satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第308話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で探索してる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回は、神子探しに本格的に参加しているラル&ティールの猫と戯れる話でした。
ティール「探してない」
ラル「もふもふぅ~♪」
ティール「楽しむな。本筋に戻れっ!!」
一応、レオン君の妨害話だったんだけど、猫と遊ぶ話になってる気がしてて心配。……でも、二人の捜索時間はきちっと妨害してるのでいいか。


《L side》
心行くまで猫達と戯れ……いや、親交を深めた私は猫達を解放して神子探しを再開するべく、離れたところで待機していたティールの元へ駆け寄る。
「おっまたせ! じゃ、改めて二匹でいる狐達を探しましょうか~♪」
「あぁ、探す気はあったんだ? もうやる気失くしたかと」
そんなことはないよ? もふもふする気満々だよ?
「あーはいはい。他の人に捕まってないといいけどね」
「捕まったんなら、何かしらアナウンスがあると思う。それがないってことはまだ大丈夫よ。それに私は信じてるんだ」
私の言葉にティールは少しだけ首を傾げる。そんな彼に私はニッと笑ってみせる。
「あの二人は簡単に捕まらないってね」
「……まあ、うん。そうだね。それはなんとなく納得しちゃうかなぁ」
でしょ?
ということで、早速捜索再開だ~!

雷姫の誘導もあり、近場の精霊を捜索する私達。白狐を見つけるものの、どの子もツバサちゃんではなく、空振りに終わっていた。
「なんで触るだけで分かるの?」
「この私がツバサちゃんの毛並みを単なる精霊と間違えるわけないでしょ!? 舐めんなよ!」
「なんで逆ギレされてんだ、ぼく。じゃあ、ツルギのも分かるの?」
「当然。一回、滅茶苦茶撫でたもん」
あれは、学園での落書き騒ぎのときだ。ツバサちゃんに扮したツルギ君を捕まえたときに『ツバサちゃん』として、目一杯撫でたのである。
そう言えば、きちんと撫でたのはあれが最後だな。
「そんなんだから、ツルギと仲良くなれないんじゃあ……?」
それは関係あるだろうか。それにあの一回はツバサちゃんだと思っていた結果である。……いや、偽者だと分かってて撫で回したけど、当の本人はツバサちゃんに化けてるつもりだし?
というか、あっちが歩み寄ってくんないと、私も優しくできないので。少なくとも、出会い頭に襲いかかるのをやめてくれたら、考えなくもないが。
「無理だろ、それ」
「うん。私もそう思う」
さてさて、話が脱線してきたので、本筋に戻そう。
レオン君達の妨害行為もあちこちで行われているらしく、街のあちこちで参加者達の阿鼻叫喚の嵐が聞こえてきていた。
レオン君は精霊召喚による妨害がメインみたいだけど、他はどうなのだろう?
「……あっちの空、凄いことになってる」
ティールの呟きに私も空を見上げた。
雲一つない夕暮れ時なのに、空にはいくつもの竜巻が発生していた。それによって、空と地上では上手く連携が取れないでいるらしい。
せっかく、空から下を見渡せる翼を持っているのに、あれでは何の意味も持たない。それなら、通信機で連絡を取ってみるもの手なのだろうが、あの竜巻に囲まれてしまっていると、それもままならないだろう。
「シエル君の妨害は空担当ってことだろうな。飛べない私達には関係ないわ」
「そだね。クラウがいなくてよかったね。ま、あいつなら竜巻くらい簡単に退けちゃいそうだけど」
ハーピィのくせに竜並みにタフだもんな……
「うわあぁぁ!?」
空に気を取られていると、遠くの方で叫び声が聞こえてきた。今度は誰だ。
「! ラル、下から何か来る!」
下ぁ!?
ティールの指示に訳も分からないまま、後方へ飛び退く。その瞬間、地面から植物の蔦が伸びてきた。
「ミユルちゃんの妨害……か」
こうも攻撃を仕掛けてるってことは、この付近に狐がいるってことになるが。どこに?
『マスター、前方じゃ。あの十字路の真ん中。二匹おる』
目を凝らしてみると、確かにそこには二匹の白狐がいた。そして、その左側に蔦に捕まったであろう参加者の一名が空にぽいっと投げ飛ばされているところだった。恐らく、先程の叫び声の主は彼なのだろう。
狐達はこの隙を逃さず、ぴゃっと逃げ出して、姿は見えなくなってしまう。
狐が逃げ出したのを待ってから、蔦は投げ飛ばした参加者を捕まえ、そっと地面に下ろした。
怪我をさせるつもりはないように見えるが、なかなか容赦ない妨害だ。
「ミユル、どこからか見てたのかな」
「さあ……? でも、ドライアドは植物と話せる能力を持つ人がいる。ミユルちゃんもその一人みたいだし……その辺に咲いてる花か植木から聞いたんだよ。多分ね」
遠くにいても植物を介して、妨害できるのかもしれない。こっわ。
「……ティール、あとどれくらい?」
「ん~……あと、三十分くらいかな」
ふむ。そろそろ、最終作戦のために中央に戻るか。となると……
「こっちの方が近道だね。行こ」
「了解」
小道をいくつか曲がりながら、大通りに出ると、そこは……泡が漂う謎空間でした。
「……ラルにしては珍しいね。道、間違えました?」
「やめろ。ティールじゃあるまいし」
「ぼくだって地図くらい読めます」
読めても、なんか間違うじゃん。
さて。これはどっからどう見ても、誰かの妨害だよね。アリアちゃんかな?
ティール、泡に何か仕掛けはされてる? 当たったらデバフ付与とか」
ティールはじっと泡を見つめるも、ゆっくりと首を振る。
「……何か混ざってるような感じはない」
そっか。なら、これは視界を邪魔するだけの目眩まし……? いや、意味もなく泡が辺りを漂うはずがない。当たらないが吉だ。
「これ、操作できそう?」
「うん。問題ない」
念には念を入れ、当たりそうな泡に対してだけ、ティールの能力を使いながら進んでいく。少しすると、道の真ん中で屋台飯─言わずもがな、尋常ではない量─を美味しそうに食べるアリアちゃんの姿があった。
ここに来るまではそこまでなかった泡も、彼女の周りには大量に漂っており、まるでアリアちゃんを守る壁みたいだ。
私達以外にも参加者がここを通ろうと挑戦しているらしく、そろそろっと前へ進んでいっていた。
が、死角になっていたところから泡がふよふよと流されてきて、体に当たってしまう。その泡は当然、ぱちんっと弾けてしまう。
「あっ」
参加者がまずいと声を漏らしたのと、アリアちゃんの目が光ったのは同時だった。
パッと取り出した銃を構えて、参加者目掛けて連射する。逃げる暇なんてなかった参加者さんは全弾被弾してしまい、体が泡だらけになってしまった。
「銃は魔力弾でも実弾でもなく、泡になる弾ってこと?」
現状を見る限り、そうらしい。
あの泡に当たる……もしくは、食事の邪魔になりそうな行為をすると、アリアちゃんのあわあわ攻撃の餌食になる、というわけか。
ここを避けてもいいのだが、ここを通った方がショートカットなんだよな。どうにかして通れないだろうか?
ティール、ここの泡をどうにか操れる?」
「それはできるけど……全部を退かしてほしいってのはちょっと難しいかな。アリアが常に泡を作り出すと思うから。……全力でやれっていうなら、確実にどうにかしてみせるけど」
ふーむ。それはティールの無事が保証されないので却下だ。
今の私は雷姫と装備品の小物類しか持っていない。探検隊用の鞄でも持っていれば、あれこれ打破できそうなものなのだけれど。
……ん。装備品、か。
「そう言えば……ティールってそのポーチ、探検隊用のだよね? 探検用の道具は?」
「あるよ。それなりに入ったまんま……だけど」
何するつもりなの、という顔を向ける相棒に、私は自信満々に告げる。
「ここを突破するよ! ティールの力で!」
「………………ぼく?」



~あとがき~
後編っつたな。あれは嘘だ。

次回、アリアちゃんの鉄壁をどう打破する!?

本来、ここは素通りしようかなと思ってました。実際、相方との作戦会議でも「これは素通りするかなぁ?」なんて話したんです。でも、レオン君をあれほど取り上げておいて、他メンバーは素通りなんて寂しいなと思いまして。もちろん、全員を取り上げるのは厳しいので、もう一人くらい、攻略してもらおうと。で、アリアちゃんのならどうにか突破してくれそうな気がしたので、ラルとティールが頑張ります。

ではでは。