satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第214話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でどんぱちしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
ツバサちゃんが倒したと思われた敵さん(数人)が起床しました。戦闘準備ー!
ってところで終わりました。戦闘準備というか、一人倒したので、戦闘開始かな?
まあ、そんな戦闘の続きっすね~


《L side》
初め、そこに転がっていたのは五人。そのうちの三人が起き上がり、一人はまだ気絶している……或いは、勝てないと分かっていて、狸寝入りしているか。そして、再度気絶&麻痺にさせたのが一人。
とりあえず、起きてきた三人を対処しようか。
一人は銃を所持しているようだが、それを構える様子はないため、残弾が心許ないのかもしれない。
そして、残りの二人は大した武器はない。安っぽい短剣を構える人と、未装備の人。
唯一の武器らしい武器を構えた短剣使いが短剣を両手で握り、私を刺し殺そうと全力で突進してくる。そんな自暴自棄な攻撃にため息が出そうだ。
これが何かの囮で、私が避けたところを後ろの仲間が銃を撃つという作戦であることを祈るばかりだ。……仮にそうだとしても、意味はないが。
「悪く思わないでね」
一応、体を少しずらし、敵の攻撃の射程外にしたところで、素早く雷姫を突き出した。攻撃範囲は刀を扱う私の方が広いし、相手は一直線に走っていた。となると、起きることは一つ。
「くっ……!」
突っ込んできた敵の脇腹を雷姫が掠める。痛みはほぼなければ、血も少し滲む程度である。当然だ。斬り殺すのが目的ではないのどから、これで十分。
それに、まだ十二の子がそこにいるのだ。年齢制限のかかるようなシーンなんて見せられるはずがない。
「死ねぇ!」
「おっと。ちゃんとした囮でしたか」
よかったよかった。自暴自棄に一人で突っ込んだ訳じゃなかったんだね?
突っ込んできた敵に隠れ、しっかりと銃を構える姿を見つけた。耳を突き刺すような発砲音のあと、敵の間抜けな顔を捉える。至近距離とはいえ、この私に当たったとでも思ったのだろうか。そんなお間抜けな考えだと思ったら、自然と笑えてくる。
「予測可能な弾道でくる弾なんて、斬っちゃばよいのだ。当たらなければよかろうなのだ」
「はあ!? んなデタラメな!」
よくあるよくある。覚えておけ。
「雷姫、さっきのやつの自由を奪え!」
『マスターも甘いの~? まあ、よい。奴の自由、我が奪ってやろう』
先程、刀を掠めたとき、雷姫が操る電流を敵の体内に流し込んでおいた。これで、短剣使いは重度の麻痺状態にできる。高度な治癒を施さない限り、この戦闘中に起き上がるのは不可能。
「な、なんで……っ」
遅れてやってきた強い痺れに、短剣使いはその場で倒れた。指一本すら動かせないくらいのやつをプレゼントしたのだ。こいつは放置で構わないだろう。
「さて。残りの二人はどうする。諦めて投降する? それとも、諦めずに私に挑む? その場合、容赦はしないわ」
この問いを投げかけてみるものの、ここまで往生際の悪さを見せつけてきた方々なのだ。すんなり「降参です」なんて言うはずもなく。
銃使いが再び構えるのを見て、私は一気に走り出した。引き金が引かれる前に、構えられた銃を標的にして雷姫を振り下ろした。
恐ろしいほどになんでも斬れてしまうのが雷姫という刀。単なる鉄の塊である銃を斬れないはずもない。
すぱんっと気持ちいいくらいに一刀両断し、呆然とする犯人二号にお構いなしに蹴りを入れる。二号は防御する暇もなく、呆気なく吹き飛ばされてしまった。
歯応えのないやつめ。
「残りは貴方だけ。……それでも降参しない?」
唯一の退路は私が塞いでしまっているし、頼りの仲間はほぼ全員伸びきっている。流石に降参ですと手をあげてしまった方が利口な場面ではある。それでも、捕まりたくない一心なのだろう。負けの二文字を叫ぶことはなかった。
魔法使いなのか、片手を突き出し何やら詠唱を始める。聞き取れないし、聞こえたところで私の乏しい魔術知識の検索にも引っ掛からないのは目に見えている。
しかし、この状況で逃げようと思ったら、一発逆転の大魔法を炸裂させるか、小技を駆使してすり抜けるかの二択である。そして、今回の場合は後者。
一発逆転の大魔法なんてものがあるのなら、最初からそれを使えばいい。そもそも、そんな大魔法を使えるほどの力が目の前の犯人にあるとは思えない。なぜなら、それほどの力を感じないから。
よって、補助系魔法の騙し絵的手法で逃げようとしているという予測になる。
「……ま、どっちにしろ逃がさないけど」
軽く地面を蹴って、未だに詠唱中の犯人三号のお腹めがけて雷姫を叩き込んだ。もちろん、刃の部分ではない方を向けて。
雷姫の能力を使うことも考えなくはなかったが、流石にこんな雑魚戦で連発するものでもない。能力を使わないにしても、こんなところを血の海にしたくはない。後ろには可憐な天使……もとい、少女がいるのだ。平気かもしれないけれど、一応の配慮はしておかねば。
三号の口から空気だけが抜けていくような音が聞こえたと思ったら、ぐったりとその場に崩れ落ちた。
「ラ、ラルさん……? 今度こそ、終わりました……?」
箱の影からそっと顔を覗かせるツバサちゃん。彼女からの質問に答えることなく、私は少しだけ俯きつつ考える。
立ち向かってきた三名は戦闘不能にしたと言ってもいい。が、最初から動かなかった二人はどうなのだろう?
じっと見つめてみても、動きはしない。見てはないが、ツバサちゃんの攻撃でやられてしまった……のだろうか? いや、決め打ちするのはよくないか。
「念のため、拘束した方がいいか……」
「じゃあ、私が拘束しますね!」
「あぁ……うん。……うん!?」
生返事で思わず頷いてしまい、慌てて顔を上げると、すでにツバサちゃんが犯人達に近づいているところだった。
やべ。つい、ティールと一緒にいるときみたいな返事してちゃった。
「待って待って! 今のなしでお願いします! 私がやるから、ツバサちゃん戻って……?」
……今、動いた?
ずっと気絶していたはずの二人の指が微かに動いた気がした。私からは距離があって、確信はないが……もしそれが本当なら。
「ほえ……?」
私の呼び掛けにツバサちゃんがこちらを振り向いた瞬間。
「この……クソガキがぁぁぁ!!」
「っらあぁぁぁぁ!!!」
一人は拳銃、もう一人はその辺に転がっていたと思われる鉄パイプを手に、目の前にいるツバサちゃんに襲いかかってきた。
私が雷姫を握って、どこから銃声が聞こえ、犯人の叫び声が聞こえて──視界の端に炎が走るのが見えたのは、全て同時だった。
また、雷姫から『もう、マスターの出番はなさそうじゃの』と、つまらなそうに呟く。その呟きに私は自然と体の力が抜けていった。出番がないと雷姫が言うなら、多分、そうなのだろう。
……さて、色んなことが一度に起きたが、結論だけ言えば、ツバサちゃんは無事だった。
どこからか聞こえてきた銃声が犯人(拳銃持ち)の手を撃ち抜き、銃が発泡されることはなかった。そして、鉄パイプを振りかぶろうとしていた犯人も、突然、目の前に現れた赤髪の騎士に剣の切っ先を向けられて固まっている。襲われたツバサちゃんは、白を貴重とした制服に赤いマントを身に付けた赤髪の騎士団員に守られていた。どうやら、ツバサちゃんは彼のマントに隠されるように覆われているらしかった。ぶっちゃけ、私からは後ろ姿しか見えていないから、どうなっているのか分からないけれど。
「……禁術使用に、それに伴う幼児誘拐……更には、ここの土地を治めるルーメン様の令孫であり、現神子であるツバサ様の襲撃……か」
聞き覚えのある声。髪型が普段と違うから、すぐには分からなかったが……この騎士様、もしかして。
「随分と、この街で好き勝手やってくれたもんだなぁ……特に今は、祭りの準備でくそ忙しいってのに。……そんな中、ツバサを襲うとは良い度胸してるじゃねぇか。あぁ!?」
「アラシ!」
「……アラシ君!?」
最初は冷静に喋っていたのだが、途中から完全に素に戻っている。華麗にお姫様を助けに来た騎士様だったのになぁ。


~あとがき~
なんか、アラシ君のかっこいい登場シーンをさらっとし過ぎた感が……

次回、誘拐事件まとめ回。
一回で収まればいいけど、きっと無理です。

言いたいことはないです。はい。
ないけど、これだけ。
描写しませんでしたが、ばーんってなった敵さんのお手々はまっかっかだと思います。はい。描写しませんでしたが。

ではでは。