satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第262話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で思案してる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ようやく、最終目的である石の採取をしました! ようやく!!
今回で終わればいいなって思ってます。
うん。無理な気しかしない。


《Te side》
ラルが楽しそうに女神の涙を選別している横で、一足先に回収を終えたぼくはボーッと休憩していた。
度重なるゴーレムとの戦闘、最終地点でベヒーモスを模したゴーレム二体との戦闘、道中で何度も使用した能力……今回の探検はラルの負担がいつも以上に大きかったと思う。戦闘面は同年代と比べてもトップクラスの彼女だけど、体力面は怪しいところなので、多分、限界越えてると思うんだけどなぁ……
「なんであんなに元気なんだろ」
楽しいことを目の前にして、体に限界なんてないんだろうか。疲れが吹っ飛んだ状態なんだろうか。……それ、危なくない?
『だいじょぶなのら。そのための、てぃーだよ!』
スイの言葉に苦笑しか出てこない。いやまあ、ぼくは平気だから、別に構わないんだけどさ。
深夜テンション的なやつかな。それとも、ランナーズハイ的なやつ?
「お待たせ! 終わったよ」
「あぁ、うん。お疲れ様」
「これで、ルーメン様からのご依頼は達成ですね! おめでとうございまーす!」
と、ラルの隣で飛んでいたユウアが自分のことのように嬉しそうにしていた。
「ユウアも色々とありがとう。ここまで、案内や説明までしてくれて」
「いえいえ! これが私のお仕事ですので、お気になさらず」
「……あ」
ユウアを横目で見ていたラルが何か気づいたみたいだったが、即自己解決したらしい。ぼくは首を傾げるも、彼女は「なんでもない」と返すだけだ。
「帰ろっか。名残惜しい気もするけど、仕事は終わったし」
「うん。それに早く帰らないと雫達が心配するかもね」
なんでもない一言のつもりだったのだが、ラルの表情を見て後悔した。完全に病気を発症させてしまった、と。
「はうぅ……しーくんに心配はかけさせたくないっ! ないけど、不安そうな顔で待ってくれてるのもある意味……可愛いし、健気でありかもしれないっ! 少しだけ影ながら観察したい……!」
はいはい。帰りますよ、リーダー?
ラルが拗らせる前にさっさと帰ろう。じゃないと、雫大好き病が悪化してしまう。
「では、私とはここでお別れですね。お二人ともお気をつけてお帰りくださいね」
「うん。ありがとう、ユウア」
ユウアに見送られる中、ぼくらの帰りを待っているであろう雫の妄想で忙しいラルを引っ張りながら、『奇跡の洞窟』を後にした。
仕事モードから普段モードに移行してしまったラルは本当に大丈夫なんだろうか。
仕事モード……真面目モードとも言うけど、そのときのラルは何があっても、しゃんとしている。どんなにフラフラでも、安全地帯までは自分の足で歩くし、危なっかしくも戦闘もする。本人曰く、緊張の糸を保っているから、最低限の自衛はできるとのことらしい。
けれど、奥地できゃっきゃしてたし、テンションもいつものラルに戻ってしまっている気がする。そんな状態からまた真面目モードになれるのかどうか……
「ラル、ダンジョンの鍵を警備員さんに返さないとだよね? そこまで歩けそう?」
「ん~……正直言っていい?」
「そう言うってことは、大体予想できるけど……どうぞ」
「ギルド戻るまで……ホテルの部屋に戻るまで頑張りますって言いたいところだけど、無理。しんどい」
うん。そう言うと思いましたよ。
ふにゃふにゃっとその場に座り込んでしまうラルに寄り添うようにぼくもしゃがむ。
「奥地ではしゃぐからじゃないの? 戦闘中に言ってた余力はどこ行ったのさ」
「どこ行ったんだろうねぇ~……最後の“時空の叫び”が持ってったかなぁ。色々と」
あぁ、これは完全な作り笑いだ。結構、無理してるな。
「バッジの機能で先に帰ってもいいよ。鍵の返却も、ルーメンさんの報告もぼくがやるからさ」
「ん……鍵はともかく、報告は私がしたいんだよね。それに、しーくん達に心配はかけたくないかな。可能性としては微妙だけど、ツルギ君に会う場合もあるから、この姿は見せたくない」
ツルギの件に関しては、知るかって感じだけど……報告はラルがするって言うなら、何か考えがあるのかもしれない。それなら、別の案を提案するか。
「じゃ、途中までおぶって帰ろうか? あ、抱っこでもいいけど」
「……え」
「流石にこっから街まで徒歩帰宅はあれだから、警備員さんのところまで、のんびり歩いて行くよ。それなら、少しの間だけど休めるでしょ?」
「それはそうだけど……でも、ティールが大変じゃない?」
「今更、そこを気にする? 大丈夫だよ。ぼくは君と違ってまだ元気だから」
ラル程動き回ってもないし、ダメージも受けていない。そもそも、ぼくと彼女とでは体力差もある。
「……んじゃあ、お言葉に甘える」
うん、了解。
ぼくはラルを背負い、のんびりと歩き始める。程無くして、小さな寝息が聞こえ始め、完全に力尽きたんだなと悟った。とは言え、何かあればすぐに起きてくるくらいはするだろう。一応、ダンジョン近くなのだし、何かしらの敵が出てこないとも限らない。
「ほんと、この一日でよく頑張ったよ」
ラルからすれば、当たり前のことをしている感覚なのだろう。それでも、能力を連発させるわ、予定外のボス戦攻略させられるわ、ルーメンさんからの試練させられらるわで、いつもの仕事とは別要素も多かった。それに対処しつつ、通常業務も行っていたのだから、本当に凄いなって思う。
……試練と言えば。
ユウアは、戦闘面は合格を貰えたけれど、他項目は言及していなかった。それについては、ルーメンさんからあるのだろうか?
そもそも、どんな一面を見られているかも曖昧なままだったな。ラルはミルティアの情報をどうするか見られてるかもとか、“時空の叫び”がどこまで通用するのか見られてるのかもとか言っていたけれど。
前者の場合、ラルに全面的に任せてしまえば問題はないだろう。どこまで開示するのか、扱いに関しては彼女の得意分野だ。
後者の場合、ルーメンさんの期待するところまで視れていないと合格とはならないだろう。そもそも、ラルの能力を試して何になるんだろう?
更に何かをさせたい?
“時空の叫び”の詳細を確認したかった?
……或いはもっと別の何かがあるんだろうか。……分からないな。
第一、ルーメンさんの試練に全て合格したら、何があるんだろう?
単にぼくらの実力を知りたいから、試練なんて言葉を用いているだけなんだろうか。それなら、特に何も問題はなさそうだが。
いやいや。ぼくらの実力を知るためだけにこんな大がかりなことをするか? 普通。
絶対、目的があるはずだ。試練をさせる目的が。
ギルドで試練というと、入門試験や、卒業試験。遠征等の特定の仕事をさせるためのテストなんかを思い浮かべる。
でも、ぼくらは『明けの明星』のメンバーではないし、ルーメンさんがそういうことをする意味はないよな……?
うーん……ラルはその辺、見当がついているんだろうか。いや、検討をつけるにしても、情報がなさすぎる、かな? 流石のラルでも、確証を持ってこれだってのは、考えてなさそうだ。
ま、なんにせよ、こういうことはラルに任せるしかない。それに、どんな結果になろうと、ぼくはラルに従うだけだ。
脈絡もなくあれこれ考えていると、目的地である警備員のいるところへ辿り着いた。
軽く挨拶を交わし、鍵を返却。あとは、適当なところでラルを起こして、街へと戻るだけだ。
……なんだか、色々あった一日だ。これほど、濃厚な一日も早々ないだろう。しかし、そんな一日もまだ、終わりそうにないのだけれど。



~あとがき~
ティールは今回のことをどう考えてたのかなーと思ってつらつら書きました。まとめりのない文章で申し訳ねぇ……!

次回、ギルドに戻った二人を待っていたのは……?

ちょいちょいルーメンさんの目的みたいなのを考えさせてます。私が忘れないためってのが一番なんですが、それだけ気にしてるってことでもあるんすよね。
まあ、繰り返し考えなくてもええやんって気もしますがね!←

ではでは。