satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第209話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回から本格的に観光スタートしてます。
リンゴなら無限に食べちゃいそうなティールを制御しつつ、まだまだ続きます。スプランドゥール観光。
ラル「スプランドゥール=リンゴの産地ではないと思うのよ。なんかやたらリンゴ出てくるけどさ」
ティール「ぼくがリンゴにしか興味ないみたいな言い方しないでほしいなぁ~」
ラル「そこは間違ってないと思う」
ティール「ぼくをなんだと思ってるの!?」
リンゴ大好き王子かなぁ~?


《L side》
ツバサちゃんの案内で様々な名所……というか、美味しいお菓子の食べられるお店だったり、比較的安く物品が買えるお土産屋さんだったりを教えてもらった。
「とものおみやげ、これでいーね!」
律儀にとものお土産を忘れていなかったしーくんは、ツバサちゃんに教えてもらったお菓子を買えて満足している。もちろん、日持ちするやつなので、今買っても大丈夫なんだけれど、お土産って最終日に買いません?
「いいじゃないか。雫は満足してるみたいだし」
「そうだけど……ま、部屋には冷蔵庫なんてのもあるし、そこに突っ込んでてもいいけどさ?」
今買うと、かさ張るやん? いやまあ、いいんだけどね!? 天使の笑顔は宝だもの! 私はいいことしてるんですけどね!!
「しずくくんっ!」
おっと?
街の風景として、子供達の水遊びはよく見かけていたのだけれど、その水遊びしていた子供達の中から、しーくんの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
「りゅ? あ、ルナちゃん!」
銀色の髪にぴんっと立った耳にふんわりとした尻尾。恐らく、狐族の少女なのだろう。
見た目はしーくんと大差ない年齢に思うが……そして、しーくんの名前を知っているということは、彼女もしーくんと同じ、精霊役の子……なのだろうか?
「知り合いかい? 雫」
「ん! そーなの! きょうのおしごとでいっしょだった、ルナちゃん!」
どうやら、精霊役の子で間違いないらしい。
ルナちゃんはしーくんに目が行っていたようだけれど、私達に気付いて顔をあげる。そこで、ツバサちゃんを捉えたのか、ハッとなり、ぺこっと頭を下げる。
「ほわ! みこさまもいたんだ! こんにちは!」
「こんにちは、ルナちゃん。皆で水遊びしてたの?」
「うん! おそと、あついけど、いまはおみずでてるから!」
水まきの水で友達と涼んでいたらしい。よく見た光景だから、然程、珍しくもないか。
「しずくくんは、なにしてるの?」
「んとね、ラルとティールとツバサお姉ちゃんとまち、みてたの! ぼく、ここにくるの、はじめてだから! あ! ラルとティールだよ! ぼくのなかまでね、ママとパパなのー!」
んんっ!?
「し、雫!? その紹介の仕方は外でやらなくていいやつ!」
「そうだっけ?」
「ほわ~? しずくくんのママとパパ、わかいね!」
小さい子特有な素直な眼差しに私とティールは何も言えない。違うんです、とは言えないし、かといって、複雑な事情を説明するのもおかしな話である。
「あ、あの、ラルです。ママとパパってのは、あれよ? みたいなってやつだからね? 若くて当たり前なのよ……私達」
「? そうなの?」
この年齢の子にどう説明すれば通じるのだろう。私、そんな方法、知らない……!
「えぇっと、ルナちゃんは雫と仲良しになってくれたんだね?」
「うん! さっき、たくさんあそんだの! ねー!」
「んっ! あそんだ!」
「そっか。ありがとうね~」
ティールパパの見事なすり替えにより、ルナちゃんの頭から疑問は遠くの方へと飛んでいってくれたようだ。あれ以上、追及されていたら、私と言えど、無言を貫くところだった。危ない。
私とティールの紹介を終えたしーくんは、ルナちゃんと仲良く話し始める。なんだかとっても楽しそうで、じゃあ行こっかとは、言えない雰囲気で。
「……しーくん、ここでルナちゃん達と遊ぶ?」
「いいの?」
「うん。……ツバサちゃんも、しーくん達と遊んでる? 私個人としては、もう少しこの辺見て回りたいから、別行動ってことになるけど」
「わあっ! いいんですか!?」
この辺は人通りもあるし、何よりルーメンさんが管理する街。危険なことはないだろう。あったとしても、天才的な魔法の使い手だ。滅多なことでやられることはないだろうし、しーくんも、幼いながらに戦闘経験もある。その辺の草食男子よりは頼りになるだろう。
「ま、危ないことはなしだよ? 二人とも、変な人についてったり、怪我するようなことはなし! いいね?」
「あいっ! だいじょーぶ!」
「はーい!」
二人の元気な返事を聞き、私はティールに視線を移した。
「で、ティールはどうする? ここで涼んでる?」
「うん? ぼくはラルについていこうかな」
「あら、暑いからここでじっとしているのかと」
「これからのこともあるしね……少しは暑さに慣れておかないと、仕事当日にバテる」
なんだ。一応、これからのことを考えていたのか。目の前の暑さに挫折しているのかと。
「さ、流石にそこは仕事だって割りきるさ」
そう? 観光前は暑くて日陰から出たくないとか言っていた気がするけれど……まあ、いいだろう。
私とティールは観光の続き、しーくんとツバサちゃんはルナちゃん達と水遊びで小休止……かな。
「じゃ、一時間後くらいにまたここに戻ってくるから、ツバサちゃん、しーくん、ここにいるんだよ?」
「あいっ!」
「分かりました!」
「いい返事だ。しーくんをよろしくね、ツバサお姉さん」
「はいっ! お任せください、ラルさん♪」
お姉さんやる気満々なツバサちゃんに任せてしまっても大丈夫そうだ。
よし。それなら、もう少しだけ、夏休み気分を味わうかな?

子供達とは一時的に別れ、私とティールは再び街中観光へと舞い戻ってきた。
ツバサちゃんの案内はないけれど、これはこれでじっくりと街の雰囲気を味わえるというもので。
「歩いていて思ったけれど、本当に和と洋が混じっているよね。何て言うのかなぁ……古風な空気もまた味を感じる……みたいな」
「ちょっとティールが何を言いたいのか分からんけど、まあ、あれだよね。古きよき時代?」
「なんか違う」
違うのか。
冒険者の街。その名に相応しく、見るからに探検隊ですと言わんばかりの装備のまま、歩いている人が多い。駄目とは言わないが、そこに観光客も混じっているものだから、変な感じはする。
「ラル、何か欲しいものでもあるの?」
「ん? いやぁ……探検に必要なアイテム類は持ってきたんだけどね。一応、買い足そうかなぁと思ってる」
「ふぅん? ラルにしては慎重だね」
私にしてはとはなんだ。私にしてはとは。
「いや、ごめん。アイテムなんて、いつも買わないじゃないか。家から自作のやつ使うだろ? 買うのだって、長期間の仕事中になくなりそうだからって理由が多いでしょ?」
「まあ、ねぇ……細々とした仕事を軽くやるなら、それ用のやつが欲しいかなって」
「あぁ、なるほど」
ギルドの施設を使わせてもらって、私が量産してもいい。いいんだけれど、それをするにしても、材料がないので何もできない。
どちらにせよ、補充しておいて損はない。使わなくても、いつかは使う。アイテムは多くて困ることはないのだ。場所だって、どうせ四次元収納のバッグにインだ。多くて持てないなんてのも滅多にないのだから、ここでじっくりと吟味するのも、また楽しいってものである。
「じゃ、探検用のアイテムを取り扱うお店、探してみようか?」
「そだね。ぶらぶらしつつ、なんかいいお店あったら入ってみたいな♪ 雑貨とか可愛いお店!」
「了解。……そういうところは女の子だね」
悪かったな! 普段は女の子じゃなくて!



~あとがき~
ちょっと短いですが、きりがいいからね。

次回、ラルとティールの観光(デート)です。本人達はそんな風に思ってないんだろうけどな。

四人で観光するシーンを入れたかったのですが、如何せん大して話も浮かばないので、皆様のご想像にお任せします。まあ、スプランドゥールがどんな街なのかってのは、初日に書いてますからね。それで十分っちゃ十分なのです。
じゃあ、なんでラルとティールの話をするかって? やりたいからが一番で、こいつらの関係性をどうにかしたいのが二番だからですね。

ではでは!