satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第398話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ルーメン&アルドアーズの登場がありました。私はおじいちゃんズって呼んでますです。
今回はルーメンさんの仕事が終わるまで待機するラル達の話です。


《L side》
ティールが適当に見繕ってくれた部屋で待機することになった私達。
私やツバサちゃん達の荷物は、メアリーさん達が責任持って、帰りの馬車に積んでくれるらしいので、その辺りは気にしなくていいらしい。ありがたい。
しーくんはリランと部屋の隅で遊んでくれているし、謎にスイちゃん、セツちゃんも楽しそうに遊んでいる。
そして、私達はのんびりルーメンさん達の仕事が終わるのを待つ~……はず、だったのだが。
「なんで、アルドアーズさんがここにいるの?」
「ぼくが聞きたいよ」
そう。私らの目の前には、優雅にコーヒーを嗜むアルドアーズさんがいるのだ。
数分前、扉をノックされたので、開けてみると、そこには笑顔のアルドアーズさんが立っていたのだ。ずーっとぐるぐる巻きにされていたはずなのに、どうやって抜け出したのだろう……と、思う反面、なぜ、この部屋を訪れたのか。というか、なんで場所が分かったのか。
疑問は尽きないが、
「アズじいじ~?」
「ん? なんだい、ツバサ」
「じいじとお仕事、あるんじゃなかったの? いいの? ここにいて」
「そーそー! 何かしら、仕事がありそうっすけどね? 大丈夫っすか?」
「確かに、全くないとは言わん。とは言え、だ。急ぎでもないし、ルゥとの仕事はとっくに済ませている。問題ないぞぉ~?」
ツバサちゃんとレオン君の心配は不要だったらしい。一応、やることはやって、ここにいる……って解釈でいいのかな?
「それに、今はラルさんやツバサと、こうして、会話をし、親交を深めたいと思うてな? せっかくの機会でもあるし、暇潰しだと思って、付き合ってくれまいか?」
ティールやレオン君の名前が出てこない辺り、優先順位は私とツバサちゃんなんだな~? 流石、多くの女性を侍らすアルドアーズさん……
「お祖父様。ぼくの前で粗相は許しませんからね」
「おや。ブライトみたいなことを言うようになったな?」
「父でなくても仰ると思いますよ」
実の孫は冷たいの何のってね。
しかしまあ、せっかくの機会というのは同意だ。アルドアーズさんから色々聞いてみたいのは本音である。
「アルドアーズさんとルーメンさんって何年くらいの付き合いがあるんですか?」
「ん~……明確に数えてないが、三十年以上はあるやもしれんな? あの頃は若かったなぁ。私がまだ、王太子として奔走していた頃だよ。あいつと出会ったのは。……間もなく、あいつの旅に同行して……色々、酷い目に遭わされたものよ」
「ルーメンさんからいくつか聞きました。お祖父様がお姫様みたいに捕まってた話とか」
あぁ、トラップ屋敷の話か。
檻の中に閉じ込められて、まるでお姫様みたいだった……って。
「お姫様ぁ? 誰が姫だ、誰が。……あれだって、変に動かない方がいいと思って、大人しくしていただけ。攻撃手段がなくて、じっとしていたわけではない」
ふむ。確か、聖剣を顕現できない空間だったとか?
「そう。だからと言って、魔具は持ち合わせがあったし、周りのモンスターをどうにかする算段もなくはなかったさ。でも、どれも非効率で、体力の無駄でしかないから、ルゥを待つことにした。幸い、あの檻はモンスター共に破壊できん構造だったようでね。……なら、安全なところで仲間の救出を待った方がよかろう?」
……まあ、確かに?
アルドアーズさんとしては、ルーメンさんの助けがないのなら、無理矢理にでも脱出して、周りのモンスターも一人で倒していたとのこと。それくらいは造作もないようだが、無駄なことはしたくないらしい。
「私はね、堅実なのさ。確信のあることしかしたくない主義でね」
ふーむ、堅実……なのか?
伝え聞いている話を思い浮かべても、そんな雰囲気はないように思うけど。……なんて、言わんどこ。
「どうせ、ルゥのことだ。自身の都合の悪い話はせんのだろ? 全く、狡い奴め。……あいつだって、失敗の一つや二つ、しておるからな? 聞き込み調査は私の方が上手だし、交渉術もあいつと同等だと思うておる。……これでも、あらゆる腹黒貴族共の相手を幾度もしてきた。穏便に話を進めることも、わざと相手をはめ、思い通りに動かすことも容易」
一瞬、アルドアーズさんの纏う空気が変わったのが分かった。
多分、アルドアーズさんって、自分の心を隠すのが上手いのだ。そして、盤上で駒を動かし、策略をいくつも展開する策士。……そういうところは、私とどこか、似ているかもしれない。
「……ま、今の平和な世では、いらん能力になってしまったがの~? いやはや、平和で何よりだ」
「俺、アルドじーちゃんのそーゆーとこ、見たことなかったっすけどねー?」
「私も。アズじいじ、スゴかったんだね~?」
「わっはは♪ これでも、一応、元、王様じゃぞ~? 今はブライトが主だ。滅多にせんよ、そのようなことはな。今の私は隠居して、たま~に、手を出す程度のジジイに過ぎん」
ルーメンさんに弄ばれる一面もアルドアーズさんなのだろうけれど、革命家として、策略家の顔もアルドアーズさんなのだろう。
とはいえ、今はルーメンさんに弄ばれる一面がほぼでは?
「あ! なあ、アルドじーちゃん!」
「どうした、レオン。そんな身を乗り出して」
「アルドじーちゃんはさ、海底遺跡、知ってる?」
「あぁ……そんなのもあったな。未だに調査が進められておる場所だったはずじゃが」
「俺、行ってみたいんすよー!」
「ほう。……若人の夢は叶えてやりたいが、生憎、あれは私の管轄外でな。すまんな、レオン」
「だあぁぁぁ!! やっぱ、駄目かぁぁ!」
まだ諦めてなかったんだ。とんだ執念だ。
アルドアーズさんは少しだけ考え込むものの、それをパッとやめ、ティールの方を向く。
「そういえば、ティールは探検隊だったな。……いつか、あそこの調査でも依頼されるやもしれんな」
「ぼ、ぼく!?」
ティール個人というより、ラルさんらに、かの。……あくまで、可能性の話だ。しかしまあ……私の予想では、そうなりそうな予感はある」
管轄外とはいえ、何かしらの情報や調査の進行度等はアルドアーズさんも知っているのかもしれない。それらを踏まえたとしても、一介の探検隊である私達に依頼されるとは思えないのだが。
「ラル!」
「な、何?」
「もし、その依頼が来たら、俺も連れてってくれ! 一生のお願いっ!!」
うーむ。ここまでの情熱を目の前にしているのだ。受け入れてあげたいけれど。
「……人の命を迂闊に預かれないなぁ。保留で」
「くそ~……ラルって、そーゆーとこ、真面目だよな~?」
あれ、馬鹿にされてる? 普段はアレな癖にって言われてる?
チームメンバーでもない人の命をほいほい受け入れられる程、私は自身の力を過信していない。探検隊は危険の伴う仕事だと思ってるから。
もちろん、レオン君が弱いって話でもないが、この辺りは私のポリシーみたいなものだ。諦めてくれ。
海底遺跡の話からさっさと逸らすか。永遠と続けられても、レオン君の期待の目が痛いので。
「アルドアーズさん」
「なんだい?」
「アルドアーズさんの奥様……サフィアさんってどんな方だったんですか? ちらっと耳に挟みまして。……よければ、話を伺ってみたいです」
「サフィ? うーん。どんな、か」
「そいや、たまーに二人のやり取りで名前は聞くけど、話は聞いたことないかも? 俺も気になりまーす♪」
こういう系の話が大好きなレオン君。やっぱり乗ってきましたか。
「そうさなぁ……一言で表すなら、強い女性だったな。色んな意味で」
「アルドじーちゃん、尻に敷かれてたってこと……?」
「有り体に言えば、そうかもしれん」
「そうかもというか、そうだったと思いますけど……違うんですか?」
「うむぅ……孫の目から見てもそう写るか。じゃあ、そうだったんだろうなぁ。……サフィはルゥとも仲がよくて、二人でよく私のことをいじり倒していたな。……あの二人が揃うと、誰も止められん」
なんか想像できるような、ないような。
アルドアーズさんは当時のあれこれを思い出しているのか、数秒、沈黙してしまう。やがて、何を思い出したのか、長いため息を吐き出した後、がっくりと項垂れてしまった。
「アズじいじ? だ、大丈夫……?」
「大丈夫だよ……昔、仕置きだと称して、二人の精霊に追いかけ回されたり、言葉の暴力で詰られたことを思い出しただけだ……」
あぁ……つまり、今も昔も変わらないってことっすね。
「ラルさん、なかなか言うのぉ?」
「てへ。……でも、昔から変わらない関係っていいですね」
「ルゥに関してはそうかもしれん……にしても、『赤獅子』と謳われた男のする所業とは思えんのだがねぇ」
『赤獅子』……ルーメンさんの二つ名だったか。ほとんどのギルドメンバーも知らないその由来、アルドアーズさんならもしかして?
「アルドアーズさんはご存知ですか? 『赤獅子』の由来」
ひょっとしたら、くらいの気持ちと単純な興味で聞いてみる。だって、昔からの友人であるアルドアーズさんだもん。元になった出来事なり、経緯なりを知ってたっておかしくはない。
アルドアーズさんは不思議そうに首を傾げ、私達を見回した後、「皆、知らないのか?」と問いかけてくる。
その問いに私やティールはもちろん、ツバサちゃんとレオン君も頷く。
「ルーメンさんのギルドの方々に聞いてみたんですけど……皆さん、ご存知ないらしく、色んな憶測が飛び交ってました」
聞いた中でも、アルフォースさんだけは何か知っている風だったが、笑顔で内緒って言われちゃったんだよね。
「ふむ? 別に隠す必要があるようには思えんが……まあ、よい。私の主観でよければ、話してあげよう。ツバサらも聞きたいのだろ?」
「うんっ! なんで、お母さんと同じうさぎのじいじが、赤いライオンさんなのか気になる!」
「あはは……うん。語感は可愛いけど、呼ばれてるのは『赤獅子』なんだよなぁ?」
まあ、いいじゃない。意味合いは間違ってないしさ。
アルドアーズさんは楽しそうに笑うと、ふっと不敵な笑みに変わった。
「さて、昔話に付き合ってもらおうかな。……あいつが『赤獅子』と呼ばれるようになったとある話を」



~あとがき~
好き勝手喋らせたら、収集つかんくなりました。許して。

次回、アルドアーズが語る『赤獅子』の謎。

今更なんですけど、アルドアーズの口調が定まりません。助けてください。
あからさまにおじいちゃん口調にするのか、すぱっと諦めて、堂々とした話し方にするのか決められません!
……まあ、なんだ。子供達の前では、物腰を柔らかくするためにおじいちゃん口調気味にしてるつもりなのだが……そうなってなかったら、ゆるちて……しれっと直しておくんで←

ではでは。