satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第215話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で色々する物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
ツバサちゃんのピンチに颯爽と駆けつけるは、イケメン騎士様(ぷっつん状態)でした。
アラシ「もっと言い方あるだろ!」
何を仰いますか。これ以上ない褒め言葉だぞ。
アラシ「……褒め言葉!?」


《L side》
言いたいことだけ捲し立てると、アラシ君は突きつけていた剣で、犯人を斬らないように吹き飛ばした。犯人は犯人で最後の力を振り絞って~……的なやつだったらしく、そこまで強く飛ばされたわけではないが、がくっと項垂れる。
そして、どこからともなく騎士さん達が路地裏に入り、犯人達を拘束していく。
「……アラシ君がここで出てくるとは思わなかったなぁ」
が、姫のピンチには必ず駆けつける王子様と言ったところだろうか。おとぎ話によくあるかっこいい登場だな。
『またマスターがくだらんことを考えておるの』
「うっせ。別に、意外な人物登場で呆けている訳じゃないんだからね!」
「あうん……?」
駆け込んできた騎士達と一緒に帰ってきたのか、リランが私の足元で首を傾げている。どこか若干呆れたように見えるのは、私の気のせいだと信じたい。
……にしても、だ。朝からルーメンさんの相手をしたり、お昼にティールと模擬戦したり、かと思えば、路地裏で犯罪者とどんぱちしたり……なかなか刺激的な一日である。ついでに言えば、色んな意味で疲れた。
ひっそりと壁際に移動し、体重を預けるようにもたれ掛かる。
一時的とはいえ、護衛対象から目を離したり、危険に晒したりと普段の私とは思えないようなミスばっかしているような。浮かれていたのか、過信していたのか。……なんかもう、自己嫌悪に陥りそうだ。否、すでに飲まれている気もする。
「……はぁ」
私が一人で黙々と考え事をしている頃。アラシ君は何やらギルド方面に向かってハンドサインを送っていたが、それも数秒で終わる。そして、マントから出てきたツバサちゃんと向き合った。彼の表情は、お世辞にも普段のアラシ君とは言えないくらいに怒っているようで。
「こんの……アホたれ!」
「あう」
「何、一人でこんなことしてんだよ! 無事だったからよかったものの……一歩間違えば大怪我だっただろうが!」
「う……ごめんなさい」
わぁお。いつぞやの私とティールを見ているようだ。いつぞやのというか、いつものというか……なんだろう。私が言われているわけではないのだが、どこか心にくるものがある。
「ラルもツバサが迷惑かけて悪かったな。捜索に加わってくれて助かった……と、どうした? まさか、怪我したのか……!?」
こちらを振り返ったアラシ君が隅っこでうずくまる私を見て、ぎょっとしていた。
いえ、違います。君の言葉の刃が飛び火してただけです。何でもないです。あんな雑魚共に怪我なんて負わされてませんです。
……とは、言えないので。
「日頃の自分について考えてたら、ちょっとね……しんどくなったと言いますか」
「……は?」
「とにかく、怪我はしてないので、心配無用です。はい」
「おう? な、なんで敬語?」
このあとを考えると、自然と敬語も出てくるというやつです。はい。
私の言い分にあまり納得はしていないみたいだが、深く聞くつもりもないらしい。小さく首を傾げる程度である。
「そんなことより、ごめんね。ツバサちゃんから目を離して。神子様に近づく不届きものの話は聞いていたはずなのに、気が緩んでた」
「え? いや、ラルが謝ることじゃねぇよ。今回はどっちかってぇと、ツバサが勝手に突っ走っただけだ」
それでも、私の監督不行き届きが原因なのだけれど……これはどこかで折れないと永遠に続くやつだ。この辺でやめておこう。
「それとは別で、アラシ君。さっきの登場はかっこよかったよ。姫様のピンチに駆けつけるナイト様、イケメンでしたよ」
「なっ!? 急に何言い出してんだ、お前ぇぇ!!」
素直な感想を述べたつもりなのだが、アラシ君は思い切り顔を赤くして、照れまくっている。
どうやら、どんな見た目でもアラシ君はアラシ君のようだ。初だねぇ。

路地裏から脱出した後、あれこれ現場検証やら事情聴取やら……色んなことがあったけれども、格別何かあったわけではない。ここで詳しく言う必要もないだろう。
私は近くにあったベンチに腰掛け、ぼんやりと今回の事件の行く末……もとい、後始末を眺めていた。ティールとしーくんには無線で連絡済みで、粗方落ち着いたら戻ると言ってある。ここで少し休憩したところでバチは当たらない。
そんなことより、無線越しにティールが何かを察したのか、こっち戻ってきたら覚えてろ的な宣言していたのはなぜだろう。私、何にもしてないのに。危ないこともしてないはずなのに。え、何もしてないよね? 脳内に過りはしたけど、踏み留まったよね?
「勘づかれたとして、どれだろう」
『さあ? パートナーは時折、こちらも驚くほどの観察眼を見せるからの~』
本当に。それをいつも発揮できればいいのに。惜しいやつ。
「悪いな、疲れてんのに最後まで付き合わせちまって」
「ん? あぁ、アラシ君か。大丈夫だよ。ごたごたには慣れっこだからねぇ……それより、誘拐された子達の保護は済んだ?」
後処理とやらが終わったのか、騎士様姿のアラシ君が近付いて話しかけてきた。彼の傍にツバサちゃんとリランの姿はない。ルナちゃんのところにでも行っているのかもしれない。私もアラシ君もツバサちゃんから目を離してるけど、まあ、たくさんの騎士がうろうろしているし、問題ないはずだ。それに、アラシ君もそんな判断を下したからこそ、私のところへ来たのだろうし。
「おう。ルナを含めて、全員の無事が確認されたよ。皆、親御さんとこ帰れたみたいだしな」
私の質問に素直に答えるアラシ君。
彼の返答を聞く限り、今回の連続誘拐事件は一件落着と見ていいだろう。人質というか、誘拐された子達が皆、無事だったのが何よりだ。
「……そいやぁさ」
「ん? なんだ?」
あれこれ今回のことを考えていたら、ふと、思い出した。
「アラシ君が介入してきたとき、どこからか銃声が聞こえてきたけど……あれはアラシ君……じゃないよね?」
「あぁ、俺じゃない。あれは」
「アラシ」
アラシ君の言葉を遮るように、彼の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。この静かで落ち着いた声に私は聞き覚えがある。
「よう、アリア。さっきは援護ありがとうな」
そう。アリアちゃん。私と同じクラスの人魚族の女の子。学校でよく見るジャージ姿ではなく、動きやすそうな忍者服……みたいな感じのやつだ。みたいなと言ったのは、それっぽいだけだから。
ぽんっと突然現れたアリアちゃんの背には銃を背負っており、それだけで仕事だったのかなって感じさせる。
目を白黒させる私のことはお構い無しで、アラシ君とアリアちゃんは話を進めていく。
「……あった?」
「あったよ。これがお前の探してたやつな。犯人の一人が大事そうに抱えてたらしい」
と、パッと見どこにでもあるような本をアリアちゃんに手渡す。差し出された本をアリアちゃんは受け取ると、小さく頷いた。
「うん……ありがとう」
犯人の一人が大切そうに持っていたとなれば、曰く付きの何かなのだろう。恐らく、それの回収がアリアちゃんの仕事……なんだろうか?
いや、待て。その前にだ。アリアちゃんの背負っている銃……そして、突然聞こえてきた銃声。撃ったのがアラシ君ではないとするなら……
「さっきの質問の答え……もしかして」
「悪い。質問の途中だったな。……答えとしては、アリアが遠距離狙撃してくれたってのが答えだよ」
遠距離……ね。
そういえば、さっき、アラシ君はギルド方面にハンドサインを送っていた。まさかとは思うが、ギルドからここを撃ったわけではない……よね? 流石にそれは……うん、どうなんだろう。
うちにもそれくらいの狙撃をひょいっとやってしまいそうな人がいるし、不可能だとは思わない。それに、剣技大会でアリアちゃんの戦闘能力は目にしている。あと、お仕事も知ってるわけで。
それを総合すると、アリアちゃんは凄腕スナイパーさんってことになる。千メートル級の狙撃を難なくこなしてしまうくらいの。
「……? 何?」
私がじっと見つめていたからだろう。アリアちゃんが不思議そうに首を傾げていた。
彼女に言いたいことはあるけれど、言ったところで反応は目に見えている。となれば、私のとる行動は一つしかない。
「なんでもない」
と、微笑むだけである。



~あとがき~
なんか雑になってますね。なんやろ。まとめられてない感凄いな!?
いつか手直しするかもしんねぇぜ……(笑)

次回、誘拐事件まとめてく。二日目も終わりですな!
本来は単なるお買い物とか観光すっぞが目的だったんですけどね。まあ、しゃーない。

プロットだと、ラルちゃんもっとフランクでいたずらっ子的なポジにいたんですけど、彼女視点にするとそれが綺麗さっぱりなくなるからよくないですね。多分、アラシ君視点にすると、いつものうざったいラルちゃんがいるんですけどねぇ……(笑)
まあ、これもラル視点なのがよくない。彼女の考えが丸見えだもの。おふざけモードが素じゃないので、こうなるんだよな!

ではでは!