satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第170話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でびっくりどっきりしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、回想が終わり、突撃! 隣のイグにいさまが来ましたね。渡したいものがあるご様子。
ラル「隣のイグさん……? イグさんは一人しかいないけど?」
じゃあ、隣を消すわ。
ラル「そ、そういう問題?」
突撃してきたことには変わらないし、いいのいいの!


スカイの二人に、か。
それはつまり、探検隊の私達に渡したい何かということなのだろう。依頼書か?
差し出されたものを受け取ると、イグさんはそれについての説明をしてくれる。
「それはお前らに受けてもらいたい依頼だ。ほら、プリン校長……いや、プリンさんから聞いたろ? 夏休みの特別依頼について」
それはまあ、一応……?
受け取った紙は──紙というか、封筒だったが、そこには依頼書在中とある。中に入ってますよってことなのだろう。封筒に宛名はないけれど。
「え、でも、夏休みの依頼に関しては代理人から話があるって……え、その代理人って、まさか、せん、せ……?」
「お♪ 察しがいいな、ティール~♪ そういうことだ!」
「えぇぇっ!?」
……意味が分からない。なぜ、イグさんが代理人なんだ。いや、別に悪いってことではないけれど、理由が分からない。たまたま? それとも、私達と面識があるから? それとも、別に理由が?
その理由については語るつもりがないようで、「イタズラ大成功」と満足げなお兄ちゃん。そんなお兄ちゃんは放置し、私は封筒から数枚の紙を取り出した。ティールも一緒になって覗きこむ。
「えぇっと? 『これは私からスカイに宛てた特別な依頼である』……知ってるわっ! 親方に散々聞かされたもん!」
「え、そのツッコミいる……? んと……『君達が多忙な探検チームということは重々承知の上で、是非ともこの依頼を受けてほしい』……だって。一応、受けてほしいなって感じだね? 親方は強制的に受けろーみたいな雰囲気だったのに」
これもきっと、形式的に言ってるだけなのよ。拒否権はないのよ。……とりあえず、依頼内容を確認するか。
二枚目にある依頼内容の詳細の見る。そこには──
『依頼内容は下記の三つである。
一、ダンジョン『奇跡の洞窟』の奥地調査。並びにそこにある石の採取。
二、依頼期間中に行われる『女神祭(通称夏祭り)』での精霊役の出演。
※指名メンバーあり
三、同じく『女神祭』開催中の神子達の護衛、捕獲。
以上である。
尚、精霊役に関してはスカイメンバーである雫を指名させていただきたい。他に関して、こちらからの指名メンバー、参加人数の指定はなしである。
また、これらの依頼は君達が住む街の隣、『スプランドゥール』で行うことになるため、その間のスカイの衣食住はこちらで準備、提供させていただく予定となっている』
──と書いてある。
内容的には探検隊らしいと言えば、らしいものもあるが、二つ目の依頼に関してはよく分からない。
いやね? しーくんは確かに可愛い。天使だよ。精霊役なんてぴったりだと思う。本人も仕事を手伝えるとあれば、快く快諾してくれるとってもいい子だよ。なんだけど……
「しーくんを指名するとは珍しい」
「うん。……だって、知らない人からすれば、見た目五歳、だもんなぁ」
正式にチームメンバーとして登録されているとはいえ、普段は愛らしい保育園児だ。ハイスペック園児だけど……そんなの、初対面であろう依頼人に見抜けるはずもない。普通は。
「というか、なんなん? この好条件。衣食住無償提供? 怖いんだけど。『衣』まで提供すんの?」
私達が用意するのは、自身の探検に使う道具や武器、情報程度でいいってことだろう。スプランドゥールまでの移動費までは書いてないけれど……まあ、移動方法なんていくらでも思いつくし、なんなら移動費については後で交渉したっていい。だからまあ、今は置いておこう。
「精霊役とか、神子とか……分からん単語は後々調べるとして……こんな依頼してくる人って一体何者? イグさんの知り合い?」
ようやく顔を上げ、イグさんの方を見てみると、変わらず何か企んだような表情のままだ。
「それは最後まで読めば分かるよ。ちゃんと読め読め。いつも言ってんだろ?」
むっ……なんなんだ、この先輩。なんでこんなに楽しそうなんだ? むっかつく笑顔してんなぁ? ま、私も人のこと言えませんけどもだ。よくするし。
「……っ!? ラル! 下! 名前!」
「いって……え、名前……?」
先に下まで読んでいたらしいティールが私の肩をこれでもかと叩きながら、依頼書の一番下を指差した。
そこには『依頼人 ギルド「明けの明星」親方 ルーメン・ケアル・レイディアント』とある。先程、お名前が出てきたルーメンさんである。
「ケアル・レイディアント……ツバサちゃんのおじいさんが、私らに依頼したってことでいいんだよね?」
「そうだよ。……連盟のトップが! ぼくらに依頼してきたってことだよ!」
…………なんで私らなの?
「知らないよっ! って……あぁ!? 思い出した!! ルーメン・ケアルってあれだ! 赤獅子の異名を持つ伝説の冒険家! めっちゃヤバイ人!」
う、うん。あの、段々と語彙力なくなってるよ、ティール……?
色んな情報がいっぺんに入ってきたからか、ティールのキャパシティもパンクしてしまったのだろう。へなへなっとその場で頭を抱えてうずくまってしまった。
「連盟のトップ、赤獅子がぼくらに何の用なの……?」
それは仕事を依頼したいんでしょ。
「そうだけど! そうじゃなくって……なんでラル、そこまで冷静なの!?」
「赤獅子さんとやらの伝説、知らないもん」
「じゃあ、連盟トップの依頼だって驚愕して!?」
お前が十分驚いてるから、私は少しずつ冷静になってきたんだよ。もちろん、分からない部分はあるけれど。
「お~♪ いい反応するな、お前らは。な? 隠してて正解だったろ、ツバサ」
「うーんと……隠し事は心苦しかったけどね。でも、夏休みの間もラルさん達といられるのはとっても嬉しいよっ♪」
……そうか。これを知っていたから、ツバサちゃんの反応もどこか嬉しそうにしていたのか。そして、イグさんも、私達が驚く反応を見たくてずっとニヤニヤしていたのね。いいご趣味だよ。全く。
隠し事をしなくてよくなって、上機嫌を隠さなくなったツバサちゃんは、仕草は変わらないものの、表情は一段と明るくなる。
「待って。ルーメンさんと父上、知り合い同士なんだっけ? い、嫌すぎる……今年の夏休み、嫌すぎるんだけど。夜逃げしたいレベルで……」
「夜逃げて、お前……流石にそれは言い過ぎだろうよ」
「じゃあ、代わってよー! フォース!」
「無理だっての。すぅと里帰りするっつたろ。あっちはあっちで仕事やらされるだろうし、ラルの方は手伝えんぞ」
それはちょっと残念だな。なんか知らんダンジョン調査があるから、フォース君に手伝ってもらいたかったんだけれど。
「あ? おれなんていらんだろ。スカイの主力はラルとティールなんだからさ。……んじゃ、お先。また明日~」
フォース君は、自分に関係のない話だと分かった途端、さっさと荷物をまとめて、流れるように生徒会室を出ていく。引き留める暇もなかった。
「まあ、要約すれば、夏休みは可愛い天使達の天国が待つお仕事ライフ……ってことでしょ? いつもよりはテンション上がる内容だよね~♪」
「ありとあらゆる懸念材料無視しての評価だろ、それ……うー、色んな意味で胃が痛い」
「にしし。まあ、頑張れ頑張れ♪ 後輩達~♪」
……ところで、結局のところ、なぜ、イグさんが代理人だったのだろう? ルーメンさんとお知り合いだったから、という理由でいいんだろうか。でも、それならうちの親方だって当てはまるよな。だって、「ボクの知り合いからの依頼」って言っていたもの。それなら、親方から言われた方が効率的というか、らしい気もするのだが……
イグさんの様子を窺ってみても、楽しそうにしているツバサちゃんと話すだけで、補足説明をしてくれるわけではない。
うーん? よく、分かんないなぁ。詳細が見えたようで、全くな気がする。
ティール、決まったもんはしゃーないで。私とティールなら何とかなるさ」
「……君から、そんなことを言われるなんてね。まあ、うん。仕事だから、気持ち切り替えて頑張るよ」
……ま、行けるかは今後返ってくるテスト次第ですけどね!



~あとがき~
話数的にはきりがよいのでは??

次回、遂に始まるよ、夏休み編!!
相方曰く、「剣技大会よりも長くなるかもしれない(汗)」とのこと! さあ! どうなる!?

時々、話に出てきてました特別依頼の詳細が出てきましたね。まあ、これで全てではないでしょうが。
大雑把にこんなことするから。もっと詳しい説明? まあ、こっち来てから話そうや!……という感じかなと。
私もこれを書いている現時点では知らないので、わくわくしてますよ~(笑)

ではでは。