satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第421話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でキャッキャッしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラル達と組むことになった後輩達はな、ななんと! ツバサ&アラシペアでした!!
今更ですが、一年の冒険科もいるのなら、レオン君もどっかにいるんだなぁと。彼は……彼で楽しく実習してるんだろうな。彼は今回、スポット当たらないけど!


《A side》
先輩達に若干の不安が残る奴らはいるけど、そんなこと言ってもグループ変更がされる訳じゃない。今回はさっさと腹をくくって、実習に専念しよう。
「ラルさん、今回、採取する薬草って……どこにあるんですか?」
俺もツバサも薬草学に詳しくない。実際に実物を採って、加工するなんて行為しないし、そもそも、ダンジョンや素材採取なんて、したことがないからだ。
その点、ラルとティールは探検隊で慣れっこなんだろうけど。こいつらにとって、今更、薬草学を履修する意味なんてないんだろうな。必修科目だから仕方なく受けてそう。
「……そいや、課題の確認もしてないや。なんだっけ?」
何しに来たんだ、こいつ。
ラルは自分の手元にあるプリントを広げて、内容の確認をし始めた。そんなラルの横からティールも顔を覗かせて、課題の確認をしている。
「ロネフ草、タートロ草、雨露草……それに、マレクの根か。どれもメジャーな薬草だけど……マレクだけ厄介だな」
「確かに。んじゃ、これは最後にしようか。……後はその辺にあるでしょ」
ラルは課題のプリントを道具袋へとしまい、ぐーっと背伸びをし始める。こいつ的に、確認作業は終了ってことなんだろうか。
そんなラルを見て、ティールは呆れたようにため息を漏らした。
「……ラル、適当すぎない?」
「そう? 素材採取の依頼なんて、こんなもんじゃない?」
「今日、依頼じゃないから。ちゃんとツバサとアラシに採取の仕方を教えるまでが授業の一環!」
「え~? いいよ、堅苦しいの禁止~」
「授業だから! これ、授業!!」
ティールが俺達を指し示し、ラルにもっと真面目になれとお説教している。してるけど、ラルの表情を見るに、大して響いてなさそうだ。
いつも通り(?)のやり取りをしているラルとティールを横目に、ツバサもまた、課題の薬草について、思い出しているようだ。
「……えーと、ロネフ草は回復ポーションの材料の一つで……タートロ草は火傷治しの材料……雨露草は気付け薬の材料……マレクの根は麻痺治しの材料、でしたっけ」
一つ一つ指折り数えて、何がどんな用途で使われているのか、しっかり確認をしていく。
俺がツバサの言葉に同意する前に、ティールがため息混じりに同意してきた。
どうやら、ラルの更正は早々に諦めたらしい。
「ツバサ、よく知ってるね」
「えへへ。この前、授業でやったんです。今思えば、今回の実習のための予習だったのかと」
「マレクの根を後回しにすんのは……マンドラゴラと似てるからか?」
マンドラゴラってのは、抜くと魔物を呼び寄せるって言う薬草だ。まあ、あれはあれで、万能な薬草らしいって聞くけど、素人が手を出すと大惨事を招きかねない……とかなんとか。
だから、自然のマンドラゴラを採取する際は、魔物に慣れた探検隊や冒険家に任せるか、予め対策をした上で抜く必要がある……ってこの前の授業で習った気がする。
「大正解だよ、アラシ君。ってなわけで、そんな面倒なマレク探しは最後にしま~す♪ 仮に道中で見つけたら、私達に知らせてね。問題なければ採取してもらうから」
「はーいっ!」
「……お、おう」
いきなり先輩面されると反応に困るんだが。
課題の確認もできたことだし、俺達は早速、薬草採取へと赴くことに。
マレクの根を最後にするのはいいとして、どれから探せばいいのかはさっぱりだ。ラルやティールは、他のはどこにでもあるだろうって言っていたけど。
ラルは近くの葉っぱを見て、何か思い付いたのか、にこっと笑う。
「まずは雨露草からいこう。ちょうど、昨日、雨降ってたし、今日も少し雲が多いから。きっと、一番、見つけやすいと思うよ」
雨露草は雨水が滴りやすい場所且つ、雨が降った次の日に自生しやすくなる薬草……だったか。
だから、今日の天気、タイミングはバッチリってことなんだろう。ティールに適当だって言われていたくせに、ちゃんと考えてるじゃん。
「あ~……道理で。だから、少し肌寒いんですね~?」
この中で唯一、ジャージを着ていないツバサが身震いする。それを見た俺は、自分の腰に巻いていたジャージの上着をツバサに差し出す。
「ほら。貸してやるから、これ着てろ」
「え、でも……私が着たら、アラシは着たい時に着れなくなっちゃうよ?」
「俺は平気だから。気にすんな」
俺は元々、寒さに強い。それにこの後、動くんなら汗もかくだろう。代謝がいいから、長袖なんて着てられない。
「この天候だと、この後、着る予定もないから、邪魔なんだよ。だから、ツバサが代わりに着ててくれると助かる」
「……そっか。えへへ、ありがとう♪」
まあ、ツバサが着るには少し……いや、そこそこでかいかもしれないけど、その辺は仕方ない。この際、着れればなんだっていいはずだ。
「うんっ! あったか~い♪」
ツバサは俺のジャージを着て、ふわりと笑う。やっぱり、ツバサが着るとサイズがあってなくて、だぼだぼだけど……まあ、いいか。問題なく暖は取れてるみたいだし。
「これが愛しの彼女に『ほら、寒いだろ……?』って、さりげなく自分の上着を貸しちゃう彼氏ムーブ!? リアルで存在するんだね~!?」
……忘れてた。今、こいつが近くにいたんだった。なんなんだ、こいつ。発言も顔もうるせぇな。
「いや~! 流石ですね、アラシさん! 自然にイケメン行動しちゃうなんて……できる男は違うね。ツバサちゃんのこと、よく見てますね~? 流石ですね~? これぞ、姫を守る騎士の鏡だにゃあ~?」
「う、うるっせ!! しつこいな、お前!?」
普段と変わらない対応してるだけなのに、なんでこうも言われなきゃなんないんだ!?
「普段から!? 普段から、ツバサちゃんが寒そうにしてたら、上着貸しちゃうんですか!?」
「え、あ、そ、そりゃ、幼馴染みだし……? こ、こんくらい、普通だろ!?」
「もしかして、上着だけじゃ飽き足らず、自分の体を使ってツバサちゃんを包んじゃったり─」
「いい加減にしろ、馬鹿ラル」
バシッとティールがラルの後頭部をひっぱたく。それはそれはとてもいい音が響いた。
ティール、ナイス。
「いっ~~~~たぁぁあ!? ティール、酷い!!」
「あのねぇ、時間は有限だよ。こんなくだらない話を続ける暇はない。ほら、早く行く!」
と、ティールはラルの手を無理矢理、掴んでずるずると引っ張っていってしまう。
「横暴だー! こういうのを楽しまないと、くそつまらん授業なんて、やってらんないよー! フォース君みたく、逃げたい一心なのにー!!」
「遂に本音が出たな!? よぉし! 逃がさねぇ!」
「うわ~~~んっ!! ティールの意地悪!!!」
……騒がしい奴らだな。
「ラルさん、大丈夫かな……?」
「大丈夫。教室でも……大体、あんな感じ……日常」
「それ、クラスの奴らに迷惑じゃね?」
まあ、気を取り直して、薬草採取していこう。これが本来の目的のはずだ。
先を歩く二人を追いかける形で、俺達も山の中へと入っていくのだった。



~あとがき~
本当は一つくらい採取する予定だったけど、アラシ君のイケメンムーブ書いたら、それだけで終わりました。

次回、薬草採取、開始!

ラルとティールの恋模様(?)にフォーカスを置くことが多いですけど、アラシ&ツバサというコンビがいることも忘れちゃ駄目ですよ。ということで、私がやりたかっただけのアラシ君いじりでした。楽しかったので満足。
作中、ラルは上着をさらっと差し出すアラシ君に驚いてましたけど、本当に驚いている訳じゃないので悪しからず。だって普段から傍にいるイケメン二人が今まで、全くしてこなかったなんて、あり得ないからな?
……なんの注意なのか分からないですが、そういうことです。はい!

ではでは。