satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第367話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で話を聞く物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、めでたくお付き合いすることが決まったセイラのブライト。そんな回想が終わりましたとさ。
今回はまた現代に戻ってきて、あれこれ質問大会やります。


《L side》
セラフィーヌさんが─時々、セイラさんも─話してくれた話をまとめると……
「セイラさんとブライトさんは祭りの後、医務室で二人きりになって……晴れて、ゴールインした、と」
「そうなるわね~♪」
「ラルのその言い方は、結婚まで一直線でしたって感じするけど」
いや、実際にしてるやん。
あのブライトさんのことだ。お付き合い云々も真面目且つ、誠実に捉えているはず。
「生半可な気持ちで、セイラさんと付き合うわけないわ! 一生、幸せにしてやんよって思いだったに決まってる! つか、宣言してるよ、絶対に!!」
「やめて!? ラルちゃん、恥ずかしいから、やめてくださいっ!」
セイラさんは顔を赤くして、ぶんぶんと首を横に振る。そんなセイラさんの横でセラフィーヌさんは楽しそうに紅茶を飲みつつ、にこっと笑う。
「ふふ、お姉様ったら。いつまで経っても可愛いですね♪」
「からかわないでよ、セラちゃんっ!」
この場にセイラさんの味方っていないなぁ……まあ、興味津々な人達と、嬉々として語る人しかいないからな。仕方ないか。
「話には、なかったっすけど、どっちから告白したんすか?」
「あら~♪ やっぱり気になるわよね? 実は当時の私も気になったから、ライトくんに聞いちゃった。お姉様は教えてくれなかったから」
レオン君の質問にセラフィーヌさんは笑顔のまま答える。
「本人からは「俺からです」って聞いたわ。流石に内容は教えてくれなかったけど……あ、お姉様、この際ですし、話しちゃいません?」
「話しちゃいませんっ!!」
これまた全否定。多分、今までも、こんな風に否定してきたんだろうな。
とはいえ、セラフィーヌさんが教えてくれた話で、ある程度、予測はできそうだ。
「もしかして、打ち上がる花火をバックに愛を誓ったんですか? その時間、花火、上がってたんでしょ?」
「だろうなぁ~♪ ギルドの医務室から花火バッチリ見えるはずだし♪」
「ってことは、真面目なブライトさんのことだから、直球の言葉で告白されたのでは?」
「よ、予測禁止っ! ラルちゃん、当ててきそうで怖いっ!」
そう言うってことは、そこまでは当たってるのかな。
話に出てきたセイラさんは、ブライトさんとの交際について、積極的ではなかった。理由としては、身分や当時の環境等、要因はいくらかあったはずだ。それらを踏まえると、セイラさんが素直に、ブライトさんの「好きです。付き合ってください」的な直球告白をすんなり頷いたかは怪しいところ。
となれば、ブライトさんに説得されたか、言い合いの末、愛のために茨の道を進む覚悟を決めたのか……何にせよ、二人にとって、印象的な夜になったに違いない。
「なんか勝手に納得してるけどさ……ラルがその気になれば、視れるよね? 視るの?」
私が一人で思考を巡らせていれば、ティールが大して興味もなさそうに問いかけてきた。確かに、ここにはティールもいることだし、視ようと思えば視れる。その考えが少しでも過ったのは否定しない。
「視ないよ。二人だけの大切な思い出みたいだし、その手を使うのは野暮でしょ?」
「……へぇ。そういう常識はあるんだ」
お前は私のことをなんだと思ってるんだよ。私はちゃんと常識人ですけど!
「あ、そうだ。告白以外の質問なら答えてくれますか?」
告白シーンを聞こうと、あの手この手でセイラさんに話しかけていたらしいセラフィーヌさんだったが、それは諦めたようだ。別の質問をセイラさんに投げ掛ける。
「え、何かあったっけ……?」
「私を見つけた道具の話。初耳だなって思って」
ブライトさんがセラフィーヌさんを見つけるための道具だと、セイラさんにサングラスを渡していた。確かに、話してくれたセイラさんからは、仕組みについて詳しいことは出てこなかった。
「あぁ……あれか。話した通り、ブライトに内緒にしろって言われてたから、今までセラちゃんにも話してなかったの。まあ、もう時効な気もするけど……と、噂をすれば! ブライト~!」
セイラさんがパッと立ち上がり、どこかへと駆けて行く。その先を目で辿ってみれば、確かに、どこかに向かう途中らしきブライトさんが歩いていた。
セイラさんがブライトさんと一言、二言、話せば、私達の方を指差し、また少し話をする。そして、話がついたのか、セイラさんはブライトさんを連れて戻ってきた。
「お待たせしました♪」
「皆さんお揃いで。……セイラから話は聞きました。私達の参加した神子探しで、使用した道具のことを聞きたいとか」
「そうです。なんだったんです? ライトくんの自作道具?」
「私一人で作ったわけではないですよ。……あれは言葉通りで、セラさんを探すための道具です。名前は特につけていなかったかと。具体的に言えば、セラさんの魔力を探知して、マップに表示していました」
「私の?」
ブライトさんは静かに頷き、アンジュさんからメモ用紙を受け取ると、さらさらと何かを書きながら、仕組みについて教えてくれる。
「魔法使用者には魔力パターンが存在します。魔力パターンとは、指紋や声紋、網膜等と並んで、個人を特定できる情報源です。それをサーチできれば、個人を追える。……仕組み自体は簡単ですし、対策しようと思えば簡単にできる。なので、貴女には秘密にするようにセイラに言いました」
「……つまり、ライトくんはあのサングラスに私の魔力パターンを記録させて、追わせてたってこと?」
「そうですね。セラさん、私の前で魔法使ってくれるから、サンプルには困りませんでした」
ブライトさんにしては珍しく不敵な笑みを浮かべ、セラフィーヌさんは話を聞いて、ピタッと固まってしまう。
セラフィーヌさんには悪いけど、私としては、ブライトさんがもの作りに関わっていたことに驚いた。
「ブライトさんって、ルーメンさんのとこで道具作りとかしてたんですか?」
「そうだな……本格的にしていた訳ではないかな。何かを作り出すというか、発明は得意ではないから。しかしまあ、せっかく修行という形で外へ出ているのだから、何事も経験だと思ってね」
ほへ~……ブライトさんって意外と、好奇心ある方だったのかな。それとも、単に何かを学ぶのが好きなのか。
ブライトさんは書き終わったらしいメモ用紙を私の方へ差し出してきた。私は首を傾げつつも、それを受け取り、メモを読んでみる。
中身は、さっきまで話していたサングラスの簡単な設計図のようだった。
「ラルさんはこういうの、好きなんだろう? もし、更に詳しく知りたければ、資料を探しておくよ。まだ残していたと思う」
「…………ブライトさ~んっ! 好き!!! 資料、お願いしますっ!」
「? あぁ、分かった」
ブライトさんからのメモを大切にポケットにしまい、話を元に戻す。元々は二人の─セラフィーヌさんも含めば三人─昔話を聞いていたのだ。
「話は変わりますけど、ブライトさんって、どのタイミングでセイラさんを好きだな~って自覚したんですか?」
「ちゃんと聞くね、ラル……?」
いや、せっかくご本人様いらっしゃるし?
ブライトさんは当時を思い返しているのか、しばらく考え込んでいた。その間に復活したセラフィーヌさんが「確か……」と口を開く。
「お祭りの最中にって私は聞いたけど……違いました?」
「合ってるよ。私もそう聞いたから。……というか、私も気になったから、すぐにブライトに質問したもの」
祭りのブライトさんの様子がおかしいってのは、セイラさんも気づいていた訳だし、そのタイミングなんだな。
「それに気付いて、即行動したんすね」
レオン君の言う通りだ。
自分の気持ちに気付いて、即行動に移したのは、最早、勢いに任せて言ってしまったのではと思ってしまう。いや、ブライトさんに限って、勢い任せってのはなさそうだけども。
こういうのって慎重になりそうなものだけれど、ブライトさんはそうじゃなかったんだな。自信家って訳でもないだろうけど、セイラさんに嫌われてないって、なんとなく思っていたのだろうか。
「正確に言えば、セイラと回っていて、はぐれた時だったかな」
「あら、そうだったんですか? 何かきっかけでも?」
これはセイラさんも初耳だったのか、不思議そうに質問を投げ掛ける。
「きっかけと言うなら、はぐれたことがきっかけかもしれんな。……今、振り返っても、あれ以上に我を失ったことはない気がする」
「やだぁ~♪ そんなに私が好きだったんですか?」
「そうだろうね。今でもそうだよ」
「うふっ♪ ありがとうございます♪ 私もあなたが大好きですよ?」
「ありがとう」
ラブラブやな、お前の両親。
「そうだね。二人きりの時にやってほしい」
それはそうかもしれないけど、他人の前で、こうもはっきり言いきれるのも、仲のいい証拠よな。
ますます、二人がどんな形で付き合うようになったのか気になるものの、そこには触れないでおくのが二人のためなのだろう。



~あとがき~
いつまでたっても仲良しなブライト&セイラでした。周りの人は、この二人をどんな気持ちで見とるんやろ(笑)

次回、次章の前フリ。

最後まで二人の告白シーンを描写するか否か悩みました。が、本編上では内緒という形にしました。現状、セイラもブライトも周りに語ってないので、本編で語るのもあれかなと。後、流れ的にもない方がええもんでな。
とはいえ、もしかしたら、番外編という形に残す可能性は大いにあります。いやだって、一緒になった経緯を話してるのに、肝心の部分が明かされてないんですもん。これからだって時に打ち切りしたって感じが凄い(笑)
なんでまあ、どこかタイミングのいいところでぽいっとするんじゃなかろうか。……多分?

ではでは。