satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第446話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界の物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ツバサちゃんらの休日回……というか、休日回という皮を被った悪の大魔王事件編でしたね……(汗)
今回からは新章です。体育祭です。いやぁ、学校らしいね~!


《L side》
秋晴れの広がる空の下、中等部、高等部含む全生徒らは、学校指定の体操服に身を包み、学園の敷地内の運動場にて、一同に集まっていた。
いつだって、活気のある生徒が多いレイ学だけれど、今日は一段と違った雰囲気を見せていた。その理由は一つ。
本日、全生徒参加の体育祭の日だからである。
私はいつメンであるティールとフォース君に加え、中等部のステラちゃんとリーフちゃんと一緒に運動場の観客席に座っていた。
「毎年のことだけど、始まる前なのに結構、盛り上がってるよねぇ」
「まあ、人数も多いからね。中等部だけじゃなくて、ぼくら、高等部の生徒も集まるわけだし」
全生徒合わせて、千弱はいるからなぁ。
レイ学の体育祭は、何度も言うように中等部、高等部合同である。そのため、二日間に渡って行われる行事。
私達は予め、決められた組に分かれ、これまた決められた競技で競い合って、紅白戦を行うわけだ。
会場は学園内の運動場。剣技大会でも使用された会場を今回、体育祭のメインステージとして使用される。ちなみに、毎年、交互に会場を使うのだが、今回は普段、中等部が使用する運動場である。
そして、普段は校内の行事を取り仕切る生徒会だけれど、体育祭に関しては、ほぼノータッチである。剣技大会とは違い、体育祭は実行委員会を大人数で取り仕切っているため、生徒会の仕事はない。まあ、前準備の手伝いはしたけど、当日、何かしなきゃいけない……なんてこともない。
まあ、ここの体育祭は完全に身内で楽しむものであり、外部からの来場者もいない。つまり、生徒会の出る幕はないのである。
「うぇ……人多い……帰りたい……」
「えと、フォース、大丈夫? まだ開会式も始まってないよ~?」
「大丈夫じゃない。めっちゃ帰りてぇ」
「んもう。そんなこと言わないの。すーくん、今年で最後なんだよ? 最後くらいちゃんとして!」
「関係ねぇわ。帰りたいもんは帰りたい……」
人混みがアレルギー並みに苦手なフォース君はすでにグロッキーなんですけども……まあ、それは想定内というやつである。隣に座るステラちゃんが渇を入れているが、当人へはあまり響いていないご様子。……それもまあ、想定内。
そんなことより、だ。
「ステラちゃん、そのツインテール、フォース君にしてもらったの~?」
「あ、えへへ……♪ 実はそうなんですよっ!」
リーフちゃんはいつものポニーテールなのだが、ステラちゃんはピンクのリボンでツインテールにしていた。普段、下ろしている髪を結んでいると、違った印象になる。要するにめっちゃ可愛いってことが言いたいんだけども。
「フォース君、やるやん」
「…………? 何が……?」
可愛い女の子をありがとうって話だよ。
……と、私達がくだらない話をしていると、体育祭の開始時刻になったのだろう。会場に設置されているスピーカーから、お馴染みの声が聞こえてくる。
『中等部、高等部の諸君! レイ学体育祭会場へようこそ! 今回の体育祭のメイン司会を務める、高等部冒険科三年、放送部所属のリュウだ! そして、俺の相方は……』
『高等部魔術科一年、キャスです! よろしくお願いします!』
剣技大会でも司会をしていた二人だ。高等部のお昼の放送でも活躍する二人なので、私達にとっては馴染み深い声ではある。
「……? 一年の方、なんか変わったな。声に覇気がある……ような」
「夏休み中、リュウ君がキャス君を特訓したんだってさ。自分が受けたイベントの司会のバイトにキャス君も連れてったらしくて」
「あいつと夏の間一緒だったのか? あの一年、大変だったろうな」
それは私も思う……けど、その経験がキャス君の自信になったらしく、こうしてハキハキした放送をするようになったらしい。ただ、これは司会としてのキャス君であり、根っこの部分は変わっていないご様子。
「この前、放送部に行った時、キャス君にも会って話したけど、おどおどした感じは変わってなかったもん」
「へー……彼なりにスイッチの入れ方を覚えた、のかな?」
多分、そんな感じ。
開会式は順調に進み、リュウ君とキャス君による前説があり、体育祭の基本ルールが説明されていく。
簡単にまとめていこう。
一つ。体育祭の開催日は今日、明日の二日間。
一つ。参加する生徒は、決められた色の鉢巻を身に付けること。
一つ。観客席から運動場へ移動する際はその両方を繋ぐ階段を利用する。ちなみに、基本、競技中は消滅しているので、乱入はない。
一つ。観客席は決められた席はなく、自由に座って構わない。マナーを守って楽しく観戦しましょう。
一つ。参加競技数に指定はないが、一人、一つの競技に必ず参加すること。
一つ。自身の競技以外の時間は基本、自由時間となる。観客席で応援するもよし。会場から少し離れ、休憩するもよし。
一つ。競技中は自身へバフの付与は禁止。
……こんなところだろうか。後は競技毎にルールが設けられているくらいだが、それは始まる前、個々で説明があるだろう。
『──さぁて、簡単な概要を話し終えたところで、中等部と高等部代表による選手宣誓といこうか!』
リュウ君の言葉に代表者と思われる生徒が運動場の中央へ駆け寄ってくる。恐らく、体育祭実行委員の子だろう。それと同時に中等部の校長、高等部の校長も中央へと歩み寄った。
彼らはそれぞれ、校長先生の前に立ち、バッと手を上げる。
『宣誓!』
『僕達、私達は!』
二人の実行委員は会場全体に聞こえる程、大きくよく通る声で選手宣誓をしていく。両校長らはそれを笑顔で聞いているのだが……
「おい。妖精の奴、寝てるよな」
「うん。寝てる」
「あれは完全に寝てますなぁ。多分、誰も気付いていないっすわ」
プリン校長お得意の開眼させた状態での就寝中である。
「あの、私、いつも不思議なんですけど……なんであれで動けてるんでしょう?」
「確かに。……あのままで出てきてるから、多分、皆さん、気付いてませんよね? 実際、ワタシも三人が話してなかったら分からなかったです」
「知るかよ。つか、おれが聞きたいわ」
「あはは……目を開けたまま寝る人はたまーにいるけど……自然と動くのは校長くらいかもね。ぼくもあんなことできる人、校長以外に知らないから」
いや、普通はできないからね?
至近距離で目を合わせているはずの生徒も校長の様子に気付くこともなく、選手宣誓は問題なく終わる。
そして、選手宣誓が終わったってことは、いよいよ、体育祭の開始となるわけで。
『そんじゃあ、開会式も無事、終了したってことで……?』
『二日間に渡って行われる……』
『体育祭のスタートだぜ!』
『体育祭のスタートですっ!』
二人の言葉に体育祭開始の合図である雷管の音が辺りに響いた。それに合わせ、生徒達も楽しそうに声を上げていた。
「私達にとって、最後の体育祭か~……なんかしみじみしちゃうな~♪」
「いや……始まったばっかで何言ってるの、君は?」
「えー!? いいじゃん! そういうのに浸っても!!」
「浸ることを否定はしないけど、早すぎるってば」
ぐぬぅ~……そうかなぁ? まあ、いいや。
さて、遂に始まった体育祭は当然、チーム戦である。私達も所属する色があるわけでして……
ティールだけ仲間外れなの、ウケるわぁ。流石の運ですね」
「仕方ないよ。これ、くじだったんだから」
そう。ティールだけ白組、他は紅組なのだ。いやはや、ラストの体育祭に相応しい組み合わせですわ~♪ 思い出に残るという意味ではさいっこうである。



~あとがき~
学園ものらしいお話のスタートです。

次回、競技スタート!

今回、いろんな競技の模様をお送りする予定です。大体、私のキャラ視点になりますが、中には相方のキャラ視点もありますので、お楽しみに!

ではでは!