satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第410話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界の物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、リリアーナがどんな風に修行しているのか……それを実践してもらいました。事故が起きました。(通常運転)



《Y side》
僕らは一度、皆で集まって、今後の方針について話し合うことにした。
初めて、リリアの魔法特訓を見た二人は、困ったようにはにかむ。
「私、ユーリさんの話から、リリアーナさんはレオンと同じような失敗をすると思ってたんですが……斜め上の失敗の仕方でしたね」
「レオンは感覚タイプでも、魔力のコントロールが下手で失敗するやつだからな。……リリアーナ先輩の場合、コントロールは悪くなさそうなんすけどね」
同じ感覚タイプでも、色々あるってことなのかもしれない。……僕はレオンさんの失敗するところを見たことはないけど。
「う~ん……まさか、魔法陣自体が違うものになるとは。ってことは、魔法式を組み上げる感覚を掴むところからですね~」
つまり、最初からやり直しってことですね。知ってたけど。
しょんぼり顔のリリアを適当に慰めつつ、まずは基礎知識から始めることになる。
要は、精霊召喚魔法について知るところから始めるって訳だ。
「リリアーナさん。そもそも、精霊召喚の方法……というか、精霊と契約する一般的な方法って何があるか、ご存知ですか?」
「ほえ~……? 魔法でえいって呼ぶだけじゃないの?」
「はい。実は、魔法で呼び出す方法にも二つあるんです」
ツバサさんは人差し指を立て、ちらりとノワールのいる方を見る。
「一つはノワールみたいな精霊を呼び出す方法です。……ユーリさん。元々、ノワールは『精霊界』にいる精霊ですよね?」
「はい。ノワールは古より存在する精霊ですから。……僕はあいつを呼び出すために、専用の魔法式を導き出し、魔法陣を組み上げたんだっけ。……大変だったけど、楽しかったな。懐かしい~」
子供の頃からずっと憧れていた高位の精霊召喚。呼び出すのなら、自分にあった精霊を呼び出してみたい。……そんな単純な理由で、文献を読み漁り、父にも話を聞きながら、自分なりに研究していた。その結果、自身の魔力と相性のよさそうなノワールに白羽の矢を立てたわけだ。
「ほえ……ユーリさん、そういうところ、レイさんに似てますね……?」
否定はしない。実際、あれこれ調べたり、何かを突き詰めていくの、好きだから。
当時、イツキも召喚の場に立ち会っている。その時の光景でも思い出していたのだろう。なぜか呆れた様子で、こちらを睨んでくる。
「あ~、あん時ねぇ……って、呼び出した後、くっそ大変だったけどな!?」
「そうだっけ?」
「そうだわ! 先生、めっさ暴れてましたけど!?」
あはは♪ 言われてみれば、そうだった気がする。
正直なところ、ノワールを呼び出せた喜びと、あいつを呼び出した際、ごっそり魔力を持ってかれた記憶しかないや。
「ユーリ、てんめぇ……! 俺の頑張りを覚えてないのか!?」
「嘘だよ。ちゃんと覚えてるし、感謝してるよ?」
「本当だろうなぁ?」
ほんと、ほんと。いつだって、イツキは僕にとって、ヒーローなんだから。……なんて、口にしないけど。
そんな僕らの話を聞いて、リリアが慌て始める。
リリアはノワールと契約した後に会っているから、僕らがどんな風に召喚を行ったのか知らない。なんなら、僕がどんな風にノワールを呼び出したのかも、今、初めて聞いたはずだ。そりゃ、こんな話を聞かされれば、びっくりもするし、慌てるってものだ。
「そ、そそんな大変なこと、私も今からやるの!?」
「いえいえ! ユーリさんのやり方は特殊ですから。けど、特定の精霊とコンタクトを取りたいのなら、そんなやり方もある……ってだけです。難易度は高いのでオススメしませんけど」
「というか、リリアがこの方法で呼び出せるとも思ってないよ。……要するに、ノワール達みたいな精霊が住む世界とこちらの境界線を繋ぐ。そして、その呼び掛けに応じた精霊と契約を交わす。……それが一つ目の方法ってこと」
「な、なるほど……精霊界に住む精霊さんって、みぃんな、強い子ばかりなの?」
「いえ。なんというか……ピンキリ、ですかね? 精霊界って言葉通り、精霊が住む世界なので……精霊として生まれた子達は最終的にそこに住むといいますか」
「精霊達は主人が死んだからといって、一緒に死ぬことがない。……だから、精霊界は、契約の切れた精霊がいる世界とも言えるかもね?」
例えば、僕が死ぬと、僕と契約している子達との契約が切れる。その後、その子達は、精霊界に行く事になるって訳だ。
それがなくても、こちらから契約を破棄した場合も、同じような現象が起きる。
「だから、ピンキリってこと。ノワールみたいな上級精霊もいれば、ふわみたいに普通の子もいる……みたいな?」
「ふむふむ。……だから、呼び掛けに応じてくれた子が来てくれるってことなんだね?」
そう。呼び掛けに応じる精霊は、呼び出し手の魔力に反応してやってくるから、似通った魔力、惹かれた魔力があれば問題なく契約成立するはずだ。
逆に言えば、それらがなければ、どんなに頑張っても、精霊達は応えてくれない。
「続けて、二つ目の方法なんですけど……自身の魔力に自我を持たせて、精霊とする方法です。私のくーちゃんがそうですね」
「ちなみに、ぼくのふわも、その方法で契約してるし、雑用をお願いするチビ狼達もこれだね」
恐らく、精霊召喚と言えば、こちらのやり方が一般的な方法だ。なにせ、魔法が発動さえすれば、必ず契約を交わせるから。
「ユーリさんのチビ狼達みたいに、単純な命令だけを与えて、自我を与えないこともできます。でも、この方法だと、また呼び出す時は、何かしらの命令を与えないと精霊として呼び出せないので……今回は、しっかり自我を与えて、存在を固定するのがいいと思います」
僕とツバサさんの説明を聞いて、リリアは頭、爆発させてないかな。理解してくれているのか、怪しいところである。
ちなみに、イツキはすでについていけてないようで、隣にいるアラシさんに「どゆこと?」と、問いかけているところだった。
「最後に……こちらは精霊召喚魔法と言えるかは分かりませんが、野良精霊と契約するって手もあります。こちらは野良精霊を見つけて、契約する方法なので、一番、現実味がないんですけどね」
そもそも、野良精霊自体がレアですらかね。その辺にいるものでもないし。
まとめると、精霊と契約する一般的な方法は全部で三つ。
一つ目は、精霊界とコンタクトを取る方法。
二つ目は、自身の魔力から精霊を生み出す方法。
三つ目は、野良精霊と契約する方法。
そして、三つ目の方法に関しては、現状、再現不可なので、今回は、一つ目か二つ目の方法で試すことになる。
「二つからなら、断然、二番目の方法が難易度が低いので……リリアーナさんにはこちらの魔法式を覚えてもらいますっ!」
ツバサさんはリリアにパッと広げた紙を見せる。その紙には魔法式が綴られていた。状況から見て、その魔法式は精霊召喚用の魔法式だろうが、普通の公式とは多少、違うように見えた。
「うぬぬ……魔法式を意識して魔法発動するの、苦手だけど……が、頑張る……!」
「これ、もしかてリリア用に組み直してますか?」
「はいっ♪ さっきの見て、こうした方が成功率が上がるかな~って?」
流石、魔法の申し子……ケアルの人だ。
「ツバサ、すっげー! だって、さっきの見て、作ったんだよな? さっきて、さっきだぞ!?」
先程まで、精霊召喚魔法の説明をアラシさんに求めていたイツキがこちらを振り向き、心底驚いたように話しかけてきた。
頭悪い言い方するなよ、恥ずかしい。
「あはは……ま、ゼロから魔法式を組み上げるのは、ツバサの得意分野なんで。これくらいは楽勝なんだと思いますよ」
「そうなんだな。すげぇなぁ……?」
……こいつと同い年かぁ。やだなぁ。
「おい、ユーリ? 今、俺のこと、貶したろ」
「……はぁ。そういう勘は鋭いんだから」
「ユーリ!?」
アホなイツキは放っておいて。
早速、ツバサさん作の魔法式を使った特訓を始めるとしよう。これがあれば、多少はましになる……と、思いたい。
『ユリ!! 今すぐ全員、伏せさせろ!』
「え、あ……え、と……? えぇい、皆さん! 伏せてくださいっ!」
突然、脳内に響いたノワールの声に戸惑いつつも、その通りに叫ぶ。
その直後、僕らの背後から何かの魔法が発動されたような、攻撃されたようなそんな感覚がする。
全員が地面に伏した瞬間、頭上に火炎放射が噴射された。
「な、なんだぁ?」
「ほ、炎? 誰か魔法使ったの……?」
僕達は炎の出所に心当たりはないが、ツバサさんとアラシさんは心当たりがあるらしい。
「んもうっ! こらー!! リラーーン! 急に炎を吐いちゃ、駄目でしょぉぉぉ!!」
ツバサさんの叫んだ方向を見れば、ノワールに頭を押さえつけられているリランがいた。
「があぁうっ!!」
「きゃうんっ……!」
……どうやら、ノワールも相当怒っているみたいだ。これでもかと、リランを叱りつけている。
普段、はっきりとした言葉を伝えてこないノワールが、あそこまで必死に伝えてきたんだ。ノワールとしても、予想外の展開だったのかもしれない。
「すんません、先輩方……リランがヘマしたっぽいっす」
「俺達は平気だからだいじょーぶだけど……あれってリランが出したのか?」
「まあ、はい。あんなんでも、リランも精霊なんで。ブレスくらいは?」
「精霊ってブレス攻撃するんだねっ!」
リリア? 皆が皆、ブレス攻撃すると思わないでくれ?
……で、なんで、リランがそのブレス攻撃をしてきたんだろう?



~あとがき~
精霊召喚っていろんな方法があるんだなぁ~……

次回、リランが炎を吐いた理由について。
ひっさびさのノワール視点でやるでい!

ノワールがどうやって呼び出されたのか、その際、何があったのか……設定はあるけど、明かす日が来るのかどうか。
なさそうや~……まあ、ちょこちょことユーリやイツキが漏らしてるんで、その通りです。はい。

そして、懐かしい名前が出てきた。
ツバサちゃんの第二の精霊(?)、通称くーちゃん。正式名、クラルナール……だったはず!
白い狐で回復特化の精霊。本編では、剣技大会時に登場し、ユーリの麻痺を治してくれてました。……回復特化の精霊、であってるはず。(曖昧)
またいつか、出てくる日はあるのでしょうか、くーちゃん。
そこんところ、どうなの、相方!?(直接聞け)

ではでは。