satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第238話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で前準備する物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、奇跡の洞窟(前準備)でした! 今回からようやく、探検へと赴きます!
ラルとティールは無事に二つの仕事を終わらせられるのか……!!
ではでは、始まります!


《L side》
昨日、寝る前に準備をしたバッグを持ち、いつも通りに探検隊用の衣装に身を包む。そして、鏡に写る自分を見て、身だしなみチェック。
……うん! 問題なし!
「うっしゃあ! やったるぞー!」
「うわ、テンション高い……ラルにしては珍しいね」
「そういう君はテンション低いな。ティールにしては珍しい」
私同様、探検用の衣装姿のティールはどこかぼんやりとしている。探検大好きな彼にしては珍しい光景だ。
「朝早いからだよ……!」
そんな理由かよ。爽やか王子が聞いて呆れる。
「聞いたことないんだけど……爽やか王子なんて二つ名」
そうだろうね。今、つけたもん。
眠気で冴えない相棒の髪を櫛で整えてやり、思い切り背中を平手打ちする。
「いってぇ!?」
「シャキッとせんかい。いつもよりは難しいだろうダンジョンに今から行くんだからね! 死にたいんかーい! 私はやだ!」
「ぼくだって死にたくないよ! けど、叩くことないだろ」
起きないお前が悪い。
「うー……まだちょっと眠い。ふぁ~……ふ」
緊張感ないなぁ。今から行く場所がどんなところなのか分かっているんだろうか。
「ラル、ティール。おしごと、がんばってね」
朝早いのにしーくんはばっちり目が冴えているようだ。パパも見習ってもらいたい。我が子の目覚めのよさを。
「ボク、おそとまで、おみおくりする!」
「お部屋まででいいのに……しーくん、ありがとうねー!」
「えへへ~♪」
天使の笑みを浮かべるしーくんと未だに眠そうな相棒と共にギルドの正面入口までやってきた。
ここまで来る途中でツバサちゃんにも遭遇し、まさかの天使二人から見送ってもらえることになった。
天国? ここは天国なの!? 私は今から空に羽ばたくの!?
「死ぬの? 君」
「あぁ……死んでもいいかもしれないわ」
「さっきと言ってることが違う……!」
まあ、冗談は置いておいてだ。
「ツバサちゃん、しーくんをお願いね?」
「もちろんです!」
「雫も、あんまりツバサやギルドの人達に迷惑かけないようにね?」
「だいじょーぶ! ボク、いいこでまてるから!」
確かに、私達が長期の仕事で家を空けていても問題一つ起こさないもんな。どっかのアホ狐と違って。
輝く笑顔で私達を見送ってくれる二人に全力で応えつつ─全力なのは私だけだが─、私とティールは『奇跡の洞窟』へと向かった。

~~

ラルとティールが『奇跡の洞窟』に向けて出発してから、少し経った頃。
アルフォースはギルドの長、ルーメンにラル達のことを報告するために親方部屋を訪れていた。
アルフォースは、スカイの二人が今日行くと知っていても、詳しい出発時間までは聞いていない。しかし、娘であるツバサと、ラル達の子である雫から「今朝、仕事しに行った」といった趣旨の話を聞き、ルーメンの耳にもいれておこうと思ったのだ。
とはいえ、ルーメンのことだ。わざわざ報告しなくとも察していそうだな、と思わずにはいられなかったのだが。
アルフォースの報告を静かに聞いていたルーメンは、椅子の背もたれに体重を預けながら、「そうか」と小さく呟き、それ以上の言葉ない。
そんなルーメンを見て、アルフォースは親方に呼び掛ける。ルーメンは答えはしなかったが、ピクリと眉を動かした。
「……親方の決定です。今更、反論するつもりもないのですが、本当にあのダンジョンでよかったのですか?」
今回の件の話が出た時から、ずっと思っていた疑問を口にした。すでに、彼女達は出発している。本当に今更な疑問だ。
「ふむ。……というと?」
「ラルさん達の実力を確かめるにしても、あのダンジョンは些か厄介なのではないかと」
ラル達がこちらに来てから、彼女独自に『奇跡の洞窟』について調べていたのは知っていた。周囲の話から、ラルの探検に対する姿勢は知っているつもりである。しかし、今回はギルドが管理するダンジョンで、情報は思うように手に入らない。
普段の通りにいかない状況下で、ラルは仕事へと向かったことになる。はたして、それがどのように転ぶのだろう。
また、『奇跡の洞窟』にある例のそれが二人にとってどのように作用するか、アルフォースには想像できなかった。
あの二人が同年代と比べ、実力があるのは分かる。それは、過去の成果からも容易く想像できた。しかし、だからと言って、全くの不安がないとは言えない。
そんな不安を抱えたアルフォースに、ルーメンはにっこりと笑いかけた。
「なぁに、むしろ、その厄介さが今のラル達の力量を図るに丁度よいと言うものさ」
「……そう、なんですか?」
「うむ。それに、ワシらがラル達をここに呼んだ目的はそれだけじゃないだろう?」
親方の言葉にアルフォースは未だ、彼女らに語っていないとある『目的』を思い出しつつ、小さく頷く。
「……ですが、本当にラルさん達は私達の目的……いえ、『真意』に気付けるでしょうか?」
「何を言う。そのための試練じゃろう♪」
「そうですが……」
どこか楽しそうにしていませんか?……とは、言わなかった。否、言えるような雰囲気ではなかった。
ルーメンは何を思ったのか、ニヤリと笑みを浮かべた。アルフォースが感じた『楽しそうにしている』のかもしれないし、これからの展開を『期待している』のかもしれない。
「さて……あの洞窟の秘密をラルは『視る』ことができるかのぉ……? お手並み拝見といこうじゃないか♪」



~あとがき~
今まで以上に短いけど、許して!
きりがよかったの!
本当は入口手前までいこうかって思ってたの! 無理だったの!!

次回、今度こそ、洞窟探検すっぞ!

ぶっちゃけ、ここの話は短くなるだろうと思ってたのです。なんかもう、書けないって投げたくなるくらい、言葉にするのが難しかったです。難産とはこのこと……(笑)
なので、しばらく経った頃に手直しされてる可能性はあります。はい。

ではでは。