satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第370話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、久々にラルとアラシ君がきちんと絡んでました。というか、夏休みの話、全体的にアラシ君の出番がないんですよね。
まあ、多分、秋以降はバンバン出るよ。多分。きっと。恐らく……うん。
アラシ「そんなに曖昧なら、無理に希望持たせなくていいけど!?」


《L side》
私がしたいと言った覚えはないが……セイラさん達とドレス選びをすると約束した時間。
私はしーくんを連れ、セイラさんのコレクションルーム……もとい、着せ替え部屋に来ていた。ちなみに、ティールはいない。先日、ブライトさんと約束していた剣を見せる話が今日の午後にあるらしい。きっと、今頃、二人で楽しく剣を交えていることだろう。
……ブライトさんもこれを知ってて、時間を設けたのではないかと思う。だって、セイラさんやセラフィーヌさんが私といれば、ブライトさん達の方には行かないわけで。
「なんやかんやで、ブライトさんも賢いよなぁ」
「うゆ? どしたの、ラル?」
どうやら、私の独り言を聞かれていたらしい。
しーくんは私の隣に座って、出されたジュースを飲んで大人しくしていた。そんなしーくんは今、こてんと首を傾げ、こちらを見上げている。
「んーん? ごめんね、何でもないよ」
いや、本当に。どうでもいいことに頭使ってただけなので。
ふと、とあることを思い出し、今度は私がしーくんに尋ねる。
「……そう言えば、しーくんは私と一緒でよかったの? ティールと一緒でもよかったんだよ。多分、しーくんだったら二人も許してくれてたし」
「う~ん……ティールとおじいちゃんのも、みるのたのしそーだけど」
しーくんは持っていたコップを机に置くと、私の手をぎゅっと握ってくる。
「ラルをひとりぼっちさせちゃ、ダメだっておもったの!」
「しーくん……!」
やだ。私の知らない間にイケメンになっちゃって……!
ティールがね、おばあちゃんがぼーそー? したら、なにしてもいーからとめろって! まかされたの!」
しーくんに何頼んどんじゃ、パパは!!?? 何してもいいわけないだろがっ!!
でも、自信満々なしーくんはとっても可愛いので、とりあえず、なでなでしながら、私はセイラさん達の方に視線を向ける。
先日、セイラさんの言っていた通り、ここにはあらゆる服が揃っている。
カジュアル─といっても、その辺で売っているような安物ではないけど─な服から、どこのメルヘン世界の服だと問いたくなる服まで選り取り見取りだ。
そんな中から、パーティーに相応しいと思われるドレスを引っ張り出しては、セイラさんとセラフィーヌさんはあーでもないこーでもないと繰り返している。
「オーソドックスにこんな感じのドレスとかどうですか~?」
と、セイラさんが見せてきたのはお姫様が着るようなフリフリなドレスだ。所謂、プリンセスドレスというものだろう。
パステルカラーの黄緑色に大きなリボンやフリルがあしらわれているドレスは、確かに可愛いし、パーティー向きなのだろう。そうなんだろうけど……!
「フリル多すぎて好みじゃないです」
「あら~? 可愛いのに~? じゃあ、こういうのは? こちらはベルラインドレスって言うんですけど」
今度はレース多めのオレンジのドレスを見せてくる。こちらもパーティー向けでダンスとか踊ったらふわりとスカート部分が舞い上がって優雅なんでしょうけども、生憎、ダンスを踊る予定はない。
そして、綺麗なんだけど、こっちはレースは多すぎる! 可愛さMAXに極振りしやがって!!
「そっちも好みじゃないです」
「あらら。せっかくのパーティーだから、こういうのが似合うと思うんですけどね~?」
いや、私はドレスの種類にケチつけてる訳じゃない。地味であるなら、プリンセスドレスだろうが、ベルラインドレスだろうが着ますよ。フリルやレースが控えめなら、なんでもいいよ、この際!
しかし、セイラさんの勧めてくるものはThe.お姫様みたいなものばかりだ。どれも私の好みではない。いや、見るのは好きよ? そういうのを着てる可愛い女の子を眺めるのは好き。それはセイラさんに同意するけどね?
「高校生にもなって、あんなふりっふり着れるわけないやろがい……!」
「? ラル、どのドレスでもにあうよ~?」
「うん、ありがとね、しーくん……そう言ってくれるのは嬉しいな……」
「お姉様。ラルちゃんなら、こういうドレスが似合うと思いますよ♪」
今度はセラフィーヌさんか。どんなふりっふりふわっふわドレス見せてくるんだ……?
最早、自分で見繕った方が早いのではと思いつつ、セラフィーヌさんの持ってきたドレスを見上げる。
「……おろ?」
セラフィーヌさんの持つドレスは今までのとは毛色が違っていた。
可愛いフリル多めなドレスでも、綺麗なレースが多くあしらわれたドレスでもなく、ブルー系のシンプルなスレンダーラインのドレスだった。
急な路線変更にぽかんとしてしまうものの、そんな私にセラフィーヌさんはこちらを向き、ぱちっとウインクする。
……もしかして、今までの私の反応を見て、セラフィーヌさんが配慮してくれたり?
「確かにラルちゃんによく似合うと思うけど、パーティーに行くには地味すぎじゃないかしら?」
「ふふっ♪ 大丈夫ですよ、お姉様。このドレスに少しアレンジを加えますから」
セラフィーヌさんはどこからか取り出したスケッチブックに、さらさらっと何かを書き込んでいく。そして、それを覗き込むセイラさんの顔が次第に明るくなる。
「流石、セラちゃん! 素敵なデザインだわ♪」
「ですよね! これくらいのアレンジなら、王宮の針子さんでも問題なくパーティーまでに間に合います。……どうかしら、ラルちゃん?」
セラフィーヌさんがこちらにパッとスケッチブックを見せてくれる。
シンプルだったドレスに刺繍を加え、背中の部分にはマントのようなベールのようなものが加えられていた。
「これくらいなら、ラルちゃんも納得してくれるかなって思うんだけれど……?」
「ほわ~! ラル、にあう! ぜったいにあうよー!」
「うぐ……そう、かな」
「うんっ!」
しーくんがそう言うなら……それに今まで見せられたドレスよりは地味だし、この辺が許容範囲かもしれない。それ以上地味なのは、セイラさんの反応的にも無理そうだし。
「ねえ、ラルちゃん?」
「……? なんでしょう?」
ニコッと笑みを浮かべるセラフィーヌさんが私の耳元にそっと近づく。
「せっかく、ツバサの護衛として参加するんですもの。……あの子を喜ばす意味でも『お揃い』にしてみない?」
デザイナーとしての血もあるかもしれない。或いは、子供の喜ぶ顔が見たい親心か。
どちらにせよ、セラフィーヌさんの誘いは、私にとって何かを崩壊させるのには十分だった。
「……よろしくお願いします!」
さっきまでのローテンションはなんだったのか。自分でも不思議なくらい、テンションが上がっていた。
いやほんと、天使の力は偉大ですわ。



~あとがき~
ドレスって色々種類あるんやなぁ……

次回、お披露目。

個人的にラルは何着てもかわええやろって思ってます。(うちの子贔屓目)
でもまあ、ラルも好みってもんがあるってやつですね。見るのと実際に着るのとでは違うってことや。

ではでは。