satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第330話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回は馬車移動中の雑談回って感じでしたね。スプランドゥールに向かう道中では昔話したりしてましたが、今回は噂の話でした。
この噂がどうなるのか見物ですな(笑)


《L side》
スプランドゥールを出発し、馬車に揺られ続けること数時間。ようやく目的地である海の国の王都、リエンマイムへと到着した。
海の国はのどかな町並みも多いのだけれど、ここは国の中心とも言える場所。街は賑やかで人々の往来は絶えない。
白と青を基調とした洋風建物が多く並ぶ街並みは、当然ながらスプランドゥールの和と洋がミックスされた街並みとは全く違う。正に異国の地って感じがする。
「わー! とっても綺麗な街ですね!」
「ボクしってる! とーいつかんあるってゆーの!」
「おぉ♪ 難しい言葉知ってるな、雫~♪」
どうやら、私とティール以外は来るのが初めてらしく、三人とも馬車の窓から楽しそうに街並みを眺めていた。
「にしても、遠くの方に海も見えたし、名前の通りって感じだよな!」
「まあ、そうかな。……陸の国程、開拓しまくってる訳じゃないし、今でもダンジョン内に遺跡とか、そういう痕跡みたいなものが見つかるよ。レオンの言う遠くから見えた海の近くに海底遺跡があるらしいよ。まあ、詳しくは知らないけど」
海底遺跡!!??」
今でまで窓から景色を眺めていたレオン君だったが、ティールの「海底遺跡」という言葉に勢いよくこちらを振り向いた。そして、興味津々な眼差しをティールに向け、これでもかと詰め寄っていく。
「マジか! どんなところ!? どんな遺物が見つかるんだ!? どんな文明!?」
「く、詳しくは知らないんだってば。それに遺跡とかそういう重要文化財っていうの? そういうやつの大体が王家の所有物……つまり、国の管理下にあって、一般人は入れないよ」
ルーメンさんが管理するダンジョン、『奇跡の洞窟』みたいなもんだな。そうでなくても、各地のお偉いさんに認められないと入れない場所は多い。海の国では遺跡等々がそれに当たるわけだ。
レオン君はどうしても諦めきれないのか、じっとティールを見つめる。
「……俺がティールの友達で後輩でも?」
「君が友達で後輩でも、だよ。ぼくが判断できるものじゃないからね。まあ、絶対にないとは言わないけど……期待はしない方がいいよ」
「くそぉ~……滅茶苦茶、興味あんのに……っ!」
誰がどう見ても落ち込んでますオーラを放ちながら、その場に崩れ落ちる。考古学部に所属するレオン君は自分の知らない遺跡とか、滅茶苦茶興味あるし、行ってみたい欲が強いんだろう。気持ちは分かるけど、どうにもならないのが現状である。
「えーっと……ツバサちゃん、海の国に行ったことなかったんだね?」
落ち込み中のレオン君に話を振るわけにもいかず、かといってこの微妙な空気のままにしておけず、半ば無理矢理に話題を切り替える。
「はい。今までは特に国を出るような用事もなかったので。んと、私だけじゃなくて、レオンやアラシ達も陸の国から出たことないと……あ、でも、あーちゃんだけは海の国に親戚がいるらしくて、年に一度くらいは来るって言ってました!」
「……あぁ、アリアがそんなこと言ってた気がするな」
? ティールってそんな話をアリアちゃんとするくらい仲良かったか?
「たまたまそんな話をする機会があっただけだよ。サバイバル合宿の時、スイとセツがアリアに興味持っちゃって……そこからね」
合宿時というと、アリアちゃんとティールの二人で薪集めに行ってもらったっけ? その時か。じゃなきゃ、ティールだけが聞いたって状況に合わないもんな。
「……なんて言ってみたけど、ツバサから話が出なきゃ忘れてたと思うけどね。話よりもアリアの暴走の方が印象強くて」
「あー……アリアちゃんによるお肉狩りの話か。ま、それは仕方ないね」
「うん。……間違ってないけど、もうちょっと言い方ないの?」
ないよ。これが真実だもの。
ま、そんな話はどうでもよくて。
アリアちゃんが何度も来ているんなら、海の国の知識は教えてもらえたのでは?
……と、思ったのだが、ツバサちゃんはふるふると首を振る。
「あーちゃん、あの海産物が美味しいとか、あの郷土料理がよかったとか、あのお店はボリューミーでオススメとか……ご飯の話しかしてくれないんですもん。なので、私達は海の国についてあんまり知らないんです」
アリアちゃん……? それ以外にも興味を持とう? これは海の国に限らないけど、ご飯以外も色々あるぞ?
……とは言え。
海の国について、私も知識をひけらかせる程知っているわけではない。
王権主義国家で中心都市はここ、リエンマイムと呼ばれる王都。
スプランドゥールと比べると、冒険、探検に積極的ではないからか、探検隊や冒険者が闊歩するようなところではない。むしろ、旅行者、観光客の方が多い。……こんなもんだ。
「なんかさ、リエンマイムってリゾート地って感じだよねぇ。ここの特産品って宝飾品だったよね?」
「そうだよ。……だからってリゾート地なのかは分からないけど。国の特徴……あとは女神信仰があるって感じ?」
「ほえ。女神ですか?」
スプランドゥールでいうところのミルティアみたいなものだ。
海の国で信仰されているのは水氷の女神。ミルティアみたいに民を救った云々のおとぎ話があるわけではないが、遥か昔よりこの地を見守り、守護してくださっている女神……と言い伝えられている。
当然、国の人達は水氷の女神と話したこともなければ見たこともないから、この地に代々語り継がれる言い伝えみたいなものだ。「この国には女神様がいて、私達を守ってくださってるんだぞ~」的なあれである。
「女神様、大分美化されてるなと思う今日この頃です。私は」
「言ってやるな。……ぼくも思うし、本人も大袈裟だって笑うけども」
「? ラルさんとティールさんは女神様と会ったことあるんですか……?」
「そうだね。……王家の人というか、国王は女神の神託を賜った人なの。女神に認められないと駄目ってことなんだ。その関係で王家の人は一度は女神と謁見することになるから、ぼくも会ったことあるよ」
「女神様って会えるんですか!!」
「い、一応」
神の血を引き継ぐ一族がそこを疑うんかい。……と、思ったけれど、ツバサちゃんはそれらを知らないんだっけ?
しかしまあ、純粋な神であるミルティアとは少し意味合いが違うのも事実だ。
「水氷の女神……白雪は聖剣に宿るスイとセツの親みたいなもので、この地に根付く神様でもある」
そもそも、聖剣は力の神─フォース君のマスターさん─がこの世界に授けたとされる武器の一つらしい。その聖剣を人の子に渡す担い手の一人が白雪ちゃんって訳で。
相関図としては、一番上に力の神がいて、その下に白雪ちゃん、またその下にスイちゃん、セツちゃん……みたいな感じになる。
「白雪ちゃんと例の人とはあまり関係なさそうだよねぇ」
例の人とはフォース君だ。名前を出すわけにもいかないので、適当にぼかしておく。ティールには通じたようで、はにかみながら頷いた。
「そだね。どっちかと言うと、雷姫さんと横並びって感じかも。二人は嫌がりそうだけどね」
まあ、確かに?
今回は雷姫は関係ないので説明はしないが。
話が脱線してしまったが、まとめるとだ。
海の国は王権主義国家、ブライトさんの治める国。首都は王都リエンマイム。
海が綺麗で、自然豊かなこの土地には今でも遺跡等々、歴史の痕跡が見つかる。
国民には水氷の女神の信仰が根付いている。
こんなもんか。
ツバサちゃん達が白雪ちゃんに会うことはないし、遺跡に行くこともないだろうが、この国の基礎知識はこんなものだろうか。
「見えてきたね」
街中を走り続け、目の前に現れたのは大きな洋風の門。そこに門番のように佇む王宮騎士の姿が二人いる。
この門の先が海の国の王宮……ティールの実家がある。いやはや、いつ見ても別次元で、別世界の光景だわ。



~あとがき~
本当は王宮へGoしたかったけど、無理やった。
だって、きりがよかったんだもの!!

次回、海の国の王宮へ!

なにやら色々とごちゃっと説明しましたが、ここは国の説明をしただけであって、今後それが関わるのかと問われると、そんなことはないですね。
スプランドゥール編みたく、「この台詞がここの伏線にぃ!?」という仕掛けもないので。はい。

ではでは。