satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第59話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわやわやする物語です。本編とは一切関係ありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
今回はあれだ。せっかくのお祭りなので、その風景をね。お見せします。いや、お祭りじゃないんだけど、お祭り騒ぎだから、お祭りなんだよ……
アラシ「つまり何が言いたいんだ?」
ステラ「わいわいした何かをお見せしますって感じですかね?」
アラシ「あー……え? そんな感じ?」
ステラ「多分?」
今回はアラシ君視点です。ステラとも迷いましたが、保護者視点で書きやすいかなっていうだけ。
アラシ「保護者!?」


《A side》
今日は待ちに待った剣技大会……なんて言うと、楽しみで仕方ないと思われるかもしれない。が、俺的には、楽しみ半分、面倒になりそうだなってのが半分。
剣技大会は高等部の生徒だけで行われる行事の一つで、中等部の頃から憧れがなかったわけではない。自分よりも強い人に会えるかもしれないし、先輩と剣を交える─メイン武器が剣ではない人もいるけれど─のは、早々ない機会でもある。それもあって、高等部に進学して、参加してやろうと決めてあった。ちょっとした期待で、ラルとかあの生徒会三人組とも出来るのかなーとかも考えていた。……まあ、実際のところ、三人とも出る気全くないみたいで、エントリーもしてないって言っていたから、そこは残念なところではある。しかし、ラル達以外にも強い人達はいるから、そこは楽しみしている点ではある。
面倒だなって思っている理由として大きなものは一つ。幼い頃からの知り合いのアリアだ。普段、こういう行事には興味無さそうにしているのだが、今回に限ってはそうも言ってられないのだ。本人に参加意思を聞いたわけではないから、憶測に過ぎないけれど、恐らく……いやもう、これは絶対に参加してくる。なんせ、賞品の一つの学食タダ券なんて言葉を耳にすれば、大食いという言葉では収まらないあいつの胃袋センサーが反応するに決まっている。昔から、そういうところは悪いところだと思う。本当に。
できれば、アリアとは戦いたくない。昔のよしみだからとかではなく。そんな優しい理由ではなく、心の底からお願いします……
「……はぁ」
「アラシー! ごめんね! 待った?」
この先に待ち受けている面倒事を考えてしまい、思わず溜め息を漏らしていると、待ち合わせ相手がぱたぱたと駆け寄ってきた。生徒会の仕事で遅れてきたものの、いつもの制服姿のツバサだ。
「待ってないよ。お前は仕事だろ?」
「うん。事前に打ち合わせするって言うから。来なくてもいいって言われたけど、ラルさんとお話ししたくて♪」
ラル好きにも拍車かかってきたなぁ……これ、ラルが卒業するなんてなったら、どうなることやら。ま、まだまだ先の話だけどさ。
「……って、行かなくてもよかったのか?」
「最終ミーティングは大会開始直前に全員集めて、軽くお話しするんだって。それだけに出てくれればいいよーって言ってくれてたんだけどね。でも、それじゃあ、お話の時間ないから」
なるほど……?
ラル的にはツバサに屋台なりを大会前に楽しめるようにって配慮だったんだろうが、ツバサには必要なかったらしい。一応、その事前打ち合わせ後でも間に合うだろうっていうツバサの考えなんだろうけれど。
「……で? そのラル達は?」
「ん~……なんか、まだやらなきゃいけないことがあるって、ティールさんとフォースさんと残るんだって。お手伝いしましょうかって聞いたけど、流石に追い出されちゃった。『アラシ君達が待ってるよ!』って、ラルさんが」
大会に選手として参加しなくても、生徒会として大忙しだな、あの人達は。
「早くステラちゃんとリーフちゃんとの集合場所に行こ!」
あーはいはい……
大会が始まる数日前、ついこの間、仲良くなったステラとリーフと屋台巡りの約束をしていたらしい。俺はその場にいなかったものの、「行ってもいいでしょ……?」と上目遣いでお願いされれば、駄目ですなんて、とてもじゃないが言えなかった。ぶっちゃけ、試合が始まる前なら暇だから、断る理由なんてないんだけれど。
学園内だし、ツバサ達だけでもいいような気もするが、一般人もいるし、何があるか分からない。それに女の子三人だけだと不安ではあった。あと、ツバサのお財布係のためにもついていけと……後者が本日の主なお仕事である。
待ち合わせ場所である正門近くにある噴水広場まで行くと、そこには俺達と同じように待ち合わせをしている人達で賑わっていた。そんな中でも、ツバサは二人を見つけたようで、ぴょこっと耳が動いた。
「ステラちゃーん! リーフちゃーん!!」
「あ、こら。走るなって」
俺の注意なんて全く聞かずに、ステラ達のところまで駆け足で向かう。仕方なく、俺もその後ろをついていく。
「おはよう、二人とも! ごめんね? 待たせちゃったよね」
「おはよ、ツバサちゃん。全然待ってないから気にしなくていいよ♪」
「そうそう。こっちは二人でのんびり待つだけだからね。……おはようございます、アラシさん!」
「おう。おはよ、ステラ、リーフ」
ステラもリーフも中等部の制服姿だ。ふわっとしたブラウンの髪を揺らすステラと黄緑色の髪を赤いリボンでまとめているリーフは、楽しそうにツバサと話していた。
「見て見て! こんなにたくさんお店あるんだって! 毎年、ほんとすごいんだよ?」
「ほわ~♪ ほんとだ! どこ行こっか?」
「甘いものは外せないよね! ツバサは何食べたい?」
「んーとね……」
……うん。散財しないように見張ろう。
「そいや、ステラ達はお金あるのか?」
「はい。すーくんからお願いしていつもより多めにもらえました。『お前らの今月の小遣いとして渡すから、使いすぎても知らん』って言われてますけどね。まあ、最悪、呼び出しますよ」
ちらっと見えたその笑顔の意味は考えない方がよさそうだな。見なかったことにしよう。
すーくんってのは、フォースのことで、ステラとリーフはフォースと一緒に住んでいるらしい。ツバサからの又聞きだけど、三人で家計をやりくりしてるってなると、フォースの財力というか、やりくりどうしているのか聞きたくなる。少なくとも、ステラにもリーフにも親はいるだろうから、二人の学費はともかくとして……フォース自身はいまいち、分からない。確実に俺達よりは年上だろうが、ラルやティールよりも年上な気がする。
「フォースて、不思議だよな」
「え? すーくんはすーくんですよ?」
「いや、そういうことじゃ……いや、いいや。機会あれば本人に聞くわ……」
のらりくらりとやり過ごしそうだが、そのときはそのときだ。
「フォースさんで思い出した。ステラちゃん、歩きながらでいいんだけど、制御者ってなあに? ずっと聞きたかったんだけど、タイミング逃してて」
リーフとツバサで行きたいところをピックアップしたんだろう。そちらへと向かいつつ、ステラに質問をした。制御者って言葉は初めて聞いたが、ツバサは何度か聞いたフレーズらしい。ステラは少しだけ考える素振りを見せつつ、にこっと笑って答えた。
「制御者は継承者を守る人のことだよ。継承者は私。ちょっとした能力を持ってるんだけど、それを完璧に使えるようになるまで、私を守る……ボディーガード? 執事みたいな人? あ、執事ではないか。かしこまりました~なんて言わないもん。命令は基本無視だもん! でも、あれだけは逆らえないや」
継承者は能力者で、制御者はその能力者を守る人? いや、守る必要があるってどういうこと。
ちょっと専門用語みたいなもんが出てきたけど、ステラは構わず話を続けた。
「私の呼び掛けには必ず応じるよ。来てって言えば来る。……ほら、この前、資料を持っていったときにも見せたやつ」
「あ、あれはたまたま聞こえただけじゃなかったの?」
「それもありそうだけど、ここで呼んでも来てくれるよ。まあ、今やれば睨まれるし、文句言われるからやらないけど。……機会があれば見せてあげるね」
そんな魔法みたいなこと、あり得んのかな。ステラは魔法使わないって聞いてたけど。
「私の説明よりもすーくんから聞いた方がいいと思うよ? 機嫌のいいすーくんに聞いてみて」
機嫌よくないと駄目なのか?
「駄目じゃないですけど、適当なことしか言わないので。それ以前に九割、めんどくさいからやだって断ります」
あ、なるほどね。
「要するに、すーくんは普通の人じゃないってこと。私と一心同体の……なんだろ。制御者っていう役を与えられた人……? なのかな」
普通じゃないらしいってのは理解したわ。ピンとは来てねぇけど。
質問者のツバサはしきりに首を傾げていたものの、結局、どう納得したのかパッと顔を明るくさせる。
「あんずあめ屋さん見つけた~!」
……お目当ての店見つけただけかよ!?



~あとがき~
ツバサちゃんが前に制御者とはってなっていたので、出したけど、一言とか難しい。
いつか……やる。かも、しれない……?

次回、続けて屋台巡りします。

ほわほわしてるステラとツバサちゃんに前向きで明るいリーフ……そして、その三人の保護者をするアラシ君。少し面白いので、頑張って書いていきます。多分、試合前の癒し……(書く側の最後の晩餐的なそれ)
別に最後じゃねぇけどな!? バトル挟まるのを分かってたらこう、だらっとした日常が楽しいじゃない!?←

別案として、ステラがフォースを呼び出すってのがあったんですけど、流石に話が違う方向へと行くので止めました。一応、そのパターン書いたんですけどね。消しました。没ってやつです。
いつか、アラシ君やツバサちゃんの前で呼び出すっていうシーンがあればいいけどね。なさそうですね。なくていいんだけども(笑)

ではでは!