satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第428話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、フェアリーギルドが行っているお祭りの話やそれに関連する(?)悪の大魔王なる存在がちらちらしてました。一体、悪の大魔王とはなんなのだ……!?
今回の休日回、アラシ君にいっぱい頑張ってもらおうと思います。お願いします。
アラシ「最近、人使い荒くねぇか」
夏休み、出番なかったので。
アラシ「あぁ、そう……? 優しいのかよく分からん」


《A side》
今から約一週間前、ツバサから「ラルさん達がお祭りのお手伝いしてるんだって! 行きたい!」という打診があった。祭りが行われる日は俺もレオンも暇だったので、二つ返事で了承した。断る理由がなかったとも言う。
そして、今日。約束したその日である。
空は澄みきった青が広がり、まさにお祭り日和……とでも言っておくべきか。
まあ、そうでなくても、お出掛け日和なのは間違いない。
そんな天候の中、俺達はフェアリーギルドがある地区へとやってきていた。生憎、普段の様子は知らないが、今日は多くの人で賑わっていた。
「へぇ、思ったより凄いな」
「だな~! 俺ら、この辺には来ないし、こういうのあるって知らなかったぜ」
「私も! えへへ♪ 教えてくれたティールさんに感謝しなくっちゃ♪」
一週間前もそんなことを言っていたが、こういうのを教えてくれるのは、ラルの仕事だと思っていた。満面の笑みで「ツバサちゃん! 全力で楽しませるから、絶対来てね!」なんて言いながら、迫っててもおかしくない。
「ラルさんも聞いたら教えてくれたよ。けど、絶対来てねとは、言われてない。来れたらおいで、くらいかな」
ふーん?
どうやら、ツバサの得た知識のほとんどは、ティールから教えてもらったものが多いらしい。
そんなツバサが言うには、この祭りはいつからかは分からないが、毎年、行われているとのこと。少なくとも、ここ数年は継続して行われているようだ。
「ラルさんのチーム……スカイはフリマに参加してるってティールさんが言ってたけど、どこなんだろ?」
足を運んだ客に配っているらしい、周辺マップを見れば、大まかにエリアは三つ。
一つ目がフリーマーケットが行われているエリア。
二つ目が飲食店や簡単な屋台の並ぶエリア。
三つ目がメインステージエリア。
そのフリーマーケットのエリアを見てみても、どんな人がどんな店をやっているかまでは、書かれていない。大雑把に一般参加枠と専門店参加枠という二つがあるのだけは分かる。
親切なのか雑なのか、謎のマップだな。
まあ、フリマのエリアにいるのは確かなので、そちらに向かえばいいのは分かる。分かるけど……
「この範囲からラルのチームを見つけるのは、骨が折れそうだな~? ツバサ、どの辺にいるとか聞いてない?」
「ん~……聞いてない。ギリギリまで場所が分からないって言ってたから」
「じゃあ、俺らの目で探すしかないな~? まあ? この際、それはそれとして、だ」
レオンの言いたいことは分かる。
俺達はラル達、探検隊スカイにどんな人達がいるのかを知らない。ラル、ティール、フォース、雫以外のメンバーを知らないのだ。そして、ラル、ティール、フォースは運営スタッフとして仕事をしているらしいから、フリマにいるとも思えない。
「雫が店番してることを祈るしかねぇけど……どうなんだろうな?」
「分かんない。それに、ティールさんもわざわざ、そっちに顔を出す必要もないって」
そりゃそうだ。知り合いが店番してるとは限らない。だったら、無理に探す必要はないって言うに決まっている。
「……でも、私はせっかくだから、見に行ってみたい。いいかな?」
「ツバサが行きたいなら、俺はいいぜ~♪ アラシは?」
「俺も別にいいよ。特別、行きたいとこもないし、ツバサの好きにしろよ」
俺達の同意を得られたのが嬉しかったのか、ツバサはパッと顔を輝かせ、満面の笑みを見せる。
「ありがとう! フリマはこっちだね!」
こうして、最初の目的地は、フリーマーケットが行われるエリアとなった。

しばらく歩いて、目的地に辿り着いた。そこは、思いの外、開けた場所で人々が決められた範囲で思い思いの品を陳列させ、大いに賑わっていた。
古着を売る人、自作の品々を売る人、おもちゃを売る人等々……多彩な品々が一人一人の手によって売られていて、その品々をたくさんの人が眺めていた。
辺りを見渡せない程、人で溢れ返っている訳ではないけど、見たところ、知り合いらしき人影は見当たらなかった。
「ん~……この辺だと、知り合いっぽい顔はなさそうだな」
「ま、もうちょい奥の方かもな! ぐるっと回れば、いつか見つけられるだろ~♪」
「そうだね! 行ってみよ~♪」
なんとまあ、能天気な……いや、その通りだとは思うけど。
俺達は何を買うでもないが、辺りの店を回りながら、ラル達の仲間がやってる店を探し始める。
フェアリーギルドが主催だからか、どの店も探検用の道具類が目立つように思う。もちろん、全く関係ないところも多いので、なんとなく目立ってる気がするだけだ。
レオンはとある店に並ぶポーション類をじーっと見つめたかと思えば、へにゃっと眉を下げながら笑う。
「やっぱ、俺の目には、値段の相場ってやつがピンとこないなぁ? アラシ、分かる? お前、騎士だし、俺よりは詳しいだろ?」
「少なくとも、お前よりはな。……でも、ポーション類は見た目だけじゃ、判断できねぇかなぁ」
ポーションは効果はもちろん、味でも値段が変わる代物だ。高性能で味もよければ、それなりに値段は張る。逆に高性能でも、味が糞不味かったら、価値は下がるのだ。
とはいえ、見た目じゃ良し悪しが分からないのがポーションの悪いところでもあり、ある意味、いいところでもあるんだが……今はいいか。
「道具類に関しては、ツバサの方が目利きできると思うぞ。……? ツバサ?」
俺達がポーションに気を取られてる間、ツバサは別の方をじっと見つめていた。そして、俺達の方を振り返り、見ていた方向をそっと指差した。
「ねぇ……あの人、どこかで見たことない?」
ツバサに促されるがまま、そちらを見れば、その方向には一人の男がいる。
男にしては少し長めの乳白色の髪。
服装もどこにでもいるような感じで、これといった特徴はない。
後ろ姿なので、顔は見えないけど、様子からして、適当に店を見て回っているように思う。
以上が俺達から得られる情報だ。
「ん~? え、俺達の知り合いにあんな人、いたっけ?」
「それを二人に聞きたいんだよ~? どっかで見たことなかった?」
ツバサは見たことあるような気がしてるってことか。じゃあ、俺達も見たことあるかもしれないな。
「……あ。フォースの兄ちゃん……か?」
ふと、剣技大会でフォースと一緒にいた青年を思い出す。確か、あの人も似たような容姿だったような?
俺の言葉にツバサは分かりやすく反応を見せ、ぴこっと耳を動かした。
「そうだ!! 名前は……えと、うんと……そうっ! ウィルさんっ!!」
聞こえていたのか、偶然か。
男がこちらを振り返ったのだ。
「ん……あー! ケアルちゃん達だ~♪ ひっさしぶり~! 剣技大会振りだねぇ♪」
あちらは俺達のことを覚えていたらしい。ウィルさんは俺達に向かって手を振りながら、こちらへ近寄ってくる。
「こんちは~♪ 俺のこと覚えててくれて嬉しい限りですねー! まあ、自分で名乗った記憶はないけど、ラルちゃんとかから聞いたの?」
その通り……
あの時、フォースのお兄ちゃんです、くらいの紹介だったし、フォースも適当に受け流していた記憶がある。
「はい。ラルさんとティールさんが教えてくれました」
「ウィルさんも俺らのこと、覚えてたんすね~♪」
「もちもち! 俺、人の顔と名前、覚えるの割と得意な方なの。かーくんはその辺の覚えが悪いけどね~……? いや、あれは覚える努力をしないだけか」
フォースらしいっちゃ、らしいことで。
「……それで、君達はどうしてここに? 遊びに来たの~?」
「はい♪ ツバサがティールに教えてもらったらしくて~?」
「……そうだ。ウィルさんなら、知ってますか? ラル達のチームの店がどこなのか」
俺の質問にウィルさんはこくりと頷く。そして、にこっと笑いかけてきた。
「なんなら、一緒に行く? 俺もそこに向かってたところだし。ちょうど、お迎えの時間なんだよね~♪」
「ほえ! いいんですか? え、でも、迎えって?」
「うん。ま、行けば分かるさ♪ ついといで~」
多少の疑問は残るものの、行けば分かるらしいし、案内もしてくれるなら、催促するのも変な話だ。
俺達はウィルさんの案内の下、ラル達の店へと向かうことになった。



~あとがき~
本編では久々の登場ですね、ウィル。

次回、スカイのお店、到着!

やりたかったこと、その一。
ツバサちゃんたち主体の休日回!
そして、ウィルとの絡み!
……とまあ、こんな風に私のやりたいことをつめつめしていくのが、今回の休日回なので、よろしくお願いいたします←?

ではでは。