satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第269話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
淡々とあれこれ話し始めています、お話編とでも言うんでしょうかね!
しばらくそれが続きます。お付き合いくださると幸いです。


《L side》
ルーメンさんは大して資料が見つからなかった『ブレスガーディアン』についても教えてくれた。
ルーメンさん曰く、ブレスガーディアンとは、女神ミルティアを含む六名の『神の名を捨て、地上に祝福という名の豊かさを送る守護者』を意味するらしい。つまり、ブレスガーディアンを名乗るのは、元神様六名のこと、らしい。
「資料や物語では、女神が地上に光を与えたとされておるが、あれは嘘じゃ」
おっと。しれっととんでもないカミングアウトしてくれてるな……?
「正しくは、ミルティアの上司と言える神が魔素をお作りになり、地上に与えてくださったのじゃ」
上司……神様社会なのに、上司って……と思うけど、ウィルさんが上司上司言ってるので、しっくりきちゃうんだよね。言わないけど。
しかし、ミルティアの上司……ミルティアは癒しの女神だったか。関連のある神様だったりして……癒し……治癒……命に関係するのだろうか。そういえば、ウィルさんも生命の神で、命に関係する神様だったな。もしかして、ウィルさんと同じ上司を指してる……なんて偶然、ないか。
それはともかく。
昔話では、ミルティアは光をもたらすため、地上に降り立ったとされていた。が、それが嘘であるとするなら、ミルティアが降り立った理由も変わってくる。ここで魔素はミルティアと全く関係ないで~す……とは、ならないだろう。流石に。
「では、ミルティアは魔素の管理、観察のために降りてきた……とか、そういう理由ですか?」
「うむ。地上で発生した魔素の観測。及び、管理が正しいかな。ちなみに、それらの仕事はミルティアだけではなく、他にもおったんじゃ」
「……それがブレスガーディアン?」
ティールの解答にルーメンさんは嬉しそうに頷く。しかし、すぐに憂いを帯びたような微笑みへと変わった。
「何の因果かのぉ……そのブレスガーディアンの中には、女神が愛した男もおったんじゃよ」
ここで言葉を区切ると、ルーメンさんはパッと顔を明るくさせ、指を二本立てる。
「ブレスガーディアンの目的は二つ。地上の空気中を漂う魔素の観察と管理。そして、その役目を継がせるため、神の名を捨てて人と交わり、己の子孫を残すことじゃ。……とはいえ、ここで神の名を捨てたとしても、元神様であることは変わりない。天界の禁忌目録は適用されてしまうんじゃよ」
適用されたから、物語にある通りの結果を招いた。
光……魔素を失い、争いが生まれる。そして、それらを解決するため、女神は自らを犠牲にする道を選んだ。
……これが、女神の罪であり、贖罪の内容……なのだ。
「大切な人を守るため、自分の命を捧げる、か」
そうティールが静かに呟くと、何を思ったのか私の方をちらりと見てきた。その瞳に何の意図があるのか、考えるまでもないかもしれない。
きっと、私とミルティアを重ねたのだ。
自分が引き起こしたこととはいえ、ミルティアの気持ちは理解できる。私でも、きっとそうすると思うから。それが、自分のせいだろうと、なかろうと、だ。
そういう考えが私の中にあると、ティールは理解している。だからこそ、無意識にでも私を気にしたんだと思う。
……いくつか、前科もあるしね。
「さて。……ここまで、女神の話をしてきたが……なぜ、儂がこの話をしたか主らに分かるかの?」
どこか意味深な笑みを浮かべるルーメンさんに、私達は小さく首を傾げる。
ルーメンさんが私達にそれを話した理由。
本来であれば、知られてはいけない秘密をわざわざ、私達に話す理由。
その秘密を知る、手段がある私達に……私に話す理由ということだろうか。
「……歴史にない女神の秘密を知る可能性があるから。あえて、教えたのはそれを未然に防ぐため、でしょうね」
「そうじゃ。女神に関するダンジョンはある程度、うちで管理しておる。じゃが、それでも儂らの知らぬダンジョンがないとは言い切れんからのぉ……勝手に知られる前にこちらから接触したのさ」
未開拓のダンジョンは星の数程あると言われている。それに、いきなりダンジョンが現れることもあるし、私達に忘れられたダンジョンだって存在するだろう。だからこそ、それらを解明するため、私達のような探検隊や冒険家達がいるのだ。
「理由は分かりましたけど……仮にぼくらがルーメンさんの知らないところで、重大な秘密を知ったとしても、周囲に広めるようなことしない……と思いますが」
断言しない辺り、ティールらしいか。まあ、この世に絶対なんて早々あるものではない。とは言え、今回の件を例えに出すならば、ティールの言い分も分かる。言っていいことと悪いことの区別くらいつくってもんだ。
……しかしまあ、繰り返すようで悪いが、この世に絶対なんてない。
「私達の意思関係なく話す可能性もあるでしょ。例えば……そうだね。誘拐なり監禁されるなりして、情報提供を要求される……とか? 提供というより、無理矢理言わせるって感じだけどね」
「えっ!? んなことっ……ない、と思いたいけど……そっか。そう、だよね。そういうこともある、かもなんだ」
ティールは苦い顔をしつつも、理解してくれたらしい。そして、ルーメンさんも神妙な面持ちでゆっくりと頷き、話を続ける。
「まあ、なんじゃ。お主らの戦闘能力を試したのはそういった理由があったから、というわけじゃよ」
誘拐、監禁の可能性が限りなく低い……つまり、どんな相手でも抵抗できるくらいの力があるか否かを見られていたのだろう。
「ダンジョンの探索を通じ、スカイの戦闘能力、知識力、推理力……考察力とも言えるかの。それらの能力を知りたかったんじゃ。この中で、ラル……お主の能力も見極めたかったんじゃ。いやぁ、女神の過去を知られらのは想定内じゃが、まさか女神と会話を交わすとはな。こればっかりは想定しておらんかったわい♪」
私だってそこは想定外だったわ、畜生。
「本来、私の能力は未来、過去を視るだけです。対象に干渉する能力ではないですが」
「うむ。理解しておる。女神との会話に関しては……儂は女神の力によるものだと思うておるよ」
いやいや。それ、理由になってるか……?
もう少し何か最もらしい理由があるだろうと言いたいが、納得できるような理由は浮かんでこない。普段、能力を使うときと違う要素を考えてみても、相手が『神様だった』くらいしか思い当たらない。少なからず、神自ら力を加えた物に触れ、過去を視たという部分しか特異点は見当たらない……と思う。
まあ、大して重要ではないから、いいけど。
「まとめるとじゃな……お主らを呼んだ大きな理由として、女神の秘密を先に知られないため。そして、お主らの能力を知るために今回、『奇跡の洞窟』へと行かせたというわけじゃな」
「な、なるほど……大きなってことは、他にもぼくらを呼んだ理由があるんですか?」
「うむ。……しかし、他の理由はついでのようなもんじゃがな。ラルとティールの子である雫を一目見ておきたかったというか、成長を確認したかったんじゃ」
「えっと……し、雫ですか?」
こんなところでしーくんの名前が出てくるとは思わなくて、一瞬ではあるが思考停止してしまう。
なぜ、ルーメンさんがしーくんを気にするんだ?
保育園児とはいえ、探検隊として活発に活動しているわけではないしーくんを気にする必要性がどこにある。基本、表立って動くのは私とティールだけだ。ホームにしているフェアリーギルドではともかく、離れた場所にあるここでしーくんの名前が届くとは思えないのだが。
「お主ら、二、三年前に『深海の神殿』で雫に会ったじゃろ?」
『深海の神殿』……しーくんを見つけた深海ダンジョンの名前だ。
今では名前を聞かなくなったが、発見された当時は未開拓ダンジョンということもあり、頻繁に名前が飛び交っていたように思う。
「ラルのことじゃ……大方、雫の正体にも見当はついておるんじゃろ?」
えぇっと……ついているというか、どっかのお兄さん達に遠回しに教えられたといいますか。……まあ、そんなこと、言えるわけないんだが。
曖昧に微笑んでいると、どう受け取ったのかルーメンさんは静かに息を吐く。
「事前にプリンから話は聞いておったが、『水神の子』を拾ったのがお主らでよかったやもしれんの」
……水神。
「うむ。二人が察しておる通りじゃよ。雫は水神の分身……『水神の子』じゃ」



~あとがき~
話が雫へと移っていくぅ~

次回、雫の話とか。雫に関係するとある人の話とか。

色んな情報を一度に出してるので、ぐあーってなってませんか? 私はなりました。
まあ、なんですかね。女神様の話は一応、終わり、ですかね。多分。
この後は細々としたやつをやっていきます。

ではでは。