satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第420話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回から合同実習編がスタートしております。
今回でラル達のパートナーとなる後輩達が明らかになります。誰だろな~? 誰だろな~?(にこにこ)
ラル「嘘くさい笑顔だなぁ」


《L side》
リーダーとなる生徒全員がくじを引き終わったところで、イグさんとリアさんが生徒全員を集め始めた。
この実習の最終確認でもするのだろうか。
「おらおら~? お前ら、集まった集まった!」
「先生達から大切なお話があるから、全員、集まってね~♪」
二人が生徒に呼び掛ける中、二人の傍には精霊の姿がある。
リアさんにはソイル(ミニミニver.)が。そして、イグさんの傍には、黒い毛並みに炎のような模様がある狼がいる。
「ソイルはともかく……ガルムさんまで? なんでだろう」
「……さあ?」
ガルムさん─私はガルガル先輩って呼んでるけど─をイグさんが呼ぶ機会は少ない。なぜなら、ガルガル先輩は、イグさんの父、フェゴさんが主だから。
先輩は、通常の契約を交わしている精霊ではない。『一族契約』という特殊な契約を交わしている精霊なのだ。
『一族契約』とは、文字通り、その血族に忠誠を誓い、家系に仕える契約。つまり、ガルガル先輩の場合、フェルド家の血筋を持ち、且つ、魔法使用者の呼び掛けに応じる精霊って訳だ。
だから、本来の主であるフェゴさんでなくとも、イグさん……なんなら、アラシ君の呼び掛けにもきちっと応じて、力を貸してくれる。
とは言え、何度も言うように、本来の主ではないためか、イグさんはガルガル先輩を頻繁に呼ぶことはない。強いて言うなら、救助依頼の時とか限られた場面で呼び出しているみたいだけど。
そんなガルガル先輩が薬草学に関係するとは思えないが……あのイグさんのことだ。先輩にも役割があるから、呼び出しに違いない。
「はい。皆さん、集まりましたかね?」
「改めて、私達から実習の説明をしますよ~♪」
にこにこ笑顔のドロシー先生とマグリル先生から聞かされたのは、 先程、マグリル先生がしてくれたものと大差ない。
先程のくじ結果を受けて、同じ番号を持つグループと組むこと。
課題のプリントを見て、決められた薬草を採取すること。
採取の際、酷使した別の薬草や毒草を採取しないよう、一年は三年の言うことを聞くこと。三年も一年への注意を怠らないこと。
「──最後に、怪我や何かあれば、皆さんに手渡した道具袋に入っている『ポケベル』を鳴らすこと。これを鳴らせば、イグニース先生の精霊さんが皆さんのもとへ駆けつけて、リア先生の救護所まで連れてってくれますからね~」
ドロシー先生の言葉に同意するように、ガルガル先輩が優しく「がう」と返事をする。
なるほど。山中を素早く移動できるガルガル先輩が移動専門の救護班って訳ね。普段から、救護依頼を手伝うガルガル先輩にうってつけである。
私は試しに道具袋からポケベルなるものを取り出して見てみる。手のひらサイズのリモコンのような物で、ベルのマークが書かれたボタンがあるだけだ。
多分、このボタンを押したら、ガルガル先輩が駆けつけて、リアさんのところに運んでくれるんだろうな。どのくらいの速さなんだろ。試したいような気もするけど、ガルガル先輩に怒られそうだ。……やめとこ。
私は取り出したポケベルを袋にしまい、ついでに頭に浮かんでしまった邪推も外へと追い出しておく。
「それと、今回の実習範囲ですが……予め、獣、魔物避けのされている範囲内で探すこと。万が一、その範囲を出てしまったら、リア先生の精霊……ゴーレム達が教えてくれますからね。きちんと従うように」
「「「うー!」」」
今度はマグリル先生の言葉に反応するようにチビゴーレム達が手をパタパタさせながら、返事をした。
ソイルは分裂可能だから、守備範囲が広範囲だとしてもカバーできる。それに今回は戦闘ではなく、警告がメインだから、なおさらである。
「……賢いお前達なら、先生達の言葉やソイル……ゴーレム達の警告をきちんと聞くだろう。が、万が一、範囲外に出て、獣や魔物に襲われたら、『ポケベル』で知らせるようにしろ。くれぐれも……くれぐれも! 自分達だけで対処しようとするな。特に一年!!」
イグさんの忠告に一部がざわめき始める。恐らく、図星だったのだろう。
特に、冒険科は好奇心旺盛で血気盛んな子達が多い。そりゃ、探検家、探検隊……冒険家を目指す子達が多い学科だ。こういう野外活動でちょっとした好奇心が勝るのは仕方ないと言えよう。
私達の頃は、とっくに探検隊として活動していたので、私やティールは別になんてことなかったのだけれど、そうでないクラスメイトの一部は、こういう場が来ると、燃えに燃えまくっていた。
どの世代も大差ないんだな、こういうのって。
「最後に。薬草を探す時、探知系の精霊の使用許可をします。頑張って探してくださいね~」
ユーリ君の得意分野ぁ……この場にいないのが悔やまれる。まあ、今回、私達は一年のサポートみたいなものなので、そこまで躍起に探す必要はないけど。
「はい。それでは実習開始です。いってらっしゃ~い」
先生の号令で生徒達はわっと散っていく……前にグループのお相手探しが始まった。あちこちで番号を叫びながら、少しずつ移動をしている。
さて、と。私達も探さないとね。確か、くじに書かれた番号は『3-2』だったか。
私はくじをひらひらさせつつ─絶対、見えないと思うけど、なんとなく─、思い切り叫んだ。
「は~~いっ! 『3-2』の番号札を持ってる一年生は、どっこだぁぁいっ!?」
「あーもう。適当だなぁ……?」
「でも……皆、そんなもん……気にしなくていい……」
「でも、こんなんですぐに見つかるかな……? 皆が似たような方法で探してるのに」
「はーーーいっ! 『3-2』! 持ってまーーす!」
ほら見ろ! いつだって、ベタベタな方法が一番なのだよ!
「うっそだろ……? こんなあっさり?」
大きく手を振りながら、こちらへと駆けてきてくれた後輩は二人いた。
一人は半袖に、下がジャージ姿の牙狼族の男の子。
もう一人は半袖ハーフパンツ姿の狐族の女の子。そして、その女の子の足元には白くてふわふわした犬が一匹。
「先輩達いたか、ツバサ」
「うん。いたんだけど……なんか、ラルさん達みたい?」
「あ……? んなわけ……っげぇえ!? マジかよ!?」
そう、完全に見知った顔。ツバサちゃんとアラシ君である。
ツバサちゃんの手にはしっかりと『3-2』と書かれたくじがある。どうやら、間違いなさそうだ。
私も二人に見えるようにくじを見せつつ、にこっと笑って見せた。
「今回はよろしくね、ツバサちゃん」
「わあぁぁっ! よろしくお願いしますっ!」
擦り合わせもなく、たまたま知り合いとグループ組むなんて、とんでもない確率だけど、確かにゼロではない。日頃の行いがいいのか、天使の幸運の賜物か。
見知った顔同士で授業が受けられることが嬉しいのか、ツバサちゃんは尻尾をパタパタさせながら、目を輝かせていた。
「えへへ……♪ まさか、ラルさんやティールさん、あーちゃんと一緒に授業が受けられるなんて、思ってなかったです。よかったね、アラシ♪」
「俺はなんもよかねぇけど……つーか、これって他学年と親睦を深めるための合同実習だろ? こいつらとすでに親睦あるっつーの……意味ないだろ」
「え~? つれないなぁ? 私ともっと仲良くしよ~よ? アラシくぅん?」
「うっせぇぇえ!! 断固拒否!!!」
ひっどいなぁ? まあ、今回は私のせいでも、そちらのせいでもない。完全に運がアラシ君の味方しなかっただけなのだ。
「ごめんね、アラシ。なるべく、ラルには先輩らしく教えるように言っておくから」
「……いや、こっちこそ悪い。変な態度、取っちまったよな。……別にお前らと実習が嫌って訳じゃないんだ。ただ、ラルと組むのは面倒だなって思ってるだけで」
「うん、本当にごめん。で、でも、大丈夫だよ。今回は授業があるし、いつもよりは控えめなはず……! た、多分ね!?」
「その言い方、あんま信用ないぞ、ティール……?」
じとーっと見つめられてしまったティールはゆっくりと視線を逸らして、無理矢理、誤魔化した。まあ、あれは誤魔化しになっていない気がするが。
「あーちゃんもよろしくね! で、何食べてるの?」
「その辺に生ってた……甘酸っぱくて……意外とおいしい……♪」
「……えと、そ、そっか。あーちゃんが嬉しそうなら、よかったよ~……うん」
あんな困り顔なツバサちゃん、レアだなぁ。可愛い。
で、ここまで触れてこなかったのだけれど……リランも一緒なんだ。
「あんっ!」
なぜか自信に満ち溢れているのだが、何があったのだろう。
「今回、探知系の精霊の力が借りれるじゃないですか。それでリランが張り切ってるんです。私達の役に立つーって」
……リランの本職はドラコンであり、武器のような? いや、これは言わないでおくか。



~あとがき~
はい! お約束っー!
そして、また先週の金曜日は更新忘れてたわぁぁ!!!

次回、ツバサ達と共に実習開始!

分かってたと思います。三年と一年が組む。前回の中高の合同で、レオン君がピックアップされていた……じゃあ、今回の合同なら……と、なんとなく分かってたと思います。はい、こんなチームでやっていきますとも!

ではでは。