satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第322話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
女神祭の夜も終わり、スプランドゥールの夏も終わりに近づきます。
そう! まとめ回! なんかそんなんです!!(適当)
ラル「これだってテーマがないからって適当すぎか」
ティール「だねぇ~」


《L side》
なんか色々あった女神祭の翌日。
そんな日くらいはゆっくり寝ればいいものの、どうにも身に付いてしまった習慣とやらは簡単には抜けないようだ。朝練の始まる少し前に目が覚めてしまった私は、動きやすい服に着替え、中庭へと移動する。
「朝練なかったら無駄足だわぁ」
とはいえ、着替えている最中にルーメンさんが犯人と思われる爆発音らしきものが聞こえた気がしたので、普通にやっている可能性はある。
『朝練とやらは知らぬが、古兎の気配はあちらからする』
雷姫が指差すのは中庭のある方角だ。
じゃあ、いつも通りやってるのか。あの祭りの後だというのに、元気なものだ。……いや、人のこと言えないか。私も朝練あればやって行こーって思ってるもんね!?
と、どうでもいいことを考えながら中庭までやって来た私が目にしたのは、普段の朝練風景とは少し違うものでした。
簡潔に言えば、二つ、違う部分がある。
一つ、普段より参加人数が少ない。
二つ、アルドアーズさんの姿がある。
一つ目の理由はなんとなく予想できる。何度も言っている、今日が祭りの翌日ということだ。ギルドの面々は街の警備、祭りの運営、準備、後片付け等々の仕事を数多く請け負っていた。それらの疲れやらなんやらが影響し、朝練に参加できない人達がいるのだろう。
元々、参加の有無に強制力はないから、休みの人がいたとしても咎められることもない。
問題は二つ目だ。なんでこんなところにアルドアーズさんがいるのだろう? 昨日、お祭り気分で街中を探索するとか何とか言っていた気がするが。……借りていた部屋がここだった、のだろうか? それにしても、朝練に姿があるのはおかしいし、何より、だ。
「なんで埋まってるの、あの人」
頭以外を地面に埋められているアルドアーズさんの側にはルーメンさんとリラン(犬ver.)がいて、ルーメンさんは謎に怒りのオーラを発している。
もしかして、アルドアーズさん、夜遊びしすぎたんだろうか。だから、ルーメンさんに怒られてる、とか? いやぁ、まさかそんなねぇ??
「よお、ラルじゃねぇか。おはよう」
「あ、おはようございます。カズキさん」
たまたま近くで素振りをしていたらしいカズキさんが私に気がついたのか、わざわざ近寄ってきてくれた。木刀片手に首を傾げつつ、「どうかしたか?」と問いかける。
「あ……と、その、あれが気になって。ルーメンさんとアルドアーズさんは何を?」
「ん? あー……まあ、見ての通りだ。親方によるアルドアーズ様はっ倒しタイム」
いや、謎すぎますが?
「俺も詳しくは知らん。けど、アルドアーズ様が発端で、お嬢に関する変な噂が海の国で流れてんだとさ。それを知った親方がアルドアーズ様を仕置きしてるって訳。ま、噂だけじゃなく、朝帰りしてきた件も含めてっぽいけどな」
つまり、ツバサちゃんの噂を流したアルドアーズ様を叱るため。ついでに、今日の朝帰りも含めて、お仕置きしているのか。
昨日の夜、ルーメンさんの部屋に行った時、アルドアーズさんがどーのと仕事をしていた。もしかして、それも関係しているのか?
「……アルドアーズさん、朝帰りだったんですね。その、お元気ですね……?」
ルーメンさんと大して年齢は変わらないはずだし、大体六十代くらいだろうか。見た目や仕草、話し方等々整っているから、そんなおじいちゃんにも見えないのだけれど。
「おう。それはギルメン、ぜーいん思ってっから」
あ、そうなんだ~……ははっ……
「ルゥ!? いきなり私を埋めるとは乱暴が過ぎるぞ! 親友と言ってもやっていいことと悪いことがあるだろう」
一応、アルドアーズさんも不服らしく、ルーメンさんを見上げながら抗議の声を上げた。そんなアルドアーズさんに対し、ルーメンさんは冷ややかな目を向けるばかりだ。
「ほう? ツバサのことで変な噂を流した挙げ句、堂々と朝帰りをしたお主がそれを言うか?」
「朝帰りは……まあ、なんだ。久々に羽目を外し過ぎたかの~……とは思っておるけども」
「嘘を付け。アズの場合、隙あらばいつも羽目を外すじゃろう」
「そんなことはない。自重するときはするぞ。……ではなくて、噂? それに関しては初耳だが」
「ほーう? この手紙を見ても同じことが言えるのかのぉ?」
袖口からひらりと出したのは、何の変哲もない白い封筒だ。ルーメンさんは封筒から一通の手紙を取り出すと、しゃがんでアルドアーズ目の前に付き出す。
「あぶっ……近い! これでは読めんぞ。少し離れて……えっと?」
少しの間、二人の間に沈黙が流れる。そして、全て読み終わったらしい、アルドアーズさんが「はあ?」と声を上げる。
「な、なん……? ツバサとティールの関係がなぜ、祖国でそうなっておるんだ」
「ワシが知るわけないだろうが! 大方、お主がタチの悪い冗談を言ったんだろう? それを聞き付けたどこぞの貴族共がいらん尾ひれを付けて吹聴した結果じゃろうが」
「いやいやいや!? 確かにツバサとティールの話はしたが、その時、私の周りには女の子しかおらんかったぞ。貴族なんて知らんが!」
「それこそワシが知るか! 自分で調べろ!! 全く、セラの時といい……お主の減らず口はロクなことにならんのぉ!?」
「いやぁ~……それに関しては何も言えんなぁ」
「だろうな! というわけだ、リラン!」
「あんっ!」
散々口喧嘩した結果、アルドアーズさんが悪いという結果に至ったのだろう。まあ、所々しか聞いてなかった私もアルドアーズさんが悪いと思っちゃったけど。
ルーメンさんはびしっとアルドアーズさんを指差す。
「そこいる馬鹿者の頭を思う存分、好きにしてよい!」
「あう~んっ!」
元気よく返事をしたリランはキラリと目を光らせたかと思えば、埋まっていて身動きのとれないアルドアーズさんの頭目掛けてじゃれついた。
「ぎゃーーー!!?? う、動けない相手に、リランはひ、卑怯……! なー!! やめんか、リラン! し、死ぬ!!」
「あんあんあーーーん!」
リランは遊んでほしい一心でアルドアーズさんにじゃれついているだけだ。まあ、逃げも防御もできないアルドアーズさんはされるがままだった。
「その……なんだ? 慣れろとは言わねぇが、大体祭り後の親方とアルドアーズ様ってあんな感じなんだよな。覚えとけ」
覚えたからと言って、このなんとも言えない気持ちはどうしようもないんだけれど。
「毎年、あんなんなんですか?」
「リラン使うのは流石になかったと思うぜ? いつもは朝帰りのアルドアーズ様を引っ捕らえて、フィアとクルスを使って小言を言う程度だからな」
毎年、朝帰りではあるんだなぁ。
……だからだろうか。朝練に参加する他の人達は大して気にする素振りもなく、いつも通り訓練に勤しんでいる。
私もそれに倣うべきか。それにアルドアーズさんには申し訳ないけれど、私ごときがあの間に入って、助けられるとも思えない。
「あら、二人とも、おはよう♪」
「おはようございます、セラフィーヌさん」
次に現れたのはセラフィーヌさんとその夫、アルフォースさんだ。その二人が現れたのをきっかけにカズキさんもぐっと背伸びをして、ひらりと手を上げる。
「じゃ、俺も朝練再開させっか。じゃあな、ラル」
「はい。お話に付き合ってくれてありがとうございました」
アルフォースさんも誰かに何か用事があるのか、セラフィーヌさんに一言二言残して、その場を後にする。残されたのは私とセラフィーヌさんだけだ。
「さて、と。今日も始めましょうか。いつも通りで大丈夫かしら?」
「あ、はい。お願いします」
「うふふ♪ 分かったわ。……そうそう、始める前に雫くんのことなんだけれど」
? 何かあったのかな。いや、何かあったら、こんなのんびり話さないか。
「さっき部屋を覗いてみたら、ツバサとツルギ含めてみーんなぐっすり寝ていたの。もしかしたら、起きてくるの、いつもより遅いかもしれないわ」
「分かりました。昨日、舞を頑張ってましたから。それがなくても、お祭りで大はしゃぎしてましたし、問題ないですよ」
どうせ、うちのティールもまだ夢の中だし。どれだけ遅くなっても、しーくんがお寝坊さん認定はしない。
「ふふ♪ 昨日は三人とも楽しそうだったものね♪ 子供達が起きた後、部屋に朝食も運ぶから、その辺りも気にしなくて大丈夫だからね?」
「わっ! そうなんですか!? 何から何までお世話になってしまって申し訳ないです」
「あら、いいのよ。気にしないで? 毎年してることだもの」
そ、そうなんだ。至れり尽くせりだな、本当に。じゃあ、この後の朝ごはんもティール叩き起こして二人で食べなきゃか。
「そうだ。私からも一ついいですか? セラフィーヌさん」
「あら、何かしら?」
「ルーメンさんが怒ってる理由になった噂って何か知ってますか?」
この質問にセラフィーヌさんは頬を手を当て、何やら考え込む。そして、少し困ったように笑う。
「知ってはいるけれど……ごめんなさい。その話は後ででも大丈夫かしら? 細かなことが決まり次第、お父様がラルちゃんとティールくんに伝えると思うから」
ふむ……? 今は話せないってことか。
噂のことで何かの動きがあって、今伝えても二度手間になってしまうのかもしれない。それなら、大人しく待つか。この場にはティールもいないしね。
「分かりました。では、改めて今日もよろしくお願いします」
「えぇ、よろしくね♪」
私が雷姫を構える一方、遠くの方ではリランが引き回しの刑をアルドアーズさんに執行していた。
いつの間に地面から出してもらっていたんだろう。まあ、なぜか簀巻き状態なのだけれど。
……うん、これも気にしたら駄目なんだろうな。無視だ、無視!



~あとがき~
マジでロクな目に遭ってないな、アルドアーズ。まともな姿を見せられる日は来るのだろうか、このおじいさん。

次回、仲間に連絡したり、人探ししたりする。
なんか適当なまとめ方ができなかったけど、そんな感じです。よろしくお願いします!

プロットが上がってくる前に相方から「やべぇよ、この仕置き話だけで半分いきそうだよ(震え声)」という言葉を聞きました。
その言葉通り(?)豪勢に一話丸々っと仕置き話になりました。このジジコンビが楽しそうで何よりだなと思ってます。私はな。
そして、仕置きされる原因となった海の国での噂の全貌は近いうちに明らかになります。少々お待ちを~♪
まあ、ここまで読んで、ルーメンおじいちゃんの思考を想像できる人ならば、大方の予想できそうな気もしなくはない。

ではでは。