satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第334話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ちゃんとブライト&セイラが登場し、お話しもしました。セイラがめっちゃ喋った感じだけども。
さて、今回はセイラチームです。何度も言うが、わちゃわちゃな未来しか見えん。


《L side》
ティール、アラシ君と別れた私達はご機嫌なセイラさんにとある部屋へと案内される。
「最初はやっぱりこれですねっ!」
大きな扉をガチャっと開け放ち、目の前に広がったのは数え切れない程の衣装が並べられた部屋……通称、セイラさんの着せ替えルーム。ちなみに、正式名はドレスルームである。
「ひろいおへや! およーふく、たくさん!」
「これは……街の服屋以上に服がありそうな部屋っすねぇ~?」
「ほえ~……これ、全部がセイラさんの私物ですか?」
「う~ん……私のって言っていいものか。実はこれ、私が着るものではありませんもの」
「? じゃあ、誰が着るんすか?」
レオン君の疑問にセイラさんはにっこりと笑い、私の肩をがしっと掴んできた。
もうこれ、本格的に逃げれんが……?
「ラルちゃんみたいな子♪」
「ラルみたいな……?」
「そうです。この部屋にあるのは趣味で作ったものだったり、集めたものを保管してある部屋なんです。そんなお洋服をラルちゃんみたいな可愛い子に着てもらうんですよ~♪ まあ、言ってしまえば趣味の一つですね、私の」
鉱石といい、服といい、何かと収集癖があるよな、この人は。
「さあ、遠慮せずに中へ入ってくださいな♪ そして、私にお洋服を選ばせてくださいっ!」
「はい♪ あ、でも私が着れるお洋服があるならですけれど」
「俺もいいっすよ♪ なんか面白そうだし? あ、男物もあります?」
なんでツバサちゃんとレオン君はこんなにも順応性が高いんだ。断ってもいいんだが。何なら、私のために断ってくれてもいいんだが!?
「大丈夫ですよ。ツバサちゃんが着れる服もありますし、男性の服も揃えていますもの♪ では、皆さんは部屋の中にあるソファにでも座っててくださいな。……そうだ! せっかくです。お茶も用意しますね。アンちゃん!」
パチンっと手を叩き、セイラさんの従者、アンちゃんこと、アンジュさんを呼ぶ。
アンジュさんは既にこの部屋にいたらしく、衣装の影からひょっこりと顔を出した。そして、私達の前に出てくると、ペコッと頭を下げた。
「セイラ様の専属使用人のアンジュと申します。何かありましたら、何なりとお申し付けくださいませ」
クラシックなメイド服に身を包み、淡い赤色の髪を後ろにまとめて、いかにもメイドさんって感じの人だ。
「お仕事中にごめんなさい。お茶の準備してもらえる?」
「畏まりました。紅茶でよろしいでしょうか」
「そうね~……あ、雫君はジュースがいいかな。アンちゃん、お願いできる?」
「はい。少々お待ちくださいませ」
お手本のようなお辞儀をし、アンジュさんは部屋を出ていった。そんな自身の使用人を見送ったセイラさんはくるりと私達の方を振り返る。
「まずはラルちゃんの服からですね!」
「地味なやつしか認めませんので、よろしくお願いします」
こうなったセイラさんは意地でも服を着せようとしてくる。抵抗したって無駄なのだ。それなら、せめてもの反抗として服の指定くらいは許されるべきだ。
「あら? お姫様チックなドレスもありますよ?」
「二度と着ません!! 地味なやつで! お願いします!!」
セイラさんはクスクス笑いながらもしっかりと頷き、服選びをし始めた。
最早、私の反応すらも楽しんでいるのではないかと疑いたくなる。
「なあ、ラル? あんな風に言うってことは前にも似たようなことがあったのか?」
「ご想像の通り、フリフリ地獄を味わいましたが、何か」
「……お疲れさん」
その台詞、まだ早いよ。全てが終わってから言うべきだからね。

セイラさんのウキウキ服選びの途中でアンジュさんがメアリーさんを連れて戻ってきた。
アンジュさん曰く、私達の荷物が運び終わったため、ツバサちゃん達を捜していたそうな。そこにアンジュさんが通りかかり、道案内がてら、お茶の準備も手伝ってくれたらしい。
そんなメアリーさんはお茶の準備が終わってから、セイラさんの洋服コレクションに目を輝かせていた。
「こ、これは……素晴らしいです……!」
思えば、お屋敷ではツバサちゃんの服を作ることに精を出しているメアリーさんだ。そんな彼女からしてみれば、ここは相当魅力的な場所に見えるんだろう。
メアリーさんの感嘆が聞こえていたのか、淡い空色のドレス─恐らく、ツバサちゃん用─片手にセイラさんが説明してくれた。
「ふふっ♪ その辺は昔、セラちゃんがデザインしたものなんですよ~♪」
「奥様が……!」
「セラちゃん、デザインはプロ並みですからね」
そう言えば、服飾関係はセラさんが取り仕切っているとかなんとか言っていたような気がする。若い頃から得意だったのだろう。
……ん? デザインは?
「作る方はちょーっと苦手で。セラちゃんって、物事は器用にこなしますけれど、手先は不器用なんです」
へぇ……そうなんだ。なんでも完璧にこなすような方だと思っていただけに意外な弱点かもしれない。
「あ、あの……セイラさん!」
「? なんでしょう、ツバサちゃん?」
「もし、よろしければ……お母さんの話、聞かせてくれませんか? さっき、途中だったので……その、気になって」
思いきったツバサちゃんの言葉にセイラさんはにっこりと微笑み、ゆっくりと頷いた。
「もちろん、私でよければ。……でも、その前に」
と、セイラさんは数着のドレスを私達の──正確にはツバサちゃんの前に差し出した。
「ツバサちゃんにはこちらを着てもらいたいですっ♪」
「! はいっ! いいですよ~♪」
セイラさんからの承諾を聞き、パッと顔を輝かせたツバサちゃんは素直に服を受け取った。そして、この部屋に備え付けてあるフィッティングルームに入り、お着替えタイムだ。
「あ、ラルちゃんとレオン君もこれ、着てもらってもいいですか?」
その、ついでにみたいなテンションで聞かんでくれませんかねぇ!?
「お、いっすよ~♪」
「ノリが軽いな、レオン君!!」
「お? そうか? まあ、いーじゃん♪ こういう機会でもないとお高い服なんて着ないだろうし、なんか面白いだろ?」
……そう、なのだろうか。え、そういうものか?
うーむ。私もそれくらいの能天気さか必要なのかもしれない。というか、セイラさんと付き合うためには自我を捨ててしまった方がいい気もしてきた。真面目にやり取りするだけ損する気がする。
ということで、レオン君のテキトー加減を見習い、無心で従うことにした。
数分後、私は比較的地味なワンピースを。
ツバサちゃんは異国のお嬢様が着そうな豪華なワンピースドレスを。
そして、レオン君はどっかの王子様ですかと聞きたくなるくらいの王子様服を着せられていた。
「これ、ティールのおさがりっすかね?」
「多分、そうですね~♪ でも、ティールの好みではなかったかで、結局着てくれませんでしたねぇ」
「セイラさん、私のは……?」
「ツバサちゃんのは、趣味全開でセラちゃんと作ったものかな。……ラルちゃんのも確か、そうですね」
つまり、どれもこれも、新品そのものってこと……? 金持ちのすることは分からん。
セイラさんはしーくんを膝に乗せ、しばらくの間、衣装チェンジした私達のことを眺めていた。
しかし、それも満足したのか、私達三人にも再度ソファに座るように促し、「セラちゃんの話でしたね」と先程、中断してしまった話へと移る。
「確か……セラちゃん、ツルギ君みたいによく脱走してたって話だったかしら? 理由は色々あったけれど、とにかく何かあれば逃げてました」
「そ、そうなんですか? お母さんが?」
「えぇ。例えばバトルの先生が手加減しててつまらない~とか、ブライトに変な魔法かけて~とか、そんな理由。……ふふっ♪ 私が旅してた頃はフェゴ君やブライト、ルーメンお爺様が大変そうだったなぁ」
当時の頃を思い出しているのか、楽しそうに笑うセイラさん。今では笑い話なのだろうが、当時としては笑い事ではすんでないんだろうな。多分。
「……あ、ちなみに、私が街にいるときは大抵、私の泊まってる宿にセラちゃんはいましたよ」
「お、お母さん、ブライトさんに魔法かけちゃってたんですか」
「そうですねぇ……あの頃のブライト、ルーメンお爺様の補佐だったり、セラちゃんの付き人だったりしてたから。……もちろん、冒険家だったり、商人だったりもしてましたよ? とまあ、そんな立場だったので、人一倍、被害には遭ってたかと。狼の耳と尻尾生やしたり、髪をさらさらロングにしちゃったり。攻撃魔法の実験台になったりもありましたね」
……一国の王子様になんてことを。
「ブライト自身は大して苦に思ってなかったみたいです。あの人にはお転婆な妹もいますし、元々そういうことには慣れていたのかも。セラちゃんもブライトが無茶なお願いに付き合ってくれるから、よく巻き込んでたんでしょうね」
「お母さん、そういうところ、あったんだ。……全然知らなかった」
セイラさんの話に驚いたのか呆然としていたが、ややあって、ぽつりと呟いた。
まあ、実の娘に自身のやんちゃ時代の話をしようとは思わないだろう。本人が当時をどう思っているかにもよるが、私だったら、恥ずかしいエピソードとして記憶する。
「ふふ♪……これは多分、セラちゃんに限りませんが……自分の子供の前では良い親でいたいのですよ。誰だってね?」
「そうかもしんねぇっすねぇ~♪ いやぁ、でも、セラおばさんもツバサの小さい頃と変わんないってことっすね。ツバサだって、いきなり土砂降りの雨降らしたり、爆発で使用人吹き飛ばしてたし?」
「!? レオン!?」
突然の暴露にツバサちゃんが慌てたようにレオン君の方を見る。
規格外な力を持つツバサちゃんだ。幼い頃のやんちゃ盛りならば、そういうこともするだろう。
「あらあら。ツバサちゃんも随分とお転婆さんね~?」
「うぅ~! そ、そんなことは……っ!」
恥ずかしさで火照った頬を両手で覆い、あわあわし始める。そんな姿も愛らしい……なんて言ったら、かわいそうかな?
セイラさんもこの話をし続けるのはツバサちゃんに酷だと思ったのだろう。「そういえば」と話を切り替えてきた。
「この後、ラルちゃん達はどうするつもりなのです? ここまでの移動もあったし、夕食まで一息つくのですか?」
それはそれでいいのかもしれないが、その夕食まではそこそこ時間がある。それを超快適空間でダラダラするのも一興ではあるのだけれど。どこかもったいないのも事実で。
「……せっかくの海の国だし、どこかへ出掛けてもいいかなと個人的には思ってます」
「わー! ボクもおでかけするー!」
「俺も賛成♪ ここを探索するのもいいかなって思ってたけど、どうせなら、じっくり外も見てみたいぜ」
「私もです! 海の国、初めてなので!」
よし、満場一致だな。じゃあ、どこへ行こうか? 単純に王都の探索でもいいけれど、私はイチオシのお店とか知らないしな。……単なる観光なら、街中歩くだけでもいいけど。
「あらあら……それなら、海はどうでしょう。今の季節にピッタリですし。波打ち際で遊ぶだけでも楽しいでしょうから♪」
「わー! いいですね! 私、海の国の海岸はとっても綺麗だって聞いたことあります! 見てみたいですっ!」
ふむ、海、か。今の季節にピッタリだからこそ、人も多そうだけど……それもまあ、あり、か。
「せっかくです。国の所有する海に行ってみては? ブライトに掛け合いますよ、私。ティールもこの後の予定はなかったはずなので、一緒に行ってあげてくださいな」
え!? は、話がトントン拍子に進んでいく!
セイラさんは私達の同意を得る前にさっさと部屋を出ていってしまう。行動力の塊かよ、あの人……!
流石のレオン君もぽかんとしつつ、困ったように笑いながら私の方を見た。
「お~……? 俺ら、置いてかれたなぁ~? 大丈夫なのか?」
「多分、大丈夫。セイラさんのことだから、了承は得てくると思うよ。……私達は服を着替えて待ってよう。流石にこの服で海には行けないし」
「だな。うっし! アラシは騎士団の用事があるから誘えねぇけど、ティールは引っ張って行こーぜ♪」
……私達と別れた後はブライトさんと話をしてるみたいだけれど、今もまだブライトさんの執務室なんだろうか。



~あとがき~
切りどころはどこですか……?(滝汗)

次回、ティールとブライト。
一方その頃……ってやつだ!!

雑にまとめてる気がしてならない。申し訳ねぇ!
なんだろう。描写よりもキャラクター達が好き勝手話し始めてる気がするんですよね。
いつか手直ししてるかもしれない。

ではでは。