satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第223話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で頑張った物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
ティール君一人でドラゴン(ゾンビ)をばっさりやってる間にラルちゃんがなんか勝手にピンチ(?)になってましたとさ。
ラル「なってませんけど」
ティール「ぼくと会話してるからね。ピンチではなさそうだけど、ラルだからなぁ」
ラル「どういうこと!?」
順番的にラル視点の方がよいけれども、ここはティール視点の方が楽……いえ、都合がいいので! ティールで!
ティール「言い直してるけど、あんまり包めてない気が」


《Te side》
ラルで十分かかるところを、ぼくは十五分ないくらいかけて合流した。
一応、戦闘に乱入する心構えでいたけれど、とっくにラルが殲滅した後だった。雷姫さんをバトンのようにくるくると弄び、満足したのか腰の鞘に納める。そして、こちらをにやりと笑いながら振り返ってきた。
「遅かったね、もう終わったよ?」
「……みたいだね」
果たして、ぼくのゾンビドラゴンソロ討伐と、彼女の正体不明の複数モンスター討伐、どちらが危険だったのだろうか……? まあ、考えても仕方ないか。終わったことだし。
「で、護衛対象は?」
「あそこでちっちゃくなってる」
ラルは離れたところを指差し、それを目で追う。
そこには“ドール”がちょこんと座っていて、その後ろに男女二人組が互いの肩を抱き合いつつも、体を震わせているのが見えた。派手に怪我をしているようには見えないので、大事には至らなかったらしい。
「同業?」
「知らなぁい。聞く前に戦闘入っちゃったもん。けど、どちらにせよ安全なところに送った方がいいかな」
ここで、「もう危険はないです。じゃ、さようなら」なんてのは、あの精神状態の二人には酷だろう。それに、ぼくらもすでに仕事は終わっている。少しの寄り道は問題ないはずだ。
「ふふ。にしても、よかったわ」
「? 何が?」
「過去の私達みたいに怪我してなくて」
あぁ、そういう……
ふわっと柔らかな笑みを見せ、ラルは二人組の方へと駆け出した。短い会話を交わした後、ラルはバッジを二人にかざして、転送システムを起動させる。二人は淡い光に包まれ、一瞬で姿を消した。
「っしゃ! 私達も帰るぞー!」
「了解。……てっきり、一緒に街まで行くのかなって思ってたよ?」
「あの人達、スプランドゥールに住んでるわけじゃないみたいだから、やめた。……さて、私らはこのまま奥地まで行くよ~」
「え。行くの? ここで途中離脱するもんだと」
「何言ってんすか! 集められるもんは集めるぞ!?」
……もう充分集めたと想うんですが?
いつになくやる気メーター(仕事ver.)が持続しているラルを先頭に、再びこの広いダンジョン探索を再開させた。

「……んあぁぁ!! ひっさびさに働いた!」
結局、ダンジョンを抜けて、スプランドゥールへと戻ってこれたのは、日が沈みかけている頃。
いつも、これくらいのやる気を出してくれたらいいのにね?
「そんなの疲れるからやだ」
「やだ、じゃないよ。全く」
それにしても、思い返してみると、今夏、初仕事が今日って事実に驚きだ。いつもなら、夏休み突入してすぐにどこかへ出掛けていたからなぁ……今の今まで働いてなかったんだな。
なんて考えていると、顔に出ていたのか、ラルが楽しそうに笑っていた。
「学生の本分は勉学だから。今日が久々のお仕事でも問題ないって!」
「真面目に勉強しない君から、そんなことを言われるなんてね。ぼくもまだまだだよ」
「はあ!? 見せないだけで勉強くらいしてるわ!」
「言ったね? じゃあ、近いうちに魔法の勉強でも一緒にやる? 喜んで付き合うよ」
強気な表情から一転、ふいっとぼくから目線を逸らして、少しずつ後退りしていく。自信満々な雰囲気はどこへやらである。
「……それは、遠慮するかな? あはは~」
「あのねぇ? 学校のテストは一時的にやればすむけど、探検隊を続けるにあたっては、しっかりと基礎を学ぶべきであって……」
「こんなところで嫌いな魔法学なんて聞きたくなぁぁい!!」
ぼくの言葉を遮って、逃げるようにギルドへと一直線に走り出してしまった。ここで逃げたとしても、ぼくと帰る場所は同じなんだけれど……まあ、ラルらしいと言えば、らしいか。
頭はいいくせに、なんで魔法関連は駄目なんだろうか。他はできるのに。他は。
……頭がいいのベクトルが違うのかな。そっちに向いていないとか、そういうことなんだろうか……? いやいや、学生の今の時期にやらずにいつやるんだ。よし、今度のテスト前は前回以上にみっちり鍛えてやろう。
「おかえりなさい、ティールさん!」
「おかえりー! ティール!」
「あんあんっ!」
どうでもいいような決意を固めていると、ツバサと雫とリランの二人と一匹に出迎えられた。ぼくよりも先にラルがここを通ったと思うのだけれど、ツバサ達はぼくを待っていたらしい。
「……って、君達だけ?」
「んと、ほんとはツルギも一緒にいたんですけど、ラルさんが通ったのを見たら、追いかけるように行っちゃいました」
飽きないな、ツルギ……あぁ、でも、今日はこれが初めての襲撃に……いや、修行になるのか。今日は一日外に出ていたわけだし、ラルに突撃する暇なんてなかったもんな。
「んもう。ラルさん、お仕事終わりで疲れてるかもなのに、ツルギったら」
「あ、その辺は気にしなくてもいいよ。今のラルは多分、いつも以上に元気だからね」
ぼくより戦闘しているはずだし、体力もない方だけれど、そこは脳内麻薬が分泌されてる的な奴だ。今回は彼女のやりたいことをやりまくったみたいだし、ハイテンション維持してるんだと思う。とはいえ、部屋戻ったら即寝するだろうが。
「仕事の報告もラルがしてくれるかなぁ……いや、それくらいはしてもらわないと割に合わないよね。色々させられたし、巻き込まれたし。それで許してやろう」
「? ティール、なにされたの?」
「やってることはいつも通りだよ。ただ、少しだけハードだったんだけど」
一応の理由はぼくの感覚を取り戻そう的なのがあったけど、それにしたってやり方ってもんがある。やり方ってもんが。あの場では理解はしたけど、腑に落ちない部分はあるよね。……ぼくのことを考えてくれるのは、嬉しいけど。
「さて。そろそろ夕飯の時間だよね? ぼく、着替えてくるから少し待っててくれる?」
……欲を言えば、シャワーの一つでも浴びたいところだけれど、流石にそこまで待たせるのはね。
「はいっ♪ でも、ラルさんとツルギは」
ラルにはツルギの相手と仕事の報告をしてもらう予定だから、待っていたら時間がかかりそうだな。
「その二人……は、ラルがツルギを連れてくることを信じて、先に行ってよう。ツルギの相手がなくても、ラルは勝手に走って行っちゃったし、報告って言う仕事残ってるし。だから、先に行って、席でも確保してあげよう」
「分かりました! もうすぐあーちゃんとアラシも来ると思いますし、そうしましょう♪」
ア、アリアかぁ……いつもどこに入ってるんだろってくらい食べまくるんだよね。そんな彼女の食べっぷりを何度も見てはいるのだけれど、一向に見慣れる気配がない。
今日もまた、反応に困るくらい食べるんだろうな、アリアは。
アリアに全て食べ尽くされる前に─そんな事態になったことはないんだけれど─ラルとツルギが現れることを祈りつつ、お先に夕飯としようかな。
ティール! きょうのおしごとのはなし、ききたい!」
「あ、私も聞きたいです! ラルさんとティールさんのお仕事の話!」
二人してキラキラと期待の目を向けてきていた。雫はともかく、ツバサにそんなことを言われるなんて思わなかった。
「だって、ラルさんがどんなお仕事するのか気になるんですもん♪」
なるほど? ラル大好きなツバサらしいや。
「いいよ。ま、楽しいかは分かんないけどね」



~あとがき~
雑なのはなんかこう……いい締り方が思い付かなかっただけです。すみません!

次回、ティールとルーメンの夜会話(n回目)です。
話にするのは二回目。彼らの中ではそれ以上です。

あ、ラルが退治したモンスターの話は特に何も考えてないので、ご想像にお任せします。助けた二人組についてもな。今のところは考えてません。遠い未来で出てくるかもしれんけど、そんなことはきっとない(笑)

ではでは。