satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第159話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で大騒ぎしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
ラルとティールのどたばたお仕事風景でした。普段はもっと淡々としてるかな(笑)
今回からはスカイ二人と、剣技大会で出てきたとある方々達の関係性についてを後輩に語ります。
多分、次回からだけどな!


夏の本格的な暑さがじりじりと迫り来る今日この頃。学園のありがたーい最新設備で、適切な室温に保たれているこの生徒会室で、愛すべき天使の癒しを貰い、戯れていた。
「やっとテスト終わったよ~……もとい、ティール先生からの解放……!」
夏休み入ってすぐに行かされるらしい仕事のせいで、いつも以上にティールの指導にも熱が入っていたのだ。主に冷やかし要員だった、筆記実技学年一位フォース君も巻き込み、なかなかの苦行であった。
それが実を結んだかどうかは、このあと返されるであろう答案用紙を見ればわかる。明日から返却だけどな。
「お疲れ様です、ラルさん♪」
私の膝の上に座る心優しき天使ツバサちゃんは、天使の名に恥じぬ暖かな笑顔とお言葉を向け、優しくゆっくりと撫でてくれた。それだけで、今までの辛さが吹き飛ぶようだ。
「ツバサちゃん、優しすぎる……好き……どっかの誰かさんも見習うべきだよね。今すぐに実行すべきだよね?」
「今回の魔法学の点数が平均点越えてたらね」
世も末じゃぁぁぁ!!!
「……あ、越えてねぇ自信はあるんだ?」
小難しい本を読んでいたフォース君が半笑いで突っ込んでくる。私のここ最近の頑張りを思い出して、嘲笑しているのかもしれない。ムカつく。
「この私が? 魔法学で平均点? あり得ないよね。取ったことないよ」
「誇ってるんじゃないよ。ったく」
まあ、熱烈ご指導があるおかげで、赤点も取ったことないけれど。そこには感謝してるよ。そこにはな!
この学園での期末テストは、魔術科と冒険科で内容は違えど、実技と筆記がある。冒険科でいう実技は疑似ダンジョンでの対応だったり、戦闘だったり。はたまた、体育のような体力テストだったりがある。筆記は教養と専門の二つに分けられ、教養に関しては学科共通テストだ。そして、専門では各学科の専門知識が問われる。冒険科の専門はやっぱり、探検関連や古文書の読み取り等々だろうか。
とまあ、期末テストだから様々なテストを乗り越える必要がある。そして、赤点を取った生徒には補習のお呼びだしがかかるのだ。期間は一週間。
いつもなら、万が一補習になったとしても、仕事に遅れが出るだけで大した問題はないのだけれど、今年は違う。親方からの特別依頼がある。何がなんでも赤点は回避せねばならなかったのだ。だからまあ、私達は必死だったわけで、手応えだけで言えば、赤点は確実に回避しているだろう。
「ってかさぁ、テスト終わってあと一週間ちょいで夏休みよ? それなのにあの曖昧な怪しげお仕事の話が一向に進まないんだけど! 何なの。依頼主は? 仕事内容は? 全くの謎じゃん! こっちの方がテストの点よりも不安すぎるわ!」
親方に聞いても、「あとでわかる~♪」しか言わないし。代理人のことだって、「信頼できる人だよ」としか言わない。本当になんなのだ。
「そこには同意するけど……ぼくは依頼のあとのことも不安なんだけどねぇ」
「あ? 結局、帰んだっけ?」
「そ。仕事あるからで逃げ切りたかったのに……母上が大丈夫だから帰ってきての一点張りなの。どこにそんな自信あるんだよって話だろ?」
何度もティールが探検隊の仕事を手札に、お断りの交渉している場面は私も見かけた。しかし、結局押しきられてしまい、帰るで頷いたのだった。最終的に負けて帰ってきたとき、しーくんと私によしよしされまくって、ようやく回復したのだ。とはいえ、今でも思い出しては何度もため息をついているけれども。
「……ラルさんとティールさんはお仕事なんですか?」
「うん? そだよ。親方……ここでは校長か。校長先生に夏休み始まってから二週間、他の仕事入れるなって言われてるの。謎の依頼人からの謎のお仕事があるから~ってね。……フォース君はステラちゃんと里帰りだよね?」
「そうだよ。だから、お前らの謎依頼には付き合えません」
ちぇ……替え玉したかったなぁ……代わってくんないかな。
「嫌。つか、謎の依頼人はお前らをご所望なんだろ? おれは頭数にないだろ」
「まあ、確かに……?」
「必要なら呼んでくれてもいいけど、基本応えるつもりはない」
……くそぅ。優しくない。この世の中、全く優しくないよぅ。
話があちこち行ってしまったけれど、言えることは一つだけだ。
「まあ、あれだよ。何されるか知らないけど、仕事をすることだけは決まってる感じかなぁ?」
「…………そうですか……♪」
聞いてきたツバサちゃんは言葉では、夏休みに会えなくて残念そうな雰囲気があるものの、語尾や仕草でその残念さはかき消えている。
だって、嬉しそうにお耳とふわふわ尻尾さんが動いているもの。それ、嬉しい証拠だもの。
「……ツバサちゃん」
「はい?」
「何か知ってるよね。もしかして、この依頼について何か知ってる? そうだなぁ……例えば、ツバサちゃんが関係している、とか? そんなことってあるかなぁ」
「ふえ!? そそそんなことないですよー!! な、何言ってるんですか、ラルさんってばー……」
かなり動揺していますね、お姫様。おめめがあちこち泳いでますわよ。
ちらりとティールとフォース君の様子を窺うと、我が相棒は不思議そうにしているだけだが、心を読めるフォース君はにやりと笑っていた。きっと、私の言ったことがあながち間違いではなかったのだろう。そして、彼女の中にある答えを全て読んだ上で笑ったのだろう。面白そうじゃん、という傍観者視点で。
「ツバサちゃん、口では残念そうな感じ出そうとしてるけど、隠しきれてないぞ~? 可愛いお耳は正直だね?」
「ふえぇ!?」
私の言葉に、慌てて両手で耳を押さえる。それでも、尻尾はまだパタパタと嬉しそうに揺れていた。本当に隠し事ができないタイプである。
このままツバサちゃんを攻め続ければ、吐かなくとも予測はできそうだ。……かわいそうだから、これ以上やらないけれど。
「んなことよりさぁ……夏休み中、イグさんを連れ回す気満々だったのに、謎依頼のせいでパァだよ」
「え。そうだったの」
初耳みたいに反応をするティール。そうだろうな。彼の前で言ったのは初めてだ。
そして、私の膝の上では話が変わったことで、ほっとした様子のツバサちゃん。そんなツバサちゃんも愛らしい。
「そりゃあ、そうでしょ。剣技大会の恨み! 忘れてない! リアさんには連れ回していいよって言われてたもん」
「なんつー約束取り付けてんだよ」
「彼氏を連れ回す約束? でも、これも意味なくなりそう。ざーんねん!」
「そ、そういえば……ずっと聞けずじまいでしたが、ラルさん達とイグ兄とはどこでお知り合いに? 学校は学年が被りませんよね」
そうだろうな。私が中学二年であちらは高校二年。私達が高校に上がったときには、学校を卒業してしまっている。見事に被らないのである。
同じ学園に通っていたという共通点はあるものの、部活にも入っていない私達とでは、高校生とお近づきになる機会すらないはずなのだ。
「知り合ったところは学校じゃないからねぇ。……探検隊関連よぉ」
「ぼくらが探検隊始めて半年くらい経った頃に先生達……イグさんとリアさんに会ったんだ。あのとき会ってなかったら、ぼく達、死んでたかもね~♪」
「えぇっ!? し、しん……?」
唐突なティールの言葉に、戸惑いを隠せないツバサちゃん。そんなツバサちゃんをだっこして、私の椅子に座らせると、私はティールの隣に立ち、にっこりと笑って見せた。
「今日は暇だし、昔話でもしよっか! これから話すのは、私達が未熟なひよっこ探検隊だった頃の話で……そんなひよっこを助けてくれたヒーローの話だよ♪」



~あとがき~
まあ、今回で入れるわけないわな。

次回、過去編じゃぁい!
視点はラルです。イグ&リア視点はないです。だって、語ってるのラルだもんね。

あわあわしてるツバサちゃんをいじめちゃうラルさん、悪です。でもまあ、可愛いのでありですね。
指摘されても本能で動いちゃうツバサちゃん、可愛い(末期)

ではでは。