satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第236話

~前回までのあらすじ~
闇の侵食ってなあに? っていう回でした。
イブ「そ、そういう話なのかな?」
ウィル「俺、めっちゃ真面目じゃなぁい!? やっべ、インテリ目指せるかもー!?」
そういう発言している間は無理だと思います。
ウィル「まじか」
イブ「るーくん……なんか、残念な人だよ?」
ウィル「まじか!!」
さてさて、いい加減、まとめていきたいね!


今回のことをギルドに報告し、そのあと何が行われていたのか、私達はよく知らない。
親方さんが「あとは任せて」と言ってくれたから……ううん。そう言われてしまって、まだ半人前の私達が全部教えてなんて、言えなかったのだ。
だから、私は今回の結末を理解していない。それでも、分かっていることはあった。
少しずつ、平和で日常が崩れてきている予兆を何となくだけれど、感じていた。感じているからといって、力のない私にできることなんてないけれど。
軟禁されていたアイトさんも、事の顛末を全て知っているはずもなく……とはいえ、捕まっていた張本人だからか、たくさんのことを警察やギルドに聞かれて大変だったみたいだ。
今、ギルドの食堂を使わせてもらって、私達とアイトさんはちょっとしたお疲れ様会をしていた。本当なら話しちゃいけないんだろうけれど、愚痴っぽく大変だった、と笑って話している。
「……そだ。俺、イブさんとチコさんの探検隊でお世話になりたいです」
「ほあ……? 私とチコちゃんの?」
事情聴取等々からようやく解放されたアイトさんから、思ってもいなかった申し出に、感傷的になっていた私の思考は、一気にどこか飛んでいってしまった。
「イブさんやチコさんがよければ。……それに、約束してもらったから。世界を見せてくれるって」
い、言ったけれども……!
私の隣でチコちゃんもぽかんとしている。そりゃそうだ。まさかな展開だもの!
「ほーう? いいのか? こんなちんちくりんが率いる隊に入りたいとか言って。将来性ゼロだぞ」
にゃにおう!? すーくんは黙ってて!!
「……見ず知らずの俺に手を差し伸べてくれた、イブさんを信じたい。力になりたいです」
「アイトさん……!」
「それに、イブさんは可愛らしい方です。ちんちくりんじゃないですよ?」
「アイトさん!? なんで!?」
すーくんのちんちくりん発言を真面目顔で訂正しなくてもいいんですけど! いいんですけど!?
「ふはっ! いいねぇ。綺麗な心からくる本心は。聴こえてくる声も、清々しいもんだよ」
心を読むすーくんがそう言うなら、そうなんだろう。アイトさんは心から私達の仲間になりたいって言ってくれているのだ。
なら、私から言えることは一つ。
「アイトさん、こちらこそ、よろしくお願いします! 私達はまだまだ半人前の探検隊です。だから、一緒に頑張りましょう! いいよね、チコちゃん?」
「もっちろん! よろしくお願いします、アイトさん!」
「はいっ! こちらこそです! よろしくね、二人とも」
うんっ!

「……というわけなので、住むところを紹介してください! ピカさん!!」
「お、おお……あのね? 私、便利屋じゃないんだけどな~?」
スカイ基地にて、何やらお仕事をしていたと思われるピカさんにアポなし突撃をした私達。大雑把に事情を説明して、土下座する勢いでお願いしているところだった。主に私が。チコちゃん達は私の少し後ろで黙って今の状況を見ている。
各々、どう思っているかは考えたくないのでご想像にお任せするけれど。
「んまあ、いいや。宛がない訳じゃないからね。ついてきてよ」
「ピカさん、かみさまー!! ありがとうございますっ!」
「神様て……私はただのピカチュウで~す」
ピカさんは空色のスカーフを首に巻くと、周りに散らばっていた書類を手早くまとめて、基地を出ていく。私もそれに続いた。
賑やかなトレジャータウンの街中をのんびりと歩いていると、すーくんが唐突に質問を投げ掛けた。
「そういや、ペンギンは?」
「例の集落の件で駆り出されてる。私は私で事後処理に追われてんの。親方に押し付けられた」
何てことだ……あとは任せてというのは、ピカさんに任せるから的な意味合いだったのか。なんだか、申し訳ない。
「イブちゃん達が気にすることじゃないよ。聞かされた話をまとめるだけだから、楽な方だもん。アイト君も大変だった……と、私より年上かな?」
「俺ですか? 同じくらいだ思います」
「そうなの? 成人してそうだけど」
「こっちの成人がいくつかわかりませんが……俺は二十歳手前です」
なら、私やチコちゃんよりは年上なんだな。ピカさんとポチャさんとあんまり変わらない歳かぁ……
「ほんとに近かった。じゃあ、アイト君って呼ぶよ。それとも、探検隊用に名前使うのかな?」
ニックネーム制度! 忘れてた!!
「こらこら。結構大事よ、これ」
「す、すみません……名前名前~……アイトさん、あだ名とかなかったんです?」
「え、えぇ~……呼ばれたことないなぁ」
そっかぁ。
「フォースはともかく、私達は種族名の響きからきてるし、アイトさんもそうしたら? キルリアからどーにか考えてみる、とか!」
そういえば、そうだね。すーくんはともかく。
「どうしてもおれを除け者にしたいのか、この小娘共は」
「まーまー! フォース君、落ち着きたまえよ。フォースって名前が種族から来てないのは本当でしょ?」
「そうだけど! なんか納得がいかねぇ」
ピカさんとすーくんのやり取りは置いておいて……というか、珍しくすーくんが拗ねているような文句の付け方をしているような?
「アイトさん、これがいいってお名前ないんですか?」
「特には? 変なものじゃなければ」
そ、そっか……じゃあ、キア、はどうでしょ? 最初と最後の音をくっつけただけですけど。
「構わないよ。じゃあ、今日からキアでいくね」
軽い! いやまあ、あくまでニックネームだけれども!
「おー! ではでは、改めてよろしくです、キアさん!」
「うん、よろしくね、チコさん♪」
「さんなんていらないですよー! キアさんの方が年上なんだし」
「そっちこそ、敬語なんていらないよ。俺の方が新米だからね」
「じゃあ、敬語使わないから、さん付け禁止ね!」
「あはは。うん、分かった」
溶け込むのが早いな……そこはチコちゃんの得意分野って感じだ。
「あ、ついたついた。ここだよ。下宿先候補」
ピカさんが指差している建物はどこか図書館みたいな広い建物。
「……ここって」
「イブちゃんは一回来たことあるよね。ライブの図書館兼情報屋さんだよ!」
ですよね!?
ピカさんはあたかも自分の家みたいに気軽に入っていく。私は一回だけ来たことあるけれど、アイトさん改め、キアさんやチコちゃんは一回もない。すーくんは私と一緒に来たことあるけれど、そのときは姿を見せていたわけじゃないから、初めてにカウントすべき……なのかな?
「あら、ピカちゃん! いらっしゃい♪ それにイブちゃんも。久し振りね~」
「はわ! お久し振りです、ライブさん!」
「ええ。……そちらのお三方は初めまして、ね! ようこそ、我が図書館へ♪ 私はライブ。何かほしい情報があれば、ご提供しますわ♪」
ライブさんの図書館がキアさんの下宿先?
チコちゃん達が軽く自己紹介を済ませると、ピカさんが本題を持ち出した。ピカさんのまとう雰囲気で何となく察してはいたが、真剣な眼差しでお願いします……と、なるはずもなく。
「ライブ、このキルリア君を従業員として住み込みさせたってくれー! 住むとこないんだって!」
という、とっても軽い感じに話が始まってしまった。こういう話って下手に出るのがお約束なのでは。
「あら、そうなの?」
「ええっと、俺、実はイブやチコがやってる探検隊に入隊したんですが……二人はまだギルドで修行の身だそうで」
「そういうことね。私は構わないわ♪ 人手が増えるのは大歓迎! イブちゃん達のお仕事がないときに私達の仕事を手伝ってくれればいいわ」
ライブさーん!
「早速、中を案内するわね。ついてきて、キア君」
「はいっ!」
せっかくだから、私もついていこっかな?
私はチコちゃんと目配せし、二人してついていくという意思確認を取った。ピカさん達はどうするのかなと思ったんだけれど、案の定と言うべきか。近くの椅子に座ってまったりモードである。
「いってらっしゃーい。私は適当にだらだらしてるよー」
「右に同じく」
んもう。すーくんはついてきなさいよねー!
しかし、来る気配は全くないので、仕方なく放置することに。
協調性って言葉、知らないのかなぁ?



~あとがき~
計画立ててないので、ぐちゃぐちゃってしてますな。面目ねぇ。

次回、フォースととある方の会話。
アイトの故郷についてのお話をちらりとね。します。

皆様、覚えていますか! ライブです!
そして、今回出てきてませんが、住み込みのネーブルムンナ)って子もこの図書館にはいます。覚えていますか!?
このあと、何回出番があるのか謎ですが。

そしてそして、こちらの方が重大です!
アイト改め、キアがオーシャンの仲間入りを果たしましたー! いえーーい!!
占いが得意なキルリアの男の子、キア君をよろしくね☆
こいつもどれだけ出番あるか謎ですけど! 謎ですけど!!

ではでは!