satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第222話

~前回までのあらすじ~
ポチャ視点でピカと町中ぶらぶらしてまーす。
二度とないよ! ポチャ視点!!
ピカ「前回も似たようなこと聞いたわ」
ポチャ「というか、断言しなくてもよくない!?」
ピカ「こういうのはネタだから。本当はどうなるかなんて分からないからさ~? まあ、気楽に構えとけって」
ポチャ「う、うん……? あれ、これってそういう話だっけ?」
さあ……?
まあ、始めますよ!


二人でお店を見て回っているだけで、普段とそう変わらないんだけど、こういうのも悪くないかなって思う。仕事ばっかりじゃ詰まっちゃうし、たまにはいいかもしれない。……こんなことを彼女に言えば、確実に悪知恵を働かせて、あれこれ対策を練りそうだから絶対に言ってやらないけどね。
「お姉さん、これとこれ買うからおまけして~」
「あら、若いのにお上手ねぇ♪ あなた、可愛いし、おまけしちゃうわ~♪」
「わーい♪ お姉さん話がわかる人だね!」
ピカが話している相手……オニゴーリの店員なんだけど、どう見てもお姉さんなんかじゃない。ま、まあ、世界には色々な人がいるってことなのかな。……うん、きっとそういうことなんだ。深く突っ込まないでおこう。
「よっしゃ~♪ いい買い物だった!」
「そっか。よかったね」
お店から出てきたピカはおまけもしてもらって大満足だったらしい。そんな嬉しそうに笑うピカを見て、さっきのことは忘れてしまった方が幸せだ。その方がいい。よし。忘れる。
心の中で変な決意を固めていると、それを変に思ったピカがじっと見つめてきた。
「どしたの、ポチャ。なんか変だよ」
「ちょっと……でも、大したことないから大丈夫」
「ほーん……ま、いいけど」
少しだけ首を傾げたものの、これ以上は何も言わなかった。基本的にどうでもいいことは深く突っ込んでこないのがピカだ。どうでもいいこと、というよりは、興味ないことや大切ではないと判断したものに限るけど。
「……うわっ! こんなところでアイスとか売ってるし。寒いだけじゃん!」
きょろきょろとお店を物色していたピカが、アイスキャンディ屋を見つけるなり、寒気がしたのか肩を震わせた。
寒いとは言うけれど、一応、夏だし、アイスが売っていても問題はないとぼくは思う。ピカはそうは思っていないみたいだ。
「世間的にはまだ夏だから変ではないと思うよ。というか、美味しそうだけど」
「ああいうのは暖かいところで食べて!? 冬にアイスって言うけど、それは暖かい部屋に限定するでしょ?」
「……そう、なの?」
どちらかと言えば、寒い方が嬉しいぼくにとっては、暖かい部屋で食べるアイスのよさは分からない。別に寒くてもいいと思う……のは、常識ではないんだろうな。
「そうだよ!……いや、うん。ごめん。私もよく分かんないんだけども」
「じゃあ、なんだったのこのやり取り!?」
「ポチャが美味しそうとか言うから」
「え、ぼくのせい?」
「うん。ポチャのせい」
いや、絶対関係ないよね……? でもこのやり取りを続けても終わりが見えなくなりそうだ。ここで打ち止めにした方がよさそうだな。
ピカもぼくと同じことを考えていたようで、ふぅ、と息を吐いた。そして、こくっと小首を傾げる。
「まあ、いいや。ポチャ、食べる?」
この質問に今度はぼくが首を傾げる番だ。
「食べていいの?」
「食べたいなら、どうぞ」
「じゃあ、せっかくだし」
そんなぼくがチョイスしたのは言わずもがな、リンゴ味。これは譲れない。ちなみにピカはアイスキャンディ屋の近くにあった、カフェでホットコーヒーを買っていた。耐熱性の高い紙カップに入ったコーヒーを両手で持つピカは、ぼくを見るなり嫌そうな表情を浮かべた。
「うわぁ~……めっちゃ寒そう」
「寒くないよ! ピカが駄目なだけだろう?」
「言うねぇ……人には得手不得手があってだね」
「そうだね。ぼくが寒さに強くても、ピカは弱いもんね」
なんだか、この話題だと珍しくぼくがピカのことを言い負かせそうな雰囲気あるな……ちょっと試してみようと思っていると、それを悟ったのか、ピカから仕掛けてきた。
「そうだな。でもまあ、弱点的にはポチャの方が多いと思うよ? 一個一個言ってあげようか?」
あ、駄目だ。負けた。
「ダイジョーブデス、ゴメンナサイ」
「分かればいいよ~♪」
すぐに引いたぼくを見て、満足そうに頷くと、コーヒーを美味しそうに飲む。勝利の一杯って奴だろうか。
ぼくがピカに勝てると思えるのは、仕事を嫌がるピカを引っ張っているときだけだな……悲しい。
そりゃ、全体のスペックはピカの方が何倍も上だから仕方ないとは思うけど……なんだろう。それって男としてどうなんだろう。なんかこう……頼れる男の方がいいと思うんだけどなぁ。残念ながら、ぼくにその素質はなかったみたいだ。
そもそもの話、ピカに勝てる相手ってのも中々いないか。親方とかは勝ててる……のかな。あれは勝っているのか、謎だけど。
心底どうでもいいような物思いに更けていると、ピカが何かを思い出したような声を漏らした。
「あ。そーいえばさ、さっきカフェでテイクアウトを待ってたんだけど」
「うん? うん……それで?」
「そこで子供連れのお母さんを見たのよ。子供は多分、五歳とかそこら辺の」
時間帯的にも、そういった人達が訪れる時間帯なのかもしれない。けれど、いきなりそんな話をして、どうしたんだろう……? 気になることでもあったのかな。
「で、ポチャに聞きたいことあるんだけど」
「ん!? この流れで? いや、答えられることには答えるけども」
「ふと疑問にね、思ってさ。いや、大したことじゃないんだけども」
「そう言われると大したことに聞こえてくるから不思議だよね……疑問って?」
ピカはコーヒーを一口だけ飲んで、こちらをちらっと見た。ぼくも同じようにピカの方を見る。
「この国の結婚制度」
……んんんんんっ!?
いきなり何!? え、結婚!?


~あとがき~
いつもよりちょっと短いですけど、きりがいいんでここできりました。

次回、各国の制度の話。
つっても、結婚うんぬんの話だけどね!

実は、今回の話は結婚制度の話がしたかっただけです。なんでするのって感じですけど……まあ、察してくれよ。
……深い意味なんてないけども!

ではでは。