satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第256話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で戦闘してる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラル視点によるソロの戦いを見てもらいました。そして、ティールと合流し、目の前の敵はベヒーモスではなく、ゴーレムではないかと推測した辺りで終わりました!
今回からは、真面目(?)に討伐していきますよ。はい。
ラル「今までも真面目だけど」
ティール「作者のボキャブラリーが少なすぎるんじゃあ」
んなこたぁねぇぞ!!(滝汗)


《L side》
「……あれが、ゴーレムだって?」
私の言葉に信じられないとでも言いたそうなティール。彼の言いたいことは分かる。見た目や攻撃パターンは完全にベヒーモスで、ゴーレムとは全く異なる。それをゴーレムと言われても信じられないだろう。
それを詳しく説明してあげたいが、そろそろ私の相手をしていたベヒーモスもとい、ゴーレムが攻撃してくる可能性がある。時間を稼がねば。
「……出てきて、“ドール”」
「はぁい! お呼びですか、マスター!」
私は自分と瓜二つの分身、“ドール”を呼び出し、目の前の敵を指差した。
「ドール、あれの相手をしてきてくれる? 倒す必要はない。私とティールが話す時間を稼いできて」
「畏まりました! では、今後の事も考え……そうですね。三分程、私がお相手してきます!」
三分……まあ、そんなもんか。
“ドール”を呼び出すには、私の体力と精神力を使う。この後の戦闘もあるし、長時間ドールに戦わせるわけにもいかない。
「それでいい。行って」
「はい! マスターの命により敵の足止めをしてきますね」
自分と同じ顔だとは思えないくらい、弾ける笑顔を見せ、ドールは角なしベヒーモスのいる方へと走っていく。
「じゃ、ドールが時間稼ぎしてくれてる間に私の考えを話すよ。……その前にティールの相手してたベヒーモスもどきは?」
「スイに足止めさせてる。余程の事がない限り、こっちには来ない」
OK……んじゃまあ、手短に作戦会議といこうか。
「私がゴーレムであると考えた根拠はいくつかあるんだけどね。……ここに来てから、ティールはゴーレム以外の敵を見かけた?」
「それは……見てない」
「私も。それに、『時空の叫び』でもミルティアがゴーレム以外を呼び出すところは視ていない」
まあ……そもそもの話、ここがミルティアが呼び出したのゴーレムに守護されているのなら、他のモンスターがいる可能性自体が低いとも言えるだろう。永い年月を経て、環境ががらりと変わり、ベヒーモスが住み着いた可能性もなくはないだろうが……それでも、神の作り出したゴーレムがそれを許すとは思えないのだ。
ここのゴーレムに与えられた命令はここを守ること。……つまり、侵入者の排除。そして、宝石を守ることの二つ。
その命令がある限り、外部からはぐれモンスターが来て、住み着くとは思えない。
そして、ベヒーモスに攻撃してもダメージを与えられない事。
「ゴーレムはコアさえ無事なら復活するよね? 傷も元通りにしてしまう。それがどんなに強力な攻撃でも、ね」
「た、確かにそうだけど」
ティール、コアを探して。本来、ベヒーモスに存在しないそれが見つかれば、私の仮説は立証される」
「分かった」
ティールはバッグからライフルを取り出し、ドールが相手しているベヒーモスへと向けると、そっとスコープを覗く。
数十秒の沈黙が続いたあと、ティールがスコープから目を離し、私の方を見てきた。
「……あった。胸の位置にベヒーモスにはない宝石みたいな石が……あれがコアか」
「ビンゴ♪……じゃあ、それを破壊すれば私達の勝ちだ」
倒し方が分かってしまえばこちらのものだ。コアの破壊をすれば、私達の勝ちなのだから。
ティールが注意を引き付けてくれている間に私があの角なしのコアを破壊するわ」
「了解」
……ところで、ずっと気になっていたのだが。
「角ありとなし……違いって何?」
「え? 角がある方が雄で、ない方が雌だったかな」
ふぅん……奴らはカップル?
「なのかな。番っぽいから、カップルというよりは、夫婦? かもね?」
……ほう?
ゴーレムのくせに、そういう見た目にする必要性を感じないのだが……何か理由でもあるんだろうか?
「ど、どうだろう」
「私達が苦労してここまでやってきたのに、あいつらは呑気にラブラブしてたってこと? リア充ならぬリア獣ってか!?」
「……ラル? 疲れてるの? テンションが謎ベクトルに向いてない?」
「向いてない! 正当な主張だと思ってる!」
「ごめん! どの辺りが!?」
そもそも、ゴーレムって性別という概念があるのだろうか? 無機物から作り出されているやつらに性別なんて必要か? いやまあ、コアを持った時点で意思を持つのだから、そこから性別が産まれるのかもしれないが……
まあ、その辺を考えたところで、これからに関係ないのだが。
「……ふざけすぎた。そろそろ終わりにするか」
「うん。ふざけてたの、君だけなんだけどね? まあ、いいよ。目的を思い出したみたいで……で? どうするの?」
「根本的な作戦に変更はない……ティールが援護にして私が攻撃するかな」
「……了解」
どこか不満そうなティールだが、反論するつもりはないらしい。ティールが捕まえてる一体は彼の能力で即死できるだろう……が、私が相手していたやつは一応、元気に動き回っている。あれに関しては、二人がかりで倒した方が早いだろう。
「じゃ、掩護射撃メインで狙っていくよ」
「その辺の方針は任せるわ。……やるぞ、雷姫」
『うむ♪ あれ程の巨体な人形の核の破壊……我、興奮してくるぞ♪』
うん。お手柔らかにね……?
ゴーレムの強さとコアの硬さは比例する……つまり、強いゴーレムならコアも強いという単純な構造になっている。
だからまあ、雷姫が久々に─ルーメンさん相手にも楽しそうにしていた気もするが─力を振るえると興奮するのも分からなくはない。分からなくはないが、必要以上に力を使われるのは、私が辛いのでやめてほしいんだけど。
しかし、中途半端に力を緩め、壊れませんでしたってのは、格好つかないのもまた事実。……それに、ここは奥地なのだし、戦闘も最後のはず。なら、思い切りやってしまっても問題はないだろう。最悪、ぶっ倒れてもティールが拾ってくれる。
そう腹を括り、雷姫を握る手に力を込めた。それに反応するように、バチンと赤い火花が散る。
ティール、なんかあったら、骨だけは拾えよ!!」
「はあ!? なんつー捨て台詞だよっ!? なんにも起こさせない!」
ははっ……そういうところ、大好きだよ。
私の後ろでティールがでたらめに……否、私に当たらない絶妙な狙いで銃撃していく。ベヒーモスはドールの攻撃とティールの攻撃に翻弄されて、私の接近にまで気を配れない様子だ。
「さあ、雷姫。派手にぶちかますよ!」
『当然っ!』
足にぐっと力を入れ、一気に踏み込んだ。その瞬間、“身体強化”による効果で俊敏性と単純に筋力のパラメーターを何十倍にも引き上げる。
「前足も~らいっ!」
「グオォォォ!!!」
ベヒーモスの懐に飛び込み、右前足を切断する。突然、支えを失ったベヒーモスの体は大きく揺らいだ。まあ、ゴーレムなのだから、足を切断されたくらい、なんとも思わないのだろう。時間が経てば、その足すらも再生するのだろうし。
まあ、そんなのはどうだっていいのだ。
私がしたかったのは、ベヒーモスのバランスを崩させ、隙を生み出すことなのだから。
「雷姫!」
『うむ。いつでもよいが……奴の咆哮攻撃が……まあ、気にせんでもよさそうじゃな』
雷姫の言葉と共に、銃声が幾重にも重なって響き渡る。ベヒーモスが口を大きく開け、ブレス攻撃でもするところだったのだろうが、その口にティールが銃撃をお見舞いしたのだ。たまらず、ブレス攻撃は中断され、単なる雄叫びがベヒーモスから放たれた。
ナイス、相棒……♪
「轟音と共に、敵を貫け! “雷槍”!!」
私は雷姫を地面に突き刺し、刀身に込めていた雷の力を一気に解き放った。雷は地面を通り、ベヒーモスのコア……ゴーレムのコアに狙いを定め、槍となって雷が巨大な槍を象り、隆起する。
巨大な雷の槍はゴーレムの体ごと貫いて、コアを破壊した。その証拠にゴーレムは形を保てなくなり、バラバラと崩れていく。
──まずは、一体。



~あとがき~
なんか途中で推理やらちょっとした茶番挟んだら、ベヒーモス戦終わらなかったんだが??

次回、残る一体のベヒーモス(ゴーレム)VSスカイ!
そこまで長引かない予定! お楽しみに!!

特に話すことがない~……(笑)
まあ、単調な戦闘が続いてしまってますが、それも次回で終わる予定です。もう少々お待ちを!

ではでは!