satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第291話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で楽しんでる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、衣装チェンジをしました。
雑に描写しちゃったんですけど、多分、イラストでこんなんやでってのをお見せすると思うので、少々お待ちを。
そして、今回はお祭りをわーわー楽しみたい!


《L side》
予定外な衣装チェンジを終えた私達は噴水広場広場付近に出てくる。道が分かれていて、どの道も楽しそうに人々が行き交い、賑わっている。
「雫、肩車してあげる」
「わーい! やってやって!」
この人混みではぐれることを危惧したのか、ティールがしーくんを肩車する。こうして見ると、本当に親子みたいだ。いや、年の離れた兄弟でもいけなくはない、のか?
「で、どこ行こうか?」
「あ! ボクね! わたあめとね、かきごおりとね、りんごあめとねー」
「ストップ。甘いものばっかりだとママに怒られるよ? でも、リンゴ飴は賛成!」
「さんせー!」
ティールの場合、見かけたリンゴ飴屋は片っ端から買い占めてしまいそうだな。やめてくれ。恥ずかしいから。
「しーくん、食べ物以外でやりたいことはないの?」
「ん~……?」
もしかして、花より団子、なんですかね? いや、可愛いからいいけど。
となると、とりあえず近場の甘味系屋台を目指すか。どこだろう。
「こんにちは! よろしければ『祝福』をどうぞ!」
辺りを見回していると、籠を片手に微笑みかける女性が私達に話しかけてきた。
祝福をどうぞ、とはどのような意味なのだろう?
彼女の持つ籠には花の帯飾りやブローチがたくさん入っていた。その帯飾りとブローチを手にして、にこやかに説明していく。
「こちらのアクセサリーは毎年、『明けの明星』から、無償で街の人々や観光客の皆様へ配っているんです。このアクセサリーに使用されている花は特殊加工がされていて、毎年、神子様の舞が始まるときには、とても素敵な光景が見れるんですよ♪」
素敵な光景、ねぇ?
お姉さんの持つアクセサリーは見たところ、不思議な加工がされているようには見えなかった。どこにでもあるアクセサリー……いや、待て。使われている花、どこかで見たことがあるような。
「その光景がまるで、神の祝福を受けているようだと言われているんです。それで、女神祭にちなんで、このアクセサリーをお渡しする行為を『祝福のお裾分け』と呼んでいます。せっかくですので、お二人もお子様とどうぞ♪」
「あ、ありがとうございます」
手渡されたアクセサリーは拳くらいの大きさで、シンプルな緑色の彼岸花のような帯飾りだ。しーくんには白色の彼岸花のブローチ。
いや、彼岸花じゃない。つい最近、これと同じものを私達は見ているし、採取したはずだ。
「これ、『女神の涙』……だよね? あの女性は加工品だって言ってたけど」
ティールも同じことを考えていたのだろう。戸惑いつつも、私に問いかけてくる。
「……うん。女神の涙、だね。ルーメンさんが取ってこいって言った理由はこれに使うためだったってことだ」
しかし、色の指定があった理由までは未だ不明だ。周りは緑色の女神の涙アクセサリーをつけている人が多い。が、それが何に使われるのかは分からない。素敵な光景とやらになるのは決定みたいだけれど。
「女神の涙でなければならない理由があるとは思う。これの特性を使ったパフォーマンスでもあるのかもね?」
「なのかなぁ? ま、今考えても仕方ないか」
そだね。この後、嫌でも答え合わせはしてくれるだろうし、今は気にしなくてもいいかな。
私とティールは適当に帯に挿し込み、しーくんにはポンチョにブローチをつけてあげる。
じゃ、改めてお祭り探索スタート、だね。

適当に街中をぶらぶらしていると、しーくんの目がキラリと光る。
ティール! あれ、やって!」
指差す先にはとある射的屋が。どこか特別なものがあるわけでもなく、普通の射的屋に見える。
しーくんが『やりたい』ではなく、『やって』とおねだりするとは。
「え、雫がやりたいんじゃないの?」
「うん」
「……ぼくがやるの?」
「うん!」
ティールさん。「なんで?」って顔で私を見ないでください。理由は自分のお子さんに聞いてください?
「やるのはいいけど……なんか欲しい景品でもある?」
「ううん。あのね、ティールがやってるとこ、みたいの」
「楽しいかな。それ」
「たのしいの!」
「そ、そうですか」
しーくんの謎主張に根負けしたお父さんは、戸惑いながらも射的屋へと向かった。そして、屋台の人にお金を支払うと、銃を構える。が、すぐに銃を下ろすと、困ったように笑う。
「……あの、どれを狙いましょうか?」
ティールが銃を使うところが見たいだけなら、どれを狙ってもいいとは思うけれど。せっかくだし、欲しいものを獲った方がいい。
屋台に並ぶ景品達に目を向けると、お菓子に雑貨におもちゃに……なんでもござれ状態だ。
パッと見、これだと思うものはないな。残念ながら。
「お父さんの好きにしたら?」
「その注文は困るやつ! し、雫、何狙う?」
「ほあ。じゃあ、あれ!」
しーくんが示したのは、ライフル銃……みたいな形をした水鉄砲だ。
あれで打たれたら痛そうだな。いや、そもそもだ。射的の景品としては打ち落とせないのでは?
「それは大丈夫そう。大きい景品は決められた的を射貫けばいいみたいだから。でも、コルク弾で一発ってのは難しいかな」
大きな景品は目玉にもなるし、そう簡単に獲らせないだろう。流石に絶対に落とせない、なんてことはないと思うけど。ルーメンさんがそういう悪どいお店は許さなそうだもん。
改めて、ティールは銃を構え直し、水鉄砲が貰える的を狙っていく。
一発目、的の上の方を狙ったのか、少しだけ的がぐらついた。そこにすかさず二発目を中心に打ち込み、的を倒した。
……ここまでにかかった時間、十秒もなかったような。
ティール、早くない?」
「そりゃ、早く打たないと的をぐらつせた意味がなくなるだろ?」
いや、そうではなくてだな。
基本的な射的の銃は一発装填。つまり、コルク弾を一つ銃口に詰め、銃のレバーを引き、引き金を引くことで弾が発射される。
予め、銃を二丁用意して、連続して打つならともかく、ティールは今、一つの銃しか使っていない。一発目を打ってから、二発目を装填、レバーを引き、狙いを定めて的を撃ち抜く……この一連の流れを十秒未満で行ったのだ。彼は。
ティールすごーい!」
「そんなことないよ。まだ弾あるし、他にも獲ろうか」
「とるー!」
私のパートナー、怖いんですけど??
その後もしーくんの指し示す獲物を全て撃ち抜いて、屋台の人を大層驚かせたティールは涼しい顔でぐっと背伸びをしている。
ティール、かっこいー!」
「そんなことないって。あんなの、上手にできる人はたくさんいるよ?」
たくさんはいないと思う。少なくとも、私はできないですけど。
当てることはできても、あんな素早いリロードなんてできないし、百発百中で景品を狙うのもできない。
「改めて、ティールって凄腕スナイパーだよね。フォース君もやる方だけど、ライフル握って獲物を狙うのはティールの方が向いてる気がするよ」
「そう? ぼくとしては剣を振るう方が好きなんだけどね?」
ゲットした景品達を自らのウエストポーチ─もちろん、異次元収納のやつ─にしまいながら、にこやかに笑う。
「ボク、しょーらい、ティールみたいにばーんってする!」
しーくんがバーンってするの……?
別にティールは銃専門の人ではないし、彼の専売特許でもないから、構わないけれど。でも、なんだろう。しーくんが銃を構えて敵を討つ姿を想像できない。
しーくんはどちらかといえば、魔法使いなイメージだ。
「しーくんが武器持って戦うところ、想像できないな。そもそも、私の天使を前線に置くなんてできない。一生、後方支援組として働いてて欲しい」
「私欲しかない人選だな、それ」
しーくんの得意分野を考えれば、当然の配置だと思うんだけどな。ま、現状、しーくんが武器を用いてバトルする予定は一切ないので、この話は保留だな。
「バーンってできる才能があるかは、しーくんがおっきくなってから、ティールが見てくれるよ。それまでは水鉄砲で修行だね」
「おー! しゅぎょー、がんばる!」
「待って。さらっとぼくに押し付けた?」
私よりもティールの方が腕が立つんだから、当然でしょ。
文句がありそうなティールは放置し、私はしーくんに目線を合わせる。
「さあって、他にもじゃんじゃん遊ぶぞ! 何したい?」
「うん! あそぶ! あのね、こんどはラルのばんなの!」
…………うん。今なんと?



~あとがき~
もうちょい、無計画な三人のお祭り徘徊が続きます。

次回、今度はラルのかっこいいところ見てみたーい!
ってことで、まだ遊びます。

なんかテンポ悪いな~……と感じているそこの読者様。正解です。大して計画を立てずに書いてます。なぜなら、プロット担当の相方が書いてくれたものではなく、私がてっきとうに書いてるからです。えへへ((
まあ、とりあえず、祭りを楽しむ三人がおるんだなーって思ってくれたら大丈夫なので、流し読みしてくれていいです! はい!

ではでは。