satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第435話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、劇を終えたラル&フォースと交流してきました!
実はツバサちゃんらはフォースのこと、なんも知らんのですよね。ぶっちゃけ、フォースってメインキャラの癖に、ツバサちゃんらと大した交流してないのが悪い。
フォース「おれのせい……?」
ラル「フォース君の性格の問題ではあるかもね。まあ、知っておく必要もない気はする」
それはそう。


《A side》
ラル達と別れて、ウィルさんの案内の下、辿り着いたのは様々な屋台がそろうエリア……の中にあるちょっとしたゲームエリアみたいなところ。
集まっている客層を見るに、子供向けらしく、雫くらいの小さな子達が楽しそうに遊んでいた。
「ここはね、低価格なお値段でたくさん遊べる、子供に優しいゲームコーナーだよ~」
なるほど……? まあ、確かにたくさん遊べる方が子供は楽しいだろうな。
そんな場所で俺達が探していた人物であるティールはすぐに見つかった。
とある一角で数人の子供達(全員、女の子)に囲まれ、ゲームの遊び方を教えているみたいだ。つまるところ、ゲームの案内役なのだろう。ちなみに、ティール達がいるのは、ボールを投げて遊ぶ、的当てゲームらしい。ツバサが苦手とする系統のやつだ。
ツインテールの女の子が投げたボールは見事、命中。的が倒れると、嬉しそうにティールを見上げる。
ティールおにいちゃん! みてた? みてた!?」
「見てたよ。凄いね、カリンちゃん」
「えへへ~♪ ティールおにいちゃんのおかげなのっ!」
カリンと呼ばれた女の子は、嬉しそうにぴょんぴょん跳び跳ねる。そんな女の子の横では、少し不機嫌そうに頬を膨らませたセミロングの女の子がティールの裾を引っ張った。
「おにいちゃん! こんどはミーアのばんだよー!」
「うん。ちゃんと見てるから安心して。……ここからなら、この辺から狙うといいと思うな」
と、ミーアという少女と目線を合わせ、的当ての指南を始めた。
それが羨ましかったのか、三つ編みの女の子がせがむようにティールの服を引っ張る。
「おにいちゃん! サビアもー!」
「はぁい♪ でも、サビアちゃんの順番は次だから、もう少し待てるかな?」
「むー……じゃあ、まつ」
「うん。ちゃんと順番守れて、サビアちゃんは偉いね」
頭を撫でられながら褒められたのが嬉しかったのだろう。別の意味で満足げな笑みを浮かべるサビアちゃん……
ここまで、冷静に目の前の現状を実況してみたわけだが……
「なんっだ、これ……?」
「あのね、みんな、ボクのおともだち!」
「おー? そうなのか? ってことは、あの子らは雫が通ってる保育園の?」
「そだよー!」
雫はレオンの質問に笑顔で答える。
保育園の友達なら、ティールとも顔を合わせてるってことだろうし、あの懐かれようも頷け……? ん、頷けるのか……?
ティールさん、人気者ですね~」
「あはは♪ なんかね、ティールくんって、しずちゃんの保育園では王子様みたいにされてるんだってさ。なんなら……ほら、あそこ」
と、ウィルさんが示した方をちらりと見てみれば、数人の女性達がティール達に視線を向けていた。そして、その視線はどこか熱っぽくもある。
「あそこいる人達、あの子らのお母様方なんだけどね。ティールくん、大人からも人気あるみたい」
「あ~……なんつーか、流石、本物ってことなんすかね……」
ティールは正真正銘、王子様だ。あいつが意図的に注目を集めるように仕向けているとは思わないけど、よくも悪くも人の目を惹き付けてしまうのかもしれない。
「そいやぁ、ティールのやつ、この前のパーティーでも令嬢を侍らしてたなぁ……? そういう才能でもあんじゃね? ほら、あのアルドじーちゃんの孫だし!?」
「いやまあ、そうなんだけど……今回とそれ、関係あるのか……?」
「ほえ……確か……『アズは自分から女の人のとこに行く、どーしようもないやつでな~』ってじいじ言ってたけど……ティールさんもそう、なのかな?」
えぇ……? あのティールに限って、そういうのはなさそうだが。
ま、二人の似てる似てない問題はさておき、だ。
ティールと楽しそうにしている子供達の邪魔をするわけにもいかないので、俺達も遠くから見守ることにした。
そのついでって訳じゃないが、ウィルさんは母親達の方へと近付いていく。その様子から、どうやら、顔見知りのようだ。
「こんちは~♪ お久し振りですね。カリンちゃんママ、ミーアちゃんママ、サビアちゃんママ」
「あら、ウィルさん! こんにちは~♪ 雫くんも、こんにちは。今日はウィルさんと一緒なの?」
「うん! ラルとティール、いそがしだから、ウィルお兄ちゃんといっしょなの」
「そうよねぇ……ティールくんはあんな風に子供達の相手をしてくれてるし……ラルちゃんもちょっと前だけど、この辺の警備してる姿を見かけたもの。ふふ……雫くんのパパとママ、お仕事、頑張っててかっこいいわね~?」
「! そうなの! がんばるふたり、かっこいいの!」
満面の笑みで答える雫に三人の母親達も嬉しそうに微笑む。
普段からこの三人とは良好な関係を築いているんだろう。雫に対して、変な気遣いとか遠慮みたいなものは感じないからだ。
「そだ、その代わり~……じゃないんですけど、しずちゃんの友達、連れてきました!」
は!? いきなり、どういう紹介の仕方!? いや、間違って……は、ない、のか?
レオンとツバサは、自然な動作でペコッと頭を下げていた。どうやら、戸惑ってるのは俺だけだったらしい。
え、何、俺の反応が変なの……?
「あらあら……ウィルさんったら、たくさん子供を連れちゃって!」
「いやいや、そこの三人は高校生ですから。子供って程じゃないですよ~? そういえば、お三方、ずっとここにいたってことは、さっきの劇は観てなかったんですね~?」
ウィルさんの言葉に母親達は揃って首を傾げる。俺としても、ウィルさんの会話の意図が分からなくて、首を傾げたくなるところでもある。
「メインステージでやってたんですけど、ラルちゃんと……フォースも出てたんで、てっきり押さえてるもんだと」
「「「えぇぇっ!?!?」」」
「あのね、ラルとフォースお兄ちゃん、こいびとどーしのやく、やってたんだ~!」
「「「なんてこと!?!?」」」
……この反応、もしかしてどっちかのこと、好きだったりする? その、ファン的なやつで。
さっきもティールに熱視線を向けていたし、フォースのファン……とかかもしれない。
「皆さん、ラルさんやフォースさんともお知り合いなんですか?」
「えぇ! ラルちゃんってね、家事が凄く上手で、こっちが教わることも多いくらいなの。学生さんなのに偉いわよねぇ♪」
「フォースくんもそうよね。あまり口数は多くないのだけれど、ふとした疑問に答えてくれるのよね。……まあ、明確な回答はなくて、ちょっとしたヒントをくれる、みたいな感じだけど、それがまた優しいのよ~」
ティールくんは子供達にもそうだけど、私達にもにこやかに挨拶してくれて……一人一人、顔と名前、覚えてくれてるの。子供達のこともそうだけど、私達のことも覚えてくれてるのよね。雫くんのところのお兄さんとお姉さん、とってもいい人達ばかりよ~♪」
へぇ……三人とも、学園での姿とそう変わらないんだな。
「……あれ、ウィルさんに雫? それにツバサ達まで」
教えていた子供達を引き連れ、ティールがこちらへとやってきた。どうやら、一通りゲームが終わったようで、子供達を親の元へ送り届けに来たらしい。
そんなところに俺らがいたもんだから、多少なりとも驚いている様子だ。
「こんにちは! やっぱり、ラルさんやティールさん、フォースさんってすごいんですね!」
「え、あ……ん? ありがとう……?」
そりゃ、出会い頭に褒められても意味が分からんよなぁ……
子供達は全員、満足そうな笑顔で母親の所へ行き、ティールに向かって手を振りながらその場を後にして行く。
「……で、皆がどうしてここに?」
おっと、そうだった。
俺達はティールにここまで来た経緯を簡単に説明する。それを聞いたティールは納得したように頷くと、笑顔でウィルさんに向かって頭を下げた。
「ウィルさん、ここまでありがとうございました」
「いえいえ~♪ 俺も楽しかったから気にしないで? それに元々、しずちゃんの付き添いもあったしね♪」
「それならよかったですけど……あ、ツバサ達も来てくれてありがとう」
「いえ! お礼なんて……私達は来たくて来たので♪」
正確に言えば、俺達は来たかったツバサの付き添いなんだが……まあ、その辺は置いとくとして。
「フリマしてたお前んとこの人達とか、恋人役やってたラルとフォースとか観れたし、案外楽しかったぜ?」
「え!? あの二人、恋人役やってたの!? え……あ~……その、大丈夫だった?」
「おう♪ 劇中はラブラブカップルしてたぞ? 設定と世界観は激重だったし、二人とも死んだけどな~」
「あぁ……リムのやつ、強行突破しちゃったんだ。いや、うん、彼女らしいけど……それはそれとして、ラルとフォースがちゃんとやってたみたいでよかったよ」
ティールの口振りからして、あの台本みたいな設定、あれだけじゃないのか。作ったリムさん、前科持ちだったらしい。
「劇終わった後の二人はいつも通りだったけどねぇ~♪ お互い、恋人なんてやってられるか~って喧嘩してたもん」
「うわぁ……すみません、うちのリーダーがご迷惑を!」
「あはは♪ 俺はぜ~んぜん? というか、かーくんもだったし、お互い様っしょ?」
「すみません! いや、本当にすみません……!」
なんつーか、ティールって生徒会室でも世話役って感じがするけど、外でもこんなんなんだな……? まあ、予想できたけども。
「……ね、ティール?」
雫がティールの傍に寄り、控え目に裾を引っ張っていた。そんな雫に気付いたティールは雫と同じ目線になるようにその場にしゃがむ。
「うん? どうしたの?」
ティール、まだおしごと?」
「え、ん~……ここでの仕事はもう交代かなぁ……? 次の仕事に行く前に休憩するつもりだけど」
「! じゃあ、ちょっとだけ、いっしょにいれる?」
雫の期待がこもった視線にティールはにこっと笑う。
「うん、もちろん。どこかで何か食べる?」
「たべる! ボクね、ティールがぷろろーぐした、りんごあめ、たべたい!」
「ん、プロローグ……? あ、プロデュースね。なら、そこ行くか」
俺、詳しく聞いてないけど、女神祭でもなんかやってなかったっけ?
「うん。ティールさん、ギルドの人達とりんごのフローズンヨーグルト作ってた」
おう……何て言うか、すごい……な。うん。
ティールくんとしずちゃんは屋台か……俺もそっちについてこっかな~?」
「うん! ウィルお兄ちゃんもいっしょにたべよ~!」
「わーい♪ ってことで、つっちー達はどうする?」
ん? 俺達……?
俺とレオンはあくまでツバサの付き添いだ。ツバサがどうしたいかで、これからの行動も変わってくるけど。
「うーん……ティールさんがプロデュースしたりんご飴、ちょっと気になるので私達もついてってもいいですか……? いいかな、アラシ、レオン?」
「俺はいいよ。ここまで来たら、とことん付き合う」
「俺もいいぜ! つーか、俺も気になるし! ティールのりんご飴!」
「おー! なら、皆で行こっか! ティールくん、どの辺だっけ?」
ウィルさんの問いかけにティールが口を開きかけた時、遠くの方から、ティールの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
そちらに視線を向ければ、黄色の髪をポニーテールにした女性が大きく手を振りながら、こちらに走ってくるのが見えた。
「ここにいましたのね、ティール! 大変ですわっ! ラルが『悪の大魔王』に拐われてしまいましたの!!」



~あとがき~
たま~にやってくる王子様ムーヴするティール君でした。

次回、悪の大魔王とは。

雫とその周りの人たちの関係性、リアルだと色々と奇異な目で見られるかもしれませんが、ここは(基本)優しい世界なので、そんなことないです。
よかったね、雫。

それとは別にママさんから熱烈な視線を受けてたティールですが、ママさんのファンクラブ的なのがあるかまでは、特に考えてません。考えてないけど、あるとしたら、フォースの方が人気ありそうだなと勝手に思ってます。
マダムキラーなんで、あいつ。

ではでは。