satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第13話

「黙れや、鳥」


「うわぁ……おっきい……」
チコちゃん、開いた口が塞がらないようで。……まぁ、私もだけれども。
おっきいプクリン……の形をした建物です。これが、ギルドかぁ……始めて見たぁ……あ、入口に柵がしてある。
「ようこそ、プクリンギルドへ!」
ポチャさんが私達に向かって言った。
おぉ!! なんか、やる気が出てきた気がするなぁ……とってもワクワクする!
でも、どうやって入るのかな……
そんな私をよそにピカさんはチコちゃんに指示をしていた。
「じゃ、ここ乗って。まずはチコちゃんから」
「ここって……これ!?」
チコちゃんが驚くのも無理はないだろう。だって、落とし穴みたいな穴あるのだから。それは細かく格子状で塞いであるから、落ちないようにはなってるけど……あぁ……なんて説明すれば……
とにかく、怖い。いたずら?
「あー、大丈夫、大丈夫。落ちたり落とされたりしないから」
「は、はい……よ、よし!」
そーっと乗ったチコちゃん。
ポケモン発見! ポケモン発見!」
うわぁ!! どこからか声が!? ってか、ポケモンって言う人もいるんだな……まぁ、人発見とは言わないけど。
「誰の足形? 誰の足形?」
「足形はチコリータ! 足形はチコリータ!」
へぇ……足形見るんだ……何がわかるんだろう? 種族しかわからないんじゃ……
「チコちゃんいいよ。次、イブちゃん」
あ、はーい……
落ちないとわかっていても……ね。身が引けます。
でも、そんなこと言ってられないので、そろり、と乗る。
ポケモン発見! ポケモン発見!」
「誰の足形? 誰の足形?」
「…………え、と……イーブイ?」
あ、詰まった。
横を見てみると、ピカさんとポチャさんは笑ってる。チコちゃんはハラハラしているみたい。
「しっかりして!!」
「はぁい!! イ、イーブイだと思います……多分……です」
なんか、かわいそうになってきた……
イーブイってここら辺じゃ見ないんだもーん!! わかんないよぉ……」
あわわっ!! なんか泣きそう……
恐らくギルドの人達であろう二人の会話を見かねたのか、ピカさんが穴に向かって説明し始めた。
「やっほー、聞こえる?」
「あ、ピカさん!! 帰ってたんですか!?」
「うん、今帰ってきた! この子はイーブイだよ! 自信持っていいよ。あと、悪い子じゃないからね」
「そうですか! よかったぁ……」
なんとかなりそうです……ふぅ。
「リムー、聞いてたでしょ? 開けてよ」
「ピカさんが言うなら……では、開けるので少々お待ちくださいね」

ふぇー……広いなぁ……
現在地、地下一階。それなのに明るいのは窓がついているためだろう。
なんか、いっぱい人がいるなぁ……
「あ、スカイの二人じゃんか」
「いよーす。最近、どうよ?」
「依頼をこなす日々だよ。お前らは?」
「私達もだよ。いい情報ないからさー……じゃあ、親方に用があるからこれで」
「おう、じゃあな」
ザングースサンドパンとストライクの探検隊だろう、という見当しかつかないんだけど……
誰ですか?
「探検隊かまいたちの三人。ここは、ギルドの人じゃなくても、出入りしているところなの」
ふへー……
「ここで、仕事を探したり、情報交換したりするんだよ……あ、この仕事やりたい」
ポチャさん、説明しながら、掲示板みたいな所でなんか見ている。
仕事って言っていたから、仕事の掲示板なんだろうけど……両脇にあるんだよね。何か、違いでもあるのかな?
「私達から見て、左側……ポチャがいる方が普通の依頼掲示板。右側がお尋ね者の依頼掲示板」
へぇ……そうなんだぁ……
「そろそろ降りよっか。ポチャ、行くよ」
「はーい」

現在地、地下二階。地下一階とは違い、ガランとしている。ピカさんとポチャさんは迷うことなくある扉の前に止まった。
「探検隊スカイのピカです」
「同じくポチャです。失礼します」
ピカさんとポチャさんの二人が入るという意思表示を見せ、ピカさんが扉を開ける。迷いがないのはよく来ているからだろう。でも、こっちは違う。
……すごく怖いです。躊躇なく開けられると、心の準備がぁ!!……という心の叫びが二人に聞こえるわけもなく。
「失礼します。親方、ピカです……あ、鳥」
「む、ピカか。何の用だ」
「黙れや、鳥。お前に用はない。親方は寝てるのかな……」
正面に後ろ向きの人がいる。きっと、その人が親方さんなんだろうな……
で、鳥、と呼ばれたペラップさん。お怒りのようで……翼をバタバタと羽ばたいている。
「ピカ! ごめん、ペラップ……親方ー! 起きてください! ギルド入門者達を連れてきました!……親方?」
ポチャさんにそう話しかけられた、親方様は急にくるっとこちらを向いた。
「やぁ!! お仕事ご苦労様。ピカ、ポチャ。ギルド入門者? うんうん、一緒に頑張ろうねっ♪」
あれ? なんだろう、この脱力感は。
このほんわかしている人が……その、親方?
種族については見当がついていた。
プクリンギルドだから、プクリン。そこまではいい……いいんだけど……
こんなほんわか雰囲気だなんて聞いていない!! もっと怖い人かと思っていたのにっ!! なんか損した気分になるのはなぜ……?
「キミ達、名前は?」
「い、イブです……」
「チコです! でも、これは本名じゃないです」
「うんうん、構わないよ。ピカに聞いたんだよね? じゃ、説明はいらないかな? ではでは、チーム名を決めよう♪」
思っていたよりもとんとん拍子で決まっていく。逆に恐ろしいくらいです。
チーム名?……あ、ピカさんがさっき言っていたスカイ……みたいなやつですか?
「そうだよー♪ あ、なんでもいいからね?」
なんでも……と、言われると……困るなぁ……どうしよっか、チコちゃん。
「うーん……イブに任せるよ。ワタシ、こういうのへたっぴだからさ」
そっか……じゃあ、私が。えっと……ピカさん達はスカイ……空だよね……
「じゃあ、海……オーシャン……?」
「イブ、それいいね! それにしようっ!」
ちょっとした対抗心だったけど……尊敬の意味も込めて……ね?
うん! よし、決まりました!
「なにかな?」
「私達は……チーム“オーシャン”です!」



~あとがき~
題名の意味がわかりましたね~(*´∀`)
そうです! ピカ達のチーム名とイブ達のチーム名でした。
大体、わかってる方もいると思いますが……メインキャラは、ピカ、ポチャ、イブ、チコ、フォースの五人です。

次回は、今度こそトレジャータウンへ!
施設の案内をします(*´∀`)♪
本家ポケダンとは、メンバーが違うのでご注意を!
ギルドについては、メンバーは少しだけ違いますが……
では!