力はあるだろうか。木はがさがさっと揺れると、残っていたセカイイチが落ちてきた。スカタンクは再びこちらに振り向くとにやりと笑った。
「ほら、簡単だろう? さあ、落ちているセカイイチを拾ってギルドに持って帰るといい」
私はともかく、お人好しのポチャですら、動こうとしない。こいつらのことだから、何か企んでいるに決まっている。
「どうした? 拾わないのか?」
スカタンクだけが不思議そうに私達を見てくる。それすらも、怪しく見えてきてくるのだから、ますます動く必要性を感じない。
「絶対、何か企んでる。騙されないからね、ぼく」
ポチャのこの一言に三人は驚いたようだ。その反応を見るに、やはり何か良からぬことを考えていたのだろう。
「こいつら、騙されないぜ?」
「ケッ……つまんねぇなぁ?」
「クククッ……引っ掛からなかったのは残念だったが、それでお前らはどうすると言うんだ?」
「さっきも言っただろう? お前達を倒して、セカイイチをギルドに持って帰るんだ!」
先程のダンジョン内でのビビりはどこに行ったのやら。ポチャは強気にスカタンクに言い返した。宣戦布告のようなそれを聞いたスカタンクは、少しだけ感心したような素振りを見せた。
「ほお。今回は随分威勢がいいな? 初めて会ったときはあんなにビビっていたというのに」
「た、確かにあのときは怯んだし、今も怖くないって言ったら嘘になるけど……けど、今回は絶対に負けるもんか」
「……よかろう。その勇気に免じて、オレ様達も本気で相手をしてやろう」
それはいいことなのか微妙だ。本気で来てもらっても勝てる気はしないのだが。
三人横に並んでいたドクローズだったが、ズバットが一歩後ろに下がり、スカタンクドガースが私達の前に立ちはだかった。あ、何かしてくるやつだ、これ。
「何か仕掛けてくる……? ピカ、気をつけて」
「クククッ……はたして、お前達にこの攻撃が耐えられるかな? オレ様とドガースの“毒ガススペシャルコンボ”を!」
は、毒ガス? 待て、これって……
私が考えに達するよりも相手の方が早かった。スカタンクドガースが同時に臭いの攻撃をしてきたのだった。避けるのも防ぐのも間に合わず、私とポチャはその場に倒れてしまう。ポチャにとってはこれが初めて、私にとっては二回目の臭いの洗礼である。一度ならず二度までも受けることになるなんて思いもしなかった。
一回目と違うのは恐らくこれが毒ガスであることだろうか。頭が痛いし、視界もぐらぐらしている。駄目なやつだと思う前に私の意識が飛んでしまった。



~あとがき~
せっかく辿り着いたのに、この仕打ち。ピカもポチャも報われませんね。ドンマイとしかいえないぜ。

次回、ドクローズに邪魔された二人の運命やいかに!?

ほんと、ここのシナリオは主人公とパートナーは踏んだり蹴ったりだなって思います。その理由についてはこのあとわかると思うので、何も言いませんけど。あと、主人公にいたっては、二回目の臭い攻撃を受けてます。もう、本当に可哀想だわ……

ではでは!