satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第28話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で適当に暮らしている物語です。本編とは一切関係ございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回から、ラルとフォースパートみたいに二人だけで行動しています。最後、脱げとか何とか云ってましたが、フォースの貞操は守られるのでしょうか?
フォース「貞操って女性に使われる言葉じゃ……」
ラル「男女間の関係でも使うよ。確か」
あ。じゃあ、フォースとラルの貞操
フォース「……意味合い変わらないか、それ」
ラル「超えてはいけない一線の話になりそう~♪」
フォース「ねぇから。全年齢対象作品だよ、これ!!」
まあ、冗談はこれくらいにして、始めていきますぞ。
フォース「作者が言い出したのに」
ラル「何もないので安心してご覧くださ~い!」


《L side》
私は校長室の扉をノックし、返事も待たずに入室した。放課後になってそれなりに経つのに、校長はいるし、教頭もいた。いるのを知っていてここに来たのだけれど、こうも一緒にいるのを見ると、いつ仕事をしているのか気になるところだ。
「お話があって来ました。今日の昼に話した件についてです」
こう切り出すと、教頭は渋い表情で私を見つめる。校長は相変わらずの笑顔で、話し始めるのを黙って待ってくれていた。対照的な二人であるが、そんな関係の方が上手くいくかもしれない。今、全く関係ないけれども。
「単刀直入に言います。今回の落書きの件、ツバサ・ケアル……様は犯人ではありません。以上です」
呼び捨てにしようとしたら、滅茶苦茶睨んできた。え、この後も様付けを強要されるの? 適当なところでやめてやる。
「状況から判断した結果、ツバサ様に得がありませんので、別の犯人がいる可能性を提示します」
「損得で動くものではないと思うが? ストレス発散とか、下らない理由の可能性もあるんじゃないのかい」
「教頭先生は、彼女がどういった立場なのか分かっていて発言していますか。理事長の御子女で名家のお嬢様です。そんなお方が名前に傷……母親の顔に泥を塗る行為をするとでも? あなたはそうおっしゃいますか。へ~……理事長様の育て方が悪いってかぁ? そんな風に思ってたんだぁ~?」
「そ、そうは言ってないだろう!? じゃ、じゃあ、仮にお前の言う通り、理事長の御子女ではないとしよう! たが、目撃者がいるんだぞ!?」
はいはい。そう来ると思っていたよ。さて、仮説に乗ってきたが、つくづく、チョロい奴だ。簡単に人の口車に乗ってくれるんだもん。楽でいい。……こんな考えは悪役のするもののような気もするけれど、私からしてみれば、教頭が悪役だし。教頭からすれば、私が悪役なんだろう。論争なんてこんなものだ。教頭は向いていない気もするが。
「では、その目撃情報が信じるに値しないという証拠を見せますよ。……いいよ。入ってきて」
私の合図で入ってきたのは魔術科の女子制服であるローブと白ワンピ姿の、私より十センチ以上も低い女の子だ。白髪のふんわりしたボブカットで愛くるしい笑顔を浮かべている。教頭を視界に捉えると、そちらに顔を向けた。
「こんにちは、教頭先生。校長先生♪」
「え、あ……?」
彼女から発せられたのは紛れもなく、ツバサちゃん本人の声である。戸惑っているのは教頭だけで、校長は笑顔を崩さない。これは私の想像に過ぎないが、校長は最初から結末を知っているんだろう。根拠はないが、まあ、強いて言うなら、校長の性格と観察眼だろうか。見ていないようで見ている人だし。今回は、本当に小さい案件であるし、校長自ら口出ししなくても収束すると考えていたんだろうな。
ただ一人状況を理解していない教頭は慌てた様子で問い詰めてきた。本人だと思っているらしいく、先程の会話を聞かれたとでも思ったのかもしれない。
「おい、ラル!? どういうことだ! 本人が来るなら……」
「本人ではないですよ。ほら、尻尾も耳もないじゃないですか。……普通に喋ってあげなよ。趣味悪いぞ」
「……ははっ。お前の指示だった気がするんだがなぁ?」
あれ、そうだっけ。
「フォースか!?」
「どーも。教頭に見せるためだけに姿変えてやったんだから、感謝しろよ。口で言っても信じないってうちの会長が言うもんで」
可愛いらしい姿とは裏腹に、大人の男性特有の低く落ち着いた声が聞こえてきた。正体を知っていた私ですら、見た目と声にかなりのギャップがあって若干、引き気味である。やってくれと頼んだのは私なんだけれども。
「フォース君のこれは魔法でもないけれど、魔法を使えばツバサちゃんになりきることは可能です。そうすれば、学園内では生徒、教師、教員からツバサ・ケアルとして認識されるし、学園にも侵入可能です。……これを見たんだから、周りからの評判がよく、私達生徒会の仕事もきっちりこなしている彼女がやったと考えるよりも、外部犯を疑う方が現実的だと思いません?」
「言っとくが、ツバサ以外の生徒がする得がないのは分かるよな。ツバサは有名人だし、近くにナイト様もついている。そんな相手に喧嘩なんて売らねえってのが、生徒会としての考えってことだ。……反論あるか?」
ん~……ナイト……あ、アラシ君ね。
「た、確かに、ラル達の言う通りだが……なら、犯人は」
「外から来た侵入者、ですね。あ、でも、すでに解決済みですんで、探り入れる必要はないですよ。解決してやるって言ったでしょう。こんな案件に教頭先生を巻き込む必要はないと思って、こちらで処理をしました。事後報告で申し訳ないです~」
私の報告に教頭はとうとうフリーズしてしまったらしい。パンクしたのかな。
「二人ともご苦労様! 大変だった?」
ずっと黙っていた校長がパッと笑顔を見せながら話しかけてきた。喋るなんて思ってなかったため、少し驚いたが、どうにか反応した。
「い、いえ……そこまでは。それで、校長先生。今回の件は」
「うん。こちらのミスもあった。治安のいいこの国で魔法とか使って、潜り込まれる可能性は考えてなかったからね。対策を考える必要がありそう。……任せていいかな? 魔法は専門外だからさ~」
「はい。こちらでいくつかシステムを考え、理事長に打診します」
「うん♪ 出来たら見せてね~! ノウツ……教頭先生はボクに任せて、二人は帰って大丈夫だよ。気をつけてね!」
じゃあ、お言葉に甘えてここいらで切り上げようかな。
フォース君と目配せをし、校長室を後にした。フォース君の着替えがあるから、生徒会室へ行く前に自分たちのクラスへと戻る必要がある。
「高くつくぞ。これ」
そう言うと、フォース君はワンピースの裾を軽く持ち上げつつ、冷たく紅い目を向けた。ツバサちゃんは青と黒のオッドアイだが、フォース君は完全に両目とも紅。そこだけはカラコンを入れるとかしないとどうにもならなかったのだが、そこまでする必要もないと思ったのだ。ってことで、完璧なツバサちゃんではないけれど、パッと見、ツバサちゃんに見えなくもない。いや、これをするまで苦労したんだよ?



~あとがき~
面白そうなので、フォース君の変身シーン(回想)書きましょう(笑)
次は茶番多めでお送りするですよ。

次回、ラルとフォースの茶番。

この話が終わったら、また日常編と称して休日回やりたいです。男子と女子に分けるか、探検するかの二択ではあるんですけど。探検はもう少し後かな。話をまとめてからやろう……行き当たりばったりはよくない←
日常編でアラシ君達が出てくるのは先になりそう……彼らの休日回をやってもいいけど、私が好き勝手するわけにもいかんのでなぁ……

ではでは!