satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第397話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラルとティールは今後も今の拠点で探検隊を続けられることになりました! やったね!!
今回はお迎えに久々のおじいちゃんがやってくるぜ。名前がちょいちょい出てるので、久々って感じがしないぜ!!


《L side》
ブライトさんとセイラさんへの話も終わり、私達は自分達の部屋……ではなく、ツバサちゃんの部屋にいた。
どうせ、この後、ルーメンさんの迎えを待つだけなら、一緒に待とうという話になり、ツバサちゃんの部屋に集まっていたのだ。しーくんをお願いした時はいなかったレオン君も部屋にいて、今はしーくんとリランの相手をしていた。
「予定だと、じいじ、そろそろ着く頃だと思うんですけど……」
「私らは別に急いでないから、いつでもいいんだけどね。にしても、帰りまで送ってくれるとは」
「ふふっ♪ 送迎までがじいじの依頼報酬ですからっ!」
まあ、確かにそうではあるのだが。
海の国に来たのは、完全にこちらの予定だったので、そこまでしてもらう義理はないような、と思ってしまう。
とは言え、帰り道がほぼ同じであるツバサちゃん達と別行動するのも変な話だ。それに、あちらのご厚意もあるので、ここはありがたく……ってやつだ。
「ツバサちゃんはこっち来て、楽しかった?」
「はいっ! 他国に来たのが初めてってのもありますが……セイラさんやブライトさんも優しくて……王宮内も珍しくって、色々見れたので、楽しかったです♪」
「そっか。それならよかったね」
「はいっ! あ、でも、今回は王宮内ばかりだったので、今度は街にも行ってみたいです。ここに来たときや、パーティーまでの移動の時、街中を通りはしましたけど、観光はできなかったので」
「スプランドゥール並みに人気のある場所ではあるからなぁ……とは言え、ここ、リゾート地っぽいけど」
子供が楽しめるような場所があるとは思えないけど……まあ、街中も綺麗だし、見て回るのはありかも?
ティールはおすすめスポットあるの? 王都周辺で」
「え……? 今の季節は海だと思うけど……街だとなんだろうね? 博物館……とか? うちの国って、意外と古いもの多いから、そういうのに興味あれば」
「ほあ~……!」
海底遺跡もあるしね?
「まあ、そうだね。けど、あそこは一般人立ち入り禁止だけどなぁ……」
そうでした。
海底遺跡~! 行きたかったぜ~!」
まだ言うか。
しーくんとリランと遊んでいたレオン君が目敏く─この場合、地獄耳と言うべきかもしれない─海底遺跡の単語を聞き分け、悔しそうに叫ぶ。
学園の考古学部所属する部員として、名を連ねるレオン君としては、目の前に謎の遺跡を目の前にして、思うところがあるのだろう。できるなら、一目でもいいから、見てみたいと思っているのかもしれない。
しかし、現実は無情。その思いが叶うはずもないのである。
……なんて他愛ない話をしていると、控えめにドアをノックする音がする。ツバサちゃんがそれに返事をすれば、メアリーさんが現れ、ペコリと頭を下げた。
「失礼します。皆様、ルーメン様がご到着されましたよ♪」
どうやら、部屋の場所はメアリーさんが伝え聞いているようで、彼女の案内の下、廊下を歩いていく。そして、何事もなく部屋の前まで到着し、ティールが部屋の扉を開けてくれた。
「おお♪ 皆、揃っておるな? 約束通り、迎えに来たぞ~」
「……何しているのです、お祖父様」
にこやかに手を振りながら迎えてくれたルーメンさんよりも、その足元で縛られているアルドアーズさんに目が向いてしまう。ルーメンさんの足元で不服そうな表情を浮かべている。
「アズおじいちゃん、ぐるぐるだ」
「アズじいじ……また、じいじを怒らせたのかも? 何したの、アズじいじ~?」
「にゃはは~♪ まあ、この光景は珍しくはないし、なんかしたんだろ~♪」
……そういえば、ギルドの朝練でも、地面に埋められていたし、あれはあれで、いつものこと、なのかもしれない。
アルドアーズさんがぐるぐる簀巻き状態の理由を聞こうとした時、扉がノックされ、すぐにガチャリと開けられる。
「ルー爺、お久しぶりです。父がご迷惑をおかけしたようで」
「こんにちは、ルーメンお爺様~♪ お義父様も、お元気そうで何よりです」
「あら、私達より、ツバサ達の方が早かったのね?」
扉を開けて現れたのは、ルーメンさんの到着を聞き付けたらしい、ブライトさん、セイラさん、セラフィーヌさんだ。
三人の姿を確認したルーメンさんは、ひらりと手を上げて応える。
「おぉ♪ 久しいな、ライト。セイラさんも♪ 迷惑なんて思うとらんよ。いつものことじゃしな~? じゃが、海の国到着してすぐ、城下へ繰り出そうとしたこやつには、呆れて何も言えんよ」
「……なるほど。ならば、捨て置いてもよかったですよ」
「そうかの? なら、今度からはそうしようかのぉ」
「えぇ、是非。お願いします」
ルーメンさんとブライトさんは二人して冷ややかな目をアルドアーズさんに向けながら、とんでもない話をしている。
そんな二人の横で、セラフィーヌさんが何かを思い出したようにクスッと笑う。
「そういえば、アルドおじ様。今年の女神祭の翌日に朝帰りしちゃって、お父様に叱られてましたわね~」
「あら~? 流石、お義父様。やっぱり、色んな意味でお元気ですわ♪」
「…………父上、貴方という人は」
セラフィーヌさんの暴露に、ブライトさんは更に冷たい視線をアルドアーズさんに向ける。これ以上はまずいと思ったのだろう。黙りを貫いていたアルドアーズさんが慌てたように口を開く。
「それ以上、そのような目を実の父に向けるんじゃない! 空しくなるだろうが!」
「どの口が言っているんだ」
「どの口が言っておるんじゃ」
ブライトさんとルーメンさんが同時に突っ込みを入れる。息ピッタリで。
「お、お前達、こういう時だけ、示し会わせたように声を揃えるな」
「そりゃあ、ライトはワシの元弟子じゃし、ワシの補佐としても、よく働いておったしの~?」
「そうですね。……ある程度、ルー爺の考えていることは理解しているつもりです。当時と変わっていなければ、ですが」
「安心せい。大して変わっとらんよ♪」
なんだか、ブライトさんはアルドアーズさんよりも、ルーメンさんを尊敬しているって感じがする。……気のせいだといいけど。
ルーメンさんはブライトさんと話していていたのだが、ふと、とあることを思い出したのか、ぽんっと手を叩く。
「そうじゃ、ライト。こいつ、ワシの街にある店でツケよってなぁ? ライトに言うのもなんじゃが、後でそちらに請求しても? うちに請求書が来てての~?」
「……本当にご迷惑をおかけします。いつか、地中に埋めておいてください。そうですね……二度と地上に出てこないくらいの深さでお願いします」
「あい。承った」
「なっ!? こいつ、今、親に対して、遠回しに死ねって言っている!? ルゥもすんなりと受け入れるでない!」
「うるさい。黙れ」
「いいや、黙らん! 流石に物申すぞ! というか、ルゥ! 身に覚えのないことを言うな!」
「ほ~う? 『ルージュ』の店主が、ワシに請求書を届けるついでに言いに来ておったがの~?」
「店長~~~!?!?!? 次に来た時に全額、まとめて払うで納得してただろうがぁぁぁ!?」
どうやら、きちんと身に覚えあるらしい。
こんな父親の姿を見て育ったブライトさんが、きちっとした性格になるのも頷ける。本人も父親のことは反面教師にしたって言ってたしね。
ルーメンさんは言いたいことを言い終えたらしく、こほんと咳払いをすると、私達の方へと向き直る。
「……さて。早速、陸の国へ帰ろうかの~……と、言いたいところなんじゃが、一仕事を終えた後でもよいかの?」
一仕事?
首を傾げる私達にルーメンさんは、小さく頷く。
「うむ。実は先日、ラル達と共に商隊を同行させておったろう? その時には運べなかった荷物の搬入を今回、したくての」
「あぁ、そういうことなら。私達はいくらでも待ちますよ。私達は帰るだけですし」
「すまんの。ちと待ってておくれ? そうそう。セラ、お主に頼まれた物も合わせて持ってきたぞ」
「まあ♪ ありがとうございます、お父様!」
この言葉にセラフィーヌさんはパッと顔を輝かせた。そして、セイラさんの手を取り、満面の笑みを浮かべる。
「それなら! お姉様も一緒に行きませんか?」
「うん? 私?」
「はいっ! お父様にお願いして、今回、お姉様のアクセサリーとドレスを持ってきてもらったんですよ。実は、その中の何着かはアルの新作もあるので、お姉様に早く見てほしくって♪」
「へぇ~♪ それなら、お邪魔しようかしら。急ぎの仕事も終わったし」
……ってことは、ダンジョンの報告書、ブライトさんに出したんだ?
つい、ちらっとブライトさんを見る。ブライトさんは、私の意図を読み取ってくれたのか、こくりと頷いてみせる。
終わったんだ……早いな。本気出せばなんとやら、である。
「お父様。荷物はいつものところへ?」
「うむ。……見るのは構わんが、メンバーの邪魔はせんようにな?」
「もちろん。重々、承知しています。……ってことだから、ツバサ、また後でね?」
「うん♪」
「あんっ!」
セラフィーヌさんはセイラさんを連れ、部屋を出ていく。それを見送ったルーメンさんも一息つくと、ブライトさんをチラリと見る。
「さて、ワシも荷物の確認をしつつ、引き渡しの手続き等々すませるかの~? ライト、今回はお前も同席するか?」
「いえ。すでに部下を向かわせていますので、私はこれで。今更、『明けの明星』の品質を疑う必要もないでしょう?」
「ほっほっほっ♪ 信頼してくれてありがたいことじゃの~♪ 商売は信用第一じゃし、その通りではあるが。なら、また後でゆっくりと」
「えぇ、そうですね。……そうだ。ティール」
「はい、父上」
部屋を出ていこうとしていたブライトさんだったが、何かを思い出したらしく、くるりティールの方を振り向く。
「ここで待機していてもよいと言いたかったのだが、この後、別件で使う予定があるんだ。皆さんを別室への案内を頼めるか?」
「はい。……他の部屋なら、どこでも?」
「そうだな。……客室に近い方が空いていると思うから、そちら方面へ」
「かしこまりました」
「頼んだよ」
「はい、父上」
ティールの返事を聞いたブライトさんは、こちらに軽く会釈をして、部屋を出ていった。
そして、そんな二人の様子を見ていたルーメンさんは嬉しそうにティールの肩を優しく叩く。
「よかったな、ティール」
「……はい。ルーメンさんとセラフィーヌさんのお陰です。ありがとうございました」
「いやいや、ワシは単なるジジイのお節介と昔話をしたに過ぎん。大したことは何もしておらんさ」
「……何やら、ティールとルゥも親睦を深めているようだな? いつの間にここまで懐いたんじゃ?」
ティールとルーメンさんの間柄を知らないアルドアーズさんは、不思議そうに首を傾げる。そんなアルドアーズさんに、ルーメンさんはニヤリと笑ってみせる。
「はん。お主が適当に遊び呆けておる間じゃ。ぼんやりしておると、ティールの『おじいちゃん』の座も、ワシがいただいてしまうぞ?」
おじいちゃんの座とは、何なのでしょう。……なんて、言わない方がいいですかね?
「なっ!? ブライトの信頼だけでなく、ティールとの仲も、私より深めようとしておるのか、お前!」
「ふふん♪ 悔しかったら日頃の行いでも改めるがよい♪ 今更、そのようなことは無理だろうがな~?」
「なぁにぃ!?」
……まあ、なんて言うんでしょ。
ルーメンさんとアルドアーズさんは仲良しってことでよい?
「……ラル、思考放棄してない?」
「あは。バレた?」
だって、真面目に受け取ったって意味なさそうなんだもん。ルーメンさん、アルドアーズさんで遊んでるっぽいから、どこまでが本音で冗談なのか分からないし。
おじいちゃん達は心行くまで(?)、言い合いをする中、私達はそそくさと部屋を後にする。
何か、邪魔しちゃ悪いし、ね?



~あとがき~
ブライトさんとルーメンさんコンビ、書くのは初めてですが、こんな感じです。
実の父親よりも信頼も尊敬もしてる。


次回、待ち時間。

ブライトさん、アルドアーズ相手には滅茶苦茶厳しい人です。終始、冷ややかな視線を送るくらいには毛嫌いしてるかもしれん(笑)
つっても、人として嫌いなだけで、王様としてのアルドアーズは尊敬してるんすけどね? ブライトさん、難しいね。

ではでは。